Stay Gold…。@薔薇に降る雨
2009年4月21日 タカラヅカ 回想シーンだから許される「甘さ」があると思う。
大人になってしまうと、若いころ……イタさ爆発のハタチ前後の頃が愛しくてならない。
当時がどうであれ、現在から振り返って見るにあたり、想い出は美化され、イタかったこともみんなみんな微笑ましく思えたりする。
『薔薇に降る雨』の、ジャスティン@タニちゃんとイヴェット@ウメちゃんの出会いとその急激な恋が、「回想シーン」であるということ。
現在から振り返っているわけだから、それは「真実」ではない。真実に近いかもしれないけれど、絶対脚色入ってる(笑)。ジャスティンのモノローグが入っているように。
かわいくて、ダイスキですよ、ふたりの恋。
避暑地の10代の恋。
昨日の続きが今日で、今日の続きは明日だと無意識に信じている若者と少女。
ジャスティンの見た目のかっこよさと「遊んでいない」感じがイイの。
ふつーこれだけイケメンなら、女の子が放っておかないじゃん? ちやほやされて軟派になっていそうなもの。
それが、「車ヲタク」という設定で硬派なんだってことがわかる。ヲタクというと言葉は悪いが、好きなことがあって明確な夢を持っていて、それに一途な若者なんだよね。
だからきっと、モテはしても女の子を食いまくるよーなヤツではないんだ。イヴェットへの態度で、女の子の扱いを知っていることはわかるよね。純情可憐なボウヤくんではなく、ふつーに女の子とつきあったことはあるけど、今は車(夢)の方が大事、みたいな。
不自由はしていない、大して興味がないから自分から積極的に行くことがなかっただけ。
……そんな男の子が、砂が水を吸い込むようにイヴェットに惹かれて。
このまま今日が明日へつながり、ふつーにずーっと続いていくなら、ありきたりなカップルで終わったのかもしれない。
ふつーに1年つきあって年間イベント全部こなして、プロポーズして、って。ジャスティンはふつうの感覚を持った男の子だと思うから。
だけど、そうはいかなかった。
はじまったばかりで恋がいちばん盛り上がっているときに、他者の横槍で断ち切られてしまったんだ、ふたりの関係が。
ふつーの感覚を持った、ぬるいラヴカップルでしかなかったジャスティンが、情熱的な暴走野郎に変わることに、ときめく。
どっかのパーティに潜入し、見つけたイヴェットにキスの雨を降らせ、かけおちを持ちかけるような、やたらエンジン掛かった男に。
いやあ、この強引な、キスの雨がすげー好きでね~~。正塚キャラでこれはめずらしくないか? がっつかないのがポリシー、やせ我慢してナンボ、でしょ、ふつーは。
わたしは小心なので(笑)、急に恋人が会ってくれなくなったら「嫌われたのかも」って思う。
だからこの場合も、イヴがジャスティンを嫌になった可能性だってあるじゃん? と、つい思ってしまうのね。嫌ってのは、個人的なことだけではなく、家柄とかいろんなことを考えて「会わない方がお互いのため」と思っているんじゃ、と。
だとしたらいきなり消えたことが思いやりかもしんないのに、それをぶち壊してストーカーみたいなことして、しかも強引にチューって……下手したら、通報されるよ?! と、心配しておりました。
だからイヴが「会えてうれしいっ!」と全身で表現してくれたことに、すげーよろこんだ。ほっとした。
よかったっ、ジャスティン、ストーカーぢゃないっ!(笑)
囚われのお姫様を救いに来た王子様だ。ストーカーとは天地の差。
そして、思うんだ。
恋人が目の前から消えて、「嫌われたんだ」とか「このまま終わった方がいいんだ」とか一切思わずに、「彼女もボクを待っている、助けに行かなきゃ!」となんの躊躇もなく思えること、それが、若さなんだ。イタさとも言う(笑)。
自分に対してマイナスな出来事が起こり、「自分にナニか落ち度が」とはかけらも思わず、「誰かが妨害してるんだっ」と思い込む精神構造。
トシ取ってから振り返ると恥ずかしくてアタマ抱えるけれど、そのときはそれがデフォ。自分中心、自分しか見えない。
世界は自分中心に回っているから、平気で無謀なかけおちを持ちかける。
