初演『エリザベート』とわたし・その8。~パパみたいに~
2016年4月24日 タカラヅカ わたしの好きな人は、ずっとタカラヅカにいてくれるのだと思っていた……。
なんなんだろね、この思い込みって。
最初に好きになったのがトドロキで、この人はトップになるとカケラも疑ってなかったから、トップになるまでに「いなくなる」なんて可能性、カケラも考えたことがなかった。
そして、トドの次に好きなのが古代さんで、脇のおじさまだからきっと組長さんになって専科さんになって、ずっとずっといてくれるんだわ的な、ものすごーく漠然とした「永遠」感を持っていた。
今なら、「カリさんと一緒に辞めなかったのだから、次世代も組を支えてくれるはず。次に退団のタイミングがあるとすれば、トップ交代のときだな」とか、もっともらしく考察もできるけれど、当時のわたしは「脇のおじさま」というだけで細かいことはなにも考えていなかった。
だから、『エリザベート』で古代さんが退団する、ということにショックを受けた。いっちゃんの退団よりずっとずっと、わたしにとっては大ごとだった。
そのときになってはじめて古代さんのブロマイドを買おうとしたのだけど、……知らなかった、脇のおじさまって舞台写真ないのね!!
古代さんの立ち位置って、今の雪組ならにわにわかな。にわにわの舞台写真は、そりゃ発売されてないわな。
そして、スチール写真も、現在の公演のしかなかった……。
『エリザベート』のマックス侯爵は愉快ヒゲだったので不満だった。
もっとかっこいい役だってあったのに、売ってるのがこの1枚だけだなんて!
仕方なく、それを買って、今もノートに貼ってあるけど。
……ええ、当時のわたしは、ブロマイドは注文できることも知りませんでしたのよ。
その、愉快ヒゲのマックス侯爵だけど。
なんで愉快ヒゲで、本気のダンディヒゲじゃないのかは、今になってわかる。
相方(笑)のゾフィー@朱未知留ちゃんとの兼ね合いだ。
初演ゾフィーは、以後のゾフィーとはまったくチガウお化粧をしている。
ディズニーの悪役キャラみたいな、思い切った「意地悪」メイク。登場した瞬間。「あ、あいつ悪もんや!」と子どもが指さすレベルで。
ゾフィーはその後「いい人キャラ」(ヒロインにつらくあたるから誤解されがちだけど、彼女にもそうするだけの理由があったんです系)になるけれど、初演ではずばり「悪役」だった。ただの悪役ではなく、愛嬌のある、憎めない悪役。だからアニメのようなメイク。
わたしは朱未知留ちゃんのゾフィーが大好き。さすがイシダ芝居で「いかにもイシダ芝居」としかいいようのないギャグメイク(ゴキブリつけてなかったけ……?)をしていただけのことはある、思い切った造形。
初演『エリザベート』がファンタジックなのは、現実の嫁姑とかの生々しい部分をアニメチックにすることで緩和し、とことんクールなトートのもと、現実の続きではない異世界を創り上げたことにあると思う。
再演を重ねるごとにキャラクタがリアルになっていき、膨らみは出たのだろうけど、初演ほどの夢々しさはないなと思う。
今の『エリザベート』が嫌だというわけではなくて、改めて考えると、初演からずいぶんチガウ作品になっていってるんだなと。
初演のキャラクタたちは、現在の『エリザベート』に比べて雲の上というか、ぽっかり浮かび上がった世界にいるなと。
マックスもまた、マンガ的なヒゲ男で、軽さと粋さを併せ持つ。
二枚目にし過ぎないことが、必要だったんだよな。
正直歌はきびしいと思うけど、古代さんがこんだけ苦戦するとか、どんだけ難しいんよと当時思った記憶がある……「歌手」という分類はされてなかったけど、ふつーに歌える人で、彼の歌でひっかかったことはなかったから、低音半端ねぇなと曲に対して舌を巻いたっけ。
それでも古代さんのマックスがいちばん好き。
ダンディで優しくて茶目っ気があって、シシィの「あこがれの人」なのがよくわかる。
マックスってね、ナニを差し置いても色男じゃなきゃダメなのよ。
シシィのあこがれの人なんだから。ただ自由人であればいいってもんじゃない、シシィが男ならソレもアリだけど、女子のあこがれは美形でなきゃ!
