ルパンとダゴベール。@シークレット・ハンター
2007年3月27日 タカラヅカ タニちゃんの『A/L』初日を観た段階で、チェリさんはひたすら繰り返していた。
「『A/L』がこんな出来じゃあ、トウコちゃんんのお披露目が心配だわ!」
もしもし? トウコちゃんんのお披露目作品はこだまっち、『A/L』はサイトーくん。別の演出家ですよ。『A/L』がアレだからって、まだ見ぬこだまっち新作を心配するというのは、なんかおかしいのでは?
「児玉も齋藤も似たよーなもんですよ」
似たよーなものだが、別人だから! 『A/L』のアレさで、こだまっちを責めるのは、こだまっちに悪いだろう。
てゆー会話を、たしかにしたんだが。
安蘭けい大劇場トップお披露目初日、こだまっち作『シークレット・ハンター−この世で、俺に盗めぬものはない−』を観て。
『A/L』を観た直後に、観るもんぢゃない。
と、目眩がしましたとも。
言うならば、サイトー作『厳流』を観た直後に、こだまっち作『龍星』を観てしまったようなもんです。
サイトーくんとこだまっち、別人なのに同一視されても仕方ないわこりゃ。
同じコトやりすぎ。
お姫様を庶民育ちの男が盗み出し、街で庶民デートをする。お姫様を奪おうとする悪人と戦いながら、男とお姫様は恋をする。
……ストーリーの根幹部分がカブりすぎていて、エピソードがカブりすぎていて、続けて観ると混乱する。
パクリだとは言わない。ただのありがち、今までに5万回も見た・読んだ話だから、サイトーが5万と1回目、こだまっちが5万と2回目に同じことをしている、つーだけのこと。
問題は、その5万と1回目、5万と2回目を、何故同時期に同じ劇団で上演するのかということだ。
バウホールで『厳流』観て、その足でドラマシティに行って『龍星』観てしまうよーなもんですよ。
えええ? これって同じ話? や、チガウよね。チガウのはわかるけど……ええっと、なんか、同じモノを観てしまったよーな印象になるのは何故?
5万と1回目、5万と2回目は、間を何年か空けようよ。『Romance de Paris』だってまだ記憶に新しいのに、立て続けにやられても。
『厳流』と『龍星』は、作家の「萌え」の位置がちがったために別の物語へと展開している。
『厳流』は佐々木小次郎と宮本武蔵、ふたりの男とその対決に萌えたことから作られ、『龍星』は偽龍星単体の壮絶な孤独に萌えたことから作られている。
『A/L』はヒロインのおてんば天使@ウメに萌えて作られ、『シークレット・ハンター』は主人公の泥棒@トウコに萌えて作られている。
同じネタでも、萌えたキャラの位置がチガウので、物語は別の展開。
もちろん、別の作家が作った別の物語なんだから、別で当たり前なんだけど……あああ、なんて不自由な作家なんだ、サイトーとこだまっち。
いや、まあ。
『A/L』がいろいろアレな出来でも、とってもたのしい作品であるよーに、『シークレット・ハンター』もたのしいのでもういいか、つー感じ。
ほんとに、なんで同時期にやるかな……。演出家もアレだが、劇団もほんとアレだよな……。
泥棒で詐欺師のダゴベール@トウコが引き受けた仕事は、ある女の誘拐。話を最後まで聞かない彼は、女の素性も気にせずさっさと仕事を済ませたが。
その女ジェニファー@あすかは、某国のプリンセスだった。
プリンセス誘拐犯?! 聞いてないよ!!
仲介者である情報屋セルジオ@れおんとは連絡が取れないし、おまけにジェニファーは殺し屋に狙われているし。行きがかり上ダグはジェニファーを守って、カリブの島々を逃避行。ふたりの間に恋が芽生えるが、所詮王女と泥棒、結ばれるはずもなし。
ダグを追う女刑事アナ・マリア@みなみ、ジェニファーを狙う殺し屋ジョエル・ロビュション@しいとその手下たちがこんがらがってさあ大変、ダグとジェニファーの未来は?
