今さら『Shining Rhythm!』の話。

 んで第3章「大地のリズム」。いわゆるスペイン場面。

 ここのストーリー、わかんない。

 「歌劇」の座談会やプログラム他で補完できてるからいいものの、ふつーに舞台だけ見てたらわかんないよね?
 ショーだからなにもかも説明する必要はないけれど、それにしてもわかんないことだらけ。

 えーと、キムくんは、まっつに陥れられ、無実の罪で投獄されていたのね? んでよーやく帰ってきてみたら、恋人のみみちゃんがまっつのものになっていた。だからまっつに復讐して、みみちゃんを取り戻しているのよね?
 ……って、そんなの舞台上だけだとわかんないよー。

 そーゆー設定があるなら、そこからやるべきじゃん?
 カーテン前でいいから、らぶらぶキムみみが引き裂かれて、キム投獄、陰で糸引くまっつの図を。
 それなしにいきなり、きれーな豪華衣装で現れたキムが、まつみみカップルを引き裂くのって……。
 キムが悪役にしか見えない(笑)。

 このまっつへの復讐もさー。
 ナニやってんだかわかんないんだよなあ。
 素手で乱闘、拳で殴っただけなのにまっつお亡くなりに……。
 いっそ刃物出した方がすっきりする。もしくは、殴ってすぐにお亡くなりではなく、生きて動いて、そのあと赤い砂に翻弄されて終了、とかにすればいいのに……。因果応報的に。

 さらに、みみちゃんの扱いが謎。
 なにしろ設定説明がされていないもんだから、舞台上だけ見ると、まつみみでふつーにお似合いカップルやってるところへ、突然キムが乱入して暴力事件、彼氏が殺されたのにそのままキムへお相手スライド、という役割に。
 えーそれどんな女??

 中村Bって芝居は書けないよな、書かなくていいよな、と改めて思う、構成のゆるさ(笑)。
 というわたしは、中村Bの芝居も観たことありますけれど。

 それはさておき、萌え場面なので、文句はない(笑)。

 まずなんつっても、赤い砂かっけー。

 赤一色衣装で踊る娘役ダンサーたち。
 炎を表す象徴的な衣装。でも役名は「砂」。炎であり生(血潮)であり運命であり死である。闘牛における「砂」って重い意味があるよね。
 それが美しい「女性」の姿をしていることに、心震える。

 赤い砂のお嬢さんたちは、みんなすごく「女性」を表に出した髪型をしているの。長いボリュームのある髪に赤いリボンを付けている。
 コロスなんて、性別不明でももっと記号的でもいいのに、彼女たちはとてもしなやかに女性で、あでやかに女性なの。
 あきらかに女子力の高い美しい女性たちが、運命を操るように人々の人生の端々で激しく踊り狂う様が、こわくて美しい。

 赤い砂A@あゆみちゃんの美しさってばもお。
 あゆみちゃんマジで赤似合うよなー。

 そしてわたしはナニ気にあだちゅうがお気に入りだ。カラダのラインの出る衣装だと、彼女はとにかくわたしの目を引くのだ(笑)。

 そして、みみちゃんが、美しい。

 みみちゃんといえば少女、全ツ『ロック・オン!』でも色気がなくてあちこち残念だった……のはついこの間のこと。(サイトーショーは色気とかゆーカテゴリ自体ナイのでカウント外)

 なのにいつの間に、こんなにも美しい大人の女になっていたのか。大人の女も演じられるようになっていたのか。

 また、まっつとみみちゃんが、似合う。

 カラダのサイズ的にも合ってるし、硬質な美形同士でばしっとパーツがハマる。絵柄が合うというか。
 まっつが必要以上にエロいので(笑)、みみちゃんの背徳感も上昇、結果とても素敵なカップルに。

 ドS全開なまっつと、対等なみみちゃんが素敵。
 怯えて相手をしている、とかじゃないの、ふつーにつきあってる感じがイイ。

 キムくん乱入をどう思っているのかは、よくわかんないけど(笑)。それは中村Bの責任。

 んで、お亡くなりになってセリ下がっていくまっつがめちゃくちゃ美しい。

 人形みたい。
 マジ顔立ち整ってるんだなあ。

 砂に飲み込まれていくそうなんですけどね。
 わかりにくすぎです中村B。

 まあそれはともかく、残ったキムとみみ。
 このふたりが、運命の男と女って感じで、ぞくぞくする。

 キムくんははっきりいって悪役にしか見えないし(笑)、そんな彼の暴挙を黙って見守り、受け入れているみみちゃんも悪に見える。

 罪を犯しても、寄り添い合うことが宿命付けられている男と女。
 デュエットダンスになっても、しあわせラヴラヴって感じじゃないのね。まあ人殺してんだから当然かもしれんけど。

 最後にふたりで客席に背を向けるところのキムくんの表情にぞくぞくっ。
 悪だ、悪の顔だよ、黒キムだよ~~!!
 それにぴったりついていくみみちゃんもまた、黒みみだよ~~!!

 このふたり好き、かっこいいかっこいいかっこいい!

 このスペインの場面は、音楽もドラマティックでさー。ヒメの超音波歌唱も含め、ただならぬ感じが素敵だった。

 てゆーかここを誰か、ミュージカルに仕立て直してください。
 中村Bはいいです、彼に芝居書いて欲しいとは思わん(笑)。
 設定通りのストーリーで、たしかにまっつも悪だが、彼を殺してみみを手に入れるキムも、そんなキムを選ぶみみも悪、狂気の赤い砂が織りなす物語……ってことで。


 このドラマティックなラストシーンのあとに、ころりと変わって中詰めのラテンメドレー開始。
 第4章「魂のリズム」。

 キムみみのラストあたりで、本舞台真ん中のセリが開いていることがわかる。
 さあここから誰かせり上がってくるんだ、『ラブ・シンフォニー』を観すぎたモノとしては、パイナップルの彩音ちゃんが登場するんだと身がまえてしまうタイミングですよ(笑)。

 背中を向けた燕尾姿の男役登場。
 順番からいってちぎくんだなっ。なにしろトップ娘役の彩音ちゃんと同じ役回りだもの、センターせり上がりで中詰めスタートなんて、2番手スター様の仕事ですよ当然!

 と、思っていたから。

 あ、あれ? ちぎのわりに、いつまでたっても下がある……えっとそのつまり、カラダが長い……つか、でかい。
 ちぎぢゃない!!

 まさかのヲヅキ様。

 背中向けてせり上がり、振り返りで場面スタート、って……トップスター並の演出キターーッ!
 すげえすげえ!(笑)

 ここでヲヅキを囲む若手メンバーに、イリヤくんが入ることに地味に驚く。
 上から順番1、2、3の中村Bだから、これが正しい順番なんだ、と感心。男役にもしナンバリングするなら、上はもちろんキムくんからで、下はイリヤくんまでってこと? ほほお~~。

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