『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の加納さん@だいもんについて、もう一度書くと内容が重複するので、第2章に書いた分を貼り付けてみる。
 (第2章ではSSありきの文章なので、そのあたりだけ加筆)

 加納さんが残念なところ。

・恋愛ひとり相撲 ←「朱音太夫に裏切られた」ってアンタ、最初から相手にされてなかったやん……。
・友だちいない、ぼっち体質 ←いろんな人に「仲間になれ」と口説いて即拒否られる。仲間にも簡単に裏切られる。どんだけ人望ナイんや……。
・美的感覚変 ←たぬき顔の垢抜けない女子高生を「妖艶な絶世の美女」と認識する感覚はいかがなものか。どう考えても朱音太夫=薫殿はナイやろ。
・なにがしたいのかわからない ←突っ込むのも面倒なくらい、すべてにおいてわけわかんない。

 いちばんの問題は、加納の物語に、薫を無理に絡めたことだと思う。
 朱音太夫@桃ひながタイプってことは、かわいい系ではなく美人系(影アリ)が好みなんでしょ? 加納の美意識からいって、たぬき少女はまったくのテリトリー外だと思う。
 や、薫殿@みゆちゃんかわいいけど。きれいだと思うけど。きれいの質がチガウ。チガウからこそ、剣心@ちぎくんは薫に惹かれたわけで。でも加納はそうじゃないだろ。

 加納の言動はぶれぶれで意味わかんない。
 一から書き直すのがいちばんだけど、そうではなく、今あるままぶれまくる言動を、今あるストーリーの中で補正する方法、それは。

 加納の執着相手を、剣心のみにする。

 そしたらまだ、残念度が下がる。
 今のなにがしたいのかわからない、ぶれぶれ言動に、「剣心」という軸が出来るから。

 てことで、加納の視界に薫は一切入ってないとすれば、ほーら、きれいに展開するわ~~。

 プチ・ガルニエにて、加納がパリ万博の話を薫にするのは、剣心をやきもきさせるため。加納が薫に絡むのはそこだけ。
 剣心とふたりだけで話す場面のあと、加納は剣心に朱音太夫の打掛を見せるの。
 薫に対して話した台詞を全部剣心に話す。
 芥子の花の打掛が似合うのは、剣心しかいないっしょ?
 健康優良剣道女子高生ではなく、「人斬り」と冠される宿命の美剣士にこそ、イメージを重ねるべきよね? 赤い花に赤い髪をイメージするよね?
 蜘蛛の巣入りのワインが効いて気を失った剣心を抱きかかえ、加納が不敵に笑うのよ。

 で、他の場面はそのまま、剣心抜きで進む。剣心いなくても問題ないよね。左之助たちが蜘蛛の巣探ししてて、来賓のみなさんがアヘンであははうふふしてて、観柳がガトガトガト歌って。

 クライマックスだけ変更。
 打掛を着て磔になった剣心と、その剣心に絡みつく加納。
 加納さん美声披露よろしく。歌いながらエロエロ全開に。

 そこへ剣心救出に現れるのが薫殿。
 人斬り抜刀斎に戻れと言う加納と、るろうに剣心であれと言う薫の、「彼の愛は私のモノ☆歌バトル」はそのまま。
 磔剣心はそこから離れて、打掛引きずったまま影とか巴とかと戯れたり戦ったり。あら美しい。

 さらに、乱入してくる蒼紫+お庭番衆。
 剣心に執着しているのは加納だけじゃない、「最強」を求める蒼紫@れいこもそうだ。
 左之助@大ちゃんたちも登場。

 もっとも派手な祭りは、クライマックスでやろう。

 蒼紫や斎藤@咲ちゃんたちの見せ場が「前座」ての、つまんないもん。
 クライマックスにどーんとやる。

 影を倒し、過去の自分に打ち勝った剣心はその足で蒼紫に勝利。
 そっから加納との一騎打ちへ。
 
 あとは同じ。蒼紫たちは警官が駆けつけるタイミングで消える。


 薫を無理に「ふたりの男に争われるヒロイン」にする必要ない。ヒロインってのは、主人公に愛されている、彼の心が向かっている、という事実だけで十分ヒロインたり得る。
 加納に口説かせるヒマがあったら、剣心と薫のラヴい場面をひとつでも描いておけっつー話だ。

 剣心争奪戦でいいじゃん。薫じゃなくて。


 加納さんが残念過ぎて。
 そして、そのわけわかんない残念な人を、だいもんが力尽くで持ち上げ踏みとどまらせ、厚みを持たせている様が、愛しくて(笑)。
 がんばれー(笑)。

日記内を検索