愛と死に彩られた物語。@ロミオとジュリエット
2011年1月16日 タカラヅカ ところで、この作品の「死」って、女性だよね?
新人公演も迫っていることだし、取り急ぎ『ロミオとジュリエット』キャスト感想の続き。
象徴的な存在として、ダンスと身体表現でテーマを表す愛@せしると死@咲ちゃん。
初演の星組では愛と死は男と女、あらゆる意味で対照的な存在だったけれど、雪組版ではチガウ。
愛も死も、両方とも女性だよね?
死は男に見えない。
ふつーに女の人だよね。
それも、カラダの大きな、男装している女性。男役。
対する愛は、これみよがしに「女」であることを強調した女性。
「男役」と「娘役」がいる、宝塚歌劇団を暗喩しているよーな。
抽象的な存在である以上、愛と死にナニを見るかは、観客にゆだねられている。
わたしには、死が女性にしか見えないし、また愛と対等だとも思えない。
愛の圧倒的な存在感の陰になり、いるのかいなのかわからないのが死だと思う。
死は、物語を統べる存在ではない。
物語が生み出した澱みだ。
物体と光源があれば、そこに陰ができる。それが死。
死自体に感情はないし、意志もない。なにかしら表情を浮かべているとしてもそれは、彼女がどうこう考えているのではなく、そのときの「世界」に在るものがそう映っているだけ。
この『ロミオとジュリエット』世界において、もっとも透明で美しく、それゆえに澱んでいるのは、ロミオ@キムだ。
繊細すぎるモノは、この汚れた世界では生きられない。ロミオは破滅をその内にに秘めている。
ロミオが生み出した陰、世界の澱みが生み出した陰、それが死だと思った。
ぶっちゃけ、咲ちゃんが足りていないのか、そーゆーところも含めてイケコが狙って演出したのかは、わかりません。
男役であることとか星組版の死から考えれば、あまりにもアレな「死」ぶりなので(笑)。
でもこれでOK出ているってことは、それでいいってことで、男役だとか星組版の死だとかいう先入観を捨てて見れば、男装の女性、ボーイッシュな大柄女性であり、存在感なく気が付いたらそこにいる不気味さ、感情や意志の見えなさも、すべて説明がつくってことで。
ロミオの絶望感が全編に渡って大きく漂っているこの物語には、裏主役のように君臨する死、トート閣下は不要。
トートなんかいなくても、十分暗いから(笑)。
死は意志なんか持たなくて、ただなんかそこにいて、しどころなくただ「在る」だけでいい。
ファンタジーというよりも、ある意味ホラーな存在でいい。
トート閣下は「ファンタジー」だよねええ。星組の真風トートは「タカラヅカ」らしいファンタジックなキャラクタだった。
死がただ「在る」だけの存在である分、愛の存在感が強い。
ロミオとジュリエットの運命の恋というよりも、ロミオの闇の方が印象強いっつー気がしないでもないこの物語だからこそ、愛はあざやかであるべきだ。
せしるが美形であることはわかっていたけれど、女性となった彼は息をのむほど美しい。
毒のある美しさだと思っていたのに、いや、もともとソレがあるからこそ、ソレすら超えて慈愛の美しさを表現しうるのか。
愛の美しさ、しなやかさが、この絶望的な物語に光を射していると思う。
……ただしこの愛、死とは違い、感情も意志もあるようなので。
世界と異質な存在、死すら彼女の一部のような。
神とは残酷なものである、という証明のように、彼女こそが「トート」なのかもしれない。
なんて、とりとめもなく考えつつ。
実はこの愛と死を見ながら、ナニか思い出すなーと思ったら、『無限のリヴァイアス』のネーヤだ(笑)。
姿は愛が近いけれど、存在は死の方がネーヤっぽい。
舞台の上の人々の意志を映して踊る、ヒトでない存在。
……『無限のリヴァイアス』を雪組でキャスティングしたらどーなるだろう……。キムやちぎはともかく、まっつがどのキャラになるかわからん……(笑)。
順番に当てはめると昴治@キム、祐希@ちぎ、イクミ@まっつ、ブルー@ヲヅキか。イクミの二面性と狂気はキムで見たいけどなー。
余談。
「タカラヅカ・ステージスタジオ」の衣装で、わたしたち素人が着ていちばんサマになる衣装はナニか。
宝塚の舞台衣装のレプリカを着て写真を撮れる、変身写真館ね。
いろんな衣装があるけれど、所詮素人が着てジェンヌさんみたいにかっこよくなれるはずがない。
メイクサービスを受ければまた別なのかもしれないけど、そうでなくてただ衣装を着た、標準装備の小物を貸してもらっただけの状態で、いちばん底上げされて見える衣装って?
それは、トート閣下です。
シシィの豪華ドレスでも背負い羽根尽きドレスでも燕尾でもオスカル様でもなくて。
トート閣下のコスプレなら、どんな人でもサマになる。ある程度、カタチになる。
あの白金髪カツラで丸顔だろーと女顔だろーとラインが隠れるし、なによりダークカラーの口紅(貸してくれる)で、誰でもなんとなーくそれっぽく見えるそうだ。
ステージスタジオで以前友人が働いていたのでな、教えてくれた。現場の経験から(笑)。
だからナニってもんだが、トート閣下つながりで、余談(笑)。
新人公演も迫っていることだし、取り急ぎ『ロミオとジュリエット』キャスト感想の続き。
象徴的な存在として、ダンスと身体表現でテーマを表す愛@せしると死@咲ちゃん。
初演の星組では愛と死は男と女、あらゆる意味で対照的な存在だったけれど、雪組版ではチガウ。
愛も死も、両方とも女性だよね?
