禁断の演歌スタァ、キング@萬ケイ様。ロッケンロォルなスタァ様のはずが、ひたすら演歌歌手テイスト、おひねりとお札の首飾りが似合うのはどーゆーことなのか。
 ……なんて、ヤボは申しません。

 だってそもそも『ノン ノン シュガー!!』って、昭和中期の日本が舞台だよね?

 アメリカぢゃないよ。
 だってアメリカ人ひとりも出てこないし。

 必死にアメリカぶってるけど、日本以外のどこでもない感覚で描かれている。

 登場人物たちが一斉に悩み事を打ち明けはじめる場面があるんだけど、そこなんかもー、完璧日本だよ。彼らの抱える事情、背景、なにより感性が日本人以外のなにものでもない(笑)。

 まだ海外旅行が一部のブルジョア(セレブとは言わない)にだけ許されたステイタスだったころの日本人が夢見ていた「アメリカ」。昭和40年代とかの少女マンガで描かれていた「アメリカ」。
 アメリカに一度も行ったことがない作家が、マンガや映画でしか知らない夢の国を一生懸命イメージして描きました、的な「アメリカ」。

 あまりに昭和テイスト満載で、あちこちツボってたし、明智@『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』の「コマがなんだーっ!!」で爆笑するのと同じ感覚で「あたし、鍵っ子!」には爆笑させてもらったりしたけど。

 昭和物語で、ぜんぜんいいよ。

 観ているの、日本人だし。作っているのも演じているのも観ているのも、みんな昭和生まれだし。観客の一部に平成生まれもいるだろうけど、ごく少数だからこの際我慢してもらって。
 昭和人が昭和人のために物語作ったって、いいと思うよ。
 タカラヅカって、そーゆー時代遅れ感をたのしむところだし。

 だからこそ、ロケンロールの神様が演歌テイストで問題なし!!

 派手派手キラキラのプレスリー衣装が、マツケンサンバ風に見えてもぜんぜんOK!!
 萬ケイ様素敵。
 とことん濃くクドくキメまくるキング@萬ケイ様にメロメロ(笑)。

 キングの楽屋に、「ポーズをキメたキング様のポスター」が貼ってあって、初日観たときすでにソコにウケていたとゆーのに。
 千秋楽には、2枚になってる! しかも別アングル!!
 すげーささやかだが、そんなことすら愛しい、キング様。

 わざわざ写真撮ったんだなあ……あの衣装着て、あのポーズで。そう思うとたまりません(笑)。

 キング様関係はあちこちツボったんですが、キング様専用マイクにも、ひそかにツボってました。
 ジョニー@キムが真面目な顔して用意するんだコレが。
 キンピカの、バカみたいな派手派手マイク。あの安っぽさがたまらん。

 嘘臭さ、がすでに「芸」になる、萬ケイ様は素晴らしい人です。

 さて、そのキング様の恋人、ザザ@舞咲りんちゃんが、すごかった。
 娘役は男役よりできあがるのが早い分、プラスアルファを作りやすいとはいえ。
 見事だわ〜〜。

 初日に観たときも舌っ足らずのコワかわいこちゃんで、まんがちっくな美女を悠々と演じていたけれど。
 千秋楽のあのキャラはナニ。

 わざとおかしなイントネーション(選挙カーのウグイス嬢系)で立て板に水の高音マシンガントーク、この女に異を唱えられるモノがこの世に存在するか? いや、ない。(反語表現)ってな、見事なまでのキャラクタ。
 あまりの出来映えに圧倒されるのみ。
 ……すると、こちらの気持ちを読んだかのよーに、「ザザちゃん、絶好調♪」とキメる。

 ヒメちゃん、絶好調。
 完敗。
 この子、すごすぎ(笑)。

 『アルバトロス、南へ』以来、加速度付けて成長しているよね彼女。もちろん、それまでだって十分素敵に独自の道を突き進んでいたけれど……わたしのキティお嬢様@『アンナ・カレーニナ』は、どこまで行ってしまうのだろう。
 

