新人公演『一夢庵風流記 前田慶次』、主要キャラの感想。


 2度目の新公主演、慶次@かなとくんは、大柄な美形なので派手な衣装も立ち回りもとても似合う。
 芝居はえりたんコピー。

 なんだけど、えりたんは「えりたん」という特殊生物なので、芝居だけ真似てもえりたんにはなれない。
 花組時代、Pちゃんが新公やってたときの感覚デジャヴ。へたじゃない、問題なくコピーしてる……けど、なんつーか……「ふつーの人」だ。陽気なはちゃめちゃさ・憎めなさがないっつーか、小さくまとまっているというか。

 かなとくんの慶次は豪傑だけど生真面目で、「正しい英雄」に見えた。
 「前田慶次」でない他の武将ならその方がいいな。でも慶次は傾奇者だからなー。「生真面目さ」が見えるとなんかチガウ気がする。

 そしてこれはわたしの問題、かなとくんという人がよくわかってないので、終始落ち着かなかった。
 お茶会行くなりするべきなんだろうか。なんか間違ったイメージでキャラ造形してる気がして、落ち着かない。や、わたしのなかでね。
 んーと、わたしには彼がとても瞳うるうるした、いたいけな小動物に見えるんですよ、身体大きいけど(笑)。
 なにやっても胸がキュンキュンするので、よくわかんないんです。
 まあこのまま彼が路線スターとして定着してくれれば露出も増え、自然とキャラもわかってくることだろう。や、わたしのなかで。


 まつ@有沙瞳ちゃん。初ヒロインおめでとー。
 98期、研3。
 『心中・恋の大和路』でアカペラソロをもらっていた女の子。雪担のなかでも、ノーマークに近い扱いだった子よね? 98期娘役と言えば、で今まで人の口に上がるのは星南のぞみちゃんだったもんね。
 『心中』のソロで一気にみんな「あれ誰?!」になり、顔と名前をおぼえられたはず。わたしも含めて。

 つっても、『心中』のソロ1曲と、あとは子役としてにこにこ踊っているくらいしか記憶にない女の子。
 芝居はどうなのか、台詞声がどうなのかはわからない。その98期一のかわいこちゃん・のぞみちゃんはにこにこ踊っている分にはいいけど、棒読み台詞の芝居難さんなわけだし。
 はたして瞳ちゃんは……。

 よっしゃあ、芝居できる、声きれい!

 心の中でガッツポーズ。

 最近の劇団は、実力にも考慮して新人の人選をしはじめているのかもしれない。特に歌唱力の必要性に気づいてくれたのかな、って気がしてうれしい。
 月組の海乃さん、星組の城妃さんと、97期以下の歌える女の子たちが新公ヒロをしている現状、次世代はかわいこちゃん+歌唱力の時代か? と、わくわくする。

 まったく無名からの抜擢で、「強い」ヒロインを演じきる研3、ということで、舞台度胸を感じた。
 役者を育てるのはなんつっても舞台、『心中』東西公演でソロを披露し続けたのはいい経験だったんだろうなと思う。


 助右衛門@ひとこくんは、そろそろ見慣れてきた感があって、新公主演はまだしてないのに、すでに「いつもの」感がしている……・
 久々に雪新公を観るという友人に、「この2番手役はどういう子? 新人?」と聞かれたとき「えーと? 学年的には下だけど、なにしろ抜擢されてから長いから、新公ベテラン的な?」てな説明になり、そう言葉にしたことで「そっか、ひとこってすでに見慣れてる感あるんだ」と自覚した。

 ひとこくんの課題は芝居力かなーと思う。きれいだし歌えるし、本公演ショーで活躍しているので押し出しは徐々に身についてきている。
 でも芝居は本公演でも別箱でも、今のところあまり経験は積ませてもらってないので、新公抜擢連続でのみ鍛えている印象?
 助右衛門は辛抱役なので、いろいろ大変そう。学年的にはよくやっているんだと思うけれど、なにしろ『JIN-仁-』から毎公演目立つ役をやっているため、観る側のハードルが上がってる。
 今まではわりと勢いで演じる役をやってきた人なので、抑えた役になると芝居の軽さが気になった。

 『ベルばら』で毎公演幕開きからソロを歌う、という経験をしていても、今回の銀橋ソロではひとこくんの緊張が伝わってきて手に汗握った……そっか、すげえプレッシャー感じつつがんばってるんだねえ……。てゆーか、それってつまり、普段緊張があまり見えない子なんだなと、そっちに感心する。
 どんだけ抜擢されても、わりとしれっと受け止めているように見えるんだなー。そこが彼の魅力かも。
 緊張ばりばりでも、本役さんよりもメロディラインに納得できました(笑)。


 重太夫@真地くん……(笑)。
 本公演からして彼、大暴れしてるよねえ……や、本公演でも傾奇者役だからさー。傾奇者のザッキー・真地・叶の3人が濃ゆいのなんのって……。

 えー、真地くんはわたしにとって、期待の「若手長身美形」枠でした。最初に見たときは、そうだったの。小柄なキムくんを見下ろすように話していたあの美形将校、いい感じぢゃね? と思ったところからスタートだったの。わたしが雪組に戻って来て最初の全ツ。大阪出身者紹介で、すっげー元気よく、花道の端っこで手を上げていた姿をおぼえてる。
 そして、同期のいぶきくんとふたり、小柄美形の多い雪組での「若手長身美形」コンビとして愛でていたはずが……。
 真地くん……三枚目として、花開いてる。
 『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』の頃がなつかしい……あのころのキミは……(笑)。

 過去はともかく、イイ感じに目立ってきた真地くん。てゆーかわたし、彼の歌を、はじめて聴きました。ふつーに歌えてる? キャラソングなので、よくわからない……(笑)。三枚目キャラのまま歌うからさー。

 舞台に立つこと、演じることが楽しそう。本人が舞台大好きなのが伝わってくる。今のところはそれだけでいいのかな。
 今わたしがいちばん気になっているのは、ビジュアルの方向性だ。
 真地くん……お化粧だんだん微妙になってないか? 三太役がまずかったっつーか、あっこから戻って来てないような……。眉の描き方はそれでいいのか?
 重太夫はとことん三枚目にしていい役だからってことで、見た目からお笑い系にしてきたらどうしよう、と危惧していただけに、「あら、ちゃんときれいじゃない」と思ったのに。終演後に友人たちが言ったことは、「重太夫役の子、お化粧どうしたの? あれでいいの?」……最近の真地くん比ではきれいでも、ふつーに見れば微妙な化粧だったのか……!
 もっときれいになれるだろうに、つか、以前はきれいだったんだから、戻って欲しい……。まだお笑い脇役に徹するには若いんだからさー、可能性狭めないで欲しいな。
 でも本人は、このまま三の線希望なんだろうか。


 に、しても。

 歌にストレスがない新公って、すばらしい。

 や、新公でなくても、そうあるに越したことないんだけどさー。本公演はスター力で乗り切れるけど、新公はそうじゃない。だからこそ、せめて歌唱力はあってほしい。
 主演のふたりも2番手も、他主要役もみんな歌える、ってすげえ。
 (……レオ様は、歌少なかったからセーフかなー、「歌」というより「台詞の延長」だったし!笑)

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