他愛ないコメディ。
だからこそ、トウコの実力が光る。てゆーか、ほんとに力業だから! トウコが支えてるから!(笑)
公演を重ねれば、もっとなめらかに、かつアツく盛り上がるんだろうけれど、なにしろわたしが観たのは初日で。
みんないっぱいいっぱい、手順命。主演のふたりも含め、ほんとーの意味でいい出来になっているわけじゃない。トウコは大汗かいてかなりキツそーだったし、あすかちゃんはアレ、一度出遅れしてるよね? とか、みんな大変!状態。
それでも、トウコが支えている。
扇の要。
彼が真ん中に立ち、舞台に立つひとりひとり、そして物語や舞台全体を、引っ張っている。
力のある人が真ん中にいる、心地よさ。
すべてが彼に向かい、それを彼が受け止めている、安定感。
周りが多少「おいた」や「やんちゃ」をしたって平気。だって真ん中は彼だもん。なにがあっても、揺るがない。なにがあっても、受け止めてくれる。
似て非なる作品『A/L』を観たところだからこそ、作者の萌えどころのちがいと、出演者のパワーバランスのちがいが興味深い。
『A/L』の、タニちゃんを中心とする全体の「わーっ」としたパワーと輝き。みんな勝手にガチャガチャやっていて、タニちゃん自身はそれを統べようとかまーったくなんにも考えていなくて、技術とはべつのところにある光が、世界で起こるすべてのことを許容している感じ。
タニちゃんって、すごくおおらかだよね。
彼の光はまんべんなく照らしているの。その光の中で、他の出演者たちが自由に息をし、各自がなにかを「はじめて」いる。これからきっと、この組は変わっていくんだろう……そんな予感にも、わくわくする。
『A/L』と『シークレット・ハンター』、タニちゃんとトウコちゃん、宙組と星組。
どっちがいい悪いではなくて、同じよーな話で同時にお披露目公演(タニちゃんはプレお披露目)やって、持ち味がまったくチガウのがおもしろい。
さて、我らがトウコの『シークレット・ハンター』は、これからどう変わっていくのだろう。
光ではなく、力で舞台を吸引する「星組」の舞台。力は熱を放ち、周囲の温度をも上げる。ソレが愛しい、トウコと星組の持ち味。
トウコにはやっぱエロを期待したいんだけど、ダメかしら?(笑)
ジェニファーとはプラトニックでいいんだけど、別のところでエロくクドく花開いて欲しいわ。
他の出演者については、別欄で。
「『A/L』がこんな出来じゃあ、トウコちゃんんのお披露目が心配だわ!」
もしもし? トウコちゃんんのお披露目作品はこだまっち、『A/L』はサイトーくん。別の演出家ですよ。『A/L』がアレだからって、まだ見ぬこだまっち新作を心配するというのは、なんかおかしいのでは?
「児玉も齋藤も似たよーなもんですよ」
似たよーなものだが、別人だから! 『A/L』のアレさで、こだまっちを責めるのは、こだまっちに悪いだろう。
てゆー会話を、たしかにしたんだが。
安蘭けい大劇場トップお披露目初日、こだまっち作『シークレット・ハンター−この世で、俺に盗めぬものはない−』を観て。
『A/L』を観た直後に、観るもんぢゃない。
と、目眩がしましたとも。
言うならば、サイトー作『厳流』を観た直後に、こだまっち作『龍星』を観てしまったようなもんです。
サイトーくんとこだまっち、別人なのに同一視されても仕方ないわこりゃ。
同じコトやりすぎ。
お姫様を庶民育ちの男が盗み出し、街で庶民デートをする。お姫様を奪おうとする悪人と戦いながら、男とお姫様は恋をする。
……ストーリーの根幹部分がカブりすぎていて、エピソードがカブりすぎていて、続けて観ると混乱する。
パクリだとは言わない。ただのありがち、今までに5万回も見た・読んだ話だから、サイトーが5万と1回目、こだまっちが5万と2回目に同じことをしている、つーだけのこと。
問題は、その5万と1回目、5万と2回目を、何故同時期に同じ劇団で上演するのかということだ。
バウホールで『厳流』観て、その足でドラマシティに行って『龍星』観てしまうよーなもんですよ。
えええ? これって同じ話? や、チガウよね。チガウのはわかるけど……ええっと、なんか、同じモノを観てしまったよーな印象になるのは何故?
