40時間を超えているのに、ストーリーがちっとも進まない……。

 FFTAのことっす。
 ゲームボーイアドバンス用シミュレーションRPG『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』(長い……)。

 テレビゲームはひたすらヴィジュアル重視。華麗なCGばかりがウリになり、味のあるドット絵は携帯ゲーム機に押しやられた。
 わたしや弟は、不気味なマネキンが喋り動くCGよりも、2Dのドット絵を愛しています。CGなんぞどーでもいいから、おもしろいゲームをやらせてくれよ……が本音。意味のない3D化には辟易さ。

 縁あって、10とTA、ふたつのFFを同時にプレイしているのだけど、FF10に関してはもー……アレ、ゲームちゃうやん、映画やん、という感想に終始しますな。
 自分でプレイする、という要因が少なすぎる。
 コントローラから手を離して、何分もぼーっとテレビ画面を見ている。たまに操作しなくてはいけなくなっても、ただ主人公キャラをまっすぐ前に進ませ、ドアを開けるだけ。ドアを開けたあとはまた何分もただぼーっと画面を眺めている。……んじゃ、ドアを開けるのも、わたしがやる必要ないじゃん。無理にプレーヤーにやらせるなよ。
 ストーリーは一本道、キャラの成長もそれほど自由にはならず。つーかスフィア板って見た目より自由度断然低いよねえ。

 ゲームが作りたい、のではなく、映画が作りたい、のよね。制作者。
 ゲームを利用されているみたいで、やな感じだ……。やりたいことは別にあるけど、そっちはできないからとりあえずこっちでやっておこう、みたいな。
 ほんとはマンガが描きたいんだけど、絵が描けないから小説でも書いていよう、とか。
 芸術作品を作りたいんだけど、金にならないから大衆作品を作っておこう、とか。
 そーゆー腰掛け意識って、やだなあ。
 どーせなら、「コレがやりたいんだ、コレが好きなんだ、他はなにもできなくていいから、おれにコレを作らせろ!」とゆー気合いとか愛情が見えるものが好きだなあ。同じ失敗作でも、そこに恥ずかしいほどの思い入れがある方が、微笑ましいよ。
 

 わたしはゲーム文化を知らずに成人し、うっかりゲームショップで働くことになって必然的にゲームと出会った。

 そして、最初にプレイしたゲームが『ロマンシング・サガ』だったんだわ……。

 三つ子の魂百まで。
 よりによって最初が『ロマサガ』。

 おかげで、おどろくことがいろいろあった。

「えっ、RPGってストーリーがあるの?」
「えっ、RPGって敵の姿が見えないの?」
「えっ、RPGって装備品が決まってるの?」

 ストーリーが一本道。
 ……てのがいちばんショックだったかな。
 ゲームっていうのはストーリーがなく、自分で冒険するものなんだって思いこんでたから。
 ストーリーがあるなら、映画とかマンガとかでいいじゃん。……て、本気で首を傾げたさ。
 ストーリーを主人公になって追体験するものがRPGだったのね。追体験なら映画でもマンガでもいいじゃん……とも思うけど。
 そうそう、ゲームの主人公に自分の名前をつけるという文化が、わたしには理解できないし。
 主人公が「自分」でないと仮想現実をたのしめないのか……。
 わたしはそんなことしなくても、いくらでも別人になってたのしめるけどなあ。映像文化でも文字文化でも。
 ゲームの買い取りをしていて、動作チェックをするときに主人公の名前が自然と見えるのだけど、みんな自分の名前つけてやってるよなあ。

 まー、とにかく。
 最初にプレイしたゲームが、ストーリーはなし、どこへ行ってなにをしてもヨシ、装備品は誰でもなんでも自由、育て方も一切自由、敵の姿が見えるので戦いたくなければ避けるも逃げるも自由、というものだったもんで。
 それが当たり前だと思っていたのよ。

 A地点にいたら、次はB地点に行くしかなくて、C地点にはBをクリアしてからでなくては行けない、なんてショックだった。決められた道を歩くんじゃ、「わたし」がプレイする意味ないじゃん……がーん……。
 なにもない道を歩いていたら、突然エンカウント、戦闘開始。ななななんで? 敵なんかどこにもいなかったのに? それが「ふつう」だなんて知らなかったもの。ザコ敵とはそーやって無意味に戦い続けるしかないんだって。
 剣や槍や杖や弓。装備できるものがひとりずつ決まっているなんて。主人公の若者は大抵剣。弓は持てないのね。ヒロインは大抵魔法使いで杖。拳でがしがし戦ったりしないのね。ひとりずつ持てる武器が決まっていたら、同じよーにしか成長しないじゃん。それじゃ「わたし」がプレイする意味ないじゃん……がーん……。

