『アイラブアインシュタイン』あれこれ。

 ヴォルフ役のあれんくんは、不思議な子だなあ。
 派手だね、存在が。ぴかっと華やかで、長身のスタイル良しできれいで歌ウマ。あらすごい。
 ……ただ、芝居は、ええっと、舞台クラッシャー系?

 今回、役がトンデモだから浮いているんだと思いたい……が、いくらトンデモ役でも、ここまでおかしなことになっているのは、あれんくん自身の力かなと。
 マサツカ芝居がよかったのは、あの独特の喋りで、あれんくん本来のトンデモパワーを相殺していたからか。

 とりあえず、面白かった。
 トンデモ役は役に負けないだけの本人のキャラが必要、経験不足の下級生なのに、よくやっていた。あれんくんでなかったら、もっと寒々しいものになっていたかもしれない。

 そしてしみじみと、エマさんのすごさを感じた……。
 終始ポカーンとちょっと待ての連続だったこの物語で、唯一じーんとしたところが、博士@エマさんと息子@あれんくんの親子愛場面だった(笑)。
 エマさん、相当めちゃくちゃなキャラなのにねえ。あれで感動に持っていくとか、役者の力技こわい。


 あかちゃんが脇役で、あれんくんが主要役なのにはおどろいた。劇団、あかちゃん上げてく気はないんか。
 ……もしもあかちゃんがこの役だったら、もっとまともになっていたかな……? もっとふつうに、そして地味に?
 それなら今回はあれんくんでいいのか。


 ヘルマン@和海くんは最近このテの役のイメージが付いてる気がする……(笑)。マルティン@びっくと共に、いい味出してる。

 ヨハン@ひらめちゃんかわいい。しかも、うまい。短い出番でも、うまい子出てきた!ときっちり印象付ける。
 アンネ@いぶちゃんがまた、活き活きしてて。かわいいなあ、もう。


 ところで、アルバート@あきら、ミレーヴァ@べーちゃん夫妻。
 最初に作るアンドロイドがタソってどういうこと?

 クソ長い回想場面で、なんか「ほのぼのしたいいエピソード」みたいに流れていってたけど、わたしは心の中で盛大に突っ込みました(笑)。
 なんでタソ。

 もう何体も作ったあと、というならわかる。でも、最初の一体っすよ。
 古今東西、ロボットでもアンドロイドでも、博士が作り上げる一体目って、特別よね?
 亡き妻を模して作った、とか、娘に瓜ふたつとか、それくらい思い入れのあるキャラクタでないと創り上げられないよね……、それくらい最初の一体って特別だし、「創り出す」という作業は大変よね。

 なのに、わざわざ、タソ。
 アルバートの理想の男はタソなのか。どんなことをしても、タソを作り出したかったのか。タソが欲しかったのか。動き、喋る、タソを求めたのか。

「私は、なにがなんでもタソに『ご主人様』と呼んで欲しかったんだっ! そのためには、どんな困難も乗り越えられるっ! そうとも、タソを手に入れるために、この手で奇跡を起こすのだっっ!! 神よ、宇宙よ、私のタソへの愛の前にひれ伏せ!!」

 ……マニアックやな……。

 や、タソじゃないです、ハンスです。
 執事です。
 タソに執事プレイしてほしい欲望ゆえに、地球初のアンドロイドを作ってしまうアルバート……。

 いやその。
 一体目がエドゥアルト@あれんくんなら、わかるのよ。
 どうせ作るなら、そのへんの人間より美しい者を作ろうとするよね、ふつう。
 若くてきれいで背も高くてスタイルもよくて。うん、人形ならそうなるよね。わざわざ小柄でぽっちゃり体系のおじさんを、苦労して作るって……。

 ミレーヴァ@べーちゃんとの共同制作だから、自分の萌え(理想の美女とか?)に走ることが出来なかった……にしろ、わざわざ「そのへんにいそうなおじさん」の外見のアンドロイドを作る意味がわからない。
 執事アンドロイドが欲しかったにしろ、何故あの造形。執事らしい造形ならいくらでも他にあるし。

 あー、タソ氏をディスってるわけじゃないっすよ。タソは味のある役者さんで、タソの演じるハンスは魅力的ですとも。うまいよ、タソは。
 演じている人の問題ではなく、脚本の謎、作者のnew谷せんせの話。

 なんで最初がタソ……もとい、ハンスなのかが、わからない。
 そんなささやかなところも、「作者、雑やなー」と思う。

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