ごらん、パレードが行くよ。
2007年12月30日 タカラヅカ タカラヅカは90年以上続いてきたカンパニーである。
わたしがファンになってたかだか20年だし、それもどっぷりヅカヲタになったのは最近だ。
関西以外の公演を観に行くようになったのって、ほんとここ数年だもん。それまではムラしか知らなかった、浅いファンだったし。
最近はさすがにヅカヲタだという自覚がある。……つったって、会活動という真のヅカファンライフを送ってないから知らないことは知らないままだし。
いつまで経っても半端に初心者って感じ。
そんな人間だから、半端な知識で疑問を持っているだけに過ぎない、のかもしれないが。
今回の花組東宝千秋楽のサヨナラパレード、アレって、いいの?
東宝でのサヨナラパレードを見た回数なんてたかがしれているから、わたしがまちがっているだけかもしれないが。
袴姿の退団者の横を、一般人が列をなして歩き、写メったり好奇の目むきだしで指さして行くのは、通常なの?
えーと。
タカラヅカには「ガード」と呼ばれる文化?があって、ジェンヌに危険がないようにファンの人垣で一般人とジェンヌの歩く場所を分けているんじゃなかったの?
もちろん、道路である以上、ヅカファンだけの都合でどうこうできるとは思っていない。
しかし、程度っちゅーもんがあるだろう。
花楽の日の劇場前は、
東京宝塚劇場
ギャラリー
ガード
一般通行客→
一般通行客→
←退団者
ガード
ギャラリー
一般通行客→
シャンテ
という状態になっていたんだ。
ガードと退団者の間を、2列になった一般通行客がずらずら途切れることなく通っていくの。
原因は、日比谷公園で行われたクリスマス・イルミネーション。関西でもワイドショーで放送されたくらいの、ものすごい人出となったイベント。
その客たちが、東宝劇場前を通っていくの。
退団パレードの最中。
ガードが作り上げた、お花とペンライトの間の道を、悠々と。
彼らはヅカなんか知らないし、どーでもいいから、無邪気に奇異の目を向ける。
袴姿で拍手を浴びながら歩く退団者に「ナニあれ?」「有名人?」「知らね」「よくわかんないけど記念?」と携帯のカメラを向ける。退団者の真横とかで。
ギャラリーの後ろで「なになに?」と野次馬しているだけなら、ふつーだが。
退団者のための花道で、野次馬してるんだよ?
なんのためのガード?
普段のガードの意義はよく知らないが、少なくとも8000人のファンが駆けつけたというトップスター退団イベントでのガードは、ジェンヌの歩く道を守る意味があるんじゃないのか? 一般道と花道を分ける意味があるんじゃないのか?
花道を一般人が歩いていたら、意味ないじゃん? それも多少ではなく、厚みの濃淡はあれ、ずーーっと列をなして歩いてるんだよ?
気が気じゃなかった。
もしも、悪意のある人が通行人に混ざっていたら?
悪意とまでいかなくても、ほんのいたずら心がわきあがるかもしれない。一般人は、袴姿の退団者とそれを見守るファンにとって、この瞬間がどんなに大切か、まったく知りようがないんだもの。
退団者の真横を歩いているんだ、通りすがりにひょいっと押したり叩いたり、持っているお花を引っ張ったり、できるよね?
おもしろがって写メるときに、カラダが触れたりするかもしれないよね?
劇場側にいたわたしたちの前は、そんな一般通行客が途切れないので、退団者が余計に遠くなっていた。
ガードの人はしゃがんでいるけど、その向こうに通行人がいるんだもの。
そして退団者も、通行人がいるから劇場側にはあまり手を振ったりできない……ファンはその通行人の向こうなんだもの。
通行人もずっと同じ濃度で歩いていないから、薄くなったりまばらになったりすることはあったけれど。
基本、「道」として、ふつーに解放されていたの。ガードの向こうが。
道路はヅカファンだけのものではない、だから退団パレードで私物化している方が悪い。……たしかに、そうとも言える。
だが、何十年と続けてきた文化であり、「広告」の意味もあるわけでしょう。「トップスター退団に何千人のファンが詰めかけた」てなニュースを新聞に毎回載せるのだから。
「タカラヅカって、すごい人気の文化なんだ」と、興味のない人にもとりあえず思い込ませておきたいんでしょう。「こんなに集まるなんてキモっ」と思う人がいよーがいまいが、「人気」という刷り込み効果。
また、伝統イベントをすることで、ファンの心を納得させる、顧客サービスの一環でしょう。なくしてしまうとサービス低下を責め、客が減るかもしれないから、今さらなくせない、てな。
道路を使ってのイベントの是非の話ではなく、広告やサービスという企業の仕事のひとつとしての位置づけ。
「恒例イベントなので、実施する」という前提で考えれば。
「道路を使っての数千人から1万人近く参加のイベントを、事故や混乱を起こさず開催する」というのは、それなりに考えるべきなんじゃないのか?
