『ローマの休日』梅芸公演を観ました。
 初日に観劇するつもりでチケット取ってたんだけど、もろもろの事情(笑)で手放すことになり、別の日にひっそり観に行きました。
 あるときはジェンヌさんたちの観劇日にあたって膝先を麗しい方々が2往復していく様を見られたり、またあるときは青春時代の思い出を語り出すと止まらない母をエスコートしていったりと、タイトルの安定感と梅田という立地の良さ(家から近い)もあり、まったり楽しみました。

 なんつーか、とっても「まったり」だよなあ……。
 『ドン・ジュアン』で精神が上から下に右から左にとシェイクされまくる体験をしたことを思うと、なんともまったり……『THE SCARLET PIMPERNEL』上演時に、ロビーでこの前やってた『ソルフェリーノの夜明け』が流れていて、「同じカンパニーの演目とは思えない……」と愕然とした、あの感じを思い出しました。

 『ローマの休日』は中日劇場初日を観て以来。
 ……やっぱさあ、3都市巡業は長いわ……。巡業をすべて追いかけるコアファンにはそうでもないかもしんないけど、わたしみたいなゆるいファンには「1ヶ月半以上前に観た公演」というと、すごーく以前のことのように思える。
 大劇場では1ヶ月ごとに演目が変わるんだもの。ふたつ前にやっていた演目を「さあ、どうぞ」と出されても「え、まだやってるの?」と違う時の流れの中に放り込まれたみたいな違和感がある。
 別箱公演って短い、あっという間に終わってしまう、本公演くらい長くやってくれればいいのに、と思っていたけれど、うーん、別箱は短くていいのかもな。本公演並に2ヶ月興行だとモチベーションが下がる。
 てゆーか、2ヶ月興行で盛り上がり続ける本公演って、やっぱすごいんだなあ。

 中日で観たときはちぎみゆ尊い、ふたりがかわいくてかわいくて、それだけで胸がいっぱいで心があたたかくなって涙してた。
 でも、1ヶ月半も間を置いてから短期間でリピートすると、作品微妙じゃね? という意識が浮上してしまい、素直に楽しめない(笑)。
 ゼイタクになったもんだわ……『ローマの休日』ってタカラヅカの平均的紙芝居作品じゃん、それに不満持ってたらヅカヲタやってらんないわー。

 なんでこうつまんないのかなあ、とか、どうやったらもっと盛り上がるんだろう、とか、きゅんきゅんさせるにはナニがたりないんだろう、とか、分析しはじめちゃうと、物語に没入できない……。
 ちぎみゆはすっげーかわいいのになあ。

 やっぱりアン王女に視点を絞った方が、きゅんきゅん出来るかな。
 となると、男主人公でなくてはならないタカラヅカ的におかしくなる。女の子主人公でも、いっそ『伯爵令嬢』くらい突き抜けてくれたら退屈しないんだけど、『ローマの休日』はなんとも平坦でなあ……。
 ストーリーがシンプルな場合、演出を派手にする必要があるよなー。『ローマの休日』って画面がいつもすごく寂しいんだなあ。カメラでキャストをUPにしているならいいんだろうけど、舞台っていつも舞台全部が見えているから、がらーんという寂しさが常にある。
 映画をそのまんま舞台にしているだけ、ってことか。2次元のスクリーンを、3次元のステージに転化出来ていない。

 いっそイケコ演出で『ローマの休日』をやっていたらどうなっていただろう、とか、サイトーくんだったら、とか、植爺でなかったことを喜ぼう、とか、どうしようもないことを考えてみたり。

 次の中日公演が『星逢一夜』だとわかったあとだと、さらに「ちぎみゆで観たいものはなんだろう」と考えてみたり。や、公演ひとつが再演で消費され、「新しいちぎみゆ」を観られる機会が1回減ったってことだから。なんか飢餓感を持ってしまうのね。
 どうせ再演するなら『伯爵令嬢』の方が良かったなああ、だいもんさんにはディナーショーでもしててもらって。ともみんの役は咲ちゃんで、って。や、だいもん悪役はもうおなかいっぱいだから(笑)。

 ああ、そうかわたし、とびきりキュートなみゆちゃんが観たいんだ!

 みゆちゃんは大人の女も子持ちも出来るけれど、それはもっと大人になってからでもいい、今は若さを最大限に活かしたキュートな女の子の役を見たいなあ。
 アン王女もキュートなんだけど……みゆちゃんだからこそこんなにかわいいんだと思うけど……うーん。せめてデュエットダンスがもっとかわいかったらなあ……。

 とかいろいろ言いながらも、結局のところちぎみゆがかわいい『ローマの休日』を、楽しく観ている(笑)。

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