お別れを言いに。@月組千秋楽
2009年11月9日 タカラヅカ 美しい人だ、と、改めて思った。
月組公演『ラスト プレイ』『Heat on Beat!』大劇場千秋楽。
チケットなんかもちろんないから、朝から当日券に並んだ。なんとかバウホールのチケットを得て、映像で見収めることが出来た。
バウの大スクリーンに映し出されるあさこちゃんの姿を見ながら、その端正さに感動する。
本当に、美しい人だなと。
タカラヅカのトップスターは、誰もが研ぎ澄まされた美しさを持つ。
この唯一無二の花園で、唯一無二の花を咲かせた人だ。そしてその花園を去るときに、培われてきた芸と経験が最高位で融合し、有限の楽園を去る妖精だけが持つ透明感を放つ。
スクリーンに切り取られる姿は、まぎれもなく「宝塚トップスター」だ。
95年の歴史を刻む、ひとつの到達点ともいえる姿だ。
わたしとはいまひとつ縁のないスターさんで、いつも遠くから眺めるに留まったけれど、彼のタカラヅカ的な美しさ、格好良さには安心していた。
相手役のないまま卒業する、そんなイレギュラー状態より、いかにもタカラヅカな世界観のまま卒業して欲しかったと思うけれど、それはもう仕方ない。
そういえば前月組トップのさえちゃんも、娘役不在で2番手男役に見送られて卒業したんだっけ。……月組の伝統になるのか?(ならないでくれ)
『マリポーサの花』でも思ったが、『ラスト プレイ』は映像向き作品だ。
空間をもてあます大劇場より、限られた視界とカット割りされたフレームの中がよく似合う。また、あさこちゃんの芝居も大劇場よりはこーゆーバストアップの画面のでの方が合う気がする。
反対に、ショー『Heat on Beat!』は映像だとつまらない。
ショーはやっぱりナマでなきゃ!
そしてまた、あさこちゃんも。大スクリーンとはいえ、こんな限られた枠の中では精彩を欠く。
あさこ……いや、スター・瀬奈じゅんは、ナマのステージでこそ、もっとも魅力を発揮する。
ショースターなんだよなあ。
しみじみと。
だから、サヨナラ「ショー」がまた、がつーんと派手で。
歌とか芝居とか得意な人より、まさしく「ショー」を得意とする人はなんてストロングなんだろう、と思いました。
……いやその、「黒い鷲」がちょっとショックで(笑)。
『SAUDADE』では特になんとも思ってなかったの。ああ、思い出の曲よねえ、いいわねやっぱ、ぐらいの温度感。
でもその後、我がご贔屓がDSで「黒い鷲」を歌っていて。ご贔屓的には最大級の力を発揮して表現していたのよ、鳥肌モノで感動したのよ。
しかし……。
今、あさこちゃんが歌い、踊り、表現する「黒い鷲」でなんというかもお、次元が違うっちゅーかね。表現している、大きさの違いっていうかな。
歌唱力でもない、もっと別のモノ。
それが段違い。
……もともと別物で、比べるのが間違っているし、比べたいわけでもないが、なんか「ああ、そういうことなのか……」と現実に呆然としました。
だからといって、ご贔屓への愛が揺らぐわけではなく、ご贔屓の歌う「黒い鷲」の感動が薄れるわけでもまったくないが、それにしたってあさこすげえ。
そのスターっぷりに、素直に感動しました。
でわたしは、わたしの萌え男・あひくんの最後を見届けたくてはるはる宝塚ムラまで早朝から出かけていたわけなんだが……。
いやあ、覚悟はしていたけれど、映像だとまったく映らないねっ!
台詞を言うところやソロなどの見せ場は抜いてくれるけれど、それ以外のところは映らない。舞台にいるのに、肘とか足先とかちらちら見えても、ちゃんと映ることは少ない。
主役以外のファンは、客席に坐らなきゃダメだよなー。
で、映像だからか、彼の歌はますますステキに危なっかしくて手に汗握りました(笑)。
ナマだったらエコー掛かってるから、ここまでハラハラしないで済んだのかも。
サヨナラショーであひくんが歌った曲は、よくわかんなかった……通常の彼の出演した公演は全部観ているはずだから、それ以外の曲かな、と、ちょっと寂しかった。
DSの曲なんだね。あひくんひとりのために作られた曲だろうし、あひくんとファンにとっていちばん大切な曲なんだろう。
と、わかっていても、こーゆーパブリックな場では自分たちの中だけで完結せずに、もう少しパブリックな歌を歌って欲しいなぁ、と自分勝手なことを思ったり。や、観客とはワガママなものなのです。(と、一般論っぽくなすりつける)
それでも彼がたのしそーに笑っていて、とてもゆるい挨拶をしているのを見て、泣き笑いしました。
や、挨拶っていうのは、階段降りて来てゼロ番でマイクに向かって話す挨拶ではなく、カーテンコールのときの「退団者、一言挨拶」。
「楽し過ぎて、笑いが止まりません」だっけ。
ふつーそこは、「幸せです(笑顔)」だろう、笑いが止まらないって……(笑)。
袴姿のあひくんが、隣に並んだ黒燕尾(きっとハイヒール)のあさこちゃんよりはるかにデカくて、「あああ、このふたりでもっと萌える関係の芝居とか見てみたかったかも」と、今さらながらに思った。
トートとルドルフはぜんぜん萌えなかったもん……そーゆーんじゃなくてさあ……。(うだうだ)
ところで、瀬奈じゅんさんの「最後のキスの相手」が、女装きりやんなのは、イイのか? と、大スクリーンにドアップになった、あさきり濃厚キスシーンを見て、思った。つか、びびった(笑)。
大スクリーンに、ばばーん、ですよ、あの濃厚チュー(しかも長い)がっ!!
