ルドルフという男。@エリザベート
2007年6月13日 タカラヅカ ルドルフって、どーゆー人なんだろう。
今回の『エリザベート』を観ながら、真面目に考える。
わたしずーっと、ルドルフってオイシイキャラクタだと思っていたのね。
この役をやれば絶対人気沸騰する、劇団が将来を期待する人にやらせる役。もしくは、なにかしら「この人がルドルフをやる」ことが客寄せになる「売り」を持つ役。
タータン、たかこ、ブンちゃん、コム姫、樹里ちゃん、ゆみこ、ゆーひ。
歴代のルドルフは、やはり「オイシイ役」だと思う。
だが、何故だ。
なんか今回、オイシく見えないんですけど?
かなめくんは、この役をやることで人気がブレイクしているのでしょうか……。
で、考える。
ルドルフ役って、なんなんだろ。
ルドルフって、どんな人なんだろ。
わたし的には、彼の人となりをいちばんに表す台詞だと思っているのは、シシィに助けを求めるところ。
「最悪の事態に陥ってしまったんだ」
と歌う彼が、ママに「助けて」と懇願する内容は、「パパがボクを皇位継承者からはずすって言うんだ、大ピンチ! ママから取り直して、ボクの地位を守って!」ではない。
流れからいって、そう訴えても不思議ではないのに。
彼が歌うのは、帝国の未来だ。
「今ハプスブルクを滅亡から救える道は、ドナウ連邦しかない」
この青年は、本気で祖国の未来を考えているんだ。自分の保身よりも、世界の行く末を憂いているんだ。
この、「政治家」としての「未来の皇帝」としての部分が活きることで、ルドルフというひとりの男の「強さ」になる。
たしかにマザコンで「ママ、ママ」で、トートに誘惑されて革命家たちに持ち上げられて、後先考えずに行動して破滅するおバカさんだけど。
それだけではない、一国の皇子としての気骨を持った人物であるということ。
繊細さとは別。美しさとは別。
かなめルドルフには、この「政治家」としての部分が感じられないんだ。
多感な男子中学生みたいだ。
はじめて万引きして現行犯逮捕され、親が金を使って黙らせました、でも学校は転校させるからな、今の友だちとは縁を切れ! ……てなことを父親に言われて、その日のうちに自殺した、よわよわな中学生みたいだ。
一度の失敗で人生全部投げ出しちゃうよーな。小さな擦り傷でも、傷ついたことがショックで、耐えられなくて逃げ出してしまうよーな。
ルドルフという役の持つ、耽美だとか美しい部分だけがもてはやされてきた結果の、ルドルフ役という印象。
ただきれいなだけ。
弱いことだけがすべてなのかな、この役?
「もうひとりのエリザベート」であるはずなのに?
ルドルフを思春期の少年として描くのもべつに、悪くはない。少年だからこそ持つ、青臭い理想論を胸に若さで突っ走って破滅した、という設定はアリだと思う。
万引きが見つかって自殺する中学生のよーなメンタリティでも、べつにいいっちゃいいんだが。
かなめくん……外見が中学生に見えないんだもんよ……。
ハタチ過ぎているよーに見えるから、精神年齢が低すぎて、つらい……。
ルドルフ自身の「欲」や「闇」が見えないので、トートのひとり勝ちになってしまう。
革命家たちと同じ。
トートが一方的に支配して、弱い人間を利用して終わり。
拮抗してくれないと、緊迫感が生まれないっす……。
いやその、ビジュアルは最高に美しいんですがね。
なんかかなめくん、「翻弄される=ヘタレ」だと誤解してないか?
もう少し、知性とか精神年齢とか、上げてくれるとうれしいんだが……ってまあ、つまりはわたしにショタ属性がないってことなんですがな。
幼児プレイには萌えないんですよ(笑)。
大人が好きです、はい。
かなめくん自身は、今までになくテンション上げてがんばっていると思うのだけど。
その姿にエールを送ってはいるのだけど。
でもさあ、このルドルフ、シシィ@となみが「ママはボクの鏡」には見えないよねえ?
