鏡開きで泣きました。

 まとぶさん、蘭ちゃん、そしてサプライズで登場の花組メンバー。「元花組もひとりまざってます」……れみちゃん。

 わたしの好きな花組が、そこにある。

 まとぶんや壮くんがきらきら笑っていて、めおちゃんがしゅん様が神妙な顔していて、下級生までひとりずつ名前の点呼が出来て。
 わたしのホームだった組が、みんなが、そこにある。

 ああ、そこは帰れない場所なんだ、と思った。

 どんなに愛しくても時は戻らない、止まらない。まっつはそこにいないし、まとぶん他は退団してしまう。

 そーやってひとりでべそかいて。

 2年前と同じように、ロビーの出演者写真を見上げた。『太王四神記』初日も、鏡開きのときにキャトルレーヴ入口上に飾られた写真を見て、韓国時代劇コスプレな人々の中まっつが時代を超越した涼しい姿で映っていて震撼したっけ。

 『ロミオとジュリエット』スチールのまっつは、黒髪でした。
 あれ? 宝塚支局の写真と違うぞ、と思い、あわててプログラムを買いに行く。

 そしてプログラムをめくって。

 腰を抜かす。

 まさかの1ページひとり写り!!

 キムくんの美しいロミオ写真を何枚も見て、きれーねー写真集状態ねー、と前からめくっていって、トップ娘役がいないからヒロインはふたりで1ページなんだ、あーちぎくんかっこいーワイルドだわー。
 と、なんの気負いもなくページめくって。

 そこに、まつださんがいるとは、夢にも思わず。

 全身写真っ?! こここここれって3番手位置ですよ?!!

 うろたえきってここでまっつメイトにあわててメールして、そのあとでいや待てこれはオープニング写真だから、出演者スチールは別、そっちはどうなってんの、とあたふためページをめくり。

 スチール写真も、1ページでした。ちぎくんと見開き。さらにあわくって、主な出演者インタビューページをめくる。こちらも1ページ。

 おろおろおろおろ。ナニをすればいいんだろう、とまごついたあと、まっつメイトにプログラムを写メする。
 ……うろたえると、行動がおかしくなりますね。なんかわたし、あちこち徘徊していたようです。

 てゆーか。

 スチール写真のまっつベン様、黒髪に青メッシュでめちゃかっこいいんですけど?!

 最初はこのイメージだったわけでしょ? なのになんで宝塚支局のゲネプロ写真は謎の金黒ツートンカラーなの?!
 舞台はどっち??
 願わくば、プログラムの青メッシュで……!!

 と思っていたが、実際幕が開くと。

 金黒ツートン様がいらっしゃいました。

 『タカラヅカスペシャル2010』で後ろ髪が長かったのはこのためか、というロングヘア。黒髪を後ろで束ねてます。そして、アタマの上だけいかにも「ヅラ付けました」という金髪がわさっと盛られてます。アタマ長いです、髪が盛り上がってる分。……はっ。まっつったら髪の毛で身長を稼ごうとしている……っ?!(失礼な)

 いやまあその、ナマで見るとそう変でもないというか、コレはコレでアリかなと思います……。所詮はファンなのでナニ見ても許せてしまうので、客観的な判断は出来ません。

 ロミオ@キムくん、マーキューシオ@ちぎくん、ベンヴォーリオ@まっつがもお、かわいいです。愛しいです。
 3人でわーーっと銀橋渡られたりするとどきどきします。

 そしてまつださん、踊ってます、歌ってます。
 歌ばっか言われてるけど彼、踊れる人でもあるんだってば。
 そしてその、歌声。
 コーラスの中でもどーんと聞こえる、その声。
 彼が芯になって歌う群衆場面が何ヶ所かあるんだが、それらがもお、快感で。
 キムくんも歌える人だから、キムくんが「主役」として朗々と歌い、それにコーラスが絡み、コーラスの中でもさらにまっつの声がキムくんに絡み、支えるというか。
 うわナニこれ気持ちいい。

 キムくんとまっつの声が絡む。つかず離れず、触れて絡んで自在に模様が織られる。

 ああ、この人がトップさんだ。
 まっつの組のトップさんなんだ。
 まっつはこの人を支え、この人と舞台を作っていくんだ。

 舞台の上のまっつが、すごく「イイ」顔をしていて。
 彼が今、やりがいを持ってそこにいることがわかる。

 ここが、まっつの居場所なんだ。

 鏡割りで泣いた。帰れない場所を思って泣いた。
 わたしはまだキモチを花組に残したまま、うまく切り替えが出来ずにいるけれど。
 ご贔屓自身はもう、前に進んでいる。

 花組が大切なことは変わらないけれど、これからは雪組もまた大切なホームになる。
 ご贔屓がこんなにイイ顔をしている、そうあれる場所であり、仲間たちなんだ。

 2幕のベンヴォーリオのソロ「どうやって伝えよう」はカーテン前にひとり。って、今までそんなの見たことナイ、まるまる1曲ソロ、しかも舞台にひとりきり。
 そしてまた、この歌が。

 この歌を、聴けて良かった。
 ラストの絶唱とか鳥肌モノっす。

 ベンヴォーリオはチャラい今どきの男の子で。
 コミカルな顔もするし、凶暴な顔もする。ハードな場面も楽しい場面も出るし、2幕はシリアス一直線だ。ひとつの舞台の中でいろんな顔を見せる。ロミオと同じように……いや、あるいはそれ以上に、彼は急激に成長していく。
 オープニングの舌出し挑発顔のエロさ(笑)にがつんとやられ、二枚目半のボクちゃん喋りにあわあわし、ロミオを責めながらも親友の言葉にきちんと耳を傾け胸に届いている姿から、マーキューシオが今まさに死ぬってときの少女のような可憐さ(笑)にオペラグラスを落としそーになり、苦悩のファルセットに耳を疑い。

 そしてフィナーレでは、黒髪まっつ健在。

 金髪部分ヅラ(だからウィッグって言いなさいよ)をはずし、ザ・男役!なリーゼント。
 ……結局、彼は黒髪歴を更新しています(笑)。

 ナニが驚いたかって、フィナーレの出番は2ヶ所なんだが、そこでいちいち髪型を変えてきていること! あのまっつがだよ?
 最初は黒髪リーゼントなんだけど後ろ髪は付け毛のロングヘアでベン様踏襲。次は後ろ髪はずして地毛オンリー。……ただし地毛にも幾筋かはメッシュ入ってるんでただの黒一色でもないんだけど。

 ここまででも十分驚いてたんだけど。

 最後のパレード。
 ひろみ、ヲヅキと降りてきて、次はまっつだよね?と準備しているにもかかわらず、階段の上でスタンバっている姿が、まっつに見えなかった。

 な、なんか、王子様みたいな姿してまつよ??

 白尽くめ衣装、大きな袖、白マントに肩章付きでもお、およそまっつらしくない姿!(失礼な)
 なんでまっつが金髪部分ヅラなのかわかった。

 パレードの衣装は、金髪が似合うからだっ。

 だって白い王子様なんだもん。真正面から見ると黒髪が見えなくて、金髪だけなんだもん。
 白い王子様なまっつって……おろおろおろ。

 
 いやはや、消耗しました。
 泣いたり舞い上がったりもお。

 暫定の3番目だろーとなんだろうと、こんなまっつを見られるなんて夢にも思わなかった。ありがとうありがとう。いろんな人、いろんなものに、とにかくありがとう。

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