昨日までの俺たち・その1。ロミオとジュリエット
2011年1月2日 タカラヅカ ベン様は、いったい何回仲裁に入るのでしょうか?
あまりにいつもいつも仲裁ばっかしてるので、数えようとして、早々に挫折しました。8回までは数えたんだけど……多すぎだよ。
てことで『ロミオとジュリエット』、ベンヴォーリオ@まっつの行動調査。
まずまっつを整理しないと他の感想が書けないという、狭量なのーみそゆえ。
ベンヴォーリオって、どんな人?
ベンヴォーリオとマーキューシオ@ちぎくんは、モンタギューのリーダー。
とりあえずどっちも不良少年、かつ危険な人物として紹介される。いや、別に不良ではないんだけど、この作品では不良少年グループ同士の抗争っぽく描かれているから。
リーダーがふたりいるグループ。(ちなみにロミオ@キムくんはチームのアイドルポジ・笑)
ひとりはキレやすく暴力的、ひとりはクールで大人。……てのがキャラ立ての定番。
マーキューシオが短気設定なので、ベン様がそれを止める役目ってのはわかるけど、それにしても同じことばっかやらせすぎだぞイケコ(笑)。
マーさん相手だけでなく、他の人たちのことも片っ端から止めてるんだよなー。だから数え切れない(笑)。
んで、そういう「制止役」つーならば、もっと完璧クールで感情が動かないとか、両家の争いに反対だとか、穏やかで争いや騒動自体を嫌うとかなら、わかるんだけど。
ベン様自身、十分好戦的だし。
挑発したりからかったり、舞踏会に潜り込んだり、やることは十分過激かつ幼稚。
さんざん挑発しておいて、いざ暴力沙汰?てなときは止めに入るという、迷惑な男。どっちやねん!という。
ツートンカラーの髪からして、自己顕示欲の強いナルシスト。
絶対自分を色男だと思ってる。
ジュリエットの乳母@コマに「ボクがロミオです」と超かっこつけて迫ったのに、「こんな男」呼ばわりされ魅力を全否定。そのときのショック顔からして、女に振られることに慣れてない……振られるとはカケラも思ってないことがわかる。
仕草は貴族的で慇懃無礼。
いちいち大仰な挨拶をする。特に敵であるキャピュレット相手にはよくやってる……相手をバカにするために。
さらに、舌出しに象徴される、下品な態度も取る。
そしてこれはまっつの特性なんだろうけど、黙っているとクールに見える。そりゃーもー、冷え冷えと。
いろんな顔があるし、言動が一致していない部分もあり、ベンヴォーリオの人となりはわかりにくい。
ヤンキーキャラとして筋が通っているマーキューシオと違って、なんか半端だぞっと。
ベンヴォーリオの二面性の最大部分は、「敵」と「仲間」に対する顔の違いだろう。
冷ややかだったり慇懃無礼だったりするのは、敵であるキャピュレット絡みのとき。
ロミオたち仲間の前では、やたらかわいこちゃんでちょいヘタレなキャラになる。
「戦争なんてなかったら良かったのにね、お兄ちゃん」ぢゃないけれど、両家の争いさえなければ、ベン様はヘタレなかわいこちゃんでいたのかもしれない。ちょいナル入ったカッコ付けの二枚目半だったのかもしれない。
マーさんのキレやすさは両家の争い関係なくそのままかもしんないけど、ベン様は相当違ったキャラになっていたかも?
ティボルト@ヲヅキが「本当の俺じゃない、大人たちがし向けたんだ」と歌うけど、ベン様もそうだよなあ、と。
とういうのも、ベンヴォーリオは物語の前半後半でかなりキャラが変わるからだ。
モンタギューのタカ派筆頭としてダークに踊っているところからはじまるオープニング、宿敵キャピュレットに対するときのクールかつ尊大な態度。
それが、親友ロミオの裏切り、決闘、マーキューシオの死で、劇的に変わる。
キャピュレットの娘と結婚したというロミオを責めるときも、マーキューシオが脊髄反射的な怒りや嫌悪感で吠えているのに対し、ベンヴォーリオは悲しみを打ち出し理を説いている。「駆け落ちしても連れ戻される、敵を愛しても幸せになれない」と。
ロミオに裏切られたことに怒りはあるだろうし悲しみも大きいにしろ、それだけではなく、ロミオが不幸になることを心配している。マーさんよりベン様が精神的に大人なのは、こーゆーところにも出ているよな。
そして決闘のさなか、ベンヴォーリオはロミオが訴える「誰もが自由に生きる権利がある」に共感する。
それこそ、ラダメスが歌う「世界に求む-王家に捧ぐ歌」を肯定し、アイーダが毅然と顔を上げて唱和するがごとく(笑)。
ロミオの歌にがっつり応える。
ロミオはほんとならここでロレンス神父以外の味方を得るはずだったんだ。親友ベンヴォーリオもまた、彼の恋を認め、応援してくれるはずだったんだ。
だがマーキューシオの死、ティボルト殺害の罪で急転直下。
ベンヴォーリオが、ロミオが目指すものを一緒に目指そうと、同じ夢を見ようとしたその直後、大きな力が少年たちを引き裂く。
大人たちから否応なく受け継がされてきた憎しみ、負の連鎖がマーキューシオを殺す。
憎しみではなく愛を、信じてみようとしたその矢先に。
声に出して態度に出して取り乱すロミオと違い、ベンヴォーリオは静かに打ちのめされる。
