『一夢庵風流記 前田慶次』の、ちょー個人的ツボを語る!!

 てことで。

 質問、質問!
 誰か答えて。

 庄司甚内@かなとくんって、どんな人?

 よくわからないの。
 わからないから、見てしまうの。
 てゆーか釘付けレベルなの。
 ちょっとコレってナニ、やばいわ、ツボ過ぎるんですけど彼!!


 甚内くんには、台詞があまりない。
 いつもパパの又左衛門さん@がおりとニコイチ。
 パパに従順で、「甚内!」の一言でウメガイを投げる。なにソレ、ふたりの間に言葉いらないの? なにそれ、らぶらぶ?

 概ね無口で無表情。
 でも穏やかな性格ではないらしく、たまにクチを開くとけっこう毒舌で乱暴。
 無口な分、口より先に手が出るらしく、ウメガイ投げちゃう。甚内様、危のうございます……まったくな。

 そして、なんか知らんが、大きな瞳が、うるうるしている。
 無口で腕が立ち、有事には誰より先に武器を取る、険呑な青年なのに……何故そんなに、いつも瞳がうるうるしてるんだっ。
 犯罪だろそれはっ。けしからん!

 でもって、パパが大好き。
 パパにだけは、すっげー無邪気な笑顔を見せる。

 なにそれひどい、反則よ、ありえないわ、萌えキャラ過ぎる!!

 又左さんと甚内くんの登場シーンは、必見です。
 慶次@えりたんが傾奇者相手に大暴れしてるあたりで、上手花道に出てきます。
 ここでは甚内くん、すげー素直に笑ってます。大きな瞳キラキラさせてます。パパと仲良し過ぎます。
 パパもそんな息子が可愛くて仕方ない様子です。
 息子はパパよりでかいのに、子犬みたいになついてます。パパも自分より大きな男相手に目を細めてます。やだもうこいつら、いちゃいちゃしすぎ!!

 そのかわいいふたりが、不穏な空気を感じるとさっと戦闘モードになるの。
 パパの「甚内!」のひとことだけで、甚内くんはウメガイをばしっとな。
 その変わりっぷりがたまらん。萌える。

 慶次に向ける楽しそうな目も、重太夫@ともみんを鼻で笑うのも、いちいちかわいいです、素敵です。

 そうやって慶次に好意を持ったっぽいのに、傀儡のアジトに慶次が現れたときは、甚内くんはあったりまえに刀に手をかけてるしね。
 パパ以外、誰も信用してない。……だから、いちいち、いちいち、たまらんて!

 でもって、そんだけパパが好きで、パパだけが世界の中心で。

 なのに、そのパパの最期を見届けるのも、甚内くんの役目で。

 パパに絶対服従だから、「お前は手を出すな」と言われたら、ほんとにもう、ナニもしないの。
 ただ黙って、パパが決闘して負ける様を見ることになるの。

 又左衛門さんが、マジいい男でねえ。いい男過ぎてねええ。
 こんだけいい男が父親だと、そりゃ息子も大変だわ。

 又左さんは、その生き方で、息子を育ててきたんだと思う。
 口で説教するのではなく、自分の生き様を見せることで。
 不器用かもしれない、間違っているのかもしれない。だけどその志一途な背中を見て、息子は育ってきた。誰よりも、父を愛して。尊敬して。

 甚内へ遺言を残し、又左衛門は父としても傀儡の長としての役目も終える。すべては息子へ託した、
 だから、又左衛門はひとりの男として、慶次と対峙する。
 闘う必要なんかない。殺し合う必要なんかない。
 慶次の敵となったのは傀儡の長として必要だったからだけど、こんだけぐたぐたになったあとで、慶次と命のやり取りをする意味はない。
 だから、長としてではなく、ただの男として、刀を握る。

 役目を背負って生きてきた父が、すべてを投げ捨てて、己が欲望のみに動いている。
「父は意地を押し通す」

 意地を通すために死を選ぶとか、あり得ない。女性目線だとそうだよね。
 だからこれは、ほんと男子脳で出来上がった作品で。
 自分が心酔した男だからこそ、闘いたい。破れることはわかっている、死ぬことはわかっている、それでも、己れの腕を試したい、闘って死にたい。

 そんな父親の姿を、黙って見守る息子。

 意地を押し通して死ぬ父を目の前にした息子は、これからどう生きるのだろうか。

 言われた通り手出しせずに、なにもせずに見守って、倒れた父にすがりついて泣きわめいて。
 彼の慟哭が、激しすぎて。


 慶次と敵対してからはずっと、険しい表情しか見せてなかったけど、登場したときは彼、笑ってたもの。ひとなつこいわんこみたいに、パパになついてたもの。
 その無邪気な少年の顔が記憶にあるだけに。


 そして、ラストシーン。
 エピローグの合戦シーンにて、銀橋で主題歌を歌う慶次を取り囲むように、次々となつかしい人々が現れる。

 そのなかに、庄司親子もいる。

 出演者全員が舞台上に現れるのだが、よくある「全員集合」ではない。
 死んだ人と生きている人は、きっちり線引きされている。
 舞台上の台の上を通る、台の上にいる人は、この世にいない人。

 庄司親子は下手から登場する。いつもそうであったように、ふたり連れ立って。そうそれは、見慣れた光景。
 舞台の反対側、上手の台の上に雪丸@まっつが加奈@せしこの肩を抱いてラブく並んでいるのと、対照的。
 見慣れない光景と、見慣れた光景。

 でも、又左衛門ひとり、舞台奥へ進もうとする。
 甚内は父を止める。「行かないで」と首を振る。
 大きな瞳をうるうるさせて、「いやいや」をするみたいに、首を振るんだよちょっと!!

 父は息子と別れ、ひとりで舞台奥の台の上へ。
 父に置いてゆかれた息子は、キッ、と表情を改める。
 そして、ひとりで歩き出す。

 雪丸と加奈が手を取り合って歩いて行くのと反対に。反対方向に。


 最後の「いやいや」がね……破壊力MAX。

 ナニしてくれんだよ……萌え殺す気か。


 登場シーンの、「パパにだけ見せる無邪気な笑顔」と、最後のこの「いやいや」は、セットですよ!
 両方観てこそ、完結するのですよ!!

 はー……。

 わかんないわー。
 甚内くんってナニ。
 ナニあの素敵な萌えキャラ。

 いまいちすぱっと答えの出ないところがもう、萌える。
 たまらんわー。

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