上昇気流の心地よさ。@オーシャンズ11
 2011年11月11日に行ったのなら、2011年12月13日も、行かなきゃいけないでしょう(笑)。

 ということで、『オーシャンズ11』千秋楽。
 東宝初日は2012年1月2日なんだよねえ……おもしろいなあ、星組。ここまで数遊びするなら、東宝楽も2月2日か12日にしてほしかったわ(笑)。

 さて、東宝初日は行けないけれど、ムラ千秋楽を観ることは日程が発表になったときから決めてました。なのにチケットは持ってなかった。友会はずれちゃったんだもん。
 ムラというところは、チケットなくてもとりあえず行けば観られるところ、当日券もあるし立ち見券だけで100枚は出るんだし、まあ大丈夫よねと。

 ……甘かった。
 今の星組に通例は通用しない。立ち見まで完売って、どんだけ……!

 門の前にもサバキ待ちの人たちでいっぱいだし、なんか「いつの時代のタカラヅカ?」って感じ。
 ……少し前は、こんな光景もそれほどめずらしいものでもなかったんだが、今では驚愕(笑)。

 タカラヅカが斜陽の今だからこそ、上昇気流の気持ちよさがハンパない。
 星組の勢いをすばらしいと思う。
 1ファンとしてその場にいることが、心地よい。
 上昇気流って、気持ちいいもんなんだなあ。

 わたしが星組を自分のホームと腹をくくって応援していたころのタカラヅカは、こんな感じだった。
 初日と新公と千秋楽は立ち見まで完売が当然、後半の土日も座席はほぼ埋まる、立ち見が出ることもある。サバキ待ちもたくさんいて、門の前では駆け引きが繰り広げられる……。
 どの組が、というか、タカラヅカ自体が。

 だからひたすら、なつかしい。
 自分が星担だったころと同じ星組の空気が。

 立ち見まで完売、せっかくはるばるこんな遠くまで来たのに、このままだと観劇できない?! なんて切迫感を持ってサバキ待ちするのも、すげー久しぶり。
 トップさんのサヨナラショー付き公演すら、集合時間までに並べばバウホールのチケットなら買える(発売座席数より、当日券に並ぶ人数が少ない)現代ですもの……。

 人気がある、活気がある、って、いいなあ!
 ……いやその、人気ありすぎてチケットが手に入らないのは困るけど(笑)。

 ありがたいことに声を掛けてもらって、無事観劇できた。
 劇場内の空気も、アツい。
 ただでさえ星組はアツい。ファンの気質もアツい。昔、星組が苦手でほとんど観ていなかった理由は、そのアツさと身内意識。同じように観劇していても、組ファン以外は置き去りにされるんだもん(笑)。
 ずっと苦手で近寄らないようにしていたけど、いざ自分が星担になり、星組だけをヘビーリピートするようになると、わかった。
 楽しい。
 一般人を置き去りする身内意識、閉鎖性ゆえの盛り上がりは、そこに身を置く者にはすげー心地よかった。
 外から見ると引くけれど、中に入ると楽しい。
 世の多くはそーいった性質があるもんだろうけど、星担は特にその傾向が強いと思う。
 一時星組担当で、その後また別の組に行った者の経験談(笑)。

 今のわたしは星担ではないけれど、かつての記憶から、勝手に親しみを持って眺めている。
 「星組を楽しむ」ときは、「引かない。積極的に中へ入る」ようにしている。地味な性格なので、これがなかなか難しいんだが、意識してそうしている。
 だって、楽しんだもの勝ちだもんね。
 それぞれのジャンルに楽しみ方があるよーに、星組には星組の楽しみ方がある。
 よりアグレッシブに、貪欲に。

 劇場にいる、ことを楽しむ!

 ちえねねの力、人気。
 ベニー以下の中堅の力、人気。
 そして、派手で力押しの通用する、イケコ演出のハリウッド映画のミュージカル化作品、『オーシャンズ11』の力、人気。
 それらが一体となって、星組らしい盛り上がりを見せる。

 客席の、熱気。
 行列ができる店効果じゃないけど、人気でチケットが取れない公演であるからこそ、みんなこぞってチケットを求めるし、実際にナマで観られることの喜びも大きい。
 チケ難の中、それでもなんとか手を尽くしてチケット入手し劇場にいる、この人たちはみんな同志、組ファンという共通コミュニティの仲間たち。
 その安心感、盛り上がり。

 相乗効果、正のスパイラル。

 いいなあ、星組。
 うらやましい(笑)。
 チケット取らなきゃ、って焦る気持ちがあるから、前もって努力するしねー。「いつ行っても観られるし、あとから美味しいイベントや格安チケットが出るかもしんないから、前売りは買わないでおこう」なんて思わないもの。
 れおんくんのコンサートとか、すごい必死になってチケ取りしたもんなあ。自組のDC公演は前売り買わなかったのに……。
 いやそれでも、自組の方が好きなんですけどね。うちのトップさんの方が好きなんだけど、ただシンプルに、うらやましいっす。

 まあ、隣の芝生をうらやむよりは、隣のすばらしい芝生で遊ばせてもらう方がいい。
 星組を観るときは星ファンに倣い、積極的に楽しむんだ。
 昔、星担だった記憶をなつかしみながら。
 年寄りゆえに、過去を思い出すといつも切なくなる。その切なさごと、今の星組を堪能する。

 タカラヅカっていいところだな。
 5つ組があって、新陳代謝があって、長く続いていて。
 いろんな楽しみ方、関わり方があり、自分自身の記憶や経験とリンクして、年輪を重ねることができる。
 星組の特異性っちゅーか、他の4組とわかりやすく違っている感じが、それを改めて考えさせてくれた。

 星組楽しい!
 好きなだけアツくあっていい、千秋楽はさらに楽しい!
 マヤさんの卒業にも、力一杯拍手できた。
 観ることができてよかった。

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