5万と1回目、5万と2回目は、間を何年か空けようよ。『Romance de Paris』だってまだ記憶に新しいのに、立て続けにやられても。
『厳流』と『龍星』は、作家の「萌え」の位置がちがったために別の物語へと展開している。
『厳流』は佐々木小次郎と宮本武蔵、ふたりの男とその対決に萌えたことから作られ、『龍星』は偽龍星単体の壮絶な孤独に萌えたことから作られている。
『A/L』はヒロインのおてんば天使@ウメに萌えて作られ、『シークレット・ハンター』は主人公の泥棒@トウコに萌えて作られている。
同じネタでも、萌えたキャラの位置がチガウので、物語は別の展開。
もちろん、別の作家が作った別の物語なんだから、別で当たり前なんだけど……あああ、なんて不自由な作家なんだ、サイトーとこだまっち。
いや、まあ。
『A/L』がいろいろアレな出来でも、とってもたのしい作品であるよーに、『シークレット・ハンター』もたのしいのでもういいか、つー感じ。
ほんとに、なんで同時期にやるかな……。演出家もアレだが、劇団もほんとアレだよな……。
泥棒で詐欺師のダゴベール@トウコが引き受けた仕事は、ある女の誘拐。話を最後まで聞かない彼は、女の素性も気にせずさっさと仕事を済ませたが。
その女ジェニファー@あすかは、某国のプリンセスだった。
プリンセス誘拐犯?! 聞いてないよ!!
仲介者である情報屋セルジオ@れおんとは連絡が取れないし、おまけにジェニファーは殺し屋に狙われているし。行きがかり上ダグはジェニファーを守って、カリブの島々を逃避行。ふたりの間に恋が芽生えるが、所詮王女と泥棒、結ばれるはずもなし。
ダグを追う女刑事アナ・マリア@みなみ、ジェニファーを狙う殺し屋ジョエル・ロビュション@しいとその手下たちがこんがらがってさあ大変、ダグとジェニファーの未来は?
他愛ないコメディ。
だからこそ、トウコの実力が光る。てゆーか、ほんとに力業だから! トウコが支えてるから!(笑)
公演を重ねれば、もっとなめらかに、かつアツく盛り上がるんだろうけれど、なにしろわたしが観たのは初日で。
みんないっぱいいっぱい、手順命。主演のふたりも含め、ほんとーの意味でいい出来になっているわけじゃない。トウコは大汗かいてかなりキツそーだったし、あすかちゃんはアレ、一度出遅れしてるよね? とか、みんな大変!状態。
それでも、トウコが支えている。
扇の要。
彼が真ん中に立ち、舞台に立つひとりひとり、そして物語や舞台全体を、引っ張っている。
力のある人が真ん中にいる、心地よさ。
すべてが彼に向かい、それを彼が受け止めている、安定感。
周りが多少「おいた」や「やんちゃ」をしたって平気。だって真ん中は彼だもん。なにがあっても、揺るがない。なにがあっても、受け止めてくれる。
似て非なる作品『A/L』を観たところだからこそ、作者の萌えどころのちがいと、出演者のパワーバランスのちがいが興味深い。
『A/L』の、タニちゃんを中心とする全体の「わーっ」としたパワーと輝き。みんな勝手にガチャガチャやっていて、タニちゃん自身はそれを統べようとかまーったくなんにも考えていなくて、技術とはべつのところにある光が、世界で起こるすべてのことを許容している感じ。
タニちゃんって、すごくおおらかだよね。
彼の光はまんべんなく照らしているの。その光の中で、他の出演者たちが自由に息をし、各自がなにかを「はじめて」いる。これからきっと、この組は変わっていくんだろう……そんな予感にも、わくわくする。
『A/L』と『シークレット・ハンター』、タニちゃんとトウコちゃん、宙組と星組。
どっちがいい悪いではなくて、同じよーな話で同時にお披露目公演(タニちゃんはプレお披露目)やって、持ち味がまったくチガウのがおもしろい。
さて、我らがトウコの『シークレット・ハンター』は、これからどう変わっていくのだろう。
光ではなく、力で舞台を吸引する「星組」の舞台。力は熱を放ち、周囲の温度をも上げる。ソレが愛しい、トウコと星組の持ち味。
トウコにはやっぱエロを期待したいんだけど、ダメかしら?(笑)
ジェニファーとはプラトニックでいいんだけど、別のところでエロくクドく花開いて欲しいわ。
他の出演者については、別欄で。