日比谷公園でのイベントのために例年とは比べものにならない人出だったとして、そのイベントは当日急に決まったわけじゃないだろう。劇団は前もって準備をすることが出来たはずだ。
最初から一般通行客を流すための「道」を作っておけばそれでよかったんだ。
現に一般通行客は、花道を2列で歩き、その横を退団者が歩いた。
ならば人間が2列で歩けるスペースを、ガードの後ろに作るべきだった。
花道は退団者が歩くだけの狭いモノにする。……さみしいけれど、道路がヅカファンだけのものではないのだから、これは仕方ない。その分、ガードと後ろの一般ファンは退団者に近くなるから、遠い上に一般通行客越しになるよりはるかにマシなはずだ。
いつまでたっても通行人が途切れないから、ハラハラした。
オサ様が危険な目にあったらどうしよう。
早朝から場所取りしていたファンよりも、ルールを守ってしゃがんでいるガードよりも、たまたま通りかかった一般人がスターのいちばん近くにいることができるなんて。
触れるくらい真横に行けるなんて。
オサ様やタカラヅカに恨みがあるとかじゃなくても、たんに「有名人なら誰でもイイ」「誰か傷つけてウサ晴らししたい」そんなふうに思う人がいても、不思議ではない。
「ルキーニか!!」
と、友人たちはわたしの心配を一笑に付したけれど。
間近で見てると、不安になっていったんだって。
あの端正な立さん、年齢的に言っても袴姿と大きなお花からしても、ひとかどの人だと思うじゃん? なにも知らなくても「なんか特別なことやってる?」ってわかるじゃん?
なのに、その立さん相手でも、通行人の若いカップルが指さして写メっていったんだよ、真横を歩きながら。
あのノリで、寿美礼サマにもやっちゃうの?
オサ様の最後のパレードを、なんの関係もない通行人たちが「ヅカだってさー、キモ〜〜」とか言いながら並んで歩くの?
どんな人がいるかわからないのに?
オサ様になにかあったら。
なにかあったら。
……不安で不安で。
また、オサ様の、美しく感動的でなければならない、最後のパレードを台無しにされたくなくて。
やきもきしました……。
や、オサ様退団という現実を認めきれないままだったので、そっちでもハートがぐちゃぐちゃ、最後を見届ける、最後が来てしまう恐怖でぐるぐる回っていたので、余計情緒不安定(笑)。
実際、オサ様が車に乗るあたりの大混乱は、「事故が起きなくて良かったね……」というようなものだったし。
悲鳴とクラクション、警備員の叫び声、そりゃーもー阿鼻叫喚。
ヅカファンは、なによりジェンヌの迷惑にならないようにするからまだなんとか秩序を保っていたけれど、あの仕切りの悪さは一歩間違えれば事故につながるよぅ。
あ、それでもいちおー、寿美礼サマ登場時だけは一般通行客をせき止め、寿美礼サマと関係者だけが花道を歩きました。
……できんじゃん、通行禁止。じゃあ他の退団者のときも……ゲフンゲフン。
ほっとしました。
オサ様の笑顔がまぶしかった。
これからも続けて欲しい、大切な大切なイベントだから、なんとかならないものかと思う。
ジェンヌの安全、そしてファンの安全。もちろん、一般通行客の安全も。
サヨナラパレードで、退団者を心配して、こんなこわい思いしたのはじめてだ。
来年以降はこんなことにはならず、なんの混乱も危険もないイベントでになることを祈って。
ただの杞憂だといい。
今回限りの出来事として、長い歴史の中に埋没することを祈って、とりあえず記録しておく。
……もっともそれも、わたしが半端に初心者ファンだから知らないだけで「いつもこんなもんよ、なに勝手に心配とか言ってるのよ」てなもんなのかもしれないが。
わたしがファンになってたかだか20年だし、それもどっぷりヅカヲタになったのは最近だ。
関西以外の公演を観に行くようになったのって、ほんとここ数年だもん。それまではムラしか知らなかった、浅いファンだったし。
最近はさすがにヅカヲタだという自覚がある。……つったって、会活動という真のヅカファンライフを送ってないから知らないことは知らないままだし。
いつまで経っても半端に初心者って感じ。
そんな人間だから、半端な知識で疑問を持っているだけに過ぎない、のかもしれないが。
今回の花組東宝千秋楽のサヨナラパレード、アレって、いいの?
