だいもんが『井上芳雄 シングス ディズニー ~ ドリーム・ゴーズ・オン!』に外部出演する。

 ということで、「現役タカラヅカ男役の外部出演」についてうだうだ語る。

 タカラヅカの男役が、外部の芝居公演に「女優」として出演するのは微妙。現役のうちはやめてくれ、と思う。
 せっかくの「タカラジェンヌ」という架空の存在を、自ら壊すことになるからだ。
 や、世のヅカファンは誰もそんなこと気にしなくて、「イケメン俳優と競演する、女の子姿のご贔屓が見たい」とか「生チューやリアルな愛憎場面が見たい」とか思うものなのかもしれないが、わたしは「それは卒業後にやってくれ」と思う。OGになってからでも見られるじゃん、宝塚歌劇団在団中にやる必要ない。
 劇団も、それは「男役」としてのブランドに益はないと判断しているのだろう、OG絡みステージ以外で、男役の外部出演はほとんどない。

 今回、だいもんが出るのは芝居ではなく、コンサートだ。
 女優としてよちお氏の舞台に出るわけじゃない。

 コンサートの外部出演例は、すずみんの琵琶コンサートがある。
 琵琶奏者のコンサートに、すずみんは男役として出演した。黒燕尾着て踊っていた。
 だから、よちお氏のコンサートに男役として出ることも可能っちゃ可能。
 ただ、琵琶奏者は女性で、他の出演者もみな女性だった。女性相手に「男役」でいたわけだ。外部の女性と「タカラヅカの男役」ではもちろん異質過ぎてひどい画面になっていたけど。

 しかも今回は、ホストが男性のミュージカルスターだ。生身の男性の前で「男役」をやるのは、相当微妙だと思う……。

 いちばん安全というか、ありがちなのは、女性の姿で登場して数曲歌う、ってやつだな。
 素顔でパンツスーツなんか着て現れて、「現役タカラジェンヌです」「望海さんは男役なんですよね」とか説明されて、「男役講座やってみてくださいよー。かっこいい帽子の被り方」「かっこいい椅子の坐り方」とかやって、客席から「きゃー」と言われる。「さすが男役さんは違いますねー」とかリップサービスされて。
 ……ジェンヌがテレビのバラエティ番組に出たときのお約束。あんな感じ。

 コンサートだろうと芝居だろうと、外部芸能界では、誰もヅカメイクしてないから。ヅカじゃないから当たり前。舞台用に派手になっているとはいえ、基本素顔メイクだから。
 当然、そこへゲストするには素顔メイクになるわな。

 そして「かっこいいパンツスーツのおねーさん」としてディズニーソング歌って、「やっぱりタカラヅカの人は歌うまいですね」とかリップサービスされて終了。ミッションコンプリート。

 これがいちばんふつうで、安全。
 タカラヅカの男役は異質過ぎるから、外部に出るときのテンプレート必須、になるわな。
 うん。


 とまあ、こんだけぐたぐた言うたうえでなんですが、わたしはガチの男役として出演希望。

 スカステイベントやお茶会、テレビのバラエティみたいな、「かっこいいパンツスーツのおねーさん」はいらん。
 黒燕尾にヅカメイクで出て、男として歌ってくれ。
 女性歌手としてよちおと共演したいなら、卒業後にしてくれ。

 色鉛筆とペンキとか、テンプレートとか、さんざん語っておいて、なお。
 それでも。

 現役タカラジェンヌなら、フェアリーであれ。

 外部でもテレビでも、芸を披露するからにはガチにヅカで男役であれ。
 フェアリーであることを貫いてくれ。
 そう思う。

 さすがに芝居は無理だと思うけど。
 しいちゃんに、あの外部芝居『タック』で「男優」として出演しろとはまったくもって思わなかったけど。
 しいちゃんでなくても、ワタさんでもみつるでもちぎくんでもマカゼでも(素で男に見えるチョイス)、誰であっても、外部で「男であれ」とは思わないけど。(トドだけはいけるかもしれんが……)

 外部芝居でリアル男性に混ざって男の役をしろとは言わんけど。
 コンサートなら、まだ、ありじゃね?
 芝居の役ではなく、タカラジェンヌ望海風斗として出演するんだし。

 琵琶奏者の横で踊っていたすずみんを思い出しつつ。
 あのときも違和感ばりばりだったし、今回もまた、相当無理な世界観だと思うけど。
 それでも。

 だいもんにも、「タカラジェンヌ」であることを、期待した。

 そして。

 『井上芳雄 シングス ディズニー』において、だいもんはほんとうに、タカラヅカの男役として出演した。

 黒燕尾にヅカメイクだー!
 ほんとに男役だー!!


 てことで、続く(笑)。

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