出しっ放しにされた人たち。@NOBUNAGA<信長>
2016年6月13日 タカラヅカ 『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』初日感想あれこれ。
あーさの役は、
>妻木(帰蝶の家臣)
としか、知らなかった。人物相関図に「光秀の妹」とあるから、間違いなく女役。
長刀振り回す帰蝶@ちゃぴだから、直属の家臣団を……しかも女性ばかりのチームを従えているのだろう、と、ここまでは想像できる。
予想外だったのは。
帰蝶家臣団が、くのいち軍団だったことだ。
大野くんの忍者萌えキターー!
大野作品お約束の傀儡。そっか、ここにぶち込んだかー。
女武者ではなく、くのいち、って、完璧に作者の趣味だろ。ふつーなら帰蝶と同じく長刀をふるう女武者集団になるところを、ミニスカで短刀を逆手持ちして闘う、お色気キャラ。
刀同士の斬り合いより、変な武器を使っての立ち回りに萌えるのはヲタクの習性? サイトーくんといい大野くんといい……。
そして、エロシーンが「主役カップル」よりも他の人たちに比重が大きいのも、大野せんせならでは?
信長@まさお×女あーさ。
あーさの着物の中にまさおが手ェ突っ込んでた、ところがたぶんこの作品のいちばんのお色気シーンで、見どころなんだろう。
女あーさに対して、すげーせしこがかぶる……美形男役の女装だからかな。
きれいなんだけど違和感がある。そして、エロシーンを演じてなお硬質というか、色気がない。
やってることはエロいので、視覚では「あー、エロいことやってますね」とわかるんだけど、情感面で匂い立つものがないというか。
その硬質さがいいのかな。エロやってもエロにならないから。スミレコード大事?
そんなくのいちあーさの「あこがれの人」佐脇良之@暁くん。
がんばれ……。
たのむ、がんばってくれ。
暁くんはかわいいけど、「かわいい男の子」の域を出ず、手練れのくのいち、あーさのあこがれの人に見えない。あーさはピュアな女の子役かもしれんが、そういう部分とは別に、くのいちとして優秀なんでしょ? 半人前の少女ではなく、前線で闘うプロなんでしょ?
あーさが暁くんを爪先で転がす系で愛でている、ならアリかもしんないけど、「小娘あーさ」が「素敵なナイト様」に憧れている設定は、目に映るモノとの差がつらい。
くのいちたちをいなしている姿も、「本当は強いんですよ」という切れ味が見えなくて、くのいちたちも「手順通りにおっかなびっくりやってます」感があるだけに、なんともどんくさい印象……。
暁くんはまさお卒業後は番手スターになっちゃうんだろうか……たまきちは若くても大人の男に見えるからともかく、なにやっても10代にしか見えないベビーフェイスくんに番手が付くと、作品の幅が狭くなって大変だよなあ。
タカラヅカは大人の男女の物語を展開する劇団で、スクールミュージカルをやる劇団じゃナイからなあ。
それにしても、信長と帰蝶が絡まない……。
ところで、帰蝶の制作発表の台詞の浮きっぷりはナニ?
ビジュアルセンスがわたしの好みと乖離しまくりでびびったけれど、「魔女のような姿で長刀振り回し、信長への愛と憎しみを宣言する帰蝶」は、萌える設定だった。
信長モノって大抵濃姫とは相愛だからねー。そして「まむしの娘」濃姫は、心根の強い女性として描かれる。本能寺の変では、信長と共に闘い、共に炎の中で果てるイメージ。そんなマンガもドラマも山ほど見た。
ゆえに、信長を憎む帰蝶は新鮮で、わくわくした。
しかし。
そんな設定、どこにもありませんがな。
なんで出て来たのかわかんないオープニング以来、信長と帰蝶の場面はなし。
帰蝶の故郷、美濃を征したことで、
帰蝶が信長を恨んでいる……1
と、信長が勝手に思っている……2
ということを、帰蝶が察している……3
3段階あるけど、1は事実ではないので2は間違い、だけど信長には1だけがすべて、そしてそれでもいっか、となにもしないでいる。帰蝶は1も2も理解している3状態、でも自分からはなにもせずにいる。
えーと? 1だと思い込んでいる信長と、1が真実である帰蝶なら、すれ違っていてもおかしくないけど、帰蝶は3なんだから、すれ違う必要ないよね?
