彼がファンタジーで、ラブラブで。@銀二貫
2015年11月30日 タカラヅカ「『銀二貫』観たの? どうだった? チケットなくて観られなかったー」
てなことを言われた場合、わたしはすっぱり答えます。
「みつるとエマさんのラブストーリーだったよ。ラブラブだったよ、濃かったよ」
真実かつ真理を端的に答えたつもりなのに、これ言うと大抵の人に「はあ?」ってすっげー怪訝な顔される……えー?
雪バウ『銀二貫』、チケットのなさは異常です、なんであんなにチケットないの? せっかくいい公演だったのに、一般人が観られないのはもったいない。
日本物だしれいこ主演だし、チケ難になる要素はあまりないと思うのに……。や、れいこに人気ないという意味ではなくて、相対的な意味でね。
バウなんてファンアイテムだから、ファンが思い存分通えればそれでよし、なんですがね。
出演者のファンはちゃんと観たいだけ観られたのかな。
わたしはご贔屓を持たぬゆるいヅカ全般のヲタなので、観たいだけ観ることが出来ず、とっても残念っす。もっと観たかったー。
でもって、『銀二貫』。
出演者が発表になったとき、和助がエマさんだと信じて疑わなかった。なんせ、演目発表時に汝鳥伶サマで想像したくらいの、老人役だもの。
ドラマでは津川雅彦っすよ。70代のおじーちゃん俳優さんっすよ。
和助@エマさんは鉄板として、みつるはなんの役だろう? つかそもそもこの話の2番手って? 主要役、というなら和助の他に番頭の善次郎とか、真帆屋の嘉平とかあるけど……年配役ばっかなんだよなあ。
梅吉の比重を上げて、2番手役にするのかな、それがみつるかな……くらいの予想。
まさか、和助@みつる、善次郎@エマさんとは……!
作品中、いちばんの老人がみつるで、エマさんの方が年下役とか……! 誰が思うのよ?
主人公は子ども、主要役は老人……そもそもこの話をヅカでやること自体間違ってるよなー。ぶつぶつ。
いい作品だし、ちゃんと「タカラヅカ」だったけど、『銀二貫』が成功したからって谷おじいちゃんの趣味で老人が活躍する話ばかり買い付けてこられたら困るわ……と、勝手にガクブル(笑)。
みつるが老人役ということに、驚いた。
みつるは専科とはいえ、『風と共に去りぬ』でアシュレをやったり、『星影の人』で土方をやったりする、「スター専科」だ。2番手格で特出するスター。
スター専科さんはふつー、老人役はしない。組の2~3番手が老人役をしないのと同じで。反対に、本専科のおじさまたちは、アシュレや土方はしないし、ショーや一本モノのフィナーレで一場面もらって歌い踊りもしない。
「スター専科」という言葉が公にあるのかどうかわかんないけど、みつるたち「各組で番手付近にいた、新人公演主演・バウ主演経験ありの男役スター」たちは、専科であって本専科ではない使われ方をしている。以前の新専科に近い扱い。
だから、いくら重要な役だからといって、みつるが和助を演じるのはおかしいんだ。
だが。
『銀二貫』が「タカラヅカ」として成り立っているのは、みつるが和助を演じているからだ。
主人公・松吉@かなとくんの次に大きな役の和助を本当に老人にしてしまったら……それこそ汝鳥サマが演じていたら。
かなとくんは子役で、丁稚。ヒロインのくらっちもおかっぱの幼女。これでもかという薄ら寒い「子ども喋り」をさせられている。
そして、重要な役を汝鳥サマやエマさんという、年配俳優で渋く銀色に固められてしまったら……コレ、「タカラヅカ」でやる必要ナイよね? ふつーに子どもを使って、老人使って、外部でやれよ。てなもんよね?
「タカラヅカ」には、子どもも老人もいないんだよ。若い女性しかいないんだよ。子どもも老人も演じるけど、子どもや老人を演じるために若い女性ばかりで劇団やってるわけじゃないんだよ。
ガチの老人役を、若く美しいみつるが演じてしまう。
彼が若いことも美しいことも、見ればわかる。髪に白いモノをまぜて、年配ぽい喋り方をしていたとしても、本当の意味での「老人」の演技はしていない。本当に老人役なら、顔に皺や染みを書き込むなりするし、芝居も変わっている。
そうでないのだから、若く美しい、だが老人役、という矛盾自体が、ここでは「必要」とされているんだ。
それこそが、「タカラヅカ」だ。
男役が女性であることなんて、ひとめでわかる。なのに舞台の上では「男」だと脳内変換される。
タカラヅカというファンタジー界に足を踏み入れた者ならば、自動変換される。
それと同じ、「タカラヅカ」の方程式と同じ理屈で、みつるは老人を演じているんだ。
華形ひかるは、とてつもなく「タカラヅカ」である。
『銀二貫』が「タカラヅカ」として存在するためには、みつる和助が必要だった。
若く美しく、そして老人であれる「スター」が。
いやもおほんとに、みつるがいい仕事していて。
スター路線歩んできた人なのに、ついに下級生バウの助演をするようになって。しかも、老人役て……。と、複雑な立場ではあるけれど。
よくぞ、これほどのスターになってくれた、と感動する。
ファンタジー感を持ったまま、どんな役でも演じられるなら、無敵の助演俳優になれるよ……!
