運命のふたり。@ANNA KARENINA
2008年4月28日 タカラヅカ「どうだった?」
と聞かれ、
「おもしろかった(笑)」
と答えることの意味を察してくれ(笑)。
星組WS『ANNA KARENINA』Bチーム。
主演はしゅんくん、ヒロインはせあらちゃん。
すっげーおもしろかった。
わたしはこの作品、カレーニンが好きなので、どうしてもカレーニン視点で観てしまう。次に、物語の核となるアンナ視点。
主役のはずのヴィロンスキーには、あまり目が行かない。
……んだけど。
今回も、前回と同じよーに、カレーニンとアンナ中心に観ていたんだよ。
それが。
途中から、ヴィロンスキーにくぎ付け。
や、だって。
おもしろすぎるぞ、あの人。
アツい。
とんでもなく、アツい。
Aチームのともみんも熱かったが、ともみんの誠実で体育会系の熱さではないんだ。
なんつーかこー、かなりヤヴァい……狂ってます系のアツさなんだ、しゅんくん。
アンナのことを愛しているのかどうか、正直なとこよくわかんない。
ただ、いつもものすげーテンションで彼女を見つめている。
そしてときどき、ぞっとするくらい、冷たい眼をする。
あ、愛してるんですか、ほんとに?
なんかまちがってないかキミ?
とにかくいつもテンションがふつーじゃないので、慟哭するとえらいことに。
白目むいてますよ、大丈夫ですか?!
アンナ@せあらちゃんもかなりハイテンションな人なので、ふたりして、ものすごいことに。
えーっと、餅つきってあるじゃないですか。ひとりが杵で餅をつき、もうひとりが臼の中の餅を返す。ついて、返して、ついて、返して、ふたりのコンビネーションで餅ができあがる。
この餅つきの早まわし映像みたい。
つく人と返す人が「ハイッ」「ハイッ」て相乗効果でスピード上がって、きゅんきゅんきゅーんって高速回転してるみたい。
ヴィロンスキーとアンナがすげー勢いで盛り上がって、とんでもないお花畑へ突進していく。
まさしく、運命で結びつけられた男と女。
よくもここまで同じハートで壊れたふたりが出会ったもんだ。
「そっかぁ、そーだよなー。そもそも『アンカレ』って相当アレな人たちのハナシだよなー」
と、遠い目をして納得してしまう。
その罪ゆえに男は自殺未遂、女は死にかかってようよう命を取りとめたってゆーのに。
九死に一生を得て、なんの進歩もしない人たちのハナシだよなー。
ふつーはあそこでなにかしら考え直すもんだけどなー。
生まれたばかりのふたりの赤ん坊捨てて、ふたりでれっつごーぱらだいす! うふふ・あはは♪ だもんなー。
それが悪いといっているわけじゃない。
コレはそーゆーアレな人を描いた作品なんだから。
そのコワレた行動を取る人たちに、説得力があればそれでいい。
愛ゆえだったり、愚かさゆえだったり。
人間なんだから、正しいことだけやって生きられるわけじゃない。
しゅん&せあらカップルはその説得力として「ちょっと精神ヤヴァめな人たち」とゆー色付けをして、力技で突っ走ってくれた。
アンナがヤヴァめな人なのはデフォルトだけど、彼女よりはるかにヴィロンスキーの方がやばいってのは、新しいよなー(笑)。
しゅんくんもせあらちゃんも上手い人たちなので、とにかくひとりで演技を完結させている。
それぞれ単体でうまいんだ。
結果、誰のことも見ていない、誰のことも愛していないよーな、暴走した『アンカレ』が出来上がった。
このふたりに挟まれたカレーニン@みやるりのふつーさの哀しいこと!
や、そりゃキミぢゃダメだよ……。
常識とか理性とか倫理とか、ふつーの人がふつーに持っているものとは、かけはなれた世界にいるふたりだもの。彼らと同じ言語で喋ろうとしたら彼らの世界へ入らなきゃダメだもの。
ふつーの人には、無理。
アンナとヴィロンスキーのエイリアンぶりとゆーか、精神アレっぷりが際立っているために、カレーニンとの三角関係がじつにあざやかに浮かび上がった。
いいなあ。この『ANNA KARENINA』好きだわー。
おもしろくておもしろくて。
景子せんせの白く淡く美しい作品世界をぶっ壊す勢いのBチーム主役に報復絶倒、毒を食らわば皿までよ。
「しゅんヴィロにせあらアンナ、ベニーカレーニンで見てみたかったな」
Aチームで作品世界と無関係に暴走していた素敵カレーニン@紅。
最強の取り合わせぢゃね?
