月組『ロミオとジュリエット』初日(と、一部翌日)に気づいたことあれこれ。(初日観劇後に書いたテキストと、翌日書いた分がまざってるナリ)
 キャラクタの感想、登場順。


 愛@ゆうきくんと死@たまきちは、今まで見たどの『ロミジュリ』より、存在感が薄い。そーゆー演出なのか、目に入ってこない。
 死のメイクはトートでも人外でもない、ふつーのメイク。や、そりゃまったくのふつーじゃないけど、他の死たちに比べれば、ふつー。そのままフィナーレで踊っていても違和感なし。
 メイクが表しているように、目立たず群衆に埋もれる、ときどき「あ、いたんだ」と思わせる演出変更かもしれない。

 ゆうきくんがペタ靴を履いているのを見て「仕方ないよな、ゆうきくん体格いいし」と思って納得しかけたところ、たまきちもまたペタ靴とまではいかんが、ふつーの踵しかない靴を履いていて、「身長調整のためぢゃないんだ!」と驚く。
 や、身長調整=ビジュアル由来で履く靴は、ヒールがあるはず。ゆうきくんが低めのヒールで、たまきちが高めのヒール、というように。
 ふたりの靴は、見た目を捨ててあきらかに「ダンス重視」でした……。


 イケコはなんで、としくんを好きぢゃないんだろう……。
 『スカピン』のときも思ったけどさ、としくんの扱いひでーよなー。
 せめて雪のがおりポジションかと思ってたんですが、それすらないって……。


 ティボルト@みりおくんの第一印象は「小さっ」でした。
 小柄さんを見慣れているわたしは、みりおくんを小さいと特別思ったことはなかったんだが、ほぼはじめて思った、小さいって。
 それまでのティボルト役の人が、ということももちろんあるが、ティボルトという役が長身向きなんだなあ。

 ショーヴランがそうだったため、ティボルトもヒゲだったらどうしよう、と思っていたけど、さすがにヒゲなしでした。若者役だもんね。
 もちろんものすげー美しいティボルトさんです。

 「俺はティボルト」の歌も復活、「本当の俺じゃない」も銀橋ソロになっていたし、ティボルトという役が正しく2番手の役になっていた。
 ピラミッドが守られた構成は良い。

 ……でもわたし、「俺はティボルト」って歌、好きじゃないナリ。初演初日に観たときから、ティボルトのトホホ度を上げる歌だと思った……初演がテルだったせいもあるんだけど……。←


 マーキューシオ@みやるりは、初日とその翌日を観た感じでは、ちょっと残念。
 初日、見せ場のソロ「マブの女王」の歌いだしを間違えて、本人も周囲も凍っていたけど、フィナーレの銀橋ソロの歌がえーらいこっちゃになっていたけど、そういうことではなくて。
 思ったより地味だなあ。
 マーキューシオって、群の中でもぽーんと目立つというか、派手なキャラクタだと思っていた。いろんな面で。
 キャラが立っていないというか。届いてこないというか。
 濃ゆい星から月へ行けば、浮くんじゃないかと思ったけど、そうではないみたい。
 なんだろ、みやるりの濃さが、月組の目の詰まった細かさに覆い隠されてしまった、というか。どんなに濃い色のものでも、上から布を被されちゃったら色なんか見えないよねっていうか。
 布の下で色を出そうとするより、布の上に出て、布の色を利用して自己表現できればいいのにな。


 ベンヴォーリオ@マギーは、なんつってもビジュアルの良さ。かっけー!
 雪組がクールだったので「ベン様=クール」と思いこんじゃってたけど、ごめんごめん、あれは中の人の特性であって、ベン様のキャラはそうじゃない。ベンヴォーリオは、脚本にある通り「粗忽者」であって、クールな軍師タイプぢゃないっすよ。
 ベンヴォーリオは人間的な青年でした。
 激情に流されないのはクールだからではなく、おにーさんだから。年長だから、その分子どもではない、という感じ。
 スキンシップ好きみたいで、マーさんにしろロミオにしろ、よく触ってるなあ(笑)。
 「代償」でロミオの肩を抱いて弁解するのはイイ。ベンの広い肩幅と、ロミオの華奢さが素敵。ロミオ、すっぽりベンの腕の中に入っちゃうよね(笑)。
 歌もよかったし。

 粗忽者、なんだからそれでいいんだろうけど。
 雪組観すぎていたから、悪ガキ全開にスカートめくりするベンヴォーリオとか、目が点になりましたわ……雪ではそれ、マーさんの仕事で、ベン様はひたすら女の子にチューして回ってたのよ、仮面舞踏会。そりゃーもー冷徹エロに、ドSに。

 ベン様ってモテ男設定ぢゃなくなってるのかな……? なにしろ粗忽者だし……?
 キスの回数激減。雪で4~5回は相手(乳母含む)替えてちゅっちゅっやりまくってたのに、ときにはマーさん相手にすらやってたのに、月は1回だけって。
 乳母にも、キスしないしなー。

 「綺麗は汚い」でベンマーが乳母の前でポーズを取るところ、雪ではベンが女、マーが男になってラブシーンやってたのに、月ではなし。ふたりともふつーに男としてポーズ。……この変更は何故(笑)。

 そして、変更がなくてびびった、ラストシーン、大公閣下がベンヴォーリオの背中を抱くのは、デフォルトらしい。

 雪を観たときに、「たたた大公閣下、何故そこでベン様に手を出す?!」とびびったもんだったが、月でもやっているので、決まり事らしいです。大公×ベン。(かけ算はやめなさい)

 しかも大公閣下、雪のときよりも、しっかりと、ベンを抱いてます。

 大公様……。

 ええ、ヴェローナ大公@ゆうまくん。95期生、研4。「学校へ行こう」のあの子です。
 研4にして、ナチュラルな大人ぶり。ヒゲ似合いまくり。

 大公役って、この大作ミュージカルで最初ソロを歌う人なんだよね。センターも取るしさー。
 だから星組初演時、水輝りょおが大公役で歌いだしたときにびびったもんだった。

 水輝ですらびびったもんな、それまでの扱い的に、「あの水輝りょおが、こんなに大きな役……!」って。

 それを超えた……(笑)。研4って。

 初日は正直「期待が大きすぎたかな」って思ったんだけど、翌日観たらずっとよくなってた! 若者ってすげえな、成長早っ。
 歌よりも、芝居の方が足りてない。これはもお仕方ない、圧倒的にキャリアが不足しているんだもの。
 もっと男役の声が出るようになるといいな。

 ……めぐむさんに似ている、と個人的に思っているので、気になって仕方ないのですよ、ゆうまくん。

 初日はパレード、ヒゲなしだったと思うんだが、ふと気がつくとヒゲありになってた。いつから??


 つづく。

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