「真ん中」は大変だ(笑)。@新人公演『エル・アルコン−鷹−』
2007年12月4日 タカラヅカ 愉快だったのは、主役と2番手のキャラの違い。
新人公演『エル・アルコン−鷹−』です、仲間内で1階席観劇はわたしだけ、つーことでみんなから「スクリーンがどうなってるか見てね!」と託され任務重大。
『エル・アルコン』本編にて、ホリゾントを使って映像流しまくり、ティリアン、ギルダ、レッドの顔がテロップ付きで流れるのだが、ソレははたして新公でどうなっていますやら。
今まで本公演でキャストの写真(絵)が使われていた場合、新公では顔部分だけ上から紙が貼られていたのだわ。作り直したりしない、ただの写真の切り貼り。『ファントム』でも『落陽のパレルモ』でも。
でも今回は絵ではなく映像じゃん? 上から紙を貼るわけにはいかない。かといって、たかが1回限りの新公のために映像全部撮り直し、なんてお金を掛けるとは思えず……どーなるのかみんな興味津々。でも2階席では見切れてしまうので、1階席の人がちゃんと見てね! ってこと。
や、1階席って言ってもわたし、立ち見なんですけどね(笑)。
なんと、全映像撮り直し、新公オリジナルでした!!
ティリアン@ともみん、ギルダ@キトリ、レッド@しゅんになってるよヲイ!! ともみんはちゃんと後ろ姿で歩いていくとこまであるよ!!
どんだけ金あるんだ、NTT協賛!
スポンサー付き興行の底力を見ました。
そして、「映像」においても、本役さんたちの実力を思い知った。やっぱきれいだわ、トウコたち……。「映像」であっても、「見せ方」を知ってるんだね。
さて、その派手さトンデモなさは「タカラヅカ」としての本領発揮なすばらしい作品、『エル・アルコン』。ポスト『ベルばら』でいいんじゃね? いっそ1本モノにしちまえよ、なドラマティックぶり。
アラはあってもそれを吹き飛ばす勢いのこの作品を、いまいち地味なイメージのあるともみんがどう見せてくれるのか。
……ともみんって、実力うんぬんよりまず、知名度がない気がするんだが、どうだろう。
本公演を見ているときの幕間、いかにも「オレはヅカ通だぜ」ってな感じでチケットのことや組子のことを語っていたおじさんが「夢乃聖夏? 誰?」と素で言って、周囲のおばさんたちに「新公で主演する子ですよ」と言われていたのを見て「うわー」と思った。
さらに、「(『エル・アルコン』本公演の)芝居のどこに出てた?」「さあ、わからないけど……とにかく主演するようよ」「今までどんな役やってた?」「さあ?」とかゆー会話に続き、さらに「うわー」と思った。
たしかに、答えられない……。今までどんな役を、本公演でやってたっけ?
や、そりゃさかのぼって答えられるけれど、「夢乃聖夏? 誰?」とゆーよーな人に、「あの役をやっていた子よ」と言えるほどの役を、本公演でやってないんだよ。
新公主演するよーな子は、下級生の抜擢でもない限り、ふつーは「**で**役をやっていた子」って言えるくらいの扱いは受けてるもんだからなー。
研7なのに、知名度がないっつーのは気の毒だ。知名度が、チケットの売れ行きに反映するもんだし。
そして、「スカイフェアリーズをやっていた」というのもまた、「舞台人としての知名度」には、なんの関係もないのだということを、思い知る。
「何年か前、テレビでニュース読んでた」ってのは、みんな「芸歴」にはカウントしないもんなー。
重要なのは、「舞台」での成果。
それは正しいことだ。
さて、そのともみんティリアンだが。
まず、歌にびっくりした。
そうか、本役がトウコだし、歌が多いんだ。でもって、モロにアニメソングって感じの曲だけど、実は難しいのかな?
