ちょっと待て。
 『ドン・ジュアン』ドラマシティ初日、幕間。
 わたしはけっこー混乱していた。
 なんかすげえ大切な部分の演出がしれっと変わってますが、なんで?
 隣の席のグループとか、開演前に「神奈川で4回観たわ」とか語ってたのに、幕間誰もその話してなくて、「え? なんで? まずその話しないか?? それともすでに神奈川で変更済みだったのか?」と混乱。わたしの友人は今日初見だからわかんないし……。

 わたしはKAAT版『ドン・ジュアン』は初日の1回だけしか観ていません。
 物理的に観られなかったの。
 チケットが手に入らなくて。

 DCだって、チケットは平日1回分しか持ってない。今回、まーーったく当たらなかったの。ほんとにチケットないの。見回しても、ぜんぜんないの。
 だいもん人気をあなどってたわ……。『アル・カポネ』が楽に入手出来たんで、同じくらいの難度かと思っていたわ。
 原田氏オリジナルの内容ナシ箇条書き偉人伝と、生田くん潤色の海外ミュージカルでは、期待度がチガウに決まってるやん。

 こんな状況で土曜日のDC初日なんか観られるわけナイ……と、ダメ元でサバキ待ちしたら、えええっ、サバキ取れたー! あの大量のサバキ待ちの群れの中で、何故か声かけてもらえたー!
 しかも7列目センター……自分で持ってる平日チケットよりいい席だ……。
 神様ありがとう。

 たぶんわたしは観られないわ、バイバイ、と言って劇場前で別れた友人たちと、劇場内で「入れたー!」と再会。
 KAATで通いまくっただいもんファン友人を幕間に探して、「演出変わってるよね? KAATでもう変わってたの?」と質問。

 KAATではずっと同じ演出だった。
 DCで、改訂された。

 ということらしい。
 友人は「DVD撮りがDCだから、アレはまずい、と変更されたんじゃないですかねえ?」と言っていたけれど。
 真実はわからない。

 母親を犯して、それゆえに母自殺……っての、ドン・ジュアンの人格形成の根幹に関わることだと思うんだが……ここを変更ってどうなの。

 母自殺設定だと信じて観ているわけだから。
 オープニングからすでに泣けたし、ドン・ジュアンをめぐるひとつひとつに切なくなっていたのに……基本設定変更済み、って、わたしの涙を返せ(笑)。

 2回目の楽しみじゃないですか。
 結末を知った上で観ると切なさ倍増、とか、感動の質が変わる、とか。
 わたしはソレを楽しんでいたわけですよ。2回目だからこその感動を味わっていたわけですよ。自分が観たモノと同じ、同じ公演の2回目観劇だと信じて。
 そしたら、別モノだった。
 えええ。
 同じものだと思うからこその、涙だったのに。
 別モノだったら、感じ方チガウっつーの。

 なんか騙された(笑)。
 怒っているわけじゃないが、騙された、と思う。

 神奈川に通うことはできなかったし、大阪で堪能するのを楽しみにしていた……あくまでも、同じものを。
 別物になるとか聞いてないよ!

 こんなことなら、どんだけ無理してもKAATで複数回観ておくんだった……。整理が着かないわ、こんなの。

 でも、なにはともあれ、DC初日を観られて良かった。
 このショックを自分で体験出来て良かった。先入観なしで、予備知識なしで、自分で感じたいんだもの。

 サバキの神様、ありがとう。チケット運の神様ありが……ん? そもそも、チケット当ててくれてれば、こんな綱渡りしてないぞ?
 チケット運の神様からは、見放されたままっす。

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