空気は動くよ、どよどよと。@星逢一夜
2015年7月18日 タカラヅカ 初日は観ておくものだな!
と、思う。
その公演を「はじめて観る」、その公演の出演者への愛も予備知識もある人たちで埋まった、ある意味特殊な客層、それゆえに出来上がる空気。
幕が上がり、ざわざわ、どよどよ……っ、と、空気が動く。
今自分が目にしているモノを、どう受け止めていいのか、どう反応すればいいのか、情報処理が追いつかず困惑している状態。
そんな空気が、劇場まるまる、全部に満ちる。
特殊ですよ……!
『星逢一夜』初日。
オープニングのダンスシーンが終わったあと、主人公ちぎくんの郷愁に満ちたモノローグに導かれ、本舞台の幕が上がった……なんかのどかな田舎風景。
そこに現れる、子どもたち。
子ど……も?
最初に声を出すおさげ髪の少女、あれは、みゆちゃん……よね。
まあ、みゆちゃんが子役でもそれほど違和感はない。つい1年前も子役みたいな男装の少女役をやってたんだし。
が。
そのみゆちゃんと話している男の子……あれは……。
だいもん?!(白目)
下手側からは、わいわいと子どもたちが登場する。
やたらでかいのに脛を剥き出しにした、あれは、大ちゃん??
咲ちゃんが、これまたでかい図体で泣き出した……!
さらさもでかい、大人っぽい。でも、やっていることは幼女。
ゆきぐみの、いろおとこ、びじょたちが、こんしんの幼児演技をしている……!(震撼)
ざわざわ、どよどよ……っ。
困惑する客席。
なんなの、これ?
総幼児プレイって。
子役時代があるとは、わたし以上に他の組ファンのみなさんは知っていたと思うけど、それにしたって客席の空気!!
笑えばいいの? 静観するべきなの?
と、とまどってる。
最近おっさん度が増しただいもんの、子役芝居。いくつ設定の役なのかわからないが、かなり幼い作り。
クラッシャー系大男・大ちゃんの幼児プレイ。いつもの大ちゃんで、いつもの大ちゃんなのに「やーいやーい」なジャイアン幼児だから、さらに意図が判別出来ない。
キャストへの予備知識があればあるほど、その姿だけ切り取れば「滑稽」とも見える。愛情ゆえに知識ゆえに、笑いそうになる。
だが、笑っていいのかわからない。だから、空気を読む。これはどういうことなの……? と。
さらに、ちぎくんまでが現れた。
さすがに、笑う人も出て来た。ざわざわ、のなかに、少しばかりくすくすも入る。
ちぎくんの子役がおかしいということではなく、今までの状態で十分おかしくて反応に困っているのに、とどめ、って感じにトップスター様まで脛を出した幼児で登場されたら、臨界点突破、緊張ゆえに笑ってしまう人が、一部出てしまうのだろう。生理現象だね。
笑いは笑いを呼び、ああなんだ、笑っていいのか、と思った人がつられて笑い、さざ波みたいに時間差で笑いが広がる。
笑われながらちぎくんはセリの上でよいしょよいしょとナニか作っており、だいもんたちも階段を上がってそこに合流する。
どんなに客席の空気が微妙でも、彼らはかまわずに芝居を続ける。
ゆえに、客席も理解する。
ああ、お芝居がはじまっているんだ、このまま続くんだ。それなら観なきゃ、集中しなきゃ。
あの困・惑っ!という空気は、すーーっと静まった。
ファンがほとんどを締めているわけだからね! この辺の切り替え早いよね。連れて来られたとか、ナニかの間違いでここにいるとかじゃなく、積極的に舞台を「味わう」つもりの人たちが大半なわけだからね。
芝居がはじまっているんだ、と理解したら、芝居に集中するさ。
もう誰も、くすくすしない。
ざわざわしない。
あるがまま、目の前の「幼児プレイ」……もとい、子どもの演技を見つめている。
そして、不思議だよね。
あんなにびみょーで、ざわざわ音になるくらいの違和感バリバリだった子役姿が、観ているうちに馴染んでくる。
ひとりだけそうならつらいかもしれないけど、舞台にいる全員が子役だからな。
小さなトトロのぬいぐるみの横なら「大きいな!」と思えるうちの猫が、巨大なムーミンのぬいぐみの横だとそれほど大きく見えない……ようなもんだ。視覚マジック、比較対象によって、錯覚が起こる。
全員子役だから、「そういうもん」だと思えてくる!! 大人役が出て来るのは目に馴染んだあとだし!