 まあそのかわり、「次にナニをすればいいのかわからない」と途方に暮れたり、「出会い頭に全滅」とか「プレイして15分、最初に出会った敵に瞬殺ゲームオーバー」とかいうめには遭わないんだろうけどさ。

 生まれてはじめてコントローラ握って、よくわからないまま「グレイ」を主人公にプレイをはじめ、最初の戦闘で全滅、ゲームオーバー。
 呆然。
 この間、15分弱。
 ……よく、ゲーム嫌いにならなかったものだ。ほんとに、わけわかんなかったよ。ストーリーないし、なにをしていいかわからないし。最初に出会った敵は、自分のキャラの10倍のHPを持ち、自分のキャラのHPをはるかに超える攻撃力を持っていた……敵の攻撃一回で全滅。なにもできない。
 そのソフトを貸してくれたBe-Puちゃんは「15分やったけど、わけわかんないから、二度とやってない」と言っていたし。
 ほんとに、不親切きわまりないゲームだったよ。

「『ロマサガ』は初心者がやっちゃイカンの」
 と、弟には笑われたけどさっ。
「ふつーのロープレをたくさんやったあとに『ロマサガ』をやると『おおっ、こんな世界が』と感動するけど、最初にやったらイカン」
「それって、御手洗シリーズを『異邦の騎士』から読むよーなもん?」
 と言ったら、ウケられてしまった。
 ……ええわたし、御手洗シリーズは『異邦の騎士』から読みましたのよ。新刊だったんだもん。シリーズだなんて知らなかったんだもん。

 
 『ロマサガ』はたしかに、いろいろ問題のあるゲームだった。
 だが、わたしにはそれが初体験。
 最初のオトコは忘れられないわ、てなもんで、「自由度」の高さがわたし的「ゲームの愉快さ」に大きく関係している。

 つーことで、同時にプレイをはじめたふたつのFF。
 おもしろいのはTAの方。

 …………にしてもFFTA、ストーリーなさ過ぎだぞー(笑)。

 FFだからストーリーが一本道だってのは知ってるけどさ。
 そのストーリーがぜんぜん進まないよ。
 他のことばっかだよ。
 ああ、ジョブを極めたいよ、アビリティをマスターしたいよ。うわーん、クエストアイテムがちっともそろわないよー。わたしのプレイの仕方がまずいの??

「モーグリがちっとも仲間にならない」
 と弟。
「モーグリがいないから、曲芸士のイベントができない」
 なんでモーグリ不足? うち、いっぱいいるよ?
 弟のデータを見せてもらったら、女の子ばっかりだった。
「なんでこんなに女の子がいるの? うち、ひとりもいないよ?」
「知るか。勝手に仲間になってくるんだから。そっちこそなんでそんなにモーグリがいるんだ」
「知らないよ。勝手に仲間になってくるんだから。最近は断ってるよ」
「なんてもったいない」
 ……仲間になるキャラはランダムなんだよね? わたしの方はモーグリと人間ばっかが仲間になるよ。ウサ耳の女の子たち、ひとりも出てこないっす。最初にいたひとりだけだよ。うわーん、専用のジョブがマスターできないよー。
「こっちはムーミンとウサ耳ばっか出てくる」
 ウサ耳は使い勝手がいいからいいけど、ムーミンは使いづらいよねえ。

 そして弟には言えないけど……弟のキャラたち、名前がいいよーっ。
 うらやましいー。
 キャラの名前もランダムなんだよね?
 弟のキャラには「グレアム」とか「シシィ」とかいるのよ。そんな名前の子が仲間になったら、わたし、絶対大切に育てるわ。
 うちなんかさ……「イカボット」だよ?
 モーグリの時魔道士が仲間になったんだけど……名前がイカボット。
 ……いやだ。イカボットなんて名前、いやだーっ。
 時魔道士がそいつしかいないんだけど、使う気にならない。
 イカボットなんて名前のモーグリ、愛せないわ!!

 今わたしが比較的お気に入りに育てているのはシーフのレスターと、白魔道士のマーティ。
 つーのもだ、アイテム禁止のときにマーティが戦闘不能、仕方なくレスターがアイテムを使ってマーティを復活させ、かわりにペナルティを受けた。
 仲間を助けるために犠牲を払った……ってシチュに萌え♪ なんですわ。以来、レスターとマーティは一緒に行動させています(笑)。
 だがこれも、弟には言えない……。不純な愛情。
 

「通信用ケーブル買うか……? キャラの交換できるぞ?」
 と、弟。
 携帯ゲーム機で通信でキャラ交換で。……いやな姉弟だな……このトシで。


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