お楽しみは、大人になってから。@月組退団者発表
2011年12月22日 タカラヅカ 考えても仕方のないことだが、新人公演制度というか、タカラヅカの育成システムについて、つらつら考える。
男役スターは、新人公演主演を経験してトップ路線に乗る。
新人公演は、研7まで。
つまり、研7までに著しい成長や、美貌や、人気を得なければならない。
しかし、人間の成長速度は、同じではない。
若くして魅力の出る人もいれば、大人になってから開花する人だっている。
ヅカの育成システムが一種類しかないために、いろいろともったいないことになっているんだなあ、と思う。
もりえくんとめおくんは、大人になってから魅力の開花するタイプだったと思う。
長身のスタイルよしさんで、それを武器にした美しい青年を演じられる。……少年ではなくて。
月組85期トリオの「新人公演独占状態」は、若手の育成を妨げたと、わたしは思っている。
いつも同じ3人が主要役を独占。
新公主演自体はそれほど早くないんだが、2~4番手役を何年も何回も、同じ顔ぶれで回していたんだ。「おいしい」と言われる役を独占。
タカラヅカの芝居構成的に、主要な男の役は3~4つくらいしかないのに、いつも同じ人たち。研4後半あたりから研7まで、ずーーっとだもんなあ。
ひとりで新公主演独占より、ある意味問題かと思う。
ひとりでいつも主演、ならば、他の子は主演以外のおいしい役を出来るし、また、「ひとりっ子政策のために主演させてもらえない」同情票、判官贔屓大好きな人々の注目や人気を得るチャンスがある。
しかし、いつも3人で主立った役をやり尽くしていたのでは、判官贔屓の人たちすら現れない。さららん、みっちゃん時代の若手の注目役を独占、彼らが新公を卒業すると1~3番手役を独占。トリオ以外の若手は見せ場ももらえず。
そのため、月組下級生に「路線」と呼ばれる人たち、他組にも名前を知られるような人たちが激減した。
85期トリオの周辺はそうやって淘汰され、その陰で89期のみりおくんの育成がはじまる。
ひとりっ子政策は百害あって一利なしだと思っているが、それ以上に「トリオ政策」は問題が大きいなと。
ひとりっ子政策を採るほどの人材ではない(と劇団が判断した)子に、何年も役と機会を与え続け、3分の一の期待と手間で「開花したらめっけもの」としたため、中途半端な存在に。
トリオで新公を独占し続けた3年だか4年だかは、なんだったのか。
人はそれぞれ、開花時期がチガウ。
85期トリオが魅力を発揮しはじめたのは、それぞれ大人になってからだった。
下級生時代の経験があってこその開花でもあるだろうが、あそこまで独占体制でなくても、彼らはそれぞれ味を出したと思う。
いちばん早く花開いたのが、やはり3人の中ではいちばん少年の魅力を持っていたひろみちゃん。硬質な美貌の水くんトップのもとで中性的・少年的美貌を武器に活躍。
次がもりえくん。スタイルの良さが最大の武器だったけれど、どうにもおとなしい芸風だったのが、すべてを一度捨てきって、一気に垢抜けた、2007年あたり。
花に組替えしたもののずっと存在感ないままだっためおくんは、さらに遅れて2008年以降にキャラを確立。美形だしスタイル良しなのに、それを長年男役として活かせてなかったんだが、花組らしい愛されキャラとしてどーんと開花したよね。
タカラヅカのシステムとして、研7までが重要なのはわかる。だから将来性を考えて新公で役を与えるわけだ。
しかし、もっとも輝く時期が、全員研7までに訪れるワケじゃない。
そのころにこれでもかと機会を与え続け、劇団が期待した結果を出せなかったからといってそこで終了、という今のシステムは、なかなか難しいなあ。
早熟な子は研7までに完成するけれど、そのあと実際にトップになるまで7年も8年もかかる今の制度のままじゃ意味ナイよ。
新公時代にどれだけ期待されたとしても早熟な子はその後の長い長い路線時代で飽きられるし、未熟なまま新公あたりの実力や外見で判断された子は微妙な扱いになるし。
そのシステムに疑問を持つがゆえに、今の月組で「研7までに完成した早熟なスター」を「ファンに飽きさせないうちにトップにする」ために仕切り直しが行われているのだと思う。