東宝でのサヨナラパレードを見た回数なんてたかがしれているから、わたしがまちがっているだけかもしれないが。
袴姿の退団者の横を、一般人が列をなして歩き、写メったり好奇の目むきだしで指さして行くのは、通常なの?
えーと。
タカラヅカには「ガード」と呼ばれる文化?があって、ジェンヌに危険がないようにファンの人垣で一般人とジェンヌの歩く場所を分けているんじゃなかったの?
もちろん、道路である以上、ヅカファンだけの都合でどうこうできるとは思っていない。
しかし、程度っちゅーもんがあるだろう。
花楽の日の劇場前は、
東京宝塚劇場
ギャラリー
ガード
一般通行客→
一般通行客→
←退団者
ガード
ギャラリー
一般通行客→
シャンテ
という状態になっていたんだ。
ガードと退団者の間を、2列になった一般通行客がずらずら途切れることなく通っていくの。
原因は、日比谷公園で行われたクリスマス・イルミネーション。関西でもワイドショーで放送されたくらいの、ものすごい人出となったイベント。
その客たちが、東宝劇場前を通っていくの。
退団パレードの最中。
ガードが作り上げた、お花とペンライトの間の道を、悠々と。
彼らはヅカなんか知らないし、どーでもいいから、無邪気に奇異の目を向ける。
袴姿で拍手を浴びながら歩く退団者に「ナニあれ?」「有名人?」「知らね」「よくわかんないけど記念?」と携帯のカメラを向ける。退団者の真横とかで。
ギャラリーの後ろで「なになに?」と野次馬しているだけなら、ふつーだが。
退団者のための花道で、野次馬してるんだよ?
なんのためのガード?
普段のガードの意義はよく知らないが、少なくとも8000人のファンが駆けつけたというトップスター退団イベントでのガードは、ジェンヌの歩く道を守る意味があるんじゃないのか? 一般道と花道を分ける意味があるんじゃないのか?
花道を一般人が歩いていたら、意味ないじゃん? それも多少ではなく、厚みの濃淡はあれ、ずーーっと列をなして歩いてるんだよ?
気が気じゃなかった。
もしも、悪意のある人が通行人に混ざっていたら?
悪意とまでいかなくても、ほんのいたずら心がわきあがるかもしれない。一般人は、袴姿の退団者とそれを見守るファンにとって、この瞬間がどんなに大切か、まったく知りようがないんだもの。
退団者の真横を歩いているんだ、通りすがりにひょいっと押したり叩いたり、持っているお花を引っ張ったり、できるよね?
おもしろがって写メるときに、カラダが触れたりするかもしれないよね?
劇場側にいたわたしたちの前は、そんな一般通行客が途切れないので、退団者が余計に遠くなっていた。
ガードの人はしゃがんでいるけど、その向こうに通行人がいるんだもの。
そして退団者も、通行人がいるから劇場側にはあまり手を振ったりできない……ファンはその通行人の向こうなんだもの。
通行人もずっと同じ濃度で歩いていないから、薄くなったりまばらになったりすることはあったけれど。
基本、「道」として、ふつーに解放されていたの。ガードの向こうが。
道路はヅカファンだけのものではない、だから退団パレードで私物化している方が悪い。……たしかに、そうとも言える。
だが、何十年と続けてきた文化であり、「広告」の意味もあるわけでしょう。「トップスター退団に何千人のファンが詰めかけた」てなニュースを新聞に毎回載せるのだから。
「タカラヅカって、すごい人気の文化なんだ」と、興味のない人にもとりあえず思い込ませておきたいんでしょう。「こんなに集まるなんてキモっ」と思う人がいよーがいまいが、「人気」という刷り込み効果。
また、伝統イベントをすることで、ファンの心を納得させる、顧客サービスの一環でしょう。なくしてしまうとサービス低下を責め、客が減るかもしれないから、今さらなくせない、てな。
道路を使ってのイベントの是非の話ではなく、広告やサービスという企業の仕事のひとつとしての位置づけ。
「恒例イベントなので、実施する」という前提で考えれば。
「道路を使っての数千人から1万人近く参加のイベントを、事故や混乱を起こさず開催する」というのは、それなりに考えるべきなんじゃないのか?
