VS希望!@太陽王~ル・ロワ・ソレイユ~
2014年5月18日 タカラヅカ 『太陽王~ル・ロワ・ソレイユ~』初日感想あれこれ。
風ちゃんのラスボス力に、感動した。
太陽王と呼ばれた……つか自身が宣言していた、フランス国王ルイ14世@れおんくんの半生を綴った物語。
ただの一代記ではなく、彼の「愛」に焦点を当てた、ロマンチックな作品。
この作品には、4人の女性が登場する。
まず、ルイの初恋の相手、マリー@綺咲愛里ちゃん。
いやあ、かわいいねえ。立っているだけで、「あそこにかわいい子がいる。可憐な子がいる」と思わせる、ヒロイン力。
それはともかく、いちばん感心したのは、お芝居、うまくなったね!! ってこと。
綺咲愛里ちゃん、つーと、ザ・棒読み!という印象があってさ。
かわい子ちゃんは芝居音痴、というヅカでありがちなルールを踏襲して完了する子かと、危惧してました。
なんだ、ちゃんとうまくなってる。
二度見しちゃうくらい大根だったのは過去のこと、『眠らない男・ナポレオン』でもそこそこちゃんとやっていたし、「棒読み? いつの話してんのよ?」てなもんかもしれないけど、最初の刷り込みってのは強いからさー。
このままどんどん成長していって欲しいな。
かわいい、てのは貴重な武器。そこに実力を付けてくれたら、言うことない。
マリーはかわいい。ルイの初恋の相手として、説得力がある。
だがそれはあくまでも、「若き日の想い出」「初恋」だから許されるかわいさだ。
なんつーか、星組トップスター・在位6年目・10年にひとりの逸材であるところの柚希礼音と対等に立つには……やっぱり、物足りなかった。
トップスターの部分的な相手役として、新人女優が起用されたんだね、初々しくていいね。
足りない部分も「初々しい、初恋の相手」という役割のうち。
そして、ふたりめの女性が、政略結婚の相手、妻のマリー=テレーズ@りこちゃん。
りこちゃんは堅実だし知性があるし、役割的には申し分ない。
でもやはり、「トップスターの相手役」には、「脇役感」が大きい。
彼女がどーんと登場しても、「ヒロインキターーッ!」とは、たぶんみんな思わない。
次のヒロイン登場までのつなぎだと思える。
マリー=テレーズがそういう役割だから、それで正しいんだけど。
マリー、マリー=テレーズとふたり続いて「チガウ」感があり。
3人目の女性、愛人のモンテスパン夫人@しーらん。
イロモノキターーッ!(笑)
や、その、美しいです。しーらんは問題なく美しい。
だけど彼が持つのも「ヒロイン登場しました!」ということではなく、わかりやすくイロモノ臭をぷんぷんさせている。
てゆーかさあ、モンテスパン夫人の描き方にはわたしかなりツボりまして。
ルイの寵愛を独占するために、彼女はダーク世界に足を踏み入れる。黒ミサだーの媚薬だーのの力を借りるわけな。
「寵愛を守るためなら、手段は選ばない!」という姿勢はいいんだけど、その方法がさあ……。
黒ミサ主催しているところをルイに踏み込まれて、なにもかも知られてしまうんだけど、あそこがイタ過ぎて、正視がつらい(笑)。
目尻のシワを気にするおばさんが、10代の少女のような若作りして太股丸出して歌い踊っているところへ、愛人が踏み込んでくるのよ……?
いたたたたっ。
わたしはおばさんなので、なんかすごくリアルに「きゃーーーーっ」という気持ちになって、身がすくんだ。
これは、キツイ。きつすぎる。
言うならば、「自分ひとりの愉しみだから、いいよね」と本気のゴスロリ衣装(ミニスカ+ヅカメイク)でおひとりさまカラオケでノリノリに歌い踊ってるところを、会社の人に見られた!!みたいな。双方ドア越しに固まった、的な。見た方も見られた方も気まずさに石化してしまう、的な。
見ていて、モンテスパン夫人が哀れすぎて、胃がきゅーっとなる感じだったわ。
黒ミサも、もう少しマシな格好でやってればよかったのに……。ミニスカ若作りはナイわー。
モンテスパン夫人は登場したときからイロモノっぽかったけれど、愛人になってからの行動の突拍子もなさが「正しいイロモノ!」で、これまたヒロインカウントに入らず。
マリー新人未熟、マリー=テレーズ地味脇役、モンテスパン夫人イロモノ大変。
そしてよーやく真打ち、フランソワーズ@風ちゃん登場。
風ちゃんは「主役芝居」をする子。
タカラヅカの娘役は、男役に寄り添ってナンボ、支えてナンボ。
だけど彼女はあまりヅカっぽくなくて、「わたしが主役!!」という様子で舞台に立つ。
前回のマカゼ主演舞台とか、それで空中分解していたなあ。
今回もまた、「わたしが主役!!ぶりは変わらず。
とにかく登場すると、喋ると、それがどんなにささやかな場面でも「あ、あの子は主要キャラだ」とわかる。
空気がチガウ、格がチガウ。
そっか、脇役みたいにかなりあとの方からちょろりと出てきたけど、彼女がヒロインなんだ。
そう、思う。
ルイ14世は紛れもなく「主役」。それは揺るがない。
だけど後半になって、もうひとつ「主役」が現れた。
てことで、わくわく。
ふたつの「主役」はいつ出会うの?