で、「そういうもん」だと思って見ていたら、どんどんかわいく見えてくる!!
ちぎくんとみゆちゃんに置いていかれ、「待って~~」と銀橋を走るだいもんに、「かわいい……っ!!」と感嘆の声が漏れるほどに!!
少年だいもん登場したときみんな、白目剥いたじゃん!! ざわ…ざわ…、って、カイジ張りに緊張感漲らせたじゃん!
なのになのに、わずか十数分とかで、「かわいい……っ!!」って。
いや、実際、かわいいから!!
すごかった、あの空気。
子どもたち登場から、だいもんの「待って~~」まで。
変わる、変わる。
空気が変わるの。
面白えぇぇえ!!
自分も、まちがいなくそのひとりだから。同じ感覚を、空気を共有したから。
初日は観ておくものだな!
だから、初日はやめられない。できるたけ初日に参加したいと思う。
翌日、早々に2度目の観劇をしたのだけど、もう情報は行き渡っているし、わたしのようなリピーターも多いのだろう、幕が上がって子役たちが登場しても、一部の初見組が反応するだけで、大半は「芝居を観るモード」に入っていて、「え、子役?!」ということに足を取られない。
空気は、動かない。
……だからこそ、初日のあの特異な空気は、愉快だった。
体験出来て良かった。
幕が開いて2日目、もう「子役だから」ということに過剰反応する人は少なかったけれど、初日と変わらず、だいもんの「待って~~」には、「かわいい……っ!!」の声が上がっていた。
だいもんがかわいいのは、まぎれもない事実であり、客観的視点においても感動的なのだろう。
うむ。
と、思う。
その公演を「はじめて観る」、その公演の出演者への愛も予備知識もある人たちで埋まった、ある意味特殊な客層、それゆえに出来上がる空気。
幕が上がり、ざわざわ、どよどよ……っ、と、空気が動く。
今自分が目にしているモノを、どう受け止めていいのか、どう反応すればいいのか、情報処理が追いつかず困惑している状態。
そんな空気が、劇場まるまる、全部に満ちる。
特殊ですよ……!
『星逢一夜』初日。
オープニングのダンスシーンが終わったあと、主人公ちぎくんの郷愁に満ちたモノローグに導かれ、本舞台の幕が上がった……なんかのどかな田舎風景。
そこに現れる、子どもたち。
子ど……も?
最初に声を出すおさげ髪の少女、あれは、みゆちゃん……よね。
まあ、みゆちゃんが子役でもそれほど違和感はない。つい1年前も子役みたいな男装の少女役をやってたんだし。
が。
そのみゆちゃんと話している男の子……あれは……。
だいもん?!(白目)
下手側からは、わいわいと子どもたちが登場する。
やたらでかいのに脛を剥き出しにした、あれは、大ちゃん??
咲ちゃんが、これまたでかい図体で泣き出した……!
さらさもでかい、大人っぽい。でも、やっていることは幼女。
ゆきぐみの、いろおとこ、びじょたちが、こんしんの幼児演技をしている……!(震撼)
ざわざわ、どよどよ……っ。
困惑する客席。
なんなの、これ?
総幼児プレイって。
子役時代があるとは、わたし以上に他の組ファンのみなさんは知っていたと思うけど、それにしたって客席の空気!!
笑えばいいの? 静観するべきなの?
