新人公演『こうもり』を観てあれこれ。

 相手役が真彩ちゃん、てのには、「しどりゅー、乙」と思った。相手が悪かったね。アレはもうノーカンだよね、と。

 だからま、ヒロインのことは置いておいて、新公初主演のしどりゅー。
 正直わたし、期待してなかったの。『鈴蘭』があんまりにもへなちょこだったので。力不足が悪目立ちって感じだったから。
 あの実力で新公主演なあ。まあ、実力はその後伸びるかもしんないから、主演はしないよりしておいた方がいい、誰だって。大人になってから「こんなにいい役者になるなんて! なんで新公主演してないのよもったいない」にならないために。
 わたしは、可能性のある人全員、とりあえず主演させておけ派。その代わり、「新公主演=将来のトップ確約」だとは思わない。
 いい別格スターを育てるためにも、新公主演はアリだと思っている。舞台での押し出しが変わるからねー。
 スターごとに旬はチガウ。遅咲きさんのためにも、若い頃は「?」な人も新公主演していい。できるだけ多くの人に機会を。
 いい舞台を観たいんだもの、入団7年の時点で芽を摘むのは勘弁。
 という思想の人間なので、しどりゅー主演は歓迎。でも、現時点での舞台に期待はしていない。未来の楽しみのために、今がある。
 そんな、とても失礼な先入観で観劇しましたのよ。

 そしたら、あらやだうれしい誤算。

 しどりゅー、いいじゃん!

 今までわたし、彼の舞台姿をきれいだと思ったことがなかったのね(失礼な)。客席で見かけた素顔の薄さ具合が好みだったけど、スカステで見る舞台以外の姿には、別になんの感情もわかず……テレビとナマの違いってすごいわよねー、大抵ジェンヌさんはナマで見る方がきれい、つかきれいな人もふつーに映ってしまうテレビってこわい。
 いやともかく、これまであまり良くも悪くもなんとも思うことがなく、バウで大きめの役をやっていたらへたくそだった、というだけの認識だったのに。

 えー? きれいじゃん!
 なんというか、ものすごくタカラヅカな美形さんだわ!

 しゅっとしていて、品がある。
 そして、へたでもない。
 本役がみちこだから歌はまったくもって届いてないけど、そこと比べたらいかん、学年と立ち位置的によく歌ってる。今はこんだけ歌えたら十分じゃね?

 イイ感じじゃないですか、しどりゅー。
 このまま品良くきれいに、実力付けて、育ってくれたらいいなあ。

 星組には品良くってのがけっこう難しい気がするので、そこを得られたら他のジェンヌと差別化出来て武器になると思うんだよなあ。しどりゅーに限らず、すべての美形スターさんに思う。
 どうも星組さんはみなさんガツガツしていて、それが組のパワーというかわくわくするところだと思うけど、セールスポイントとして、王子系もアリじゃね?
 その昔、2番手シャッフルってのがあった年、星組に特出した王子キャラのかしげを観て、星ファンがめっちゃ食いついていた記憶。「星にいないタイプ!」と。
 オラオラな星組スターと良いコントラストで、かっしー自身も素敵に見えたし、周囲の星男のかっこよさもまた、さらに格上げされたっけ。

 ……しどりゅーの場合、相手役が超肉食系の真彩ちゃんだから、その反動で今回おとなしめに見えてしまっただけかもしれんが。
 やりすぎない感じの舞台姿が、イイ感じでしたー。


 でもって、わたしの今回のいちばんの注目は、アイゼンシュタイン役のあやなくんでした。
 理由は単純だ。
 きんぐに似てるから。

 好きな人を彷彿とさせる人には、反応しちゃうじゃないですか。
 特にわたし、きんぐを失ってしまうというブロークンハートなまま生きているわけですよ。癒しを求めてしまうじゃないですか。
 あやなくんはなんとなく、きんぐを思い出す。甘い美形っぷりも、笑顔や他の表情なんかも。

 98期、この4月から研5。この学年にしては、破綻なくよく演じている。
 勝手に「歌のうまくなさそうな顔」と思っていたんだけど(笑)、別に歌もヘタじゃない。
 ヘタレ役だけれど、華やかな美形なのでストレートに演じても嫌味がない。
 えー、いいじゃんいいじゃん、この学年と役付きで、こんだけ出来たら十分じゃね?

 お笑いは勢いだけでなんとかなりがちなので、もっとしっとりしたお芝居でないと実力がわかりにくい……そこが残念だけど、今後の楽しみとする。
 とりあえずあの顔で、へたじゃない、というだけで、わたしには十分うれしい。わくわく。
 次あたり、あやなくん新公主演しないかなー。きんぐだって研5で新公主演したし!(きんぐから離れて!)


 つか、ファルケ博士とアイゼンシュタイン、二枚目ふたりがじゃれてるのは、観ていてたのしいなあ。

 星組下級生たちも、楽しみだわー。

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