それは、トップスターの力を見せつける公演。@眠らない男・ナポレオン
2014年1月15日 タカラヅカ 『眠らない男・ナポレオン』でナニに感動したかって、柚希礼音の、トップスター力。
すげえ。
ひたすら、すげえ。
れおんくん、ほんといいトップさんになったなああ。や、彼は前から揺るぎない真ん中ぶりで、今更ナニ言ってんだってもんだけど、今回また改めて、思った。
痛感した。
こんなどーしよーもない作品を、力技で支えてる、その姿に。
小池先生の脚本力に期待はしていませんとも。わたしはあの『MIND TRAVELLER』に通い詰めた人間です。イケコオリジナルには十分泣かされましたとも。
だから、イケコ作品に求めるのは別の部分。
大劇場の広大な舞台と潤沢な装置を存分に使ったスペクタクルな演出。
小説をじっくり読みたい気分でイケコ作品は観ない。テーマパークのアトラクションに乗ってきゃーきゃー言いたい気分で観るのがイケコ作品の楽しみ方。いろんな楽しみ方があるのが、タカラヅカのいいところ。
テーマパークのアトラクションに対し、「人間描写が薄っぺら」とか「ストーリーに整合性がない」とか「荒唐無稽、バカバカしい」とは言わないでしょ? そんなもん、求める方が間違ってる。
イケコ作品で(脚本以外で)もっとも残念なのは太田先生の地味な音楽なんだけど、今回は音楽が別の人。大枚はたいてギュル様に依頼している。
というところには、期待しておりました。
実際、友会で入力した分は全滅。平日だって入力してるのに、別に「千秋楽でなきゃヤだ!」ってこともなく、純粋に観に行ける日程で入力したのに。第一次、第二次通して当たったのが新公だけ、本公演は全滅ってナニ。
ほんと星組さんは人気でチケット取れなくて困る。
で、お正月もあけた平日に当日券で観に行ったら、残っているのは2階席だけ、AのLR6・7列目の壁際と、Bの16列目の端が数席のみ。
ちょ、平日でも完売近いの?
それならいっそ立ち見が出ないかな、と期待したけど、残念ながらそこまでは行かず。
仕方なく、16列目の端っこで観劇。
集中力が必要な、濃密な心理芝居ならこんだけ舞台から遠い席だと大変だけど、スペクタクルな大芝居を楽しむ分には大丈夫だろう。むしろ、照明とかフォーメーションが楽しめるのは2階席だもんね。
そう安心してました。
が。
ぽかーんとするくらい、地味な舞台でした。
1幕はほんと、とまどった。
とまどう……というか、途方に暮れる、というのが、いちばん近い感覚かな。
ストーリーはあらすじレベル。こんな人がいて、こんなことを言いました、しました。
キャラクタは散漫で薄っぺら。
や、それは知ってる、イケコだから。
そこへ、予想外の地味な、なにもない演出、舞台。
あー……大劇場の舞台って、広いんだな……。
わたしはそれを、痛感していた。
広さ何メートルだっけ? ちょっとした球技とかできそうなくらい、広いよね。
というくらい、床ばかりが目立っていた。
背景も大道具も、ナニもない。
むき出しの床の上に、十数人のジェンヌが出てきて踊る。
他の劇場なら、10人以上のキャストが出て踊っていたら「うわ、たくさんいる! 舞台に人がいっぱい!」だろうけど、なにしろここは大劇場、「舞台に人がいっぱい」というと、ショーのオープニングの総踊りレベルが必要だ。
大劇場の広さに負けきっている、「少人数」が踊っている……。
たぶん、舞台いちばん奥、ホリゾントに派手な映像が映し出されているのだと思う。
そして、映像を見せるために、舞台装置はナシ、映画館状態なんだと思う。
しかし2階後方席からは、映像は、まったく見えない。
見えるのは、なんの装飾もされていない広大な床と、人数の少ないキャストのみ。
ちょっとした会話劇のあとは、このなにもない広大な舞台床をえんえん見せられる、その繰り返し。
途方に暮れた。
面白くない、んじゃない。
「つまらない」。
面白くない、と、つまらない、はチガウ。
面白い部分はある。なにしろイケコだから、老練。
そういう部分のことじゃなくて。
ナニがしたいのかわからない。
えっとコレ、誰がオイシイの?
誰のファンなら楽しめるの?
どのあたりの客層を狙って作ったの? 視点はどこにあり、ナニを描きたくて、ナニをしたくて、上演しているの?
外国の有名作曲家を招くことが出来た、経済力とか政治力? 豪華な衣装と派手な宣伝で「タカラヅカってすごい!」と言いたいだけ? 誰に? マスコミとか、ヅカヲタ以外の、ヅカに興味もないし、見に来ないだろう人たち相手に? んな人たちに「タカラヅカって100周年なんだね、すごいね」と言われて、それだけが目的であり、ゴールなの?