二枚目の上級生男役が演じてこその説得力。
でも、二枚目過ぎると話がヤバイ方へこじれるから、適度に抜きを作って。
そのケースモデルを初演でばっちり作ってきたのが、古代さんだと思う。
マックス=二枚目説のわたしは、申し訳ないけど星原先輩やまりんのマックスは「チガウ」の。
ヒロさんや越リュウが正統系だと思うの。現役色男、今現在女にモテてるだろうなっていう。
古代さんにはもっともっとタカラヅカで、二枚目姿を見せて欲しかった。
研18で退団だから、今のにわにわやみつるの学年じゃん……まだまだいけるやん……。
タカラジェンヌはみんな等しく、いなくなっちゃうものなんだと、最初に知ったのが古代さんの退団だった。
……懲りないわたしは何度もあっさりジェンヌを好きになり、「わたしの好きな人は辞めない・いなくならない」と無意識に思い込み、「退団するなんて思わなかった、ショック!!」を繰り返すのだけど。特に、ふたりめのご贔屓、ケロの突然の退団で相当凹むのだけど。んでもってその次のご贔屓のまっつは、好きになった時点で「次の公演で退団するだろう」とずっと噂されるような立ち位置の人だったので、疑心暗鬼と被害妄想でえらくしんどいまま10年もファンやっちゃうことになるんだけど(笑)。
最初が、古代さんだったなあと。や、古代さんはご贔屓ではなく、ファン止まりなんだけど。(ご贔屓>ファン>好き、というわたしのなかの「ラヴ度☆三段階」においての区別)
それでも、好きだったもん。それはほんとうだもん。
いっちゃんのサヨナラショーで、同時退団者たちがスーツケース持って歌う場面、古代さんだけを注視し続けた……最後にヒゲなしのかっこいい古代さんを観られて良かった。
いっちゃんとトドロキの、シンクレアとクリフォードにもう一度会えたのも、うれしかったけど。
いっちゃんのサヨナラショー、良かったよなあ……。
なつかしく、切なく思い出す。
なんなんだろね、この思い込みって。
最初に好きになったのがトドロキで、この人はトップになるとカケラも疑ってなかったから、トップになるまでに「いなくなる」なんて可能性、カケラも考えたことがなかった。
そして、トドの次に好きなのが古代さんで、脇のおじさまだからきっと組長さんになって専科さんになって、ずっとずっといてくれるんだわ的な、ものすごーく漠然とした「永遠」感を持っていた。
今なら、「カリさんと一緒に辞めなかったのだから、次世代も組を支えてくれるはず。次に退団のタイミングがあるとすれば、トップ交代のときだな」とか、もっともらしく考察もできるけれど、当時のわたしは「脇のおじさま」というだけで細かいことはなにも考えていなかった。
だから、『エリザベート』で古代さんが退団する、ということにショックを受けた。いっちゃんの退団よりずっとずっと、わたしにとっては大ごとだった。
そのときになってはじめて古代さんのブロマイドを買おうとしたのだけど、……知らなかった、脇のおじさまって舞台写真ないのね!!
古代さんの立ち位置って、今の雪組ならにわにわかな。にわにわの舞台写真は、そりゃ発売されてないわな。
そして、スチール写真も、現在の公演のしかなかった……。
『エリザベート』のマックス侯爵は愉快ヒゲだったので不満だった。
もっとかっこいい役だってあったのに、売ってるのがこの1枚だけだなんて!
