そして、全否定にたどり着く。@アイラブアインシュタイン
2016年9月22日 タカラヅカ 『アイラブアインシュタイン』すげえよ、お手上げだよ!話の続き(笑)。
それでこの話、どうやって終わらせるのかなあ。
悪者政党のお飾り党首が実はアンドロイドだった! しかも感情あります、悪の博士と親子愛おっぱじめました!
てな展開はともかくとして。
主人公のはずのアルバート@あきらとヒロインのはずのエルザ@みれいは、どうするの?
身体は機械でも、中身は人間のアルバートとミレーヴァ@べーちゃんなのよね?
ただ、エルザはミレーヴァの脳を移植されたわけじゃないから、アルバートほど完璧にミレーヴァコピーになっておらず、スピリッツを受け継いだのみ。ゆえに「感情」部分でも不完全かつ不安定だった。
知恵の実を使うと感情(愛)を得ることができる。代わりに、アンドロイドの寿命を縮める。
エルザは知恵の実によって愛を知り、代わりに近々死ぬことになった。
変な設定だが、フィクションだからアリだと思う。昭和時代の純愛モノが白血病大安売りだったみたいなもんで、「ヒロインが不治の病」てのは、簡単プーに話を盛り上げることの出来る、ドーピング剤。
簡単プーに「軍事利用」という魔法の言葉を使って、さらに「不治の病」まで使うか……なんて安直なデビュー作なんだ、と鼻白む気持ちとは別に、鉄板ネタを使うこと自体はアリだと思っている。
エルザはそれはいいとして、何故アルバートも?
アルバートには最初から感情も愛もあった。
死んだミレーヴァの姿が見えているのもそのためだし、愛にオーバーヒートして停止したエルザと違い、アルバートはふつうに動いていた。
自分を人間だと疑いもしない存在だった。
つまり彼には、知恵の実は必要なかった。
大体、アルバートはアンドロイドじゃないしな。機械の身体を持った人間=サイボーグだし。
なのに突然自分も知恵の実を使うと言い出した。
すでに愛のある者が知恵の実を使う意味はナニ。ただ自殺するため? ストーリー上の都合だよね。
なんか感動的に「愛のために死を選ぶ」的な話になってるけど、わたしは盛大に置いていかれた。
え、ちょっと待って、意味わかんない。
だからさー、そもそもアルバートが脳移植された意味がわからないんだって!
この設定、必要なの??
アルバートの脳を移植した機械人間、だから、アンドロイドではなくサイボーグになっちゃって、「アンドロイドに愛はわかるか」というテーマが死滅しちゃったし、「愛を知るために知恵の実を使って自殺する」というネタも破綻しちゃったのよ。
脳の移植ネタ不要。
サイボーグ不要。
出て来るのはアンドロイドのみ。HPの作品解説に書いてある通り。
……と、どうして出来ないんだろう。素朴な疑問。
1幕ラストの「アルバートはアンドロイドだった!!」をやるのはいい。そこはそのまま。
ただ。
アルバートはふつーにアンドロイドで、脳の移植なんてしてない。
アルバート自身が、生前すでにプログラムしていた。
永遠に生きたいとかじゃなくて、シンプルに科学者として、アンドロイド研究を続けるため、自分自身の「バックアップ」としてプログラムしていた。
自分が不慮の事故で死ぬなり脳が破壊されるなりして、研究が続けられなくなってしまったときのために。研究者として、いちばん意欲的にばりばりやっていたころに、雛形を作っていた。
彼の人生が傾いてからは、放置されていたけれど。
アルバートの事故死(自殺?)後、トーマス@マイティーがそれを見つける。で、彼がそのプログラムを元に「アンドロイド・アルバート」を完成させる。
……でないと、「真の天才科学者はトーマス」で、アルバートは「カンチガイした脇役」になってしまう……つか、今のままだとそういうことだよね? アルバートもエルザも、作ったのはトーマスじゃあ……。
で、アルバートではないけれど、自分をアルバートだと思い込んでいる「アンドロイド・アルバート」が舞台ではずーっと登場していたわけで、1幕ラストは「アルバートはアンドロイドだった!!」とネタバレさせて、舞台上も観客も「!!」で幕。
ゆえに、2幕は「偽物だった」、と知ったアンドロイド・アルバートの葛藤がメインになる。
葛藤するってことは、心があるってことだしね。
アンドロイド・アルバートはあくまでもアンドロイドなのか、アルバート自身の魂が宿っているのか。
それは、観客の想像に委ねれば良い。答え合わせは必要ない。ただ誠実に、ひたすらに、「アルバート」という人物を描けば良い。
アルバートの脳移植設定、マジいらん……。
が、エルザの心臓移植はよしとする……っていうか、アンドロイドに心臓移植してなんになるのかわかんないんだけど、それゆえに奇跡が起きて、彼女だけ心があるってのは、アリだと思う。や、なくてもいいけど(笑)。やりたきゃやってもいいと思う。エルザを「特別」にする理由付けをそんなとこに求めるのも、まあアリかなと。(わたしならもっと他に理由作るけどなー)
純粋にアンドロイド・アルバートと、奇跡のアンドロイド・エルザの恋、でよかったと思う。
だけど、サイボーグのアルバートは謎の自殺をして、人間に生まれ変わったアルバートとエルザが出会って完、……って。
最後まで、「アンドロイド」否定かよ。
びっくりした。
見ながら、「全否定ENDかよ!!」って全身で突っ込んだ(笑)。
アンドロイドに愛が芽生えるのか、がテーマなら、アンドロイドのまま愛し合ってよ……。
結局、人間でなきゃ、愛せないのか……。
こんだけテーマを踏みにじる作品もすごい。
それでこの話、どうやって終わらせるのかなあ。
悪者政党のお飾り党首が実はアンドロイドだった! しかも感情あります、悪の博士と親子愛おっぱじめました!