善次郎@エマさんがいい役者で、いい仕事をしているのは、言うまでもなく。
この善次郎さんは、和助の女房役。十代の頃から何十年と連れ添った仲。
そしてエマさんの特徴っつーかね、おっさん演じてても役によってはちょい女が入るというか、オネエっぽくなるのなー。
善次郎さんは女房役だからか、役割に引きずられてか、あちこち女っぽくてな(笑)。畳にのの字描いてそうなキャラに見えた。
和助が男前で男らしいじーさんなので余計、善次郎が容姿いまいちの世話女房で愚痴吐き体質、かつ旦那にべた惚れのかわいいおっさんに見えた。
や、ラブラブ。
一見かかあ天下で旦那が尻に敷かれているように見えて、ほんとのとこ亭主関白で双方相手を尊敬してべた惚れしている、てのが素敵。理想的な夫婦。(男同士だけどな)
旦那が男前で、女房がブスなのがいいんだよー。そこが萌えポイントなのよー。や、エマさん自身の容姿のことではなく、役の上でのことな。
あの男前な旦那が、ブス女房にずけずけ言われてたじたじになってて、でもほんと惚れてるし尊敬してる感謝してる、それがいいのよー。
和助さんほんとにかっこいいし、かわいいし、素敵だし。
善次郎さんはほんとかわいいし、泣かせるし。
エマさんと同等に芝居するみつるが素敵でなあ。惚れ直すわーー。
だから『銀二貫』といえば、みつるとエマさん。
何十年連れ添った者ならではの、プロポーズまであって見事だわ……完璧だわ。
濃いわ……。
てなことを言われた場合、わたしはすっぱり答えます。
「みつるとエマさんのラブストーリーだったよ。ラブラブだったよ、濃かったよ」
真実かつ真理を端的に答えたつもりなのに、これ言うと大抵の人に「はあ?」ってすっげー怪訝な顔される……えー?
雪バウ『銀二貫』、チケットのなさは異常です、なんであんなにチケットないの? せっかくいい公演だったのに、一般人が観られないのはもったいない。
日本物だしれいこ主演だし、チケ難になる要素はあまりないと思うのに……。や、れいこに人気ないという意味ではなくて、相対的な意味でね。
バウなんてファンアイテムだから、ファンが思い存分通えればそれでよし、なんですがね。
出演者のファンはちゃんと観たいだけ観られたのかな。
わたしはご贔屓を持たぬゆるいヅカ全般のヲタなので、観たいだけ観ることが出来ず、とっても残念っす。もっと観たかったー。
でもって、『銀二貫』。
出演者が発表になったとき、和助がエマさんだと信じて疑わなかった。なんせ、演目発表時に汝鳥伶サマで想像したくらいの、老人役だもの。
ドラマでは津川雅彦っすよ。70代のおじーちゃん俳優さんっすよ。
和助@エマさんは鉄板として、みつるはなんの役だろう? つかそもそもこの話の2番手って? 主要役、というなら和助の他に番頭の善次郎とか、真帆屋の嘉平とかあるけど……年配役ばっかなんだよなあ。
梅吉の比重を上げて、2番手役にするのかな、それがみつるかな……くらいの予想。
まさか、和助@みつる、善次郎@エマさんとは……!
作品中、いちばんの老人がみつるで、エマさんの方が年下役とか……! 誰が思うのよ?
