ルキーニ@キムの歌唱力が、どんどん上がっていっている。

 もともと歌える人だということは知っていたけれど、どこまで伸びるんだろう、この子。
 年齢的にも今がいちばん伸びる時期だとは思うし、この年齢、学年でこれだけの機会を与えられることは、今のタカラヅカでは希有なこと。
 貪欲に吸収し、伸びていって欲しいと思う。

 声が伸縮自在で、聴いてて気持ちいい。
 音を愉しんで、ミュージカルのなかに存在しているのがイイ。

 エロさもいいなー。エロス、というより、ずはりスケベって感じで(笑)。
 マデレーネちゃん@愛原実花ちゃんとナニやってんですか。どさくさにまぎれて2回はキスしてる? ルキーニが味見してどーすんだよ、ソレは陛下への献上品だってば。

 歌うことに余裕が出た分、演技の幅も広がっているようで。

 といっても、キムの歌にはフランツ@ゆみこのような「きれいさ」はないんだけどなー。
 歌声のタイプがまったくチガウよね。

 わたしは歌手スキーなので、歌ウマさんはそれだけで好感度UPなのさ。

 さて、このルキーニ。

「フランツのことは嫌いというか目にも入ってなくて、トートのことも好きじゃなくて、シシィのことだけは好きみたい」
 と、評したのはnanakoさんだが。(たびたび名前が出てすまんな、なにしろ毎週ムラで会ってるもんで・笑)

 ほんとに、その通りだわ。
 まずまちがいなく、フランツのことは歯牙にもかけてない。

 シシィのことは、好きみたい。
 バートイシュルでのふたりのじゃれっぷりが、かわいいのなんの。
 ルドヴィカとゾフィーがあーだこーだやってる間、シシィとルキーニはラヴラヴ(笑)。
 幼なじみみたい。……同期だからなー。今まで夫婦だの恋人だの姉弟だので組んできてるしなー。
 ルキーニの帽子をとぼけてかぶるシシィと、ソレを見て「ヲイヲイ」ってあきれて取り返すルキとか、かわいすぎ。

 そして、トートは。
 好きじゃない、というか、なんかチガウ気がするなー。

 ルキーニとトートの距離の取り方が、なんか独特で。

 今回のルキーニに強く思うことは、たのしそうだなってこと。

 キム自身が「成長期」である今を愉しんでいるんだと思う。
 自分が変わっていくこと、伸びていく実感は、役者としておもしろくてならないだろう。
 努力が確実に実って結果として返ること、手応えがひとつひとつ感じられること、って、そりゃーたのしくてならないだろうよ。

 その上昇気流の役者の生命力まんまに、ルキーニが活き活きとしている。

 一般的にルキーニとは「狂気」が必要だとされる。
 狂気の定義なんて人それぞれだから、なにをもってソレを「ある」「ない」と言うのかは知らんが。

 キムのルキーニは、「狂ってはいない」と思う。
 精神病云々で言うならば。

 だけど、「人として」は十分別世界にいる人だと思うよ。

 たとえば、人が真面目に話しているのに、聞きもしないでおちゃらける人。
 努力している様を笑う人。
 他人を傷つけて平気な人。ソレをおもしろがる人。
 そーゆー人たちは、病気として判定はされないかもしれないが、「人として」十分やばいだろ。

 ルキーニは、嗤い続ける。
 懸命に生き、もがき苦しむ人たちを見て。

 自分だけが理の外側にいて。
 安全な場所、高見にいて、悦に入って見下ろしている。

 たしかに彼は狂ってはいない。
 だが、人として「おかしい」。確実に。

 このたのしそうなルキーニに、「狂気」のスイッチが入るのが「最終答弁」のあとだ。
 この豹変こそが、あきらかに「おかしい」だろ。

 
 なんかねえ、今回の『エリザベート』って、今までの『エリザベート』で疑問に思っていても「ま、そんなもんなんだろ」とスルーしていたことが、いちいち浮かび上がってくるの。

 「生きたお前に愛されたい」って言って、夫を浮気させたり息子を殺したりして、なんの意味があるの? 生きてるのを嫌にさせるってこと?
 絶望させて自殺させることが「人間が死を愛する」ことなら、何故死にたがったシシィをトートは「死は逃げ場ではない」と言って拒絶するの?
 ルキーニはなにを裁かれているの? 裁判官って誰?
 最終答弁はなにを争っているの? フランツに言い負かされたトートが実力行使に出て終わり、ってソレひどすぎない? 都合が悪くなったら暴力で解決、みたいな。
 で、結局ルキーニは有罪なの? だとして、なにがどうなるの?

 タカラヅカらしい色つけで、今までは解釈できていたけれど。
 でもそもそも、基本として、疑問を持つよね?
 『エリザベート』初見の人がよく言ってる、上記の疑問。

 それらのことが、クリアになっていく。
 今回の『エリザベート』。

 異世界トートと、たのしそーなルキーニを中心にしての、独断と偏見、思いこみだけでここまで語るか『エリザベート』をやってみましょー。

 はい、翌日欄へ続く!


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