こあらった目線のまっつまっつ、事実と違おうがどうしようが、とにかく記憶と思い込みによって書く、『太王四神記』まっつ語りその5。

 さて、2幕はじまりも、ヒョンゴ@まっつから。
 「愉快なおっさん」ではなく、ちゃんと「語り部まっつ」になってます。

 1幕ほぼずーっと水戸黄門ルックで通したヒョンゴ先生ですが、ここでまた初心に返ってコムル村制服のずるずるローブ姿。
 ただし、ヘアバンド着用。

 何故ここで、ここでだけヘアバンドしているのかわからないっす。他の場面ではヒョンゴを含め、誰も付けていないわけだから。

 2000年待ち望んだチュシンの王登場に、テンション上がってるせい? 意気込みを表しているの?
 つまりアレはヘアバンドではなく、ハチマキなのか? 「タムドク命」とか書いてある類の?

 最初、他のコムルの人たちも全員ヘアバンドしてるって、気づいてなかった。ヒョンゴしか見ていなかったから。

 クールに厳かに語るヒョンゴは美しく、彼が跪いて「身も心も捧げます」とゆーのがいいっすね。いろんな意味でいいっすね!!
 もっとも、そうまでしてるっつーに、肝心の彼の王タムドク@まとぶんは人の話聞いてねえけどな。王の宿命より義務より、女のことが大事と寝言言ってるけどな。

 どんだけアホ王であっても、彼がチュシンの王ならば仕えるのがコムルの使命。タムドクが勝手にひとりで苦悩モードに入っているのを咎めるでなく、心配するスジニ@みわっちを制したりして、クール全開です。

 忠臣萌えってのは、たしかにある萌えである。ヒョンゴの場合、もともとタムドクを好きだったっぽいので、好きな人が王様で良かったね、つーことで、王様の賢愚は問うまでもないんだろう。

 コムル村が謎なのは終始一貫、見終わってもなにひとつわかんないままだが、王宮だか神殿だかで要人全員集合で「神の裁きを!」とかやってるところに乱入できるくらい、外的な立場が認められていたのか。
「我こそはコムル村の村長」って名乗りを上げたら、地位も身分もある方々全員が畏まっちゃうよーな、そんな高貴な立場なの?
 「玄武の神器の守り主」って言ってるけど、そんなの誰も見たことないだろうに、「コムル村」「神器」って世の中に浸透した常識で、このキーワードを出されたら、水戸のご老公一行に印籠を出された悪代官たちのよーに、固まっちゃうわけ?

 悪代官よろしく「ええい者ども、斬り捨てい!」と叫ぶチョ・ジュド@ふみかの怒鳴り声を制して、ヒョンゴが「待て!!」と前に出るわけだからねー。
 印籠でなければ、悪代官の手下共は誰が出てきても気にせず斬り捨てるだろうに。

 とまあ、コムル村も神器も世間的な立場はさっぱりわからんが、とにかく水戸黄門の印籠的使い方なわけで。
 せっかく水戸黄門なのに、ヒョンゴはローブ姿で水戸黄門衣装ではないし(笑)、主人公の危機を救いに名乗り出るわりに、かっこよくない。
 
 眉は八の字。
 なんかすごーく困った様子で、懇願めいた名乗りを上げているんだな。
 もっとばばーんと上から目線で宣言してもいいんじゃないの、「この方こそチュシンの王」って。
 ……やっぱ王様には人格がアレだっていう弱みがあるから、堂々と宣言できないのかしら?(笑) 責任放棄して女と逃げたあとの登場だし?
  
 ヒョンゴはタムドクを王として認め、敬ってはいるんだけど、彼のことを信じてはいないんだろうなあ。や、タムドクの言動というか、なにをしでかすかを。
 現にタムドクは勝手に「カウリ剣の儀式を受ける」とか言い出すし。
 ヤン王暗殺なんてタムドクまったく無関係なんだから、カウリ剣の儀式なんかやる必要ない。その裁きの場で、殺害現場にいたキハ@彩音が「ヤン王は自害された」と言っているんだから、なおさら。
 それでも無意味に「やる」と言い出すよーな、わけわかんない王様、タムドク。
 振り回されるヒョンゴ大変。

 ここのおろおろぶりは素敵です。忠義を捧げちゃったんだから、王様がどれだけアホで人騒がせでも仕方ない。愛してしまったら、欠点すら受け入れるもの。タムドクがナニをしても、しでかしても、ヒョンゴがタムドクを嫌うことはないし、見捨てることもない。

 目の前であっさり殺されたタムドクにスジニが悲鳴あげてすがりついたように、タムドクの行動は誰かを傷つける。その直後生き返って喜ばせたとしても、死んだ、と思わせた、その心のキズは本物で、タムタムに分別があればつけずに済んだキズなんだ。
 そーゆーどーしよーもない、善良なだけを言い訳にしたアホの子だが、それでもタムドクこそがチュシンの王。2000年待ち続けた、ヒョンゴの王なんだ。

 タムタムの浅はかな行動にうろたえて、動かなくなった姿にうなだれる。
 こんなとこで村民の希望である王に死なれたら、しかも村長の目の前でむざむざ死なれたら、ヒョンゴもそのまま殉死するしかないわけだけど。
 なにをされても、受け入れる。どんなひどいことをされても、裏切られても。
 身も心も、捧げたわけだから。

 うろたえるだけで、タムドクの暴挙を止めることはない、無力な村長。彼の忠誠ぶりは、まちがっている気がしないでもないが(真の忠臣なら、主の愚を諫めろよ)、ヒョンゴはそーゆー人なんだろう。
 絶対忠誠。盲目忠誠。……小池がいろいろまちがっているだけで、まとぶさんもみすずさんもそこまで考えていないと思うが、舞台だけ見ているとそーゆーまちがった世界が花開いていて素敵(笑)。

 だから眉を八の字にしてうろたえるだけのヒョンゴ先生を堪能するの。
 その直後の「生きている!」で大喜びの「愉快なおっさん」化しているヒョンゴ先生も堪能するの。

 でもってこの場面。
 タムドクの危機に「待て!」とヒョンゴ先生が飛び出してきたときに、ホゲ@ゆーひがすげー怪訝な顔をしているのが、ひそかなツボです。

 ホゲ様、はじめて見る・聞く顔してないでよ、アナタこのおじさんに前に会ってるんだってば。
 テジャ城で「あなたこそ、チュシンの王」って言っていたおじさんだってば。アナタ、わざわざぎょっとして振り返ってたじゃん。

 ……ヒョンゴをおぼえていないのは、彼があのとき愉快な水戸黄門ルックだったから?

 おぼえているけれど、ここで飛び出してきて演説カマすとは思ってなかったの?
 それとも、あれはただの愉快なおっさんでしかなく、コムル村の村長(なんかえらいらしい?)とは思ってなかったの?

 ホゲにとってのキハが、タムドクにとってのヒョンゴなのよ?(笑)
 ……そう思えば「オレ側の守り主は美女で良かった」てなもんかしらね、ホゲ様?
 で、でも、ヒョンゴだってほんとは美人だもん! ちょっと顔の締まりのないときが多いだけで!!

 タムドク側の守り主は、タムドクのことがダイスキだよ? ホゲ側の守り主と違ってね……と、タムドクVSホゲで、しかもホゲ目線で「タムドクが持っていて、ホゲが持っていないモノ」をいろいろ考えてたのしいのも事実。ホゲ様好きだ(笑)。

 続く。

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