息絶えようとする親友を呆然と見つめる。
……ベン様がロミオ大好きなのはデフォルトだけど、実はいちばん彼が愛してたのはマーキューシオぢゃないかと思うのよ。
ロミオは親友だけど、マーさんは魂の双子っていうか。ロミオはベン様とはいろいろチガウ部分があるけれど、マーさんとは言葉不要の関係というか、子猫がじゃれ合うみたいにいつもいつも一緒で、離ればなれになることなんか考えてもいなさそうだから。
子どもの頃からナニも隠さない仲だったという3人組だけど、ロミオが知らない、ベンヴォーリオとマーキューシオふたりだけの秘密はあったと思う。
キャピュレットとの抗争のことだったり、女絡みのことだったり。ロミオに言ったら引かれるよーなことは、あえて言わずにふたりだけの秘密にしていそう。
ワルイコトを共有する、一種の共犯。運命共同体。ふたりにとってロミオは天使、聖域。ふたりともロミオを愛しているけれど、ほんとのとこいちばん愛し合っていた……それを確認するまでもなかったのは、ベン様とマーさんかもなと。
確認するまでもないから、マーさんは最後ロミオにばっか意識を向ける。彼は去る側だから、愛してやまない天使ロミオに思いをぶつけて事切れていい。
「失う」ことで、自分の中の思いに気づき、呆然とするのはベンヴォーリオ。置いて行かれる側の彼は、今まさに自分の半身が失われるのだと知る。
怒るとか復讐とか。
そんなことすら、考えつかない、喪失。
ロミオにとってマーキューシオは親友ではあっても半身ではないのね。だから彼は取り乱すことができた。てゆーかマーさんがひどいんだけどね。ロミオのせいで刺されたとか言うな(笑)。そのへんの無神経さがマーさん。
取り乱したロミオがティボルトを刺し……半身を失って身動きできないベン様がナニも出来ないウチに、ロミオすらベン様から離れていく。
マーキューシオを失って、ロミオまで失う……って。ベンヴォーリオどんだけ不幸のフルコース。
続く。
あまりにいつもいつも仲裁ばっかしてるので、数えようとして、早々に挫折しました。8回までは数えたんだけど……多すぎだよ。
てことで『ロミオとジュリエット』、ベンヴォーリオ@まっつの行動調査。
まずまっつを整理しないと他の感想が書けないという、狭量なのーみそゆえ。
ベンヴォーリオって、どんな人?
ベンヴォーリオとマーキューシオ@ちぎくんは、モンタギューのリーダー。
とりあえずどっちも不良少年、かつ危険な人物として紹介される。いや、別に不良ではないんだけど、この作品では不良少年グループ同士の抗争っぽく描かれているから。
リーダーがふたりいるグループ。(ちなみにロミオ@キムくんはチームのアイドルポジ・笑)
ひとりはキレやすく暴力的、ひとりはクールで大人。……てのがキャラ立ての定番。
マーキューシオが短気設定なので、ベン様がそれを止める役目ってのはわかるけど、それにしても同じことばっかやらせすぎだぞイケコ(笑)。
マーさん相手だけでなく、他の人たちのことも片っ端から止めてるんだよなー。だから数え切れない(笑)。
んで、そういう「制止役」つーならば、もっと完璧クールで感情が動かないとか、両家の争いに反対だとか、穏やかで争いや騒動自体を嫌うとかなら、わかるんだけど。
ベン様自身、十分好戦的だし。
挑発したりからかったり、舞踏会に潜り込んだり、やることは十分過激かつ幼稚。
さんざん挑発しておいて、いざ暴力沙汰?てなときは止めに入るという、迷惑な男。どっちやねん!という。
ツートンカラーの髪からして、自己顕示欲の強いナルシスト。
絶対自分を色男だと思ってる。
ジュリエットの乳母@コマに「ボクがロミオです」と超かっこつけて迫ったのに、「こんな男」呼ばわりされ魅力を全否定。そのときのショック顔からして、女に振られることに慣れてない……振られるとはカケラも思ってないことがわかる。
仕草は貴族的で慇懃無礼。
いちいち大仰な挨拶をする。特に敵であるキャピュレット相手にはよくやってる……相手をバカにするために。
さらに、舌出しに象徴される、下品な態度も取る。
そしてこれはまっつの特性なんだろうけど、黙っているとクールに見える。そりゃーもー、冷え冷えと。
いろんな顔があるし、言動が一致していない部分もあり、ベンヴォーリオの人となりはわかりにくい。
ヤンキーキャラとして筋が通っているマーキューシオと違って、なんか半端だぞっと。
ベンヴォーリオの二面性の最大部分は、「敵」と「仲間」に対する顔の違いだろう。
冷ややかだったり慇懃無礼だったりするのは、敵であるキャピュレット絡みのとき。
ロミオたち仲間の前では、やたらかわいこちゃんでちょいヘタレなキャラになる。
「戦争なんてなかったら良かったのにね、お兄ちゃん」ぢゃないけれど、両家の争いさえなければ、ベン様はヘタレなかわいこちゃんでいたのかもしれない。ちょいナル入ったカッコ付けの二枚目半だったのかもしれない。
マーさんのキレやすさは両家の争い関係なくそのままかもしんないけど、ベン様は相当違ったキャラになっていたかも?