武器を手に戦場に出るほどの女傑……だけど、帰蝶自身は「戦乱よりは平穏」「野望よりは小さな幸福」を求める、すっげーふつーの女性よね?
そもそも、こんな平凡な女がどうして信長なんか愛し、信長を「自分の枠」にはめようとするのかしら……?
で、一度も信長と敵対したことナイのに、最初からずーっと信長ラブで、信長が誤解していることも知っていて、「誤解されていても愛し続けるわ♪」と女傑設定なのに添え物ヒロイン脳で、そもそもまったく絡まない帰蝶様。
なのに突然、全員集合の場に制作発表会の格好で飛び出して来て「信長を討つのはこの私!」とか、あまりの超展開にぽかーんとなった。
しかもただ出て来るだけで、すぐ死んじゃうし。や、信長かばって愛の証明するからいいっちゃいいんだけど、え、帰蝶もう死ぬの?!だし、なんつっても、死体出しっ放し。
あーさも死体出しっ放しだったな……。
テレビならそこに死体が転がっていても、映さなければ済む。でも舞台は、片付けない限りずーっとそのまま。
死体出しっ放しだと、違和感。モブの雑兵が討たれて死んでいるならともかく、ヒロインとか準ヒロインがえんえん放置プレイって……。ふつーなら、セリ下がったりカーテン閉じたり、他キャラが運び出したりして、「目に入らなくする」よね。テレビのフレームアウトと同じく。観客の意識を向けられては困るから。
なのに、出しっ放し。
そこにあるのに、気にせず話を進める。
……大野くんってこんなに演出雑でヘタな人だっけ……?
あーさの役は、
>妻木(帰蝶の家臣)
としか、知らなかった。人物相関図に「光秀の妹」とあるから、間違いなく女役。
長刀振り回す帰蝶@ちゃぴだから、直属の家臣団を……しかも女性ばかりのチームを従えているのだろう、と、ここまでは想像できる。
予想外だったのは。
帰蝶家臣団が、くのいち軍団だったことだ。
大野くんの忍者萌えキターー!
大野作品お約束の傀儡。そっか、ここにぶち込んだかー。
女武者ではなく、くのいち、って、完璧に作者の趣味だろ。ふつーなら帰蝶と同じく長刀をふるう女武者集団になるところを、ミニスカで短刀を逆手持ちして闘う、お色気キャラ。
刀同士の斬り合いより、変な武器を使っての立ち回りに萌えるのはヲタクの習性? サイトーくんといい大野くんといい……。
そして、エロシーンが「主役カップル」よりも他の人たちに比重が大きいのも、大野せんせならでは?
信長@まさお×女あーさ。
あーさの着物の中にまさおが手ェ突っ込んでた、ところがたぶんこの作品のいちばんのお色気シーンで、見どころなんだろう。
女あーさに対して、すげーせしこがかぶる……美形男役の女装だからかな。
きれいなんだけど違和感がある。そして、エロシーンを演じてなお硬質というか、色気がない。
やってることはエロいので、視覚では「あー、エロいことやってますね」とわかるんだけど、情感面で匂い立つものがないというか。
その硬質さがいいのかな。エロやってもエロにならないから。スミレコード大事?
そんなくのいちあーさの「あこがれの人」佐脇良之@暁くん。
がんばれ……。
たのむ、がんばってくれ。
暁くんはかわいいけど、「かわいい男の子」の域を出ず、手練れのくのいち、あーさのあこがれの人に見えない。あーさはピュアな女の子役かもしれんが、そういう部分とは別に、くのいちとして優秀なんでしょ? 半人前の少女ではなく、前線で闘うプロなんでしょ?
