黒い翼は誰にも負けない……はず。@エル・アルコン−鷹−
2007年11月29日 タカラヅカ 『エル・アルコン−鷹−』を観て、思う。
わたしがサイトーくんを好きなのは、とんでもないドラマティックさにあるのだと。
その昔『花吹雪恋吹雪』に心ときめいたように。
わたしは「そのジャンルでしか表現できないモノ」が好きだ。
いろんなモノがあふれかえったこの現代で、何故ミュージカルで、何故タカラヅカなのか。「ここでしかできない」ことをやってくれるモノが好き。
他で代用がきくモノには、興味ない。
サイトーくんの「とんでもないドラマティックさ」は、他では表現しえないから、こんなにわくわくするんだ。
ティリアン@トウコ側の物語を進めつつ、話題が女海賊ギルダ@あすかのことになる。
すると盆が回り、女海賊たちを従えてギルダがせり上がってくる。ドレス姿で剣を握り、彼女のテーマソングを高らかに歌い上げる。
たとえば小説ではありえないよね。ふつーに情景描写と台詞のやりとりになるだけ。
じゃあ映画やアニメというなんでもありーのの映像作品なら歌とダンスを使って同じことはできるけれど、そこでの表現方法は異なってくるだろう。「ブランシュ・フルール♪」というテーマソングはBGMとして背景に流れるのみで、本人たちが歌い踊る必要はない。船の華麗さや女海賊たちであるという驚きの事実をいろんなカメラアングルで見せ、海賊たちのそれらしい会話から彼らの立ち位置を教えながら、それらを束ねる美女ギルダをアップで映すとか、そーゆー演出になるだろう。
ミュージカルだからこその演出。ミュージカルであっても、「ここまでやらなくても……」まで突き抜けた、場の流れを一気に逆流させる勢いのとんでもなさ。徹底的にエンタメ。
ミュージカルって、ダメな人はダメだよね。
「なんで歌うの? ふつーに喋れば済むことなのに」って。
そりゃそーなんだが。
でも、「感情」を盛り上げる上で、「音楽」は有効な手段なんだ。
その「有効手段」を、サイトーくんは、わたしのバイオリズムに合うカタチで表現してくれる。
わたしが「サイトー☆サーカス」を好きでしょうがないのは、そのためだと思う。
とんでもない派手派手オープニング。女海賊ギルダ登場シーン。や、「プリマス・プリマス♪」に続いてこの「ブランシュ・フルール♪」の歌声には、ちと眩暈を感じたりもしますが……あああ星組ってどーしてこうアンサンブルがアレなのかなぁ……コーラスだけでなく、ソロもえーらいこっちゃ、だし。
で、でもいいのっ、耳にやさしくなくても好きよ!!
海戦場面はどれも好き。
最初のティリアンVSギルダ。
舞台の上で大仰な船も海もナニもないのに、それでも状況がわかる。
壮大な闘いが、ギルダの戦上手さと統率力が、そして地の利を取られてなおそこから態勢をひっくり返すティリアンの優秀さと決断力が、ありありと見せつけられる。
かっこいい。
どちらかがおバカさんではダメなんだ。
相手を敬服させるだけの力を持つからこそ、認め合うことで主人公たちはなお魅力的になっていく。
「戦闘」をただなんとなーくどたばたしてみせたりダンスだけでお茶を濁すのではなく、ちゃんと真正面から描き、画面を派手に、主人公をさらにかっこよく、とんでもなくドラマティックに盛り上げたサイトーくんすげえ。
わくわくわくっ。
ティリアンVSギルダ、再戦の方もたのしいけれど、こちらはちょい控えめ。つーか、ここではふたりの一騎打ちがメインだから艦隊戦はあまり描かれていないしな。
それよりも、ティリアンVSレッド。
ティリアンに剣を突きつけながらも止めを刺さないレッド、あくまでも「正義と良心」、「法」によってティリアンを裁こうとするレッドを尻目にティリアンが勝利を宣言する。
スペイン海軍登場シーン。
ここがもう、心がざわざわするくらい好き。
個人レベルのことしか考えていないレッドと、彼が想像もつかない野望を抱くティリアン。
ふたりの男の差が、強大な艦隊の姿となって影を落とす。
ティリアンがひたすらいい男で。悪であろーがなんだろーが、その姿はひたすらかっこよくて。
正義を振りかざすレッドはただ無力で幼いばかり。ここから這い上がり、いい男になっていく、そのどん底具合。
これが、「舞台」であること。「ミュージカル」であること。「タカラヅカ」であること。
それらすべてを「代用のきかない」方法で盛り上げてくれる。
たのしい。
たのしいよー。
このスペクタクルさ。
ここまでやんなきゃ〜〜、せっかくのタカラヅカ、せっかくのミュージカル。
細かいことは、全部吹っ飛ばして、ただ「わくわくわくっ」としていられる。
今回のサイトーくんのサイトーくんらしいむちゃくちゃさ、大味さは大好きさ。
ただ。
ひとつだけ。
たのむっ、旗艦エル・アルコンに見せ場を!!