主役のファンならたのしいのかな? 衣装豪華だし、ラヴシーンあるし? わたしれおんくん好きだけど、ちえねねが好きで、星組観劇意欲の何割かを占めてるんだけど、好きぐらいじゃダメ?
幕間にとまどいまくっていたら、星担友人から「2幕目はマシだから」となぐさめが来た。
うーむ……。
たしかに2幕の方が良かったけど……。
たぶん、席が悪かったのだと思う。
良席で観たら、ちゃんと豪華で目で楽しめるのではないかな。
大体、幕開きからひどかったさ。
真っ暗なナニもない舞台にれおんくんの声がして、拍手が起こっているんだけど、舞台は真っ暗で誰もいないまま。
わたしの坐っている周辺は、ぽかーん。
主役が登場しているけれど、見えないので、わからない。
イケコお得意のクレーンで、舞台奥のかなり上方に登場するため、2階の後ろからは、見えないの。
幕が上がったー! 主人公が、トップスターが登場したーー!!と、わーっと盛り上がって拍手する、そんな「当たり前」のことが、できなかったの。
最初から、置いてけぼりくらった……。
良席に坐る経済力や人脈のない人間は、客ぢゃないってことですかい、とグレたくなるわよ~~(笑)。や、慣れてるからこうしてネタになる止まりで、本気で言ってませんが。
わたしの初観劇は、なかなかどーして点数辛い結果になりました。
作品についてね。
キャストは素晴らしいですとも! れおんくんはじめ、星組のパワーあってこそ、このどーしよーもない脚本をここまで盛り上げられたんだわ!!
駄作を支える、れおんくんのトップ力に感服。
感想としては、それだけかな。
が。
わたしの周囲の人々みんな、口を揃えて同じことを言うのよ。
初見時は、わたしと似たり寄ったりの感想でも、「2回観ると、面白い」って。
つまらない、おもしろくない、と嘆いていた人が、2回目の観劇後、ころっと意見を変えるのよ。
また、わたしがこの辛口感想を言うと、みんな口を揃えて「何日目に観た?」って聞くの。
「演出は初日から毎日変更されていて、毎日が舞台稽古状態。だんだん良くなってきているので、いつ観劇したかで、作品への評価が違うはず」って。
初日近辺に観た=未完成状態だから、駄作に見えただけ、ってことらしい。
そ、そうなのか……。
なんつーか、えっと、それなら2回目観なくちゃだな。
せっかくの大作、楽しめなきゃ損だもん。
こんだけ残念な感想からスタートして、次にどう感じるか、自分でも楽しみだ。
たしかにわたしの場合、ころっと「きゃーきゃー♪」言ってるかも(笑)。
すげえ。
ひたすら、すげえ。
れおんくん、ほんといいトップさんになったなああ。や、彼は前から揺るぎない真ん中ぶりで、今更ナニ言ってんだってもんだけど、今回また改めて、思った。
痛感した。
こんなどーしよーもない作品を、力技で支えてる、その姿に。
小池先生の脚本力に期待はしていませんとも。わたしはあの『MIND TRAVELLER』に通い詰めた人間です。イケコオリジナルには十分泣かされましたとも。
だから、イケコ作品に求めるのは別の部分。
大劇場の広大な舞台と潤沢な装置を存分に使ったスペクタクルな演出。
小説をじっくり読みたい気分でイケコ作品は観ない。テーマパークのアトラクションに乗ってきゃーきゃー言いたい気分で観るのがイケコ作品の楽しみ方。いろんな楽しみ方があるのが、タカラヅカのいいところ。
テーマパークのアトラクションに対し、「人間描写が薄っぺら」とか「ストーリーに整合性がない」とか「荒唐無稽、バカバカしい」とは言わないでしょ? そんなもん、求める方が間違ってる。
イケコ作品で(脚本以外で)もっとも残念なのは太田先生の地味な音楽なんだけど、今回は音楽が別の人。大枚はたいてギュル様に依頼している。
というところには、期待しておりました。
実際、友会で入力した分は全滅。平日だって入力してるのに、別に「千秋楽でなきゃヤだ!」ってこともなく、純粋に観に行ける日程で入力したのに。第一次、第二次通して当たったのが新公だけ、本公演は全滅ってナニ。
ほんと星組さんは人気でチケット取れなくて困る。
で、お正月もあけた平日に当日券で観に行ったら、残っているのは2階席だけ、AのLR6・7列目の壁際と、Bの16列目の端が数席のみ。
ちょ、平日でも完売近いの?