トップスターになるだけがジェンヌの意義じゃない。
わたしのよーに純路線よりも、その周囲にいる個性派や実力者に惹かれる者も、多くいるだろう。
されど、まず「トップスター」を育成することが最重要。
その過程において、いろいろと大変だったなあ、と、もりえくんを見て思う。
方針とか人事に振り回されたよなあ。
だけどその中で、堅実に魅力を培ってきた人だなと。
彼がトップスターになる人材だとは、彼が抜擢されまくっていた頃から思っていなかった。だからこそ、85期の新公独占を憂えていた。
だがそれは、トップスターという特殊な役割に対して思うことで、舞台人として、タカラジェンヌとして、男役スターとしての、彼らの魅力への疑問じゃない。
トップだけがジェンヌじゃない。
もりえくんのような人がいてこその、タカラヅカだ。
彼のようなスターが余裕でトップの周りに存在する、それがタカラヅカのすごさだ。
研7まででふるいにかけられる現状と、その後の長い長い凍結期間。
スター育成のいろんな問題。
考えても仕方ないことだけど、つらつら考えた。
もりえくんの卒業発表に関して。
85期トリオの最後のひとりが、行ってしまうのだなと。
風吹かっこよかったなあ。
紫子と一緒に行ってしまうのか。
舞鶴姫も梅沢三太夫も一緒にか。
中日お披露目で、すげーわくわくしたなあ。これがきりやんの月組!って。
ほんとに、きりやんが卒業するんだ……。またひとつ、時代が終わるんだ。
そんなことを、思う。
でもってわたしは、一色氏の退団に一層肩を落としています。……わたしがどんだけ彼の顔を好きで、ずーーっと眺めてきたか……。『SLAPSTICK』のギャング以来ですよ……彼のお買い物デートスカイレポートとか、わざわざ録画保存してあるんですけど……一色氏スキーとして!
男役スターは、新人公演主演を経験してトップ路線に乗る。
新人公演は、研7まで。
つまり、研7までに著しい成長や、美貌や、人気を得なければならない。
しかし、人間の成長速度は、同じではない。
若くして魅力の出る人もいれば、大人になってから開花する人だっている。
ヅカの育成システムが一種類しかないために、いろいろともったいないことになっているんだなあ、と思う。
もりえくんとめおくんは、大人になってから魅力の開花するタイプだったと思う。
長身のスタイルよしさんで、それを武器にした美しい青年を演じられる。……少年ではなくて。
月組85期トリオの「新人公演独占状態」は、若手の育成を妨げたと、わたしは思っている。
いつも同じ3人が主要役を独占。
新公主演自体はそれほど早くないんだが、2~4番手役を何年も何回も、同じ顔ぶれで回していたんだ。「おいしい」と言われる役を独占。
タカラヅカの芝居構成的に、主要な男の役は3~4つくらいしかないのに、いつも同じ人たち。研4後半あたりから研7まで、ずーーっとだもんなあ。
ひとりで新公主演独占より、ある意味問題かと思う。
ひとりでいつも主演、ならば、他の子は主演以外のおいしい役を出来るし、また、「ひとりっ子政策のために主演させてもらえない」同情票、判官贔屓大好きな人々の注目や人気を得るチャンスがある。
しかし、いつも3人で主立った役をやり尽くしていたのでは、判官贔屓の人たちすら現れない。さららん、みっちゃん時代の若手の注目役を独占、彼らが新公を卒業すると1~3番手役を独占。トリオ以外の若手は見せ場ももらえず。
そのため、月組下級生に「路線」と呼ばれる人たち、他組にも名前を知られるような人たちが激減した。
85期トリオの周辺はそうやって淘汰され、その陰で89期のみりおくんの育成がはじまる。
ひとりっ子政策は百害あって一利なしだと思っているが、それ以上に「トリオ政策」は問題が大きいなと。
ひとりっ子政策を採るほどの人材ではない(と劇団が判断した)子に、何年も役と機会を与え続け、3分の一の期待と手間で「開花したらめっけもの」としたため、中途半端な存在に。
トリオで新公を独占し続けた3年だか4年だかは、なんだったのか。