物語的に、ルイとフランソワーズは、あまり一緒にどうこうしない。
最後がこのふたりだった、というだけ。
それが、じれったかった。
だって風ちゃんはあまりにも「主役」だ。ひとりで「わたしは主役」とやっている人が、本来の主役れおんくんと対峙して、どんなことになるのか、知りたいじゃないか。
見たいじゃないか。
終始、れおんくんの「孤軍奮闘」ぶりが目についた。今の星組の特色かもしんないが、れおんくんが突出して色濃く、他の人たちは小さく足踏みしている状態。
れおんくんが10年にひとりの逸材だから、そうなってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど、一観客としては、「同じレベルに立つ役者」が見たい。
れおんくんの個人技だけでなくて。
彼の存在感に負けない力を持つ役者と、舞台上でガチにバトルして欲しい。
舞台人として。
マカゼの相手役として風ちゃんは相応しくなかったと思うけれど、「ミュージカル」でトップスター柚希礼音と闘うには、なかなかどうしていい役者だと思う。
歌という武器を持ち、「主役」の看板を懸けて闘う気概がある、っていうか。
ルイを取り巻く、4人の女性。
初恋のマリーが通しの「恋愛ヒロイン」ポジだとは思う。
だけど、最後に登場するフランソワーズの、「作品ヒロイン」ぶりは、とても愉快だ。
前に登場した3人の女性を、全部「前座」にしてしまう、力。そのラスボス力。
そっかあ、れおんくんだと、これくらい強い子じゃないと、物足りないよなあ。
れおんVS風ちゃんで、なにか1本本気な作品を観たいです。
(&でも×でもないです、VSです・笑)
風ちゃんのラスボス力に、感動した。
太陽王と呼ばれた……つか自身が宣言していた、フランス国王ルイ14世@れおんくんの半生を綴った物語。
ただの一代記ではなく、彼の「愛」に焦点を当てた、ロマンチックな作品。
この作品には、4人の女性が登場する。
まず、ルイの初恋の相手、マリー@綺咲愛里ちゃん。
いやあ、かわいいねえ。立っているだけで、「あそこにかわいい子がいる。可憐な子がいる」と思わせる、ヒロイン力。
それはともかく、いちばん感心したのは、お芝居、うまくなったね!! ってこと。
綺咲愛里ちゃん、つーと、ザ・棒読み!という印象があってさ。
かわい子ちゃんは芝居音痴、というヅカでありがちなルールを踏襲して完了する子かと、危惧してました。
なんだ、ちゃんとうまくなってる。
二度見しちゃうくらい大根だったのは過去のこと、『眠らない男・ナポレオン』でもそこそこちゃんとやっていたし、「棒読み? いつの話してんのよ?」てなもんかもしれないけど、最初の刷り込みってのは強いからさー。
このままどんどん成長していって欲しいな。
かわいい、てのは貴重な武器。そこに実力を付けてくれたら、言うことない。
マリーはかわいい。ルイの初恋の相手として、説得力がある。
だがそれはあくまでも、「若き日の想い出」「初恋」だから許されるかわいさだ。
なんつーか、星組トップスター・在位6年目・10年にひとりの逸材であるところの柚希礼音と対等に立つには……やっぱり、物足りなかった。
トップスターの部分的な相手役として、新人女優が起用されたんだね、初々しくていいね。
足りない部分も「初々しい、初恋の相手」という役割のうち。
そして、ふたりめの女性が、政略結婚の相手、妻のマリー=テレーズ@りこちゃん。
りこちゃんは堅実だし知性があるし、役割的には申し分ない。
でもやはり、「トップスターの相手役」には、「脇役感」が大きい。
彼女がどーんと登場しても、「ヒロインキターーッ!」とは、たぶんみんな思わない。
次のヒロイン登場までのつなぎだと思える。
マリー=テレーズがそういう役割だから、それで正しいんだけど。
マリー、マリー=テレーズとふたり続いて「チガウ」感があり。
3人目の女性、愛人のモンテスパン夫人@しーらん。
イロモノキターーッ!(笑)
や、その、美しいです。しーらんは問題なく美しい。
だけど彼が持つのも「ヒロイン登場しました!」ということではなく、わかりやすくイロモノ臭をぷんぷんさせている。
てゆーかさあ、モンテスパン夫人の描き方にはわたしかなりツボりまして。
ルイの寵愛を独占するために、彼女はダーク世界に足を踏み入れる。黒ミサだーの媚薬だーのの力を借りるわけな。
「寵愛を守るためなら、手段は選ばない!」という姿勢はいいんだけど、その方法がさあ……。
黒ミサ主催しているところをルイに踏み込まれて、なにもかも知られてしまうんだけど、あそこがイタ過ぎて、正視がつらい(笑)。
目尻のシワを気にするおばさんが、10代の少女のような若作りして太股丸出して歌い踊っているところへ、愛人が踏み込んでくるのよ……?
