『鈴蘭(ル・ミュゲ)-思い出の淵から見えるものは-』、いい加減キャスト感想にいこう。
 いやあ、新人演出家せんせのデビュー作だから、まず作品の方が気になっちゃって。

 主役リュシアン@ことちゃん。

 男役っぽくなったね!!

 ……と、いう言い方は変かもしれないけど。
 ことちゃんのネックはいつもヴィジュアル。丸顔小柄は男役に向かないし、若いうちはどうしてもお肌がぱつんぱつん、「男役」としての外見を作りにくい。
 外見が調わないうちは脇で修行して、学年が上がってきれいになったころに大きな役が付く……ものなんだけど、ことちゃんはとにかく小さな頃から抜擢続きで。
 その抜擢も女役だったり子役だったりで、「男役」としての抜擢じゃないあたりがつらい。「男役」として研磨すべき最適時期を、別のことに使うしかなかった、なのに知名度とポジションだけ上がって、見た目が役割りに釣り合わない事態に。

 ことちゃんがふつーの研7で、今はじめて大きな役が付いて注目されたとして、このビジュアルならふつーに「きれいな若手がいる」って言われたと思う。
 「女役しかまともにやってないのに、組3番手?」という立場として観ると、まだ磨かれ切ってないもどかしさはあるけれど。

 にしても、ついこの間まで女役やってたとは思えないくらい、ふつーに男役さんだー。

 きちんとクラシカルな、いちいち昔を踏襲するような、クドさのある男役だと思う。
 てゆーか、ことちゃんの弱点ってさ、子どもっぽさとか女顔とかよりも実は初々しさに欠けるところだと思うから(笑)。
 抜擢続きだったせいか元からの性格か、スター然としてるよね、持ち味。新公学年です、ピヨピヨ、おどおど、って感じが微塵もない。そういう面があれば、どんなに抜擢されたスター街道驀進中でも、判官贔屓な人たちのハートもくすぐるんだろうに。
 どんな無理難題でも、ことちゃんならやっちゃうよねー、ほーら、ふつーにやっちゃったー、てな感じだもん、今。
 なんでもこなしちゃうから、学年相当の幼い女顔が違和感として強く印象に残っちゃうのな。持ち味が初々しくないのに、見た目だけ下級生ならではのまんまる風、てのは。
 それが今回は、きっちり「男役」作って、下級生感を払拭した感じ。

 ナチュラルに上から目線で生きてるリュシアンは、若い役なんだと思うけどふてぶてしくて、ことちゃんの強い面をそのまま使える役だと思う。
 てゆーか、その強さがいい。
 「若い丸顔のかわいこちゃんだから」とかわいい役をやらせるんじゃなく、ちょっと背伸びかもしれなくても、強くかっこいい役をやらせるのは、絶対にいい。
 等身大はもういいよ、若くて拙い下級生を使う言い訳みたいなキャラクタは、経験豊富なことちゃんには不要。
 これからはガチで「トップスターへの道」に必要な、ヒーロー役をやらせてくれ。

 たぶんことちゃんは、なにを振られても「易々」「軽々」とやってのけてしまうんだろうけど。


 そんなことちゃんの横で、「路線扱い初心者マーク」を付けたせおっちが、ピヨピヨ、おどおど、おっかなびっくり大役をやっていて、こりゃファンの母性本能刺激されまくりだろうなあ、と思う(笑)。

 真彩ちゃんは我が道を行っているし。

 楽しいな、『鈴蘭』チーム。

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