『Shining Rhythm!』の感想、まっつまっつ。これでラスト。

 クライマックスの第5章「光と影」。

 まっつソロ終了と同時に曲のテンポが変わり、突然のヘビメタ調。
 びっくりする間もなく、本舞台に戻ったまっつは群舞センターで、踊り狂う。

 まっつが踊れる人だってのは、知ってる。

 歌えない人をダンサー認識、踊れない人を歌手認識する、タカラヅカの先入観から、意外と知られていないのかもしれないが、実はちゃんと踊れる。
 まっつにないのは高い身長のみ、三拍子揃った人なんだってば。

 にしても、いきなりの大劇場群舞センター場面がこの曲って、ハードル高いなヲイ!!

 めちゃくちゃハードなダンス。
 なのにきっちりテンポ刻んで、動きの端々、指先の表現まで、きっちりきれい。
 ムラで見たときも、十分感嘆足した。すげえ!と。カッコイイ!と。

 乱れ髪も、いい。

 この場面、あえて髪をがちがちにセットしてない。
 だから踊ると、揺れる。乱れる。
 その日によってセット具合が違うため、大きく乱れるときとそうでないときがある。

 この乱れ髪がまた、セクシーなの。

 まっつというといつもデコ全開、潔い男役ヘアの人。
 髪を自由に遊ばせるなんてこと、滅多になかった。つか、しばらく見てなかった。
 それゆえほんとに、ここでの乱れ髪がポイント高すぎ。美しい。ハァハァ。

 ムラで見たとき、十分すぎるほどがっついた。ガン見した。堪能した。

 しかし。

 東宝で観たとき、いちばん変化していてびびったのは、ここのダンスだ。

 ムラで見たときは、ひたすらストイックに踊っていたのに。

 東宝で観たら、別人のように表情豊かだった。

 びびった。
 心底、びびった。

 ままままつださん?!
 クールビューティ様が、なんかがっつりと捕食体制に入ってますよ??

 捕食。
 捕らえて、食べる。

 獲物を前足で引っかけて、牙の前にたぐり寄せました。

 突き放すようにストイックに踊っていた人が、表情豊かに客席に語りかけるように、踊っている。
 髪はセクシーな乱れ髪、整った顔に前髪がはらりはらりと落ちる。
 変わる表情、強弱の使い分け、エロエロな微笑。
 さあおいで。腕を広げて、待ち構えてる。

 ガクガクブルブル。

 なんなのこの人こわい。
 どうしちゃったの。
 マジ落とすつもりだ、客席包むつもりだ。うきゃ~~~~っ!!

 ……マジに、腰砕けました。すごすぎる……。

 あたしひょっとして、すげえ人に惚れちゃったんだなと、またしみじみ思いましたことよ。

 ただ、まあ、真ん中あたりの遠征でそーゆーことになっていた、ってだけで、千秋楽はそこまでやってくんなかったけどね。
 楽の日ってやっぱ、疲れてるんだろうなあ。そしてこの肉食まっつはエネルギー食うんだろうな。
 エコなまっつは、楽日にぶっとばしたりしないよなあ。

 まあなんにせよ、影まっつは最高っす。

 光S@キムくん登場してヒト踊りしたあと、せり上がってくるところの格好良さもまた、半端ナイっす。
 ここはもお、絶対見逃せない。キムちぎみみがせり上がっていったら、彼らに夢中になりすぎず、その前のセリ位置に注目っす。
 せり上がる瞬間からちゃんと見なくちゃね!

 回る盆、動くセリ。総踊り。大がかりな演出の中、まっつをセンターに影の男女・咲ひーこがせり上がる。
 ここがマジカッコイイ。彼らの硬質さ、光の中に現れる影、端正さにぞくぞくする。

 まっつがキムくんに相対する存在だってのが、イイ。

 ふたりは絡むことがないんだけど、舞台の上と下で、同じ動きをするのね。
 他の光チームと影チームも呼応しているんだけど、なかでもキムとまっつは個別にぴたっと同じなの。
 ああ、そうなのか、と思った。

 光チームの中にばらけて混ざった影チームは、影だけでいたときほど派手じゃない。薄まっちゃったなあ、という感じ。
 曲調も影のときほど激しくないしね。

 でもその、さらに手足が伸びたような、ダンスに見とれる。息を安らかに踊っている感じというか。

 は~~、かっこいーー。


 それが終わると次は、フィナーレ。
 大階段黒燕尾。

 まっつは、「紳士A」。

 紳士A。

 フィナーレの大階段で、ちぎくんと共に、A!!