あーさが暁くんを爪先で転がす系で愛でている、ならアリかもしんないけど、「小娘あーさ」が「素敵なナイト様」に憧れている設定は、目に映るモノとの差がつらい。
くのいちたちをいなしている姿も、「本当は強いんですよ」という切れ味が見えなくて、くのいちたちも「手順通りにおっかなびっくりやってます」感があるだけに、なんともどんくさい印象……。
暁くんはまさお卒業後は番手スターになっちゃうんだろうか……たまきちは若くても大人の男に見えるからともかく、なにやっても10代にしか見えないベビーフェイスくんに番手が付くと、作品の幅が狭くなって大変だよなあ。
タカラヅカは大人の男女の物語を展開する劇団で、スクールミュージカルをやる劇団じゃナイからなあ。
それにしても、信長と帰蝶が絡まない……。
ところで、帰蝶の制作発表の台詞の浮きっぷりはナニ?
ビジュアルセンスがわたしの好みと乖離しまくりでびびったけれど、「魔女のような姿で長刀振り回し、信長への愛と憎しみを宣言する帰蝶」は、萌える設定だった。
信長モノって大抵濃姫とは相愛だからねー。そして「まむしの娘」濃姫は、心根の強い女性として描かれる。本能寺の変では、信長と共に闘い、共に炎の中で果てるイメージ。そんなマンガもドラマも山ほど見た。
ゆえに、信長を憎む帰蝶は新鮮で、わくわくした。
しかし。
そんな設定、どこにもありませんがな。
なんで出て来たのかわかんないオープニング以来、信長と帰蝶の場面はなし。
帰蝶の故郷、美濃を征したことで、
帰蝶が信長を恨んでいる……1
と、信長が勝手に思っている……2
ということを、帰蝶が察している……3
3段階あるけど、1は事実ではないので2は間違い、だけど信長には1だけがすべて、そしてそれでもいっか、となにもしないでいる。帰蝶は1も2も理解している3状態、でも自分からはなにもせずにいる。
えーと? 1だと思い込んでいる信長と、1が真実である帰蝶なら、すれ違っていてもおかしくないけど、帰蝶は3なんだから、すれ違う必要ないよね?
武器を手に戦場に出るほどの女傑……だけど、帰蝶自身は「戦乱よりは平穏」「野望よりは小さな幸福」を求める、すっげーふつーの女性よね?
そもそも、こんな平凡な女がどうして信長なんか愛し、信長を「自分の枠」にはめようとするのかしら……?
で、一度も信長と敵対したことナイのに、最初からずーっと信長ラブで、信長が誤解していることも知っていて、「誤解されていても愛し続けるわ♪」と女傑設定なのに添え物ヒロイン脳で、そもそもまったく絡まない帰蝶様。
なのに突然、全員集合の場に制作発表会の格好で飛び出して来て「信長を討つのはこの私!」とか、あまりの超展開にぽかーんとなった。
しかもただ出て来るだけで、すぐ死んじゃうし。や、信長かばって愛の証明するからいいっちゃいいんだけど、え、帰蝶もう死ぬの?!だし、なんつっても、死体出しっ放し。
あーさも死体出しっ放しだったな……。
テレビならそこに死体が転がっていても、映さなければ済む。でも舞台は、片付けない限りずーっとそのまま。
死体出しっ放しだと、違和感。モブの雑兵が討たれて死んでいるならともかく、ヒロインとか準ヒロインがえんえん放置プレイって……。ふつーなら、セリ下がったりカーテン閉じたり、他キャラが運び出したりして、「目に入らなくする」よね。テレビのフレームアウトと同じく。観客の意識を向けられては困るから。
なのに、出しっ放し。
そこにあるのに、気にせず話を進める。
……大野くんってこんなに演出雑でヘタな人だっけ……?