初日だ新生花組だ、まとぶんおめでとー! の勢いに乗って、原作未読、プログラム買ってねえ、のポンコツ海馬の覚え書き、その3。

 『愛と死のアラビア』って、こんな話? の、続き。
 日にちは何日分にもまたがってUPしてるけど、書いたのは初日の夜だぞー。
 
・囚われのヒロインを助けに来た駄々っ子トゥスン! めっちゃ意気揚々!!
・「キミとふたりで世界の果てへ! キミさえいればナニもいらない!!」……なにこのろんまちっく〜な展開。
・あ、ベドウィンさんたちも一緒です。いちお、トゥスンのいるところに彼らもぞろぞろ出てきます(後宮除く)。だからまっつとかみつるとかあのへんの人たち一式、板の上にはいたりします。見せ場も台詞もないけど。
・まっつの台詞、何個あったっけ? 『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』(4個)と同じくらい?
・せっかく助けに来たっつーに、トマスはうんと言いません。エジプトのために、トゥスンたちの未来のために、自分は死ぬつもりです。えええ、唐突だな。
・そこへ現れる、イブラヒムとその部下たち!
・かぶり物ナシのヒゲのゆーひくん、かっこいー!!
・「トゥスンがトマスを逃がそうとすると思って張ってたんだ。太守の命令に背く者は弟でも撃つぞ!」てなイブラヒムにーちゃんと、「トマスはボクの妻だ、邪魔するヤツはにーちゃんでも撃つ!」てなトゥスンくん。互いに銃口を向け合う。
・トマスがヒロインです。傾国の美女です。王子様ふたりが彼を争って一発触発なんですが、どうしましょう。
・「ケンカをやめて。ふたりを止めて。わたしのために、争わないで」
・トマスが仲裁に入ります。
・「イブラヒムはトゥスンを撃ったりしない。だって、イブラヒムも、俺を助けに来たんだろ?」
・わざわざ部下を連れて。トゥスンを牽制するためだと自分にも部下にも父親にも言い訳して。
・ほんとーは、トマスを助けるために、ここまで来た。
・「…………」
・イブラヒム、無言です。図星差されて、無言です。てんてんてん、と、顔に書いてあります。
・トマス、魔性の女!!(男です) イブラヒムを虜にしていたこと、知ってたのか! 知っていて、彼の前でトゥスントゥスン言ってたの? 彼にまったく気のないふりしてたの?!
・てゆーか、この場で言ってやるなよ、そんなこと……。イブラヒムにも立場っつーものが……。
・にーちゃんは敵ではなく、同じ人を愛した同志だと気づいたトゥスンは銃を収める。そんなことより今は、処刑が明日の朝に迫ったトマスの身を助けること!!
・しかしトマスは逃げることをがんとして断る。エジプトの未来のために。
・トゥスンは泣く泣く退場。イブラヒムは最後にアノウドをトマスに引き合わせて去っていく。

・奴隷でもなく妹でもなく、ひとりの女性としてアノウドを愛している……てなトマス。えっと、いつの間に?
・「結婚するためにイスラム教に改宗する!」……宗教問題ってイギリス人には、わたしら日本人が想像つかないくらい大問題なのでは? 
・しょっちゅー存在も忘れているよーな女の子のために、いきなり改宗?
・でもま、いいか。改宗したって、あと数時間後に処刑されるんだから、無問題。数時間のことなら、深く悩む必要もないよな。今、ラヴラヴできれば、あとのことなんかどーでもいいや。
・妹と言われれば「はい、お兄様」、奴隷と言われれば「はい、ご主人様」、結婚してくれと言われれば「はい、トマス」……人格あるんですか、この娘?(震撼)
・「お兄様」「兄妹では結婚できない」ここで客席に微妙な笑いが滲み、「トマスと呼んでくれ」「トマス様」「様はいらない」のやりとりに、すでにしのび笑いがあちこちに。
・だからこのヒロインとの恋愛は、かーなーり、苦しいっすよ。
・晴れて相思相愛、夜明けまでの間、処刑されるまでの間は、ふたりだけの世界。
・幕。

・えっ、幕?!
・終わっちゃったんだーー?!!

・ドナルドとの別れ、兄弟対決から「もーじき処刑」まで、怒濤の展開はふつーに泣けます。
・でもツッコミどころ多すぎ。
・いちばんのツッコミは。
・結局アラブ行ってないやん。エジプトの話に終始したやん。
・ええっと、チラシを見ると、最初にいたのがエジプトの港町。次にエジプト南部でベドウィンと一緒、それからカイロで幕。……アラブ行ってないやん。エジプトだけやん。これじゃ『愛と死のエジプト』やん。

・ヒロインの人格ナッシングぶりとか、そもそも描く気もナッシングぶりとか、えーらいこっちゃなー。
・トマスをめぐる、ふたりの男の物語ですか。
・昼メロ的位置関係だと、清純なヒロイン@トマスとその恋人ポジションの青年@トゥスン、最終的にヒロインに振られるけれど、実はいちばん人気が出たりする恋敵の男@イブラヒムですか。
・話がアレですがべつに今のトコ、腐女子萌えはしてません。
・つか、これから腐女子萌えでもしないと通うのは大変かなと。

・まとぶさんの正統派なかっこよさで魅せるしかない作品です。
・真ん中ありきだ、がんばれ。

・まとぶん、前髪はらり、とかしてくんねーかなー(笑)。
・めっさきれーなんだよ、さすがヒロイン(?!)。

・原作では人死にが激しいと聞いていたんですが、誰も死にません。あ、王子だけ死んだか。
・わたしは原作知らないけど、なんつーかこう、地味で平坦な演出で、かなり損をしているんじゃないかと。谷せんせ、どーしたんだ? こんなに演出ヘタだった? 繊細さも時代性もなくても、大劇場的大芝居は得意でしょうに。
・谷せんせの良いところである、「主人公萌え〜〜、主人公は俺の理想の男〜〜」という鼻息が感じられませんでした。
・齋藤吉正演出で観てみたかったと、心から思いました。無駄に派手で、いろんな人たちに役と見せ場があったことだろう……。

・子ども芝居をするだいもんと嶺乃くんは、それぞれ大変そうでした。つか、あそこまで子役にしなくてもいいんぢゃないのか……? どっちも出番ほとんどないしな。だいもんがまだましか……。
・女の子たちは場面の切れ間にわーっと出てきて踊ってました。
・男たちはとりあえず兵士です。立ってるだけです。

・主役たち数人以外は、ほんとにどーしよーもない芝居だなー……。
・同じ動く背景状態で板の上、だとしても、キムシン芝居は自由演技っていうか、勝手になにかしらできるゆるさがあるんだけど、谷ィ芝居は歌舞伎な分ナニもできない、してはならないってゆーか。
・キムシンが恋しいぞ(笑)。


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