『ベルサイユのばら―オスカル編―』、ジェローデルの描き方には、物申したい。

 奇跡の雪全ツ『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』で、ジェローデルの人格が守られていた。オスカルに対し終始敬語、暴力を振るうこともない。
 それはよかったし、今回の『オスカル編』でも引き継がれていた。

 でもさ。
 致命的な失敗をしてる。

 プロポーズの、順番。

 原作では、

1.プロポーズ
2.アンドレの毒殺未遂
3.「身を引きましょう」
4.「たとえ謀反人と呼ばれても」

 の順番。
 ジェローデルが貴族らしく男らしく、正攻法でオスカルに求婚。それを知ってアンドレは絶望、毒殺未遂事件を起こす。
 アンドレの気持ちを知ったオスカルはプロボーズを断り、ジェローデルは潔く身を引く。
 そこでもう無関係になったはずなのに、オスカルの危機を救ってくれる。オスカルに傷つけられたはずなのに、それでも命懸けでオスカルを護ろうとする。

 なのに今回は、

1.「たとえ謀反人と呼ばれても」
2.プロポーズするらしいよという噂
3.アンドレの毒殺未遂
4.プロポーズ→「身を引きましょう」

 いきなり、オスカルを護るところからスタート。「尊敬する上官」のことを「マドモアゼル」と呼びかける。
 それってさ、なにも知らずに観たら、「え? この人上官のことバカにしてんの? 女だからって手心加えるの? それって下に見てるってこと?」と受け止められる可能性あるよね。
 単に上官として、人間として尊敬しているなら、「お嬢ちゃん」呼びするはずがない。階級も年齢も上の相手をつかまえて。

 ここでまず、「うわ、ジェローデル最低」と思った(笑)。
 まあその前の、長々しいジャルジェ将軍の解説で、「オスカルを見守らせてきた」とあり、アゴが落ちてはいたんだけど。

 ジャルジェ将軍の命令で、十何年とオスカルのそばでオスカルを見守っていて、お役御免ののち、困っている彼女を助けるときに「お嬢ちゃん」と呼びかける……って。
 やなやつだなー。

 で、「反逆罪で死刑になるかもしれない」と、オスカルに恩を売っておいて。

 求婚の、噂。

 噂って。
 なにをどうやったら、そんな噂が?
 ジェローデル、あちこちに吹聴して回ったの?
 それとも、「お嬢ちゃん」呼びしてかばったことから、「ジェローデルはフランスのためを思って行動したのでも、オスカルの主張を正しいと思ってかばったのでもない。たんに彼女と結婚したかったから、かばったんだ」って、世間に判断されたってコト?

 最悪だな。

 そしてアンドレは、そんな「ただの噂」に踊らされて、毒殺未遂を起こすし。

 オスカルの周り、ろくな男いないな……。

 そしてよーやく、プロポーズ。
 なにしろジェローデルは、「命の恩人」。オスカルの命、オスカルの部下たちの命、平民たち、平民議員たちの命の恩人だ。
 ここまで恩を受けておいて、まさか断るなんてこと、ありえないよね……?

 だけどオスカル、助けてもらったことなんか、きれーさっぱり忘れてる。
 話題にもしない。
 そしてあっさりと、振る。

 ひでーな、オスカル……。


 順番を入れ替えるだけで、全員「最低」になった。
 潔いまでに(笑)。

 ほんと植爺って、アタマ悪いよな。
 作劇、計算が出来ないの。1+1=2が出来ないの。こんなのただの計算式じゃん。ここをこうしたらこう作用して、この結果に行き着く、って。
 なにか根本的なモノが欠けていて、てきとーに上っ面だけでパズルをするから、めちゃくちゃになるの。

 ふつーに算数出来る人、劇団にいないのかしら……。

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