 ジョニーママ@圭子女史は、登場シーンのインパクト絶大。
 オープニングでの若作りは置いておいて、本領発揮の「レヴュースター」シーン。
 安酒場のしがない歌手、だそうだが、その迫力たるや……! たこ足ドレスからのびたおみ足の美しいこと。
 圭子女史は年齢と共に美しさを増していると思う。わたしが彼女を個別認識したのは93年の『天国と地獄』だったと思うのだけど、そのときは「外見はええっと……」な娘役さんだった。
 今も、いわゆる「美形」ではないものの、舞台人としての「美しさ」を体現している、すばらしい人だ。
 実力に裏打ちされた存在感、歌声だけでなく演技にも情感と幅があって、いい女優さんだよなぁ。

 
 若者たちは「お勉強中」で、みんな大変だったけれど。

 K・BOY@キングは、どーしちゃったの?
 新公を見る限り彼は、なかなか健闘してくれる子だと思っていただけに、『ハロダン』と『ノン ノン シュガー!!』2作続けて空回り、見ていて首をひねっちゃったよ。
 剣幸かトウコちゃんかという美貌に加えて長身、スタイルよし、なのに何故にああまで存在感がない……?
 なにより声が女子校の演劇部系だったんだが。あれは演出家の意図なの? 男役以前だったぞ? こんな子だっけ?

 ヘタレおぼっちゃまK・BOYは、役作りを思い切り失敗している。
 子どもっぽい、のではなく、なにか障害があって精神発達が遅れているように見える。
 いくらなんでもありえないほど声も仕草も言動も幼稚なんだ。幼稚園児程度の精神で、「僕もうハタチだもん!」とやられてしまうと、かわいいというより、不安になる。
 子どもっぽさをキャラにするなら、せめて「男役」であるべきだった。身長だけはあるキングに女の子の声のままクネクネ幼児ぶられても、笑う以前に引いてしまう。
 「かわいい」と思わせなきゃダメなんでしょう? たよりないけれど放っておけない、そう思わせなきゃダメなんでしょう?
 そーゆーレベルぢゃないよアレは。
 笑わせることだけを考えて、他を全部捨てている。演技プランをまちがえているとしか思えない。

 「笑える」レベルなのは、ヤクザの息子@衣咲真音だ。
 男役を最低限作った上でなら、ヘタレキャラをやっても可愛げになる。
 彼はがんばって、ヘタレで愛すべきヤクザ……ギャング青年を演じていたよ。
 千秋楽までの間に大分落ち着いたよねー。足場が出来てきたというか。ほっとしたわ〜〜。これからに期待。

 少年役だからやりやすいという利点はあったにしろ、冴輝ちはやくんはかわいかったな。男役を作らなくてもいい、かわいさ勝負。
 ん? この子って『エリザベート』の子ルドルフやるのか……子役ばかり続くのは、男役としての成長を妨げることにならないか? と、老婆心。

 プログラム買ってないんでわかんないんだけど、ジョニーママの愛人役の子、学年のわりに健闘していたよな。圭子タンの演技で底上げされていたにしろ、笑止な年齢差にはなっていなかったし。
 その他は不良役で出ていたよね?(だから、プログラム持ってないから未チェック……)

 女の子たちもかわいかった。
 ジョニー子役の子、スタイルいいなあ。
 丸いあゆちゃんの横に並ぶと、その差が……ゲフンゲフン。いや、あゆちゃんも『堕天使の涙』新公のものすごい太さから比べれば、ずいふんすっきりかわいくなっていたし。(アレは衣装がまずかった)

 そーいやヒメちゃんとじん嬢がシンメで踊ったりすると、目がくらむとゆーか「同じ人がふたりいるよ、ママン」てな感じで惑乱させられたなー(笑)。
 このふたりにおそろいのドレスで、「うふふ・あはは」と観客を翻弄するよーなダンスを踊ってほしー……(笑)。

 
 なんやかんや言って、みんな好きよ。なにかしら注目したもん。
 がんばれー。

 

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