 はじめて。
 はじめてですよ、そんなの!!

 その他大勢ぢゃないの、Aなの、3番手なの!!
 ありがとう中村B!

 ちぎくんとまっつだけ、キラキラの付いた黒燕尾なの。
 衣装も3番手なの。
 ありがとう中村B!

 ちゃんと3番手位置、トップさんの横に立たせてもらえるから、ライトにも当たるしね。よく見えるしね。
 なにもかもありがたいです。

 で。
 立ち位置の話だけじゃない。

 この黒燕尾の振付が、かっこよすぎる。

 ワイルド&セクシーですか、テーマ?
 ちょっとめずらしいというか、目新しい振付。

 なんというか、まっつの黒燕尾の美しさは、また格別。

 まっつはちっちゃいし、それはもう動かしようのない事実で、衣装によっては大変そうだったりもする。
 だけど黒燕尾に関しては、そんなこと吹っ飛ぶな。
 着こなしはバランスであり、技術であるんだろう。
 小さなまっつが、いつもより大きく見える。
 美しい。
 黒燕尾を着て、ただ立っている、歩いている、それだけでも、彼の美しさが匂い立つ。

 肩から背中を強調する振りがいくつかあって、「男役は背中で語る」を体現してもらえるところもいい。
 あちこちにある、背中を伸ばすことになる振りが、まっつに合っているなあと。まっつってよく反るよねえ。

 まっつの手の動きの美しさ、エロさも堪能できる。

 自分の手の甲にキスするとか、この振付はどうなってんだ、エロ過ぎるだろう! けしからん! もっとやれ!!

 まっつが本領発揮、容赦ない感じが素敵すぎます。
 ほんとにもお、大丈夫かこの人。(いや、わたしか??)


 黒燕尾群舞があったんだから、男役の出番はここまでかと思ったら、そのあともおまけ的お楽しみ、ちぎくんセンターで銀橋勢揃いがあるしねー。
 ちぎくんにくっついて銀橋行くときの、ヲヅキさんグループとすれちがうとこ、なんか好きだなー。電車がすれ違うような感じで、窓越しに向こうの景色が見えるのになんかわくわくするというか(絶対伝わらない)。

 んで、銀橋で「♪踊りたいの」と歌うとき、合唱状態なのに、まっつの声がすごくよく聞こえるのも、ツボだった。


 そして最後の最後、大階段パレード。
 初日はどきどきした。前回のトラウマがあってな。
 どんだけ中村Bがまっつにやさしくても、魅力をわかって実力を買ってくれていても、劇団が確固たる意志で、階段降りの順番や組み合わせを指示しているかもしんないじゃん。
 なまじっかそこまでの扱いが良すぎたから、最後にがつんと「カンチガイすんなよ、こーゆー位置なんだよ」と劇団様が示してくるかもしんないじゃん。

 祈るような気持ちで、眺めていたよ。

 だから。

 総スパン衣装+3番手羽根に、泣いた。

 3番手扱いされてる……すごい……うれしい。
 うれしいよ。
 上から順番1、2、3、筋が通っているぜ、中村B!! そのブレなさが好きだ!!

 純粋に、ひとり降りだと歌声が聞こえるってことも、うれしいしね。
 複数降りだと単体の声ではないから。(だから前回は残念だった……泣)

 羽根が4つ並んでいるパレードっていいなあ。
 銀橋ソロのスターが多いとわくわく度が上がるように、羽根がたくさんあると豪華さが上がるじゃないですか。
 劇団の事情よりも、ファンサービス大事ですよ。
 てことで、これからも是非華やかに、羽根やスパンコールを大盤振る舞いしてほしいところです(笑)。

 大好きだ『Shining Rhythm!』。
 中村Bも大好き、ありがとう!!

 パレードでずんずん歩くまっつの小さな羽根が、風と空気抵抗を受けて、どんどんバトミントンのシャトルみたいなカタチになっていくのが、愉快でした(笑)。
 小さいから、空気抵抗でカタチ変わっちゃうんだ-。
 それでもいい、それでもうれしかったよ(笑)。

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