人はそれぞれ、開花時期がチガウ。
85期トリオが魅力を発揮しはじめたのは、それぞれ大人になってからだった。
下級生時代の経験があってこその開花でもあるだろうが、あそこまで独占体制でなくても、彼らはそれぞれ味を出したと思う。
いちばん早く花開いたのが、やはり3人の中ではいちばん少年の魅力を持っていたひろみちゃん。硬質な美貌の水くんトップのもとで中性的・少年的美貌を武器に活躍。
次がもりえくん。スタイルの良さが最大の武器だったけれど、どうにもおとなしい芸風だったのが、すべてを一度捨てきって、一気に垢抜けた、2007年あたり。
花に組替えしたもののずっと存在感ないままだっためおくんは、さらに遅れて2008年以降にキャラを確立。美形だしスタイル良しなのに、それを長年男役として活かせてなかったんだが、花組らしい愛されキャラとしてどーんと開花したよね。
タカラヅカのシステムとして、研7までが重要なのはわかる。だから将来性を考えて新公で役を与えるわけだ。
しかし、もっとも輝く時期が、全員研7までに訪れるワケじゃない。
そのころにこれでもかと機会を与え続け、劇団が期待した結果を出せなかったからといってそこで終了、という今のシステムは、なかなか難しいなあ。
早熟な子は研7までに完成するけれど、そのあと実際にトップになるまで7年も8年もかかる今の制度のままじゃ意味ナイよ。
新公時代にどれだけ期待されたとしても早熟な子はその後の長い長い路線時代で飽きられるし、未熟なまま新公あたりの実力や外見で判断された子は微妙な扱いになるし。
そのシステムに疑問を持つがゆえに、今の月組で「研7までに完成した早熟なスター」を「ファンに飽きさせないうちにトップにする」ために仕切り直しが行われているのだと思う。
トップスターになるだけがジェンヌの意義じゃない。
わたしのよーに純路線よりも、その周囲にいる個性派や実力者に惹かれる者も、多くいるだろう。
されど、まず「トップスター」を育成することが最重要。
その過程において、いろいろと大変だったなあ、と、もりえくんを見て思う。
方針とか人事に振り回されたよなあ。
だけどその中で、堅実に魅力を培ってきた人だなと。
彼がトップスターになる人材だとは、彼が抜擢されまくっていた頃から思っていなかった。だからこそ、85期の新公独占を憂えていた。
だがそれは、トップスターという特殊な役割に対して思うことで、舞台人として、タカラジェンヌとして、男役スターとしての、彼らの魅力への疑問じゃない。
トップだけがジェンヌじゃない。
もりえくんのような人がいてこその、タカラヅカだ。
彼のようなスターが余裕でトップの周りに存在する、それがタカラヅカのすごさだ。
研7まででふるいにかけられる現状と、その後の長い長い凍結期間。
スター育成のいろんな問題。
考えても仕方ないことだけど、つらつら考えた。
もりえくんの卒業発表に関して。
85期トリオの最後のひとりが、行ってしまうのだなと。
風吹かっこよかったなあ。
紫子と一緒に行ってしまうのか。
舞鶴姫も梅沢三太夫も一緒にか。
中日お披露目で、すげーわくわくしたなあ。これがきりやんの月組!って。
ほんとに、きりやんが卒業するんだ……。またひとつ、時代が終わるんだ。
そんなことを、思う。
2011/12/22
月組 退団者のお知らせ
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。
(月組)
霧矢 大夢 ―すでに発表済み―
一色 瑠加
青樹 泉
沢希 理寿
蒼乃 夕妃 ―すでに発表済み―
彩星 りおん
篁 祐希
華那 みかり
2012年4月22日(月組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団
でもってわたしは、一色氏の退団に一層肩を落としています。……わたしがどんだけ彼の顔を好きで、ずーーっと眺めてきたか……。『SLAPSTICK』のギャング以来ですよ……彼のお買い物デートスカイレポートとか、わざわざ録画保存してあるんですけど……一色氏スキーとして!