復讐こそ、我が恋・その2。@金色の砂漠
2016年12月18日 タカラヅカ 勝手に『金色の砂漠』妄想展開。
主人公ギィがわたし的につまらないから、どうやったらわたし好みになるか、というアタマの体操、続き。
ギィは、復讐などするつもりはなかった。
理由があって、あえて「復讐」という言葉を使っていただけ。
本当は、タルハーミネを恨んでなどいない。
だって、タルハーミネがタルハーミネだから、愛したんだもの。彼女が誇りを選び、ギィを殺そうとしたのは当然のこと。そういう彼女だから愛した、むしろ惚れ惚れした……くらいなのに、恨むはずがない。
ギィが求めたのは、因果応報。
ジャハンギールは力尽くで王になり、先王の妃だったアムダリヤを妻にした。
その話をアムダリヤから聞き、自分が成すべきはタルハーミネと逃げて貧乏暮らしをすることではない、自分が王になってタルハーミネを妃にすることだと気づいた。
ジャハンギールが撒いた種は、時を経て、同じ花を咲かせる。彼がしたように、ギィも力尽くで王になる。
復讐のふりをしたのは、その方がタルハーミネが楽になるから。
復讐者に力尽くで奪われる。家族の命を盾に取られ、仕方なく従う。昔、自分がギィに惨いことをしたのだから、報復されるのも仕方がない。
そう、彼女が彼女自身に言い訳を出来るように。
たとえギィが立派な王になって戻って来ても、タルハーミネはギィを受け入れない。
ギィを殺せと命じた自分を責め、苦しみながら生き続けるだけ。
それなら、ギィはあえて悪役になり、復讐で惨い行為をしてみせることで、タルハーミネの心を救おうとした。
ジャハンギールとアムダリヤが、愛し合いながらも「簒奪者と被害者」であり続けたように、ギィとタルハーミネも「復讐者と罪人」のまま共に生きることは出来る。
ジャハンギールとアムダリヤが、それでも、愛し合いながら暮らしたように。
共に生きることで、ギィとタルハーミネは、癒し合うことが出来ただろう。
だからあえて、復讐という言葉を使った。
苛烈な怒りを装った。
すべては、タルハーミネのために。
因果はめぐり、ジャハンギールは己の行いゆえに、身を滅ぼす。
ギィもまた、いずれ応報を得るだろう。それでもいい。
ただ、愛のために。
だけどタルハーミネは、すべてを察していた。
ギィが復讐