『ベルサイユのばら―オスカル編―』初日観劇。

 観終わったあとに、箇条書きでメモしてたんだけど、ツッコミどころが多すぎて書き切れず、一幕で力尽きていた(笑)。ムラから乗換駅まで30分かかるんだけど、電車着いちゃったのなー。乗り換えたあとは坐れなかったから、端末出せなかった。
 だもんで、2幕の感想メモは残ってない。

 1幕よりも、2幕の方がひどかった印象。

 2幕がはじまって、アンドレ@まぁくんが戦死するまで、同じことしかやってなかった。

 つまり、「パリ進駐は危ない、とんでもない、やめて!」って話を、毎場面毎場面、繰り返してた。
 最初のうち、数えてたの。何回同じこと言うんだろうって。
 途中でわかんなくなった。数多すぎて。

 でもって、爆笑したのが、「ジェローデルの噂」。

 パリ進駐命令が出て、オスカル@かなめくんは衛兵隊隊長としてパリへ行くって言ってるのに、隊士たちは信じない。まあ、なんて信頼関係のない人たち。
 で、その信じない理由のひとつとして、「ジェローデル大佐が、オスカルに求婚するという噂がある」。

 噂って……!!

 オスカル、初耳。
 まだそんなこと、当のジェローデルからも、命令するジャルジェ父からも、カケラも聞いてない。
 なのに、噂。
 先に、噂。

 で、オスカルは結婚するから、パリへは行かないんじゃないかってさ。
 なにこのアホアホ展開。

 寝耳に水のオスカルは(そりゃそうだろう)、「貴族とか関係ない、わたしはひとりの人間だ!」とか、なんか原作の台詞寄せ集めの演説ぶって、お涙頂戴話にもっていって、盛り上がっている。
「隊長……っ!!」「(涙)……!!」

 ……という展開も、観ていて相当がっくりきてるんだけど。
 問題は、そのあと。

 みんなが「フランスのために!」と壮大な決意で盛り上がっている中、アンドレひとりが、「オスカルが結婚……?!」と、大ショック。
 人の話、聞いてねええ!!

 オスカルと衛兵隊の会話も、相当アホで脱力失笑もんだけど、それでもみんなが一丸となってるなかで、個人的なことしか考えられないって、どうよ?

 しかもだ。
 ここからいつもの毒殺モードに入るのよ。
「このアンドレがオスカルをもらう。オスカルを殺してでも……!!」

 噂だけで、毒殺!!

 オスカル自身、結婚の「噂」はまったく知らなかったし、否定してパリへ行くって言ってるのに。アラン@ヲヅキたちはそれを信じているのに。
 アンドレひとり、なーんも聞かないで自分ひとりの枠にこもって、出した答えが「他の男に盗られるくらいなら、殺す」。

 こわい。
 この変質者、こわすぎる……!!

 ……すみません。
 爆笑しました。
 声殺すの大変。

 噂がある、ってだけで、殺人宣言だもん……。

 オスカルも大変やなー。本人の責任ちゃうやん、そんなの。まだ求婚もされてないんだから、断ることすら出来ないし。

 この作品、アンドレの比重がとても低い。
 アンドレ、ジェローデルが同格になっている印象。
 てゆーかさー、オスカルの「近衛隊歴」と「衛兵隊歴」を比べると、衛兵隊歴の方が長いわけでしょ。その長い間、「オスカルを陰で支える役目」がジェローデルだったってことは、ジェローデルの方が「カストルとポルックス」じゃね?
 なんでここまでアンドレを落としているのか、わかんない。
 や、わかるとしたら、「役者の格」のこと。

 植爺は役者の格をとても大切にする。お気に入りの専科さんが演じるならば、それに相応しい出番と見せ場と豪華な衣装を用意する。作品の内容も、物語の流れも関係ない。大切なのは役者の格。
 だから端役にすぎなくても、格式ある専科さんには無意味に豪華な衣装と何行にも渡る無意味に長い台詞を用意する。
 物語的におかしくても、スターの演じる役は、無意味にファンファーレを付けたり豪華衣装だったり出番と台詞を水増ししたりする。
 豪華な衣装と長い台詞が、役者のステイタスだからだ。

 今回アンドレ役は、2番手ではないヲヅキも演じる。そんな生徒に「歴代トップスターが演じたのと同じ比重の役」はやらせられない。そんなことをしたら、歴代トップスターに失礼だ。
 役者の格がいちばん大事、作品も物語もどーでもいい、役者の格に合わせて、アンドレの比重を下げよう。

 そして、ジェローデル役の比重を上げることで、アンドレとジェローデルの2役を演じるまぁくんへ配慮。

 そういうことなのかなと思った。

 それ以外で、「ジェローデルがジャルジェ将軍の命で、幼い頃よりオスカルを見守っていた」なんて設定にする意味がわからない。

 そして、ラスト場面。
 バスティーユで劇的に落命したオスカルに、アンドレの声が聞こえ、立ち上がって見回すと、ガラスの馬車に乗ったアンドレが……!!
 という、定番演出。

 これは鉄板だと思ってた。
 タカラヅカの『ベルばら』の鉄則。
 フェルゼン中心バージョンでない、バスティーユで終幕する場合、アンドレがガラスの馬車で迎えに来る。
 実際ガラスの馬車なんてプゲラ過ぎて、お約束を理解しているファン以外はどん引きか爆笑、ネタとしていじられるだけの演出だと思ってるけど。
 でも、いい悪いじゃなく、これがお約束なんだと思ってた。

 2006年のコム姫版『オスカル編』だって、ラストはガラスの馬車だった。
 だから、「オスカル主役バージョンだから、ラストはオスカルひとりなんだ」というのは通用しない。

 やはり、アンドレの比重を下げるためとしか……。

 出番も少なく、「カストルとポルックス」もジェローデルに取られ、「噂で殺人未遂」と、いいとこなしのアンドレ。

 その上ラストシーン、アンドレ無視かよ?!! と、目を剥きました。

 うん、ごめん、爆笑した。
 オスカル様が、アンドレのことなんか眼中にない、ひとりでしあわせ! とイイ笑顔でいるラストシーンに。

 そっかあ、アンドレなんか、いらないんだー。

 よかったね、ひとりでしあわせになれて!!
 うざかったんだね、あの暗いストーカーが。


 …………『ベルばら』ってこんな話ちゃうやろ。

 とにかくひでーよ。

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