とゆーとドリーさんは。
「そんなテンション高すぎる人ばっかの芝居は見たくない」
と、ばっさり。
ははは、ダメっすか。
景子せんせの作品とは言えなくなっちゃって、熱血火の玉溶鉱炉、誰も相手のこと見てませんぜ、空気読みませんぜ、でもまとうカラーは統一感アリ、ランナーは孤独にただひとりで爆走するものよ、てな素敵作品になっただろうなあ。うっとり。
脚本通りとはとても思えないし、名作にもなっていないが、このトンデモなさは、正しいんじゃないの?
だってアンナもヴィロも、まともならしないことをする人たちじゃん? ふたりの間に生まれた赤ん坊のことなんか、まったくアタマになさそうよ? そんなの動物ですらないわ。「人間」という、同種で捕食関係以外で殺しあえたりする特殊な生物ならではの行動じゃん?
ラストでライバル兼友人のセルプホフスコイ@十碧れいやくんが「ヴィロは、ふつーの人が決して手に出来ないナニかを手にしたんじゃないか?」と、人生の勝ち組はボクなのにこの敗北感はナニ?てなふーに言うじゃないですか。
ここで力いっぱい、突っ込んじゃいましたわ。
や、ふつーの人は手にしなくていいから、そんなアレなもの! と(笑)。
うらやましくない。悪いけどぜんっぜんうらやましくないよ、ヴィロとアンナの愛は(笑)。
そーゆー感覚ではなく、ただ、観客としてふたりの物語を「たのしい」と思う。「有り」だと思うし、「これで良し」と思う。
ほんと、おもしろかったなあ、『アンカレ』Bチーム。
しゅんくんの芸風を好きだとしみじみ思いました。
と聞かれ、
「おもしろかった(笑)」
と答えることの意味を察してくれ(笑)。
星組WS『ANNA KARENINA』Bチーム。
主演はしゅんくん、ヒロインはせあらちゃん。
すっげーおもしろかった。
わたしはこの作品、カレーニンが好きなので、どうしてもカレーニン視点で観てしまう。次に、物語の核となるアンナ視点。
主役のはずのヴィロンスキーには、あまり目が行かない。
……んだけど。
今回も、前回と同じよーに、カレーニンとアンナ中心に観ていたんだよ。
それが。
途中から、ヴィロンスキーにくぎ付け。
や、だって。
おもしろすぎるぞ、あの人。
アツい。
とんでもなく、アツい。
Aチームのともみんも熱かったが、ともみんの誠実で体育会系の熱さではないんだ。
なんつーかこー、かなりヤヴァい……狂ってます系のアツさなんだ、しゅんくん。
アンナのことを愛しているのかどうか、正直なとこよくわかんない。
ただ、いつもものすげーテンションで彼女を見つめている。
そしてときどき、ぞっとするくらい、冷たい眼をする。
あ、愛してるんですか、ほんとに?
なんかまちがってないかキミ?
とにかくいつもテンションがふつーじゃないので、慟哭するとえらいことに。
白目むいてますよ、大丈夫ですか?!
