コマが、かっこいいっ!!

 雪組バウホール公演『雪景色』、Aバージョン観劇。
 この短期間公演で4パターン役替わりって心から勘弁してほしいんだけど。W主演だから、っつーなら、せめてWSみたいに前半後半で主演を替える程度にしてよ。

 おかげで、自分がこれから観る芝居の主役が誰なのか、なにがどうなっているのか、さっぱりわかってないままサバキでチケット買って観劇したさ。

 わたしが観たのは、1幕ちぎ、2幕コマ、3幕コマが主役バージョンだった。……なんてことを知ったのは観劇後であり、観ているときはどっちが主役か知らないままだったさ。
 
 谷せんせの落語モノで3本立て。ヒロインはミミちゃん。主演以外にも、雪組まるまるトリオがなんか役替わりしているらしい、ということぐらいしか予備知識ナシ。
 それだけで観劇して。

 盛大に、コマにときめく。

 な、何故コマ?! 今さらどーしてコマ?!

 もともと雪担だったこともあり、コマのことは長く眺めて来ている。
 最初の記憶は民放のニュース番組の初舞台生特集コーナーだ。首席入団の美少女、花組にそののち配属された瑠音舞佳ちゃんに密着した番組で、彼女のインタビューやら練習風景やらが中心の映像だった。そこに、次席入団のコマも映り込んでいた。
 瑠音ちゃんはたしかにとてもかわいかったけれど、首席だから実力もあるんだろうけど、あまりにふつーに「美少女」だったので、男役なんだし、もう少し少年っぽい方がいいなあ、と漠然と思った。その横にいた、まるまるつやつやしてはいるけど、ちゃんと少年っぽかった黒いレオタード姿のコマくんのことは、記憶に残った。
 その後コマは雪組に配属、順調に抜擢され、早くから路線スターとして位置づけられて来た。タニちゃんみたいな華々しい抜擢ではないが、組ファンならわかるプッシュ具合でいつもいい位置にいる男の子。

 顔立ちはあさこ・きりやん・れおんに似ているという、超路線ぶり。しかし体型と芸風はハマコ似という、すごいんだか残念なんだかという個性、学年を経て見えてくるそのやたらアツい芸風と愉快な空回りっぷり。

 長い間コマは、ネタジェンヌだった、わたしにとって。
 『エンカレッジコンサート』も『エリザベート』新公も、爆笑させてもらった。や、悪い意味ではなく、その力任せの爆走ぶりが愉快でなー。失敗をおそれて制限速度以下でしか走れない人より、クラッシュをおそれずアクセル全開にぶっ飛ばす人の方が好きだ。
 そーゆー意味でコマは、わたしに気持ちのいい笑いをくれる人だった。終演後に友だちと肩を叩き合って「コマ、さいこーっ」と叫ぶ、愛されキャラだった。

 が、いつもコマならなんでもいいってわけじゃなくて。たとえば『凍てついた明日』のデキは、わたし的にはかなりがっかりで、そこでコマ株が暴落したりとそのときどきで印象は違っていた。

 新公でトートとオスカルを演じたものすげースターっぷりのはずなんだが、そのオスカル写真が新聞に載っているのを見て、素で「ベルナール@ハマコがなんでこんな1ページまるまる使ってばーんとカラーで載ってるんだろう?」と首を傾げた過去もある。や、オスカル@コマだとマジに気づかなかったんだ、ごめんよごめんよ。
 頼むコマ、痩せてくれ……!! と、このブログでも何度か書いたよーな気がする。脇の色男は恰幅良くてもいいんだが、路線スター様はスリムな方がいいと思うの、わたし。

 芸風が愉快なことといろいろとハマコ似なこともあり、コマの容姿がどうこうとは、特に思わないまま来た。
 コマってひょっとしてきれいじゃん? と思ったのは、実は『「カラマーゾフの兄弟」トークショー』のときがはじめてだ。ごめんよごめんよ、それまでなんだと思ってたんだ、てなもんだがほんとにねぇもぉ。

 カラマトークショーのときのコマは、美青年風の髪型とロングジャケット効果もあってか、なんかとても涼しげなハンサムくんだったのだわ。
 それで好感度アップしていたところへ、『カラマーゾフの兄弟』本編。

 感想ちゃんと書いてないが、実は『カラマーゾフの兄弟』は、アリョーシャ@コマ萌えだった(笑)、わたし。や、ミーチャ@水くんがいちばん素敵なのは言うまでもないことですけど!

 アリョーシャ、すげーイイ感じなんですけど? ナニ、あのステキな攻男!
 ……ことあるごとに語ってますが、わたしは攻キャラスキー、男は攻認定されたときに好きメーターが動きます。
 三男×長男で、腐った萌え心が燃え上がりました(笑)。

 てなことはあったけれど、その後別段コマをいいと思うこともなく、現在に至る。
 ……至っていた、のに。

 キタ。
 この期に及んで、キタ。

 空前絶後の、コマ萌え(笑)。

 かっこいい~~っっ。
 コマがかっこいい、ステキ過ぎる。

 1幕の横恋慕男がまず、かわいかった。
 小四郎@ちぎのえんえん独壇場のあと、忘れたころに突然登場する、三五郎@コマ。なんかそのときすでに、「ん、なんかかっこいいぞ?」とは思ったけどかっこつけてるときよりも、小四郎が戻ってきて「間男」扱いになってしまってからがもお、かわいすぎる。
 両膝そろえてちょこんと坐り、うなだれている様が……。登場時の二枚目風とは打って変わったヘタレっぷり! お咲@みみちゃんに捨てられるんぢゃないかとおろおろうろうろ、かわいいかわいいかわいい。

 なんかコマがかわいかったわあ、ヘタレ男似合うのかしら、と思っているところへ2幕。
 こちらは正反対のど真ん中クール・ヒーロー。
 罪を犯し、故郷を追われる飾り職人・伊左次@コマ。
 「不器用な男ですから……」と、高倉健さんがやりそーな骨太の二枚目。仲間の罪をかぶり、言い訳せず取り繕うこともなく、すべてひとりを背負って黙って消えていこうとする、そーゆー男。
 無口でクールな彼をめぐって、まー次々と登場してくるの、喋りまくる人たちが(笑)。
 親友の岡っ引き@ちぎがひとりで喋りまくったかと思うと、伊左次に片思いのお嬢様@みみちゃんが出てきて喋りまくり、さゆちゃん他わさわさ出てきてまたしても喋りまくる。

 そんななか、ひとり喋らない彼。
 遠い目なんかして、ふっと「はないちもんめ」を口ずさんだりする彼。

 かかかかかっこいいんですけど、なんかすごくっ?!

 コマだよ? これコマなのに、なんでこんなにかっこいいの?
 涼しげで端正。清潔さがにじむ着物姿にりりしい髷。

 ……日本物だから? じつはコマくん、青天が似合いまくる人だったの? それでこんなにかっこいいの?

 と、ここでも首を傾げていたが。
 ここまではまあ、どーってことなかったんだ、わたし的に。

 本当の意味で、ショックだったのは、コマ萌えしたのは、第3幕。

 うわ、前振りだけで3000字超えちゃった。翌日欄へ続く(笑)。

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