それともうひとつ。
すべてのプログラムがつつがなく終了し、「ありがとうございました!」と緞帳が閉まるその最後の並びが。
退団するトップスターの隣にいるのが、組長ってゆーのは、すげーびびった(笑)。
組長、そこっ?! 立ち位置ソコなの?!
トップスターの両隣は通常、トップ娘役と2番手男役。
トップ娘役がいないからって、そこが組長位置っつーのは、すげえ光景だと思った。そんなの、はじめて見た。
トウコちゃん退団時、花盾持って手を振るその隣が英真くみちょとか、まとぶの横がはっちさんとか水しぇんの横がナガさんとか、それはちょっとというか絶対見たくないというか。
リュウ様ダイスキだし、彼ならあさこちゃんの隣でもいいんだろうし、いっぱい喋っていっぱい映って泣いて突っ込まれてあわあわして(笑)、すっげーかわいくて萌えだったけど、それとは別に彼の立ち位置にはびびった。嫌だというわけではなく、ただびびった。(ごめん、英真さん、はっちさん、ナガさん)
カテコでは退団者たちが真ん中に集まって、在団者たちはその周囲に立つ、いつもの陣形になっていたのでふつーの光景に戻っていたんだけど。
月組はやっぱり、不思議なことになっていたんだと、最後まで見せつけてくれた。
あさこちゃんたち、ジェンヌはみんな立派に「タカラヅカ」なのにね。
月組公演『ラスト プレイ』『Heat on Beat!』大劇場千秋楽。
チケットなんかもちろんないから、朝から当日券に並んだ。なんとかバウホールのチケットを得て、映像で見収めることが出来た。
バウの大スクリーンに映し出されるあさこちゃんの姿を見ながら、その端正さに感動する。
本当に、美しい人だなと。
タカラヅカのトップスターは、誰もが研ぎ澄まされた美しさを持つ。
この唯一無二の花園で、唯一無二の花を咲かせた人だ。そしてその花園を去るときに、培われてきた芸と経験が最高位で融合し、有限の楽園を去る妖精だけが持つ透明感を放つ。
スクリーンに切り取られる姿は、まぎれもなく「宝塚トップスター」だ。
95年の歴史を刻む、ひとつの到達点ともいえる姿だ。
わたしとはいまひとつ縁のないスターさんで、いつも遠くから眺めるに留まったけれど、彼のタカラヅカ的な美しさ、格好良さには安心していた。
相手役のないまま卒業する、そんなイレギュラー状態より、いかにもタカラヅカな世界観のまま卒業して欲しかったと思うけれど、それはもう仕方ない。
そういえば前月組トップのさえちゃんも、娘役不在で2番手男役に見送られて卒業したんだっけ。……月組の伝統になるのか?(ならないでくれ)
『マリポーサの花』でも思ったが、『ラスト プレイ』は映像向き作品だ。
空間をもてあます大劇場より、限られた視界とカット割りされたフレームの中がよく似合う。また、あさこちゃんの芝居も大劇場よりはこーゆーバストアップの画面のでの方が合う気がする。
反対に、ショー『Heat on Beat!』は映像だとつまらない。
ショーはやっぱりナマでなきゃ!