武器は、自分の夢でもある自作した車。自分自身にも将来にも自信しかないから、いくらでも傲慢になれる。
愛する少女を悪漢から助け出し、自分の作った車で世界に認められ、永遠に幸せになる。
そんな未来を考えるまでもなく信じている。
イヴェットがかけおちに同意しないなんて夢にも思わないから、言いたいことだけ言って「怪しまれるから、もう行って」と突き放す。
ジャスティンの視界の狭さ、自己中心的なところが、ダイスキ。
それが、「若さ」だから。
今現在の自分勝手さではなく、あくまでも、「大人のジャスティンが、回想している」少年時代のジャスティンだから。
……イヴェットは現れず、かけおちはジャスティンの独りよがりに終わる。
彼は生まれてはじめて、挫折を知る。
自分で車を作っちゃうくらい、なんでもできる男だったのにね。
求めれば叶う、それが人生だと信じ切っていた……そんな黄金時代の終幕。
なんでもできる自分、の象徴だった、自作した車も手放して。
それまでのレーゾンデートル叩き壊されて、はじめて自己を模索することになるんだろう。
そーやって、断ち切られた恋、断ち切られた夢を抱えて。
社会に出てそれなりに泳ぎ方をおぼえて。
それでもまだ、「自分」がなんであるのか、なにがしたいのかはわからないまま、とりあえず生きていて。
もともと優秀な人だから、若くして会社興して切り盛りして、見た目は順風満帆なんだけど。
それは少年時代の、確固たるものを持っていたときは、ちがっていて。
「今」の位置から、「愚かで、愛しい青春時代」を回想する。
だからこそ、それはとびきり甘いし、また、とびきり痛い。
痛さすら、愛しさになる。
……まあ、ジャスティンは若いころの自分も全肯定してそーだけどね(笑)。自分のイタさより、「哀しい過去」に酔っていそうというか。その辺が正塚の「男視点のロマンチシズム」(女性から見ると「けっ」てなことがままある・笑)と、タニちゃんの「大和悠河」的持ち味がステキにマッチしている気がする(笑)。
正直意外なほど、ハリーとタニちゃんって、融合するのかも?
大人になってしまうと、若いころ……イタさ爆発のハタチ前後の頃が愛しくてならない。
当時がどうであれ、現在から振り返って見るにあたり、想い出は美化され、イタかったこともみんなみんな微笑ましく思えたりする。
『薔薇に降る雨』の、ジャスティン@タニちゃんとイヴェット@ウメちゃんの出会いとその急激な恋が、「回想シーン」であるということ。
現在から振り返っているわけだから、それは「真実」ではない。真実に近いかもしれないけれど、絶対脚色入ってる(笑)。ジャスティンのモノローグが入っているように。
かわいくて、ダイスキですよ、ふたりの恋。
避暑地の10代の恋。
昨日の続きが今日で、今日の続きは明日だと無意識に信じている若者と少女。
ジャスティンの見た目のかっこよさと「遊んでいない」感じがイイの。
ふつーこれだけイケメンなら、女の子が放っておかないじゃん? ちやほやされて軟派になっていそうなもの。
それが、「車ヲタク」という設定で硬派なんだってことがわかる。ヲタクというと言葉は悪いが、好きなことがあって明確な夢を持っていて、それに一途な若者なんだよね。
だからきっと、モテはしても女の子を食いまくるよーなヤツではないんだ。イヴェットへの態度で、女の子の扱いを知っていることはわかるよね。純情可憐なボウヤくんではなく、ふつーに女の子とつきあったことはあるけど、今は車(夢)の方が大事、みたいな。
不自由はしていない、大して興味がないから自分から積極的に行くことがなかっただけ。
……そんな男の子が、砂が水を吸い込むようにイヴェットに惹かれて。
このまま今日が明日へつながり、ふつーにずーっと続いていくなら、ありきたりなカップルで終わったのかもしれない。
ふつーに1年つきあって年間イベント全部こなして、プロポーズして、って。ジャスティンはふつうの感覚を持った男の子だと思うから。
だけど、そうはいかなかった。
はじまったばかりで恋がいちばん盛り上がっているときに、他者の横槍で断ち切られてしまったんだ、ふたりの関係が。