てな展開はともかくとして。
主人公のはずのアルバート@あきらとヒロインのはずのエルザ@みれいは、どうするの?
身体は機械でも、中身は人間のアルバートとミレーヴァ@べーちゃんなのよね?
ただ、エルザはミレーヴァの脳を移植されたわけじゃないから、アルバートほど完璧にミレーヴァコピーになっておらず、スピリッツを受け継いだのみ。ゆえに「感情」部分でも不完全かつ不安定だった。
知恵の実を使うと感情(愛)を得ることができる。代わりに、アンドロイドの寿命を縮める。
エルザは知恵の実によって愛を知り、代わりに近々死ぬことになった。
変な設定だが、フィクションだからアリだと思う。昭和時代の純愛モノが白血病大安売りだったみたいなもんで、「ヒロインが不治の病」てのは、簡単プーに話を盛り上げることの出来る、ドーピング剤。
簡単プーに「軍事利用」という魔法の言葉を使って、さらに「不治の病」まで使うか……なんて安直なデビュー作なんだ、と鼻白む気持ちとは別に、鉄板ネタを使うこと自体はアリだと思っている。
エルザはそれはいいとして、何故アルバートも?
アルバートには最初から感情も愛もあった。
死んだミレーヴァの姿が見えているのもそのためだし、愛にオーバーヒートして停止したエルザと違い、アルバートはふつうに動いていた。
自分を人間だと疑いもしない存在だった。
つまり彼には、知恵の実は必要なかった。
大体、アルバートはアンドロイドじゃないしな。機械の身体を持った人間=サイボーグだし。
なのに突然自分も知恵の実を使うと言い出した。
すでに愛のある者が知恵の実を使う意味はナニ。ただ自殺するため? ストーリー上の都合だよね。
なんか感動的に「愛のために死を選ぶ」的な話になってるけど、わたしは盛大に置いていかれた。
え、ちょっと待って、意味わかんない。
だからさー、そもそもアルバートが脳移植された意味がわからないんだって!
この設定、必要なの??
アルバートの脳を移植した機械人間、だから、アンドロイドではなくサイボーグになっちゃって、「アンドロイドに愛はわかるか」というテーマが死滅しちゃったし、「愛を知るために知恵の実を使って自殺する」というネタも破綻しちゃったのよ。
脳の移植ネタ不要。
サイボーグ不要。
出て来るのはアンドロイドのみ。HPの作品解説に書いてある通り。
……と、どうして出来ないんだろう。素朴な疑問。
1幕ラストの「アルバートはアンドロイドだった!!」をやるのはいい。そこはそのまま。
ただ。
アルバートはふつーにアンドロイドで、脳の移植なんてしてない。
アルバート自身が、生前すでにプログラムしていた。
永遠に生きたいとかじゃなくて、シンプルに科学者として、アンドロイド研究を続けるため、自分自身の「バックアップ」としてプログラムしていた。
自分が不慮の事故で死ぬなり脳が破壊されるなりして、研究が続けられなくなってしまったときのために。研究者として、いちばん意欲的にばりばりやっていたころに、雛形を作っていた。
彼の人生が傾いてからは、放置されていたけれど。
アルバートの事故死(自殺?)後、トーマス@マイティーがそれを見つける。で、彼がそのプログラムを元に「アンドロイド・アルバート」を完成させる。
……でないと、「真の天才科学者はトーマス」で、アルバートは「カンチガイした脇役」になってしまう……つか、今のままだとそういうことだよね? アルバートもエルザも、作ったのはトーマスじゃあ……。
で、アルバートではないけれど、自分をアルバートだと思い込んでいる「アンドロイド・アルバート」が舞台ではずーっと登場していたわけで、1幕ラストは「アルバートはアンドロイドだった!!」とネタバレさせて、舞台上も観客も「!!」で幕。
ゆえに、2幕は「偽物だった」、と知ったアンドロイド・アルバートの葛藤がメインになる。
葛藤するってことは、心があるってことだしね。
アンドロイド・アルバートはあくまでもアンドロイドなのか、アルバート自身の魂が宿っているのか。
それは、観客の想像に委ねれば良い。答え合わせは必要ない。ただ誠実に、ひたすらに、「アルバート」という人物を描けば良い。
アルバートの脳移植設定、マジいらん……。
が、エルザの心臓移植はよしとする……っていうか、アンドロイドに心臓移植してなんになるのかわかんないんだけど、それゆえに奇跡が起きて、彼女だけ心があるってのは、アリだと思う。や、なくてもいいけど(笑)。やりたきゃやってもいいと思う。エルザを「特別」にする理由付けをそんなとこに求めるのも、まあアリかなと。(わたしならもっと他に理由作るけどなー)
純粋にアンドロイド・アルバートと、奇跡のアンドロイド・エルザの恋、でよかったと思う。
だけど、サイボーグのアルバートは謎の自殺をして、人間に生まれ変わったアルバートとエルザが出会って完、……って。
最後まで、「アンドロイド」否定かよ。
びっくりした。
見ながら、「全否定ENDかよ!!」って全身で突っ込んだ(笑)。
アンドロイドに愛が芽生えるのか、がテーマなら、アンドロイドのまま愛し合ってよ……。
結局、人間でなきゃ、愛せないのか……。
こんだけテーマを踏みにじる作品もすごい。