そしてまた、あさこちゃんも。大スクリーンとはいえ、こんな限られた枠の中では精彩を欠く。
あさこ……いや、スター・瀬奈じゅんは、ナマのステージでこそ、もっとも魅力を発揮する。
ショースターなんだよなあ。
しみじみと。
だから、サヨナラ「ショー」がまた、がつーんと派手で。
歌とか芝居とか得意な人より、まさしく「ショー」を得意とする人はなんてストロングなんだろう、と思いました。
……いやその、「黒い鷲」がちょっとショックで(笑)。
『SAUDADE』では特になんとも思ってなかったの。ああ、思い出の曲よねえ、いいわねやっぱ、ぐらいの温度感。
でもその後、我がご贔屓がDSで「黒い鷲」を歌っていて。ご贔屓的には最大級の力を発揮して表現していたのよ、鳥肌モノで感動したのよ。
しかし……。
今、あさこちゃんが歌い、踊り、表現する「黒い鷲」でなんというかもお、次元が違うっちゅーかね。表現している、大きさの違いっていうかな。
歌唱力でもない、もっと別のモノ。
それが段違い。
……もともと別物で、比べるのが間違っているし、比べたいわけでもないが、なんか「ああ、そういうことなのか……」と現実に呆然としました。
だからといって、ご贔屓への愛が揺らぐわけではなく、ご贔屓の歌う「黒い鷲」の感動が薄れるわけでもまったくないが、それにしたってあさこすげえ。
そのスターっぷりに、素直に感動しました。
でわたしは、わたしの萌え男・あひくんの最後を見届けたくてはるはる宝塚ムラまで早朝から出かけていたわけなんだが……。
いやあ、覚悟はしていたけれど、映像だとまったく映らないねっ!
台詞を言うところやソロなどの見せ場は抜いてくれるけれど、それ以外のところは映らない。舞台にいるのに、肘とか足先とかちらちら見えても、ちゃんと映ることは少ない。
主役以外のファンは、客席に坐らなきゃダメだよなー。
で、映像だからか、彼の歌はますますステキに危なっかしくて手に汗握りました(笑)。
ナマだったらエコー掛かってるから、ここまでハラハラしないで済んだのかも。
サヨナラショーであひくんが歌った曲は、よくわかんなかった……通常の彼の出演した公演は全部観ているはずだから、それ以外の曲かな、と、ちょっと寂しかった。
DSの曲なんだね。あひくんひとりのために作られた曲だろうし、あひくんとファンにとっていちばん大切な曲なんだろう。
と、わかっていても、こーゆーパブリックな場では自分たちの中だけで完結せずに、もう少しパブリックな歌を歌って欲しいなぁ、と自分勝手なことを思ったり。や、観客とはワガママなものなのです。(と、一般論っぽくなすりつける)
それでも彼がたのしそーに笑っていて、とてもゆるい挨拶をしているのを見て、泣き笑いしました。
や、挨拶っていうのは、階段降りて来てゼロ番でマイクに向かって話す挨拶ではなく、カーテンコールのときの「退団者、一言挨拶」。
「楽し過ぎて、笑いが止まりません」だっけ。
ふつーそこは、「幸せです(笑顔)」だろう、笑いが止まらないって……(笑)。
袴姿のあひくんが、隣に並んだ黒燕尾(きっとハイヒール)のあさこちゃんよりはるかにデカくて、「あああ、このふたりでもっと萌える関係の芝居とか見てみたかったかも」と、今さらながらに思った。
トートとルドルフはぜんぜん萌えなかったもん……そーゆーんじゃなくてさあ……。(うだうだ)
ところで、瀬奈じゅんさんの「最後のキスの相手」が、女装きりやんなのは、イイのか? と、大スクリーンにドアップになった、あさきり濃厚キスシーンを見て、思った。つか、びびった(笑)。
大スクリーンに、ばばーん、ですよ、あの濃厚チュー(しかも長い)がっ!!
それともうひとつ。
すべてのプログラムがつつがなく終了し、「ありがとうございました!」と緞帳が閉まるその最後の並びが。
退団するトップスターの隣にいるのが、組長ってゆーのは、すげーびびった(笑)。
組長、そこっ?! 立ち位置ソコなの?!
トップスターの両隣は通常、トップ娘役と2番手男役。
トップ娘役がいないからって、そこが組長位置っつーのは、すげえ光景だと思った。そんなの、はじめて見た。
トウコちゃん退団時、花盾持って手を振るその隣が英真くみちょとか、まとぶの横がはっちさんとか水しぇんの横がナガさんとか、それはちょっとというか絶対見たくないというか。
リュウ様ダイスキだし、彼ならあさこちゃんの隣でもいいんだろうし、いっぱい喋っていっぱい映って泣いて突っ込まれてあわあわして(笑)、すっげーかわいくて萌えだったけど、それとは別に彼の立ち位置にはびびった。嫌だというわけではなく、ただびびった。(ごめん、英真さん、はっちさん、ナガさん)
カテコでは退団者たちが真ん中に集まって、在団者たちはその周囲に立つ、いつもの陣形になっていたのでふつーの光景に戻っていたんだけど。
月組はやっぱり、不思議なことになっていたんだと、最後まで見せつけてくれた。
あさこちゃんたち、ジェンヌはみんな立派に「タカラヅカ」なのにね。