ふつーの感覚を持った、ぬるいラヴカップルでしかなかったジャスティンが、情熱的な暴走野郎に変わることに、ときめく。
どっかのパーティに潜入し、見つけたイヴェットにキスの雨を降らせ、かけおちを持ちかけるような、やたらエンジン掛かった男に。
いやあ、この強引な、キスの雨がすげー好きでね~~。正塚キャラでこれはめずらしくないか? がっつかないのがポリシー、やせ我慢してナンボ、でしょ、ふつーは。
わたしは小心なので(笑)、急に恋人が会ってくれなくなったら「嫌われたのかも」って思う。
だからこの場合も、イヴがジャスティンを嫌になった可能性だってあるじゃん? と、つい思ってしまうのね。嫌ってのは、個人的なことだけではなく、家柄とかいろんなことを考えて「会わない方がお互いのため」と思っているんじゃ、と。
だとしたらいきなり消えたことが思いやりかもしんないのに、それをぶち壊してストーカーみたいなことして、しかも強引にチューって……下手したら、通報されるよ?! と、心配しておりました。
だからイヴが「会えてうれしいっ!」と全身で表現してくれたことに、すげーよろこんだ。ほっとした。
よかったっ、ジャスティン、ストーカーぢゃないっ!(笑)
囚われのお姫様を救いに来た王子様だ。ストーカーとは天地の差。
そして、思うんだ。
恋人が目の前から消えて、「嫌われたんだ」とか「このまま終わった方がいいんだ」とか一切思わずに、「彼女もボクを待っている、助けに行かなきゃ!」となんの躊躇もなく思えること、それが、若さなんだ。イタさとも言う(笑)。
自分に対してマイナスな出来事が起こり、「自分にナニか落ち度が」とはかけらも思わず、「誰かが妨害してるんだっ」と思い込む精神構造。
トシ取ってから振り返ると恥ずかしくてアタマ抱えるけれど、そのときはそれがデフォ。自分中心、自分しか見えない。
世界は自分中心に回っているから、平気で無謀なかけおちを持ちかける。
武器は、自分の夢でもある自作した車。自分自身にも将来にも自信しかないから、いくらでも傲慢になれる。
愛する少女を悪漢から助け出し、自分の作った車で世界に認められ、永遠に幸せになる。
そんな未来を考えるまでもなく信じている。
イヴェットがかけおちに同意しないなんて夢にも思わないから、言いたいことだけ言って「怪しまれるから、もう行って」と突き放す。
ジャスティンの視界の狭さ、自己中心的なところが、ダイスキ。
それが、「若さ」だから。
今現在の自分勝手さではなく、あくまでも、「大人のジャスティンが、回想している」少年時代のジャスティンだから。
……イヴェットは現れず、かけおちはジャスティンの独りよがりに終わる。
彼は生まれてはじめて、挫折を知る。
自分で車を作っちゃうくらい、なんでもできる男だったのにね。
求めれば叶う、それが人生だと信じ切っていた……そんな黄金時代の終幕。
なんでもできる自分、の象徴だった、自作した車も手放して。
それまでのレーゾンデートル叩き壊されて、はじめて自己を模索することになるんだろう。
そーやって、断ち切られた恋、断ち切られた夢を抱えて。
社会に出てそれなりに泳ぎ方をおぼえて。
それでもまだ、「自分」がなんであるのか、なにがしたいのかはわからないまま、とりあえず生きていて。
もともと優秀な人だから、若くして会社興して切り盛りして、見た目は順風満帆なんだけど。
それは少年時代の、確固たるものを持っていたときは、ちがっていて。
「今」の位置から、「愚かで、愛しい青春時代」を回想する。
だからこそ、それはとびきり甘いし、また、とびきり痛い。
痛さすら、愛しさになる。
……まあ、ジャスティンは若いころの自分も全肯定してそーだけどね(笑)。自分のイタさより、「哀しい過去」に酔っていそうというか。その辺が正塚の「男視点のロマンチシズム」(女性から見ると「けっ」てなことがままある・笑)と、タニちゃんの「大和悠河」的持ち味がステキにマッチしている気がする(笑)。
正直意外なほど、ハリーとタニちゃんって、融合するのかも?