『桜華に舞え』初日の観劇感想メモをさらっと記す。


 まおゆうきがうまくなっている……?!
 なんか、まおくんっぽくない。どうしたんだまおゆうき!
 まおくんはヘタレでないといかんとか、それは勝手な思い込みなので、うまくなってくれているのは喜ばしいことです、はい。
 しかし、まおくん年寄り似合わない……演技以前に、あんな神スタイルのじじいいねえ、と思う……。


 鹿児島弁、勘弁。

 聴き取れない……。
 わたしの耳の問題かもしれんが、ここまでぶわんぶわんした音では無理っす……。
 途中からあきらめて、雰囲気だけ受信することにした。
 NHKの大河ドラマ(音声調整がんばる年寄りにも優しい制作)ですら、字幕付きだったのに、テレビでもないナマ舞台で、しかも、こういっちゃなんだがタカラジェンヌの発声と滑舌で、「誰でも初回で音を完璧に聞き取れて、意味を完全理解出来る」と思って使用してるんすか? そうでないなら、「雰囲気やニュアンスを借りるだけ」にしてほしかったよ……。
 や、大河ドラマ『翔ぶが如く』も途中で脱落しちゃったから、もともとわたし、このジャンルが苦手なだけかも。

 『エル・アルコン-鷹-』以来、サイトーくんのオープニングには期待している。めちゃくちゃ盛り上がるんだもの、派手なんだもの、華々しいんだもの。アニメ的というか、フィクションであることの強みと旨味をぎゅっと詰め込んであふれかえってる感じが……!
 その期待感っつーか思い込みがあるから……うーん、今回ちょっと拍子抜け。
 そっか、衣装が豪華でも派手でもないし、幕末ってだけじゃあ華やかになりようがないのか……。
 予算たっぷりあれば、オープニングからオリジナルムービー流してキャラ紹介して、どーんと盛り上がれたんだろうな……。
 なんつーか、イマドキのカラフルキャラ弁期待してフタ開けたら、おばあちゃんの茶色いおかずだらけの昭和なお弁当だった感……? いや、茶色いおかずおいしいけど、昭和も好きだけど。

 時代があっちこっち跳ぶのな。
 逆流はせめて1回にするべきでは? どうしても必要だとも、効果的だとも思わない謎構成。


 桐野利秋(中村半次郎)@みっちゃんはいい。あってる。さすがサイトーくん、みちこのキャラははずさないな。
 みっちゃんのいいところも悪いところもハマってる……。そういうの、集大成的に見られるのはいい。

 衣波隼太郎@ベニーは、ええっと、まずいちばん言いたい、殺陣がんばって!!
 半次郎さんを止めるために斬りかかって、勝ってしまう場面あるじゃないですか、少年マンガのお約束!的な。あそこがあまりにへっぴり腰すぎて、「え、コレに負ける半次郎って??」になる。
 みっちゃんはカケラも負けそうじゃないのに、無理に負けるからまた嘘くさい展開に見える。

 みっちゃんは大人になってからの方が良いけど、ベニーは若いときの方がいいなあ。チョビ髭おっさんより、若衆の方が似合う。線が細すぎるのかな。

 八木永輝@ことちゃんがいいなあ!
 予定調和に「説明しなきゃならないことを説明してます、やることいっぱいあって大変です」な展開の本編の中、サイトーの趣味だけで存在するキャラクタは、本来「いなくていい」だけに、自由自在。
 説明聞くの飽きたなー、というときに、ことちゃんがぶわーーっと熱量出しながら、ストーリー関係なく出て来て個人的感情だけぶわーっと語ってくれるのが、とても痛快。
 うんうん、自由度高いキャラはいいね! 彼が出て来ると「物語が動く」気がするよ。

 あ、そんでもってことちゃん、かっこよくなった。男っぽくなって、どんどん雰囲気や顔が変わっている。若い子ってほんと、公演ごとに変わるねえ。

 大谷吹優@風ちゃん。……や、吹優ってこんな漢字なんだ、今はじめて知った……結命@『JIN-仁-』といい、サイトーくんのヒロインのネーミングセンスがこそばゆいです……タスケテ(笑)。
 女性の絡まない題材で、それでもがんばって絡めた方かなと。
 ただ、風ちゃんに似合う髪型でも衣装でもなかったのが残念……もっとかわいい姿を見たかったなあ。

 桐野と吹優の関係は、もっとおいしく出来たと思うの。記憶喪失ネタは鉄板だもの。
 だから、「ついで」程度にしか使われてないのがもったいない。

 西郷隆盛@さやかさんは、さすがのうまさ。
 なんだけど、タカラヅカでこのキャラクタをこういう描き方すること自体、わたしは求めてないなー。

 なんかすごく「サイトーだわ」と思ったのって、ママネタがどーんときたからか。
 以前はサイトーくんというとマザコン要素基本装備だったのが、最近あまり気にならなくなっていた。
 桐野母@あんる、若いのに老母芝居うますぎ。
 こういう比重の高い年配女性役を、組長がやらないんだなあ、と、今さらなことを思ってみたり。主人公の親って管理職がよくやるイメージだから。

 しーらんの役が年齢不詳というか……立ち位置がわかりにくいのは、華奢な若者に見えるからか。狭量な若者が意地悪をしているように見えて、そこだけ観ると学園モノっぽい。
 しーらんって老け役やったことなかったっけ? カチャさんと同じでいつまでもフェアリー、永遠の少年イメージ。
 それは武器であり魅力であると思うけれど、今回は違和感。

 せおっちが目に付くなあ……。
 他の役と区別して見ているつもりがないのに、ああまたせおっちだ、と思うから、立ち位置がよくなっているのかも?
 それともわたしが無意識に彼を求めている……?(笑)
 あ、あとあやなくんもわかります、目に付きます。

 反対に、かいちゃんがわからなかった……。
 最後の方でよーやく「あ、あれひょっとしてかいちゃん?」と気づいたのだけど、前半まったくわからん……出てた、よ、ね?
 『こうもり』に引き続き、芝居でかいちゃんを見失うとか……何故だ、宙組にいたときはこんなことなかったのに。


 ラストはもっと勢いのまま、なだれ込むように終わってくれても良かったかな。
 テンポ悪くなって完、という気がした。

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