と、とまどってる。
最近おっさん度が増しただいもんの、子役芝居。いくつ設定の役なのかわからないが、かなり幼い作り。
クラッシャー系大男・大ちゃんの幼児プレイ。いつもの大ちゃんで、いつもの大ちゃんなのに「やーいやーい」なジャイアン幼児だから、さらに意図が判別出来ない。
キャストへの予備知識があればあるほど、その姿だけ切り取れば「滑稽」とも見える。愛情ゆえに知識ゆえに、笑いそうになる。
だが、笑っていいのかわからない。だから、空気を読む。これはどういうことなの……? と。
さらに、ちぎくんまでが現れた。
さすがに、笑う人も出て来た。ざわざわ、のなかに、少しばかりくすくすも入る。
ちぎくんの子役がおかしいということではなく、今までの状態で十分おかしくて反応に困っているのに、とどめ、って感じにトップスター様まで脛を出した幼児で登場されたら、臨界点突破、緊張ゆえに笑ってしまう人が、一部出てしまうのだろう。生理現象だね。
笑いは笑いを呼び、ああなんだ、笑っていいのか、と思った人がつられて笑い、さざ波みたいに時間差で笑いが広がる。
笑われながらちぎくんはセリの上でよいしょよいしょとナニか作っており、だいもんたちも階段を上がってそこに合流する。
どんなに客席の空気が微妙でも、彼らはかまわずに芝居を続ける。
ゆえに、客席も理解する。
ああ、お芝居がはじまっているんだ、このまま続くんだ。それなら観なきゃ、集中しなきゃ。
あの困・惑っ!という空気は、すーーっと静まった。
ファンがほとんどを締めているわけだからね! この辺の切り替え早いよね。連れて来られたとか、ナニかの間違いでここにいるとかじゃなく、積極的に舞台を「味わう」つもりの人たちが大半なわけだからね。
芝居がはじまっているんだ、と理解したら、芝居に集中するさ。
もう誰も、くすくすしない。
ざわざわしない。
あるがまま、目の前の「幼児プレイ」……もとい、子どもの演技を見つめている。
そして、不思議だよね。
あんなにびみょーで、ざわざわ音になるくらいの違和感バリバリだった子役姿が、観ているうちに馴染んでくる。
ひとりだけそうならつらいかもしれないけど、舞台にいる全員が子役だからな。
小さなトトロのぬいぐるみの横なら「大きいな!」と思えるうちの猫が、巨大なムーミンのぬいぐみの横だとそれほど大きく見えない……ようなもんだ。視覚マジック、比較対象によって、錯覚が起こる。
全員子役だから、「そういうもん」だと思えてくる!! 大人役が出て来るのは目に馴染んだあとだし!
で、「そういうもん」だと思って見ていたら、どんどんかわいく見えてくる!!
ちぎくんとみゆちゃんに置いていかれ、「待って~~」と銀橋を走るだいもんに、「かわいい……っ!!」と感嘆の声が漏れるほどに!!
少年だいもん登場したときみんな、白目剥いたじゃん!! ざわ…ざわ…、って、カイジ張りに緊張感漲らせたじゃん!
なのになのに、わずか十数分とかで、「かわいい……っ!!」って。
いや、実際、かわいいから!!
すごかった、あの空気。
子どもたち登場から、だいもんの「待って~~」まで。
変わる、変わる。
空気が変わるの。
面白えぇぇえ!!
自分も、まちがいなくそのひとりだから。同じ感覚を、空気を共有したから。
初日は観ておくものだな!
だから、初日はやめられない。できるたけ初日に参加したいと思う。
翌日、早々に2度目の観劇をしたのだけど、もう情報は行き渡っているし、わたしのようなリピーターも多いのだろう、幕が上がって子役たちが登場しても、一部の初見組が反応するだけで、大半は「芝居を観るモード」に入っていて、「え、子役?!」ということに足を取られない。
空気は、動かない。
……だからこそ、初日のあの特異な空気は、愉快だった。
体験出来て良かった。
幕が開いて2日目、もう「子役だから」ということに過剰反応する人は少なかったけれど、初日と変わらず、だいもんの「待って~~」には、「かわいい……っ!!」の声が上がっていた。
だいもんがかわいいのは、まぎれもない事実であり、客観的視点においても感動的なのだろう。
うむ。