シシィはすげー強いしさー。
新公のキングにも、かなめくんとまったく同じモノを感じたので、今回の『エリザベート』の演出意図なのかもしれないとも思う。
トートのトンデモなさ、人間じゃないっぷりを表現するために、出てくる人間たちをみーんな弱くした。
ルキーニ、シシィ、フランツ、ゾフィ以外のキャラはモブと同じ、ひたすら弱く、色を薄く。
その淡い色合いの世界で、トートの毒々しい緑が浮かび上がる。
それが、狙いなのかもな。
新しい演出ならソレで仕方ないけれど、わたしの好みはルドルフもモブではなく「主要キャラクタ」である演出の方だな。
今回の『エリザベート』を観ながら、真面目に考える。
わたしずーっと、ルドルフってオイシイキャラクタだと思っていたのね。
この役をやれば絶対人気沸騰する、劇団が将来を期待する人にやらせる役。もしくは、なにかしら「この人がルドルフをやる」ことが客寄せになる「売り」を持つ役。
タータン、たかこ、ブンちゃん、コム姫、樹里ちゃん、ゆみこ、ゆーひ。
歴代のルドルフは、やはり「オイシイ役」だと思う。
だが、何故だ。
なんか今回、オイシく見えないんですけど?
かなめくんは、この役をやることで人気がブレイクしているのでしょうか……。
で、考える。
ルドルフ役って、なんなんだろ。
ルドルフって、どんな人なんだろ。
わたし的には、彼の人となりをいちばんに表す台詞だと思っているのは、シシィに助けを求めるところ。
「最悪の事態に陥ってしまったんだ」
と歌う彼が、ママに「助けて」と懇願する内容は、「パパがボクを皇位継承者からはずすって言うんだ、大ピンチ! ママから取り直して、ボクの地位を守って!」ではない。
流れからいって、そう訴えても不思議ではないのに。
彼が歌うのは、帝国の未来だ。
「今ハプスブルクを滅亡から救える道は、ドナウ連邦しかない」
この青年は、本気で祖国の未来を考えているんだ。自分の保身よりも、世界の行く末を憂いているんだ。
この、「政治家」としての「未来の皇帝」としての部分が活きることで、ルドルフというひとりの男の「強さ」になる。
たしかにマザコンで「ママ、ママ」で、トートに誘惑されて革命家たちに持ち上げられて、後先考えずに行動して破滅するおバカさんだけど。
それだけではない、一国の皇子としての気骨を持った人物であるということ。
繊細さとは別。美しさとは別。
かなめルドルフには、この「政治家」としての部分が感じられないんだ。
多感な男子中学生みたいだ。
はじめて万引きして現行犯逮捕され、親が金を使って黙らせました、でも学校は転校させるからな、今の友だちとは縁を切れ! ……てなことを父親に言われて、その日のうちに自殺した、よわよわな中学生みたいだ。
一度の失敗で人生全部投げ出しちゃうよーな。小さな擦り傷でも、傷ついたことがショックで、耐えられなくて逃げ出してしまうよーな。
ルドルフという役の持つ、耽美だとか美しい部分だけがもてはやされてきた結果の、ルドルフ役という印象。
ただきれいなだけ。
弱いことだけがすべてなのかな、この役?
「もうひとりのエリザベート」であるはずなのに?
ルドルフを思春期の少年として描くのもべつに、悪くはない。少年だからこそ持つ、青臭い理想論を胸に若さで突っ走って破滅した、という設定はアリだと思う。
万引きが見つかって自殺する中学生のよーなメンタリティでも、べつにいいっちゃいいんだが。
かなめくん……外見が中学生に見えないんだもんよ……。
ハタチ過ぎているよーに見えるから、精神年齢が低すぎて、つらい……。
ルドルフ自身の「欲」や「闇」が見えないので、トートのひとり勝ちになってしまう。
革命家たちと同じ。
トートが一方的に支配して、弱い人間を利用して終わり。
拮抗してくれないと、緊迫感が生まれないっす……。
いやその、ビジュアルは最高に美しいんですがね。
なんかかなめくん、「翻弄される=ヘタレ」だと誤解してないか?
もう少し、知性とか精神年齢とか、上げてくれるとうれしいんだが……ってまあ、つまりはわたしにショタ属性がないってことなんですがな。
幼児プレイには萌えないんですよ(笑)。
大人が好きです、はい。
かなめくん自身は、今までになくテンション上げてがんばっていると思うのだけど。
その姿にエールを送ってはいるのだけど。
でもさあ、このルドルフ、シシィ@となみが「ママはボクの鏡」には見えないよねえ?
シシィはすげー強いしさー。
新公のキングにも、かなめくんとまったく同じモノを感じたので、今回の『エリザベート』の演出意図なのかもしれないとも思う。
トートのトンデモなさ、人間じゃないっぷりを表現するために、出てくる人間たちをみーんな弱くした。
ルキーニ、シシィ、フランツ、ゾフィ以外のキャラはモブと同じ、ひたすら弱く、色を薄く。
その淡い色合いの世界で、トートの毒々しい緑が浮かび上がる。
それが、狙いなのかもな。
新しい演出ならソレで仕方ないけれど、わたしの好みはルドルフもモブではなく「主要キャラクタ」である演出の方だな。