日比谷公園でのイベントのために例年とは比べものにならない人出だったとして、そのイベントは当日急に決まったわけじゃないだろう。劇団は前もって準備をすることが出来たはずだ。
最初から一般通行客を流すための「道」を作っておけばそれでよかったんだ。
現に一般通行客は、花道を2列で歩き、その横を退団者が歩いた。
ならば人間が2列で歩けるスペースを、ガードの後ろに作るべきだった。
花道は退団者が歩くだけの狭いモノにする。……さみしいけれど、道路がヅカファンだけのものではないのだから、これは仕方ない。その分、ガードと後ろの一般ファンは退団者に近くなるから、遠い上に一般通行客越しになるよりはるかにマシなはずだ。
いつまでたっても通行人が途切れないから、ハラハラした。
オサ様が危険な目にあったらどうしよう。
早朝から場所取りしていたファンよりも、ルールを守ってしゃがんでいるガードよりも、たまたま通りかかった一般人がスターのいちばん近くにいることができるなんて。
触れるくらい真横に行けるなんて。
オサ様やタカラヅカに恨みがあるとかじゃなくても、たんに「有名人なら誰でもイイ」「誰か傷つけてウサ晴らししたい」そんなふうに思う人がいても、不思議ではない。
「ルキーニか!!」
と、友人たちはわたしの心配を一笑に付したけれど。
間近で見てると、不安になっていったんだって。
あの端正な立さん、年齢的に言っても袴姿と大きなお花からしても、ひとかどの人だと思うじゃん? なにも知らなくても「なんか特別なことやってる?」ってわかるじゃん?
なのに、その立さん相手でも、通行人の若いカップルが指さして写メっていったんだよ、真横を歩きながら。
あのノリで、寿美礼サマにもやっちゃうの?
オサ様の最後のパレードを、なんの関係もない通行人たちが「ヅカだってさー、キモ〜〜」とか言いながら並んで歩くの?
どんな人がいるかわからないのに?
オサ様になにかあったら。
なにかあったら。
……不安で不安で。
また、オサ様の、美しく感動的でなければならない、最後のパレードを台無しにされたくなくて。
やきもきしました……。
や、オサ様退団という現実を認めきれないままだったので、そっちでもハートがぐちゃぐちゃ、最後を見届ける、最後が来てしまう恐怖でぐるぐる回っていたので、余計情緒不安定(笑)。
実際、オサ様が車に乗るあたりの大混乱は、「事故が起きなくて良かったね……」というようなものだったし。
悲鳴とクラクション、警備員の叫び声、そりゃーもー阿鼻叫喚。
ヅカファンは、なによりジェンヌの迷惑にならないようにするからまだなんとか秩序を保っていたけれど、あの仕切りの悪さは一歩間違えれば事故につながるよぅ。
あ、それでもいちおー、寿美礼サマ登場時だけは一般通行客をせき止め、寿美礼サマと関係者だけが花道を歩きました。
……できんじゃん、通行禁止。じゃあ他の退団者のときも……ゲフンゲフン。
ほっとしました。
オサ様の笑顔がまぶしかった。
これからも続けて欲しい、大切な大切なイベントだから、なんとかならないものかと思う。
ジェンヌの安全、そしてファンの安全。もちろん、一般通行客の安全も。
サヨナラパレードで、退団者を心配して、こんなこわい思いしたのはじめてだ。
来年以降はこんなことにはならず、なんの混乱も危険もないイベントでになることを祈って。
ただの杞憂だといい。
今回限りの出来事として、長い歴史の中に埋没することを祈って、とりあえず記録しておく。
……もっともそれも、わたしが半端に初心者ファンだから知らないだけで「いつもこんなもんよ、なに勝手に心配とか言ってるのよ」てなもんなのかもしれないが。