アンナ@せあらちゃんもかなりハイテンションな人なので、ふたりして、ものすごいことに。
えーっと、餅つきってあるじゃないですか。ひとりが杵で餅をつき、もうひとりが臼の中の餅を返す。ついて、返して、ついて、返して、ふたりのコンビネーションで餅ができあがる。
この餅つきの早まわし映像みたい。
つく人と返す人が「ハイッ」「ハイッ」て相乗効果でスピード上がって、きゅんきゅんきゅーんって高速回転してるみたい。
ヴィロンスキーとアンナがすげー勢いで盛り上がって、とんでもないお花畑へ突進していく。
まさしく、運命で結びつけられた男と女。
よくもここまで同じハートで壊れたふたりが出会ったもんだ。
「そっかぁ、そーだよなー。そもそも『アンカレ』って相当アレな人たちのハナシだよなー」
と、遠い目をして納得してしまう。
その罪ゆえに男は自殺未遂、女は死にかかってようよう命を取りとめたってゆーのに。
九死に一生を得て、なんの進歩もしない人たちのハナシだよなー。
ふつーはあそこでなにかしら考え直すもんだけどなー。
生まれたばかりのふたりの赤ん坊捨てて、ふたりでれっつごーぱらだいす! うふふ・あはは♪ だもんなー。
それが悪いといっているわけじゃない。
コレはそーゆーアレな人を描いた作品なんだから。
そのコワレた行動を取る人たちに、説得力があればそれでいい。
愛ゆえだったり、愚かさゆえだったり。
人間なんだから、正しいことだけやって生きられるわけじゃない。
しゅん&せあらカップルはその説得力として「ちょっと精神ヤヴァめな人たち」とゆー色付けをして、力技で突っ走ってくれた。
アンナがヤヴァめな人なのはデフォルトだけど、彼女よりはるかにヴィロンスキーの方がやばいってのは、新しいよなー(笑)。
しゅんくんもせあらちゃんも上手い人たちなので、とにかくひとりで演技を完結させている。
それぞれ単体でうまいんだ。
結果、誰のことも見ていない、誰のことも愛していないよーな、暴走した『アンカレ』が出来上がった。
このふたりに挟まれたカレーニン@みやるりのふつーさの哀しいこと!
や、そりゃキミぢゃダメだよ……。
常識とか理性とか倫理とか、ふつーの人がふつーに持っているものとは、かけはなれた世界にいるふたりだもの。彼らと同じ言語で喋ろうとしたら彼らの世界へ入らなきゃダメだもの。
ふつーの人には、無理。
アンナとヴィロンスキーのエイリアンぶりとゆーか、精神アレっぷりが際立っているために、カレーニンとの三角関係がじつにあざやかに浮かび上がった。
いいなあ。この『ANNA KARENINA』好きだわー。
おもしろくておもしろくて。
景子せんせの白く淡く美しい作品世界をぶっ壊す勢いのBチーム主役に報復絶倒、毒を食らわば皿までよ。
「しゅんヴィロにせあらアンナ、ベニーカレーニンで見てみたかったな」
Aチームで作品世界と無関係に暴走していた素敵カレーニン@紅。
最強の取り合わせぢゃね?
とゆーとドリーさんは。
「そんなテンション高すぎる人ばっかの芝居は見たくない」
と、ばっさり。
ははは、ダメっすか。
景子せんせの作品とは言えなくなっちゃって、熱血火の玉溶鉱炉、誰も相手のこと見てませんぜ、空気読みませんぜ、でもまとうカラーは統一感アリ、ランナーは孤独にただひとりで爆走するものよ、てな素敵作品になっただろうなあ。うっとり。
脚本通りとはとても思えないし、名作にもなっていないが、このトンデモなさは、正しいんじゃないの?
だってアンナもヴィロも、まともならしないことをする人たちじゃん? ふたりの間に生まれた赤ん坊のことなんか、まったくアタマになさそうよ? そんなの動物ですらないわ。「人間」という、同種で捕食関係以外で殺しあえたりする特殊な生物ならではの行動じゃん?
ラストでライバル兼友人のセルプホフスコイ@十碧れいやくんが「ヴィロは、ふつーの人が決して手に出来ないナニかを手にしたんじゃないか?」と、人生の勝ち組はボクなのにこの敗北感はナニ?てなふーに言うじゃないですか。
ここで力いっぱい、突っ込んじゃいましたわ。
や、ふつーの人は手にしなくていいから、そんなアレなもの! と(笑)。
うらやましくない。悪いけどぜんっぜんうらやましくないよ、ヴィロとアンナの愛は(笑)。
そーゆー感覚ではなく、ただ、観客としてふたりの物語を「たのしい」と思う。「有り」だと思うし、「これで良し」と思う。
ほんと、おもしろかったなあ、『アンカレ』Bチーム。
しゅんくんの芸風を好きだとしみじみ思いました。