主人公は子ども、主要役は老人……そもそもこの話をヅカでやること自体間違ってるよなー。ぶつぶつ。
いい作品だし、ちゃんと「タカラヅカ」だったけど、『銀二貫』が成功したからって谷おじいちゃんの趣味で老人が活躍する話ばかり買い付けてこられたら困るわ……と、勝手にガクブル(笑)。
みつるが老人役ということに、驚いた。
みつるは専科とはいえ、『風と共に去りぬ』でアシュレをやったり、『星影の人』で土方をやったりする、「スター専科」だ。2番手格で特出するスター。
スター専科さんはふつー、老人役はしない。組の2~3番手が老人役をしないのと同じで。反対に、本専科のおじさまたちは、アシュレや土方はしないし、ショーや一本モノのフィナーレで一場面もらって歌い踊りもしない。
「スター専科」という言葉が公にあるのかどうかわかんないけど、みつるたち「各組で番手付近にいた、新人公演主演・バウ主演経験ありの男役スター」たちは、専科であって本専科ではない使われ方をしている。以前の新専科に近い扱い。
だから、いくら重要な役だからといって、みつるが和助を演じるのはおかしいんだ。
だが。
『銀二貫』が「タカラヅカ」として成り立っているのは、みつるが和助を演じているからだ。
主人公・松吉@かなとくんの次に大きな役の和助を本当に老人にしてしまったら……それこそ汝鳥サマが演じていたら。
かなとくんは子役で、丁稚。ヒロインのくらっちもおかっぱの幼女。これでもかという薄ら寒い「子ども喋り」をさせられている。
そして、重要な役を汝鳥サマやエマさんという、年配俳優で渋く銀色に固められてしまったら……コレ、「タカラヅカ」でやる必要ナイよね? ふつーに子どもを使って、老人使って、外部でやれよ。てなもんよね?
「タカラヅカ」には、子どもも老人もいないんだよ。若い女性しかいないんだよ。子どもも老人も演じるけど、子どもや老人を演じるために若い女性ばかりで劇団やってるわけじゃないんだよ。
ガチの老人役を、若く美しいみつるが演じてしまう。
彼が若いことも美しいことも、見ればわかる。髪に白いモノをまぜて、年配ぽい喋り方をしていたとしても、本当の意味での「老人」の演技はしていない。本当に老人役なら、顔に皺や染みを書き込むなりするし、芝居も変わっている。
そうでないのだから、若く美しい、だが老人役、という矛盾自体が、ここでは「必要」とされているんだ。
それこそが、「タカラヅカ」だ。
男役が女性であることなんて、ひとめでわかる。なのに舞台の上では「男」だと脳内変換される。
タカラヅカというファンタジー界に足を踏み入れた者ならば、自動変換される。
それと同じ、「タカラヅカ」の方程式と同じ理屈で、みつるは老人を演じているんだ。
華形ひかるは、とてつもなく「タカラヅカ」である。
『銀二貫』が「タカラヅカ」として存在するためには、みつる和助が必要だった。
若く美しく、そして老人であれる「スター」が。
いやもおほんとに、みつるがいい仕事していて。
スター路線歩んできた人なのに、ついに下級生バウの助演をするようになって。しかも、老人役て……。と、複雑な立場ではあるけれど。
よくぞ、これほどのスターになってくれた、と感動する。
ファンタジー感を持ったまま、どんな役でも演じられるなら、無敵の助演俳優になれるよ……!
善次郎@エマさんがいい役者で、いい仕事をしているのは、言うまでもなく。
この善次郎さんは、和助の女房役。十代の頃から何十年と連れ添った仲。
そしてエマさんの特徴っつーかね、おっさん演じてても役によってはちょい女が入るというか、オネエっぽくなるのなー。
善次郎さんは女房役だからか、役割に引きずられてか、あちこち女っぽくてな(笑)。畳にのの字描いてそうなキャラに見えた。
和助が男前で男らしいじーさんなので余計、善次郎が容姿いまいちの世話女房で愚痴吐き体質、かつ旦那にべた惚れのかわいいおっさんに見えた。
や、ラブラブ。
一見かかあ天下で旦那が尻に敷かれているように見えて、ほんとのとこ亭主関白で双方相手を尊敬してべた惚れしている、てのが素敵。理想的な夫婦。(男同士だけどな)
旦那が男前で、女房がブスなのがいいんだよー。そこが萌えポイントなのよー。や、エマさん自身の容姿のことではなく、役の上でのことな。
あの男前な旦那が、ブス女房にずけずけ言われてたじたじになってて、でもほんと惚れてるし尊敬してる感謝してる、それがいいのよー。
和助さんほんとにかっこいいし、かわいいし、素敵だし。
善次郎さんはほんとかわいいし、泣かせるし。
エマさんと同等に芝居するみつるが素敵でなあ。惚れ直すわーー。
だから『銀二貫』といえば、みつるとエマさん。
何十年連れ添った者ならではの、プロポーズまであって見事だわ……完璧だわ。
濃いわ……。