歌がもー、えらいことになっていた。
手に汗握る。が、がんばれ。
前回の新公『シークレット・ハンター』では、こんなに自爆するほど緊張は伝わってこなかったし、歌もひどくはなかったはずだ。てゆーか、本役のれおんまんまのコピーで、ヘタじゃないけど印象にも残らなかった。なまじ顔とかスタイルも似ているので、「キミがれおんのコピーを目指したら、シャレになんないよ?」てなもんだったんだが。
トウコのコピーは、できなかったらしい。
フラフラした歌声、緊張や「あ、ハズした、どうしよう!」てな揺らぎがまんま伝わってくるオープニングに、こっちも泣きそうになった(笑)。
だが。それでも。
真ん中なんだ。
キミが真ん中。キミが闘わなきゃ。
場慣れしていない、声を出すことに慣れていない、歌が得意ではない、という三重苦状態で冒頭の「ミッション」を歌うとどんなすごいことになるか。
サイトーくんらしい、アホっぽいアニメっぽい歌だ、「ミッション ミッション クールに決めろ♪」。なにしろ「野心の炎」が「メラメラ♪」ですよ。ふつーには羞恥心が邪魔して歌えません。
ティリアン@ともみん、マスターズ@みやるり、スコット@天寿でキザりながら銀橋を渡る場面。
……声が聞こえない……オケの音だけがかなしく響く。
銀橋で恥ずかしげもなくキメまくる、つーのはスキルが必要なんだ。や、知らなかった……というか、実感してなかった。
ともみんもだが、みやるりとミッキーはそんなもん、スキル以前の問題だろ。まったくの未知の世界、できなくてふつー、一般人ではありえない。
にしても、ここまでできないとは……。
タカラヅカの「スター」が、どれほど特殊なものかを思い知る。本役のあかしもしゅんくんも、「スター」としての場数を踏んでる子たちなんだなあ。初心者だと、ここまでなにも出来ないんだから。
マスターズとスコットが総崩れなので、ティリアンがひとりで踏ん張った。
途中から、ともみんの声だけ聞こえる。
が、がんばれともみん〜〜!!
やー、もー、心臓に悪いよ、この舞台。どーなるんだヲイ(笑)。
そんななか、登場するとホッとするのは、レッド@しゅんくん。
うまい。
ひとりだけ、うまい。
余裕でうまい。
オープニングでぐだぐだになっているティリアンの歌を聴かされたのち、レッドがせり上がってきて歌い出すと、ホッとしたよ〜〜。あああ、歌える子がいた〜〜、よかった〜〜。
伊達に場数は踏んでない、しゅんくんは「見せ方」を知っている。他がいっぱいいっぱいな中、自分の呼吸で生きているのがわかる。
ティリアンと、レッド。
キリキリ舞いして余裕のないティリアンと、たのしそーなレッド。
このふたりの、キャラの違いときたら……。
なんかすげーおもしろいんですけど。
ともみんは、どーなることかと緊張の連続だが、それでも場が進むにつれ落ち着いていく。歌声も、アレっちゃーアレだが、まだ十分マシになっていく。
しゅんくんの方も、父親が陥れられたあとは絶叫系芝居になるので、たのしそうって感じではなくなる。
うん。このふたりがねぇ、ほんとにもー、おもしろくて。
舞台ってのはいいねえ。たのしいねえ。
つーことで、続く。
新人公演『エル・アルコン−鷹−』です、仲間内で1階席観劇はわたしだけ、つーことでみんなから「スクリーンがどうなってるか見てね!」と託され任務重大。
『エル・アルコン』本編にて、ホリゾントを使って映像流しまくり、ティリアン、ギルダ、レッドの顔がテロップ付きで流れるのだが、ソレははたして新公でどうなっていますやら。
今まで本公演でキャストの写真(絵)が使われていた場合、新公では顔部分だけ上から紙が貼られていたのだわ。作り直したりしない、ただの写真の切り貼り。『ファントム』でも『落陽のパレルモ』でも。
でも今回は絵ではなく映像じゃん? 上から紙を貼るわけにはいかない。かといって、たかが1回限りの新公のために映像全部撮り直し、なんてお金を掛けるとは思えず……どーなるのかみんな興味津々。でも2階席では見切れてしまうので、1階席の人がちゃんと見てね! ってこと。
や、1階席って言ってもわたし、立ち見なんですけどね(笑)。
なんと、全映像撮り直し、新公オリジナルでした!!
ティリアン@ともみん、ギルダ@キトリ、レッド@しゅんになってるよヲイ!! ともみんはちゃんと後ろ姿で歩いていくとこまであるよ!!
どんだけ金あるんだ、NTT協賛!
スポンサー付き興行の底力を見ました。
そして、「映像」においても、本役さんたちの実力を思い知った。やっぱきれいだわ、トウコたち……。「映像」であっても、「見せ方」を知ってるんだね。
さて、その派手さトンデモなさは「タカラヅカ」としての本領発揮なすばらしい作品、『エル・アルコン』。ポスト『ベルばら』でいいんじゃね? いっそ1本モノにしちまえよ、なドラマティックぶり。
アラはあってもそれを吹き飛ばす勢いのこの作品を、いまいち地味なイメージのあるともみんがどう見せてくれるのか。
……ともみんって、実力うんぬんよりまず、知名度がない気がするんだが、どうだろう。
本公演を見ているときの幕間、いかにも「オレはヅカ通だぜ」ってな感じでチケットのことや組子のことを語っていたおじさんが「夢乃聖夏? 誰?」と素で言って、周囲のおばさんたちに「新公で主演する子ですよ」と言われていたのを見て「うわー」と思った。
さらに、「(『エル・アルコン』本公演の)芝居のどこに出てた?」「さあ、わからないけど……とにかく主演するようよ」「今までどんな役やってた?」「さあ?」とかゆー会話に続き、さらに「うわー」と思った。
たしかに、答えられない……。今までどんな役を、本公演でやってたっけ?