それならいっそ立ち見が出ないかな、と期待したけど、残念ながらそこまでは行かず。
仕方なく、16列目の端っこで観劇。
集中力が必要な、濃密な心理芝居ならこんだけ舞台から遠い席だと大変だけど、スペクタクルな大芝居を楽しむ分には大丈夫だろう。むしろ、照明とかフォーメーションが楽しめるのは2階席だもんね。
そう安心してました。
が。
ぽかーんとするくらい、地味な舞台でした。
1幕はほんと、とまどった。
とまどう……というか、途方に暮れる、というのが、いちばん近い感覚かな。
ストーリーはあらすじレベル。こんな人がいて、こんなことを言いました、しました。
キャラクタは散漫で薄っぺら。
や、それは知ってる、イケコだから。
そこへ、予想外の地味な、なにもない演出、舞台。
あー……大劇場の舞台って、広いんだな……。
わたしはそれを、痛感していた。
広さ何メートルだっけ? ちょっとした球技とかできそうなくらい、広いよね。
というくらい、床ばかりが目立っていた。
背景も大道具も、ナニもない。
むき出しの床の上に、十数人のジェンヌが出てきて踊る。
他の劇場なら、10人以上のキャストが出て踊っていたら「うわ、たくさんいる! 舞台に人がいっぱい!」だろうけど、なにしろここは大劇場、「舞台に人がいっぱい」というと、ショーのオープニングの総踊りレベルが必要だ。
大劇場の広さに負けきっている、「少人数」が踊っている……。
たぶん、舞台いちばん奥、ホリゾントに派手な映像が映し出されているのだと思う。
そして、映像を見せるために、舞台装置はナシ、映画館状態なんだと思う。
しかし2階後方席からは、映像は、まったく見えない。
見えるのは、なんの装飾もされていない広大な床と、人数の少ないキャストのみ。
ちょっとした会話劇のあとは、このなにもない広大な舞台床をえんえん見せられる、その繰り返し。
途方に暮れた。
面白くない、んじゃない。
「つまらない」。
面白くない、と、つまらない、はチガウ。
面白い部分はある。なにしろイケコだから、老練。
そういう部分のことじゃなくて。
ナニがしたいのかわからない。
えっとコレ、誰がオイシイの?
誰のファンなら楽しめるの?
どのあたりの客層を狙って作ったの? 視点はどこにあり、ナニを描きたくて、ナニをしたくて、上演しているの?
外国の有名作曲家を招くことが出来た、経済力とか政治力? 豪華な衣装と派手な宣伝で「タカラヅカってすごい!」と言いたいだけ? 誰に? マスコミとか、ヅカヲタ以外の、ヅカに興味もないし、見に来ないだろう人たち相手に? んな人たちに「タカラヅカって100周年なんだね、すごいね」と言われて、それだけが目的であり、ゴールなの?
主役のファンならたのしいのかな? 衣装豪華だし、ラヴシーンあるし? わたしれおんくん好きだけど、ちえねねが好きで、星組観劇意欲の何割かを占めてるんだけど、好きぐらいじゃダメ?
幕間にとまどいまくっていたら、星担友人から「2幕目はマシだから」となぐさめが来た。
うーむ……。
たしかに2幕の方が良かったけど……。
たぶん、席が悪かったのだと思う。
良席で観たら、ちゃんと豪華で目で楽しめるのではないかな。
大体、幕開きからひどかったさ。
真っ暗なナニもない舞台にれおんくんの声がして、拍手が起こっているんだけど、舞台は真っ暗で誰もいないまま。
わたしの坐っている周辺は、ぽかーん。
主役が登場しているけれど、見えないので、わからない。
イケコお得意のクレーンで、舞台奥のかなり上方に登場するため、2階の後ろからは、見えないの。
幕が上がったー! 主人公が、トップスターが登場したーー!!と、わーっと盛り上がって拍手する、そんな「当たり前」のことが、できなかったの。
最初から、置いてけぼりくらった……。
良席に坐る経済力や人脈のない人間は、客ぢゃないってことですかい、とグレたくなるわよ~~(笑)。や、慣れてるからこうしてネタになる止まりで、本気で言ってませんが。
わたしの初観劇は、なかなかどーして点数辛い結果になりました。
作品についてね。
キャストは素晴らしいですとも! れおんくんはじめ、星組のパワーあってこそ、このどーしよーもない脚本をここまで盛り上げられたんだわ!!
駄作を支える、れおんくんのトップ力に感服。
感想としては、それだけかな。
が。
わたしの周囲の人々みんな、口を揃えて同じことを言うのよ。
初見時は、わたしと似たり寄ったりの感想でも、「2回観ると、面白い」って。
つまらない、おもしろくない、と嘆いていた人が、2回目の観劇後、ころっと意見を変えるのよ。
また、わたしがこの辛口感想を言うと、みんな口を揃えて「何日目に観た?」って聞くの。
「演出は初日から毎日変更されていて、毎日が舞台稽古状態。だんだん良くなってきているので、いつ観劇したかで、作品への評価が違うはず」って。
初日近辺に観た=未完成状態だから、駄作に見えただけ、ってことらしい。
そ、そうなのか……。
なんつーか、えっと、それなら2回目観なくちゃだな。
せっかくの大作、楽しめなきゃ損だもん。
こんだけ残念な感想からスタートして、次にどう感じるか、自分でも楽しみだ。
たしかにわたしの場合、ころっと「きゃーきゃー♪」言ってるかも(笑)。