ティボルト@ヲヅキが「本当の俺じゃない、大人たちがし向けたんだ」と歌うけど、ベン様もそうだよなあ、と。
とういうのも、ベンヴォーリオは物語の前半後半でかなりキャラが変わるからだ。
モンタギューのタカ派筆頭としてダークに踊っているところからはじまるオープニング、宿敵キャピュレットに対するときのクールかつ尊大な態度。
それが、親友ロミオの裏切り、決闘、マーキューシオの死で、劇的に変わる。
キャピュレットの娘と結婚したというロミオを責めるときも、マーキューシオが脊髄反射的な怒りや嫌悪感で吠えているのに対し、ベンヴォーリオは悲しみを打ち出し理を説いている。「駆け落ちしても連れ戻される、敵を愛しても幸せになれない」と。
ロミオに裏切られたことに怒りはあるだろうし悲しみも大きいにしろ、それだけではなく、ロミオが不幸になることを心配している。マーさんよりベン様が精神的に大人なのは、こーゆーところにも出ているよな。
そして決闘のさなか、ベンヴォーリオはロミオが訴える「誰もが自由に生きる権利がある」に共感する。
それこそ、ラダメスが歌う「世界に求む-王家に捧ぐ歌」を肯定し、アイーダが毅然と顔を上げて唱和するがごとく(笑)。
ロミオの歌にがっつり応える。
ロミオはほんとならここでロレンス神父以外の味方を得るはずだったんだ。親友ベンヴォーリオもまた、彼の恋を認め、応援してくれるはずだったんだ。
だがマーキューシオの死、ティボルト殺害の罪で急転直下。
ベンヴォーリオが、ロミオが目指すものを一緒に目指そうと、同じ夢を見ようとしたその直後、大きな力が少年たちを引き裂く。
大人たちから否応なく受け継がされてきた憎しみ、負の連鎖がマーキューシオを殺す。
憎しみではなく愛を、信じてみようとしたその矢先に。
声に出して態度に出して取り乱すロミオと違い、ベンヴォーリオは静かに打ちのめされる。
息絶えようとする親友を呆然と見つめる。
……ベン様がロミオ大好きなのはデフォルトだけど、実はいちばん彼が愛してたのはマーキューシオぢゃないかと思うのよ。
ロミオは親友だけど、マーさんは魂の双子っていうか。ロミオはベン様とはいろいろチガウ部分があるけれど、マーさんとは言葉不要の関係というか、子猫がじゃれ合うみたいにいつもいつも一緒で、離ればなれになることなんか考えてもいなさそうだから。
子どもの頃からナニも隠さない仲だったという3人組だけど、ロミオが知らない、ベンヴォーリオとマーキューシオふたりだけの秘密はあったと思う。
キャピュレットとの抗争のことだったり、女絡みのことだったり。ロミオに言ったら引かれるよーなことは、あえて言わずにふたりだけの秘密にしていそう。
ワルイコトを共有する、一種の共犯。運命共同体。ふたりにとってロミオは天使、聖域。ふたりともロミオを愛しているけれど、ほんとのとこいちばん愛し合っていた……それを確認するまでもなかったのは、ベン様とマーさんかもなと。
確認するまでもないから、マーさんは最後ロミオにばっか意識を向ける。彼は去る側だから、愛してやまない天使ロミオに思いをぶつけて事切れていい。
「失う」ことで、自分の中の思いに気づき、呆然とするのはベンヴォーリオ。置いて行かれる側の彼は、今まさに自分の半身が失われるのだと知る。
怒るとか復讐とか。
そんなことすら、考えつかない、喪失。
ロミオにとってマーキューシオは親友ではあっても半身ではないのね。だから彼は取り乱すことができた。てゆーかマーさんがひどいんだけどね。ロミオのせいで刺されたとか言うな(笑)。そのへんの無神経さがマーさん。
取り乱したロミオがティボルトを刺し……半身を失って身動きできないベン様がナニも出来ないウチに、ロミオすらベン様から離れていく。
マーキューシオを失って、ロミオまで失う……って。ベンヴォーリオどんだけ不幸のフルコース。
続く。