死は男に見えない。
ふつーに女の人だよね。
それも、カラダの大きな、男装している女性。男役。
対する愛は、これみよがしに「女」であることを強調した女性。
「男役」と「娘役」がいる、宝塚歌劇団を暗喩しているよーな。
抽象的な存在である以上、愛と死にナニを見るかは、観客にゆだねられている。
わたしには、死が女性にしか見えないし、また愛と対等だとも思えない。
愛の圧倒的な存在感の陰になり、いるのかいなのかわからないのが死だと思う。
死は、物語を統べる存在ではない。
物語が生み出した澱みだ。
物体と光源があれば、そこに陰ができる。それが死。
死自体に感情はないし、意志もない。なにかしら表情を浮かべているとしてもそれは、彼女がどうこう考えているのではなく、そのときの「世界」に在るものがそう映っているだけ。
この『ロミオとジュリエット』世界において、もっとも透明で美しく、それゆえに澱んでいるのは、ロミオ@キムだ。
繊細すぎるモノは、この汚れた世界では生きられない。ロミオは破滅をその内にに秘めている。
ロミオが生み出した陰、世界の澱みが生み出した陰、それが死だと思った。
ぶっちゃけ、咲ちゃんが足りていないのか、そーゆーところも含めてイケコが狙って演出したのかは、わかりません。
男役であることとか星組版の死から考えれば、あまりにもアレな「死」ぶりなので(笑)。
でもこれでOK出ているってことは、それでいいってことで、男役だとか星組版の死だとかいう先入観を捨てて見れば、男装の女性、ボーイッシュな大柄女性であり、存在感なく気が付いたらそこにいる不気味さ、感情や意志の見えなさも、すべて説明がつくってことで。
ロミオの絶望感が全編に渡って大きく漂っているこの物語には、裏主役のように君臨する死、トート閣下は不要。
トートなんかいなくても、十分暗いから(笑)。
死は意志なんか持たなくて、ただなんかそこにいて、しどころなくただ「在る」だけでいい。
ファンタジーというよりも、ある意味ホラーな存在でいい。
トート閣下は「ファンタジー」だよねええ。星組の真風トートは「タカラヅカ」らしいファンタジックなキャラクタだった。
死がただ「在る」だけの存在である分、愛の存在感が強い。
ロミオとジュリエットの運命の恋というよりも、ロミオの闇の方が印象強いっつー気がしないでもないこの物語だからこそ、愛はあざやかであるべきだ。
せしるが美形であることはわかっていたけれど、女性となった彼は息をのむほど美しい。
毒のある美しさだと思っていたのに、いや、もともとソレがあるからこそ、ソレすら超えて慈愛の美しさを表現しうるのか。
愛の美しさ、しなやかさが、この絶望的な物語に光を射していると思う。
……ただしこの愛、死とは違い、感情も意志もあるようなので。
世界と異質な存在、死すら彼女の一部のような。
神とは残酷なものである、という証明のように、彼女こそが「トート」なのかもしれない。
なんて、とりとめもなく考えつつ。
実はこの愛と死を見ながら、ナニか思い出すなーと思ったら、『無限のリヴァイアス』のネーヤだ(笑)。
姿は愛が近いけれど、存在は死の方がネーヤっぽい。
舞台の上の人々の意志を映して踊る、ヒトでない存在。
……『無限のリヴァイアス』を雪組でキャスティングしたらどーなるだろう……。キムやちぎはともかく、まっつがどのキャラになるかわからん……(笑)。
順番に当てはめると昴治@キム、祐希@ちぎ、イクミ@まっつ、ブルー@ヲヅキか。イクミの二面性と狂気はキムで見たいけどなー。
余談。
「タカラヅカ・ステージスタジオ」の衣装で、わたしたち素人が着ていちばんサマになる衣装はナニか。
宝塚の舞台衣装のレプリカを着て写真を撮れる、変身写真館ね。
いろんな衣装があるけれど、所詮素人が着てジェンヌさんみたいにかっこよくなれるはずがない。
メイクサービスを受ければまた別なのかもしれないけど、そうでなくてただ衣装を着た、標準装備の小物を貸してもらっただけの状態で、いちばん底上げされて見える衣装って?
それは、トート閣下です。
シシィの豪華ドレスでも背負い羽根尽きドレスでも燕尾でもオスカル様でもなくて。
トート閣下のコスプレなら、どんな人でもサマになる。ある程度、カタチになる。
あの白金髪カツラで丸顔だろーと女顔だろーとラインが隠れるし、なによりダークカラーの口紅(貸してくれる)で、誰でもなんとなーくそれっぽく見えるそうだ。
ステージスタジオで以前友人が働いていたのでな、教えてくれた。現場の経験から(笑)。
だからナニってもんだが、トート閣下つながりで、余談(笑)。