仕方なく、それを買って、今もノートに貼ってあるけど。
……ええ、当時のわたしは、ブロマイドは注文できることも知りませんでしたのよ。
その、愉快ヒゲのマックス侯爵だけど。
なんで愉快ヒゲで、本気のダンディヒゲじゃないのかは、今になってわかる。
相方(笑)のゾフィー@朱未知留ちゃんとの兼ね合いだ。
初演ゾフィーは、以後のゾフィーとはまったくチガウお化粧をしている。
ディズニーの悪役キャラみたいな、思い切った「意地悪」メイク。登場した瞬間。「あ、あいつ悪もんや!」と子どもが指さすレベルで。
ゾフィーはその後「いい人キャラ」(ヒロインにつらくあたるから誤解されがちだけど、彼女にもそうするだけの理由があったんです系)になるけれど、初演ではずばり「悪役」だった。ただの悪役ではなく、愛嬌のある、憎めない悪役。だからアニメのようなメイク。
わたしは朱未知留ちゃんのゾフィーが大好き。さすがイシダ芝居で「いかにもイシダ芝居」としかいいようのないギャグメイク(ゴキブリつけてなかったけ……?)をしていただけのことはある、思い切った造形。
初演『エリザベート』がファンタジックなのは、現実の嫁姑とかの生々しい部分をアニメチックにすることで緩和し、とことんクールなトートのもと、現実の続きではない異世界を創り上げたことにあると思う。
再演を重ねるごとにキャラクタがリアルになっていき、膨らみは出たのだろうけど、初演ほどの夢々しさはないなと思う。
今の『エリザベート』が嫌だというわけではなくて、改めて考えると、初演からずいぶんチガウ作品になっていってるんだなと。
初演のキャラクタたちは、現在の『エリザベート』に比べて雲の上というか、ぽっかり浮かび上がった世界にいるなと。
マックスもまた、マンガ的なヒゲ男で、軽さと粋さを併せ持つ。
二枚目にし過ぎないことが、必要だったんだよな。
正直歌はきびしいと思うけど、古代さんがこんだけ苦戦するとか、どんだけ難しいんよと当時思った記憶がある……「歌手」という分類はされてなかったけど、ふつーに歌える人で、彼の歌でひっかかったことはなかったから、低音半端ねぇなと曲に対して舌を巻いたっけ。
それでも古代さんのマックスがいちばん好き。
ダンディで優しくて茶目っ気があって、シシィの「あこがれの人」なのがよくわかる。
マックスってね、ナニを差し置いても色男じゃなきゃダメなのよ。
シシィのあこがれの人なんだから。ただ自由人であればいいってもんじゃない、シシィが男ならソレもアリだけど、女子のあこがれは美形でなきゃ!
二枚目の上級生男役が演じてこその説得力。
でも、二枚目過ぎると話がヤバイ方へこじれるから、適度に抜きを作って。
そのケースモデルを初演でばっちり作ってきたのが、古代さんだと思う。
マックス=二枚目説のわたしは、申し訳ないけど星原先輩やまりんのマックスは「チガウ」の。
ヒロさんや越リュウが正統系だと思うの。現役色男、今現在女にモテてるだろうなっていう。
古代さんにはもっともっとタカラヅカで、二枚目姿を見せて欲しかった。
研18で退団だから、今のにわにわやみつるの学年じゃん……まだまだいけるやん……。
タカラジェンヌはみんな等しく、いなくなっちゃうものなんだと、最初に知ったのが古代さんの退団だった。
……懲りないわたしは何度もあっさりジェンヌを好きになり、「わたしの好きな人は辞めない・いなくならない」と無意識に思い込み、「退団するなんて思わなかった、ショック!!」を繰り返すのだけど。特に、ふたりめのご贔屓、ケロの突然の退団で相当凹むのだけど。んでもってその次のご贔屓のまっつは、好きになった時点で「次の公演で退団するだろう」とずっと噂されるような立ち位置の人だったので、疑心暗鬼と被害妄想でえらくしんどいまま10年もファンやっちゃうことになるんだけど(笑)。
最初が、古代さんだったなあと。や、古代さんはご贔屓ではなく、ファン止まりなんだけど。(ご贔屓>ファン>好き、というわたしのなかの「ラヴ度☆三段階」においての区別)
それでも、好きだったもん。それはほんとうだもん。
いっちゃんのサヨナラショーで、同時退団者たちがスーツケース持って歌う場面、古代さんだけを注視し続けた……最後にヒゲなしのかっこいい古代さんを観られて良かった。
いっちゃんとトドロキの、シンクレアとクリフォードにもう一度会えたのも、うれしかったけど。
いっちゃんのサヨナラショー、良かったよなあ……。
なつかしく、切なく思い出す。