や、そりゃさかのぼって答えられるけれど、「夢乃聖夏? 誰?」とゆーよーな人に、「あの役をやっていた子よ」と言えるほどの役を、本公演でやってないんだよ。
新公主演するよーな子は、下級生の抜擢でもない限り、ふつーは「**で**役をやっていた子」って言えるくらいの扱いは受けてるもんだからなー。
研7なのに、知名度がないっつーのは気の毒だ。知名度が、チケットの売れ行きに反映するもんだし。
そして、「スカイフェアリーズをやっていた」というのもまた、「舞台人としての知名度」には、なんの関係もないのだということを、思い知る。
「何年か前、テレビでニュース読んでた」ってのは、みんな「芸歴」にはカウントしないもんなー。
重要なのは、「舞台」での成果。
それは正しいことだ。
さて、そのともみんティリアンだが。
まず、歌にびっくりした。
そうか、本役がトウコだし、歌が多いんだ。でもって、モロにアニメソングって感じの曲だけど、実は難しいのかな?
歌がもー、えらいことになっていた。
手に汗握る。が、がんばれ。
前回の新公『シークレット・ハンター』では、こんなに自爆するほど緊張は伝わってこなかったし、歌もひどくはなかったはずだ。てゆーか、本役のれおんまんまのコピーで、ヘタじゃないけど印象にも残らなかった。なまじ顔とかスタイルも似ているので、「キミがれおんのコピーを目指したら、シャレになんないよ?」てなもんだったんだが。
トウコのコピーは、できなかったらしい。
フラフラした歌声、緊張や「あ、ハズした、どうしよう!」てな揺らぎがまんま伝わってくるオープニングに、こっちも泣きそうになった(笑)。
だが。それでも。
真ん中なんだ。
キミが真ん中。キミが闘わなきゃ。
場慣れしていない、声を出すことに慣れていない、歌が得意ではない、という三重苦状態で冒頭の「ミッション」を歌うとどんなすごいことになるか。
サイトーくんらしい、アホっぽいアニメっぽい歌だ、「ミッション ミッション クールに決めろ♪」。なにしろ「野心の炎」が「メラメラ♪」ですよ。ふつーには羞恥心が邪魔して歌えません。
ティリアン@ともみん、マスターズ@みやるり、スコット@天寿でキザりながら銀橋を渡る場面。
……声が聞こえない……オケの音だけがかなしく響く。
銀橋で恥ずかしげもなくキメまくる、つーのはスキルが必要なんだ。や、知らなかった……というか、実感してなかった。
ともみんもだが、みやるりとミッキーはそんなもん、スキル以前の問題だろ。まったくの未知の世界、できなくてふつー、一般人ではありえない。
にしても、ここまでできないとは……。
タカラヅカの「スター」が、どれほど特殊なものかを思い知る。本役のあかしもしゅんくんも、「スター」としての場数を踏んでる子たちなんだなあ。初心者だと、ここまでなにも出来ないんだから。
マスターズとスコットが総崩れなので、ティリアンがひとりで踏ん張った。
途中から、ともみんの声だけ聞こえる。
が、がんばれともみん〜〜!!
やー、もー、心臓に悪いよ、この舞台。どーなるんだヲイ(笑)。
そんななか、登場するとホッとするのは、レッド@しゅんくん。
うまい。
ひとりだけ、うまい。
余裕でうまい。
オープニングでぐだぐだになっているティリアンの歌を聴かされたのち、レッドがせり上がってきて歌い出すと、ホッとしたよ〜〜。あああ、歌える子がいた〜〜、よかった〜〜。
伊達に場数は踏んでない、しゅんくんは「見せ方」を知っている。他がいっぱいいっぱいな中、自分の呼吸で生きているのがわかる。
ティリアンと、レッド。
キリキリ舞いして余裕のないティリアンと、たのしそーなレッド。
このふたりの、キャラの違いときたら……。
なんかすげーおもしろいんですけど。
ともみんは、どーなることかと緊張の連続だが、それでも場が進むにつれ落ち着いていく。歌声も、アレっちゃーアレだが、まだ十分マシになっていく。
しゅんくんの方も、父親が陥れられたあとは絶叫系芝居になるので、たのしそうって感じではなくなる。
うん。このふたりがねぇ、ほんとにもー、おもしろくて。
舞台ってのはいいねえ。たのしいねえ。
つーことで、続く。