いたたたたっ。
わたしはおばさんなので、なんかすごくリアルに「きゃーーーーっ」という気持ちになって、身がすくんだ。
これは、キツイ。きつすぎる。
言うならば、「自分ひとりの愉しみだから、いいよね」と本気のゴスロリ衣装(ミニスカ+ヅカメイク)でおひとりさまカラオケでノリノリに歌い踊ってるところを、会社の人に見られた!!みたいな。双方ドア越しに固まった、的な。見た方も見られた方も気まずさに石化してしまう、的な。
見ていて、モンテスパン夫人が哀れすぎて、胃がきゅーっとなる感じだったわ。
黒ミサも、もう少しマシな格好でやってればよかったのに……。ミニスカ若作りはナイわー。
モンテスパン夫人は登場したときからイロモノっぽかったけれど、愛人になってからの行動の突拍子もなさが「正しいイロモノ!」で、これまたヒロインカウントに入らず。
マリー新人未熟、マリー=テレーズ地味脇役、モンテスパン夫人イロモノ大変。
そしてよーやく真打ち、フランソワーズ@風ちゃん登場。
風ちゃんは「主役芝居」をする子。
タカラヅカの娘役は、男役に寄り添ってナンボ、支えてナンボ。
だけど彼女はあまりヅカっぽくなくて、「わたしが主役!!」という様子で舞台に立つ。
前回のマカゼ主演舞台とか、それで空中分解していたなあ。
今回もまた、「わたしが主役!!ぶりは変わらず。
とにかく登場すると、喋ると、それがどんなにささやかな場面でも「あ、あの子は主要キャラだ」とわかる。
空気がチガウ、格がチガウ。
そっか、脇役みたいにかなりあとの方からちょろりと出てきたけど、彼女がヒロインなんだ。
そう、思う。
ルイ14世は紛れもなく「主役」。それは揺るがない。
だけど後半になって、もうひとつ「主役」が現れた。
てことで、わくわく。
ふたつの「主役」はいつ出会うの?
物語的に、ルイとフランソワーズは、あまり一緒にどうこうしない。
最後がこのふたりだった、というだけ。
それが、じれったかった。
だって風ちゃんはあまりにも「主役」だ。ひとりで「わたしは主役」とやっている人が、本来の主役れおんくんと対峙して、どんなことになるのか、知りたいじゃないか。
見たいじゃないか。
終始、れおんくんの「孤軍奮闘」ぶりが目についた。今の星組の特色かもしんないが、れおんくんが突出して色濃く、他の人たちは小さく足踏みしている状態。
れおんくんが10年にひとりの逸材だから、そうなってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど、一観客としては、「同じレベルに立つ役者」が見たい。
れおんくんの個人技だけでなくて。
彼の存在感に負けない力を持つ役者と、舞台上でガチにバトルして欲しい。
舞台人として。
マカゼの相手役として風ちゃんは相応しくなかったと思うけれど、「ミュージカル」でトップスター柚希礼音と闘うには、なかなかどうしていい役者だと思う。
歌という武器を持ち、「主役」の看板を懸けて闘う気概がある、っていうか。
ルイを取り巻く、4人の女性。
初恋のマリーが通しの「恋愛ヒロイン」ポジだとは思う。
だけど、最後に登場するフランソワーズの、「作品ヒロイン」ぶりは、とても愉快だ。
前に登場した3人の女性を、全部「前座」にしてしまう、力。そのラスボス力。
そっかあ、れおんくんだと、これくらい強い子じゃないと、物足りないよなあ。
れおんVS風ちゃんで、なにか1本本気な作品を観たいです。
(&でも×でもないです、VSです・笑)