切実だ。
念願のスペインに渡り、スペイン海将たちに嫌味を言われながらも「最高の戦艦」を建造するティリアン。
これぞ彼の夢の結晶。
その名も「エル・アルコン」! タイトルにもなっているキーワード。
高まる音楽、登場人物総出で意思表明、これぞクライマックス!!の盛り上がり!!
なのに。
「出航だ!!」
「火のついた海賊船が突進してきます!」
どっかーーん。
エル・アルコン、ぼろぼろ。
早っ。
どこのコントですか?!!
大仰に登場した、次の瞬間敗北って。
まずいっしょコレ。
書き直してよ、少しも早く!
エル・アルコンがどれほどすごい船かを、まず見せつけるんだ。
海戦一発、あまりの力の差にイギリス軍も海賊たちも、またティリアンに反感を持っていたスペイン軍たちも、みんなあぜん。
ティリアンが実力で、すべての波をねじ伏せる様を描いてくれ。
で、一旦引いたのち、レッドたち海賊たちががんばって、エル・アルコンをやっつける。
それならいいんだ。
とにかく、エル・アルコンに見せ場を。
1回くらいは勝たせてやってくれ。小うるさいじじい提督たちを唸らせてくれ。
「新しい歴史をつくるのは老人ではないっ!」by某赤い軍服の人@仮面無しバージョン……てなもんでな。
エル・アルコンのダメさ加減で、ティリアンの株も暴落だよ……。あれじゃただの空気読めないアホな人だよ……。
たのむよサイトーくん。エリザベス@エレナの歌を短くするなりなんなりして、改稿してくれぇ。や、エレナに含むところはなんにもないが、ここしかないし削れるところ。
や、わたし的には草野ショーいらないから、1本立てにして、海戦を描いてくれ、と、素直に思いますがね(いい笑顔)。
草野作品苦手っす。理解できないっす(笑)。
わたしがサイトーくんを好きなのは、とんでもないドラマティックさにあるのだと。
その昔『花吹雪恋吹雪』に心ときめいたように。
わたしは「そのジャンルでしか表現できないモノ」が好きだ。
いろんなモノがあふれかえったこの現代で、何故ミュージカルで、何故タカラヅカなのか。「ここでしかできない」ことをやってくれるモノが好き。
他で代用がきくモノには、興味ない。
サイトーくんの「とんでもないドラマティックさ」は、他では表現しえないから、こんなにわくわくするんだ。
ティリアン@トウコ側の物語を進めつつ、話題が女海賊ギルダ@あすかのことになる。
すると盆が回り、女海賊たちを従えてギルダがせり上がってくる。ドレス姿で剣を握り、彼女のテーマソングを高らかに歌い上げる。
たとえば小説ではありえないよね。ふつーに情景描写と台詞のやりとりになるだけ。
じゃあ映画やアニメというなんでもありーのの映像作品なら歌とダンスを使って同じことはできるけれど、そこでの表現方法は異なってくるだろう。「ブランシュ・フルール♪」というテーマソングはBGMとして背景に流れるのみで、本人たちが歌い踊る必要はない。船の華麗さや女海賊たちであるという驚きの事実をいろんなカメラアングルで見せ、海賊たちのそれらしい会話から彼らの立ち位置を教えながら、それらを束ねる美女ギルダをアップで映すとか、そーゆー演出になるだろう。
ミュージカルだからこその演出。ミュージカルであっても、「ここまでやらなくても……」まで突き抜けた、場の流れを一気に逆流させる勢いのとんでもなさ。徹底的にエンタメ。
ミュージカルって、ダメな人はダメだよね。
「なんで歌うの? ふつーに喋れば済むことなのに」って。
そりゃそーなんだが。
でも、「感情」を盛り上げる上で、「音楽」は有効な手段なんだ。
その「有効手段」を、サイトーくんは、わたしのバイオリズムに合うカタチで表現してくれる。
わたしが「サイトー☆サーカス」を好きでしょうがないのは、そのためだと思う。
とんでもない派手派手オープニング。女海賊ギルダ登場シーン。や、「プリマス・プリマス♪」に続いてこの「ブランシュ・フルール♪」の歌声には、ちと眩暈を感じたりもしますが……あああ星組ってどーしてこうアンサンブルがアレなのかなぁ……コーラスだけでなく、ソロもえーらいこっちゃ、だし。
で、でもいいのっ、耳にやさしくなくても好きよ!!
海戦場面はどれも好き。
最初のティリアンVSギルダ。
舞台の上で大仰な船も海もナニもないのに、それでも状況がわかる。
壮大な闘いが、ギルダの戦上手さと統率力が、そして地の利を取られてなおそこから態勢をひっくり返すティリアンの優秀さと決断力が、ありありと見せつけられる。
かっこいい。
どちらかがおバカさんではダメなんだ。
相手を敬服させるだけの力を持つからこそ、認め合うことで主人公たちはなお魅力的になっていく。
「戦闘」をただなんとなーくどたばたしてみせたりダンスだけでお茶を濁すのではなく、ちゃんと真正面から描き、画面を派手に、主人公をさらにかっこよく、とんでもなくドラマティックに盛り上げたサイトーくんすげえ。
わくわくわくっ。
ティリアンVSギルダ、再戦の方もたのしいけれど、こちらはちょい控えめ。つーか、ここではふたりの一騎打ちがメインだから艦隊戦はあまり描かれていないしな。
それよりも、ティリアンVSレッド。
ティリアンに剣を突きつけながらも止めを刺さないレッド、あくまでも「正義と良心」、「法」によってティリアンを裁こうとするレッドを尻目にティリアンが勝利を宣言する。
スペイン海軍登場シーン。
ここがもう、心がざわざわするくらい好き。
個人レベルのことしか考えていないレッドと、彼が想像もつかない野望を抱くティリアン。
ふたりの男の差が、強大な艦隊の姿となって影を落とす。
ティリアンがひたすらいい男で。悪であろーがなんだろーが、その姿はひたすらかっこよくて。
正義を振りかざすレッドはただ無力で幼いばかり。ここから這い上がり、いい男になっていく、そのどん底具合。
これが、「舞台」であること。「ミュージカル」であること。「タカラヅカ」であること。
それらすべてを「代用のきかない」方法で盛り上げてくれる。
たのしい。
たのしいよー。
このスペクタクルさ。
ここまでやんなきゃ〜〜、せっかくのタカラヅカ、せっかくのミュージカル。
細かいことは、全部吹っ飛ばして、ただ「わくわくわくっ」としていられる。
今回のサイトーくんのサイトーくんらしいむちゃくちゃさ、大味さは大好きさ。
ただ。
ひとつだけ。
たのむっ、旗艦エル・アルコンに見せ場を!!
切実だ。
念願のスペインに渡り、スペイン海将たちに嫌味を言われながらも「最高の戦艦」を建造するティリアン。
これぞ彼の夢の結晶。
その名も「エル・アルコン」! タイトルにもなっているキーワード。
高まる音楽、登場人物総出で意思表明、これぞクライマックス!!の盛り上がり!!
なのに。
「出航だ!!」
「火のついた海賊船が突進してきます!」
どっかーーん。
エル・アルコン、ぼろぼろ。
早っ。
どこのコントですか?!!
大仰に登場した、次の瞬間敗北って。
まずいっしょコレ。
書き直してよ、少しも早く!
エル・アルコンがどれほどすごい船かを、まず見せつけるんだ。
海戦一発、あまりの力の差にイギリス軍も海賊たちも、またティリアンに反感を持っていたスペイン軍たちも、みんなあぜん。
ティリアンが実力で、すべての波をねじ伏せる様を描いてくれ。
で、一旦引いたのち、レッドたち海賊たちががんばって、エル・アルコンをやっつける。
それならいいんだ。
とにかく、エル・アルコンに見せ場を。
1回くらいは勝たせてやってくれ。小うるさいじじい提督たちを唸らせてくれ。
「新しい歴史をつくるのは老人ではないっ!」by某赤い軍服の人@仮面無しバージョン……てなもんでな。
エル・アルコンのダメさ加減で、ティリアンの株も暴落だよ……。あれじゃただの空気読めないアホな人だよ……。
たのむよサイトーくん。エリザベス@エレナの歌を短くするなりなんなりして、改稿してくれぇ。や、エレナに含むところはなんにもないが、ここしかないし削れるところ。
や、わたし的には草野ショーいらないから、1本立てにして、海戦を描いてくれ、と、素直に思いますがね(いい笑顔)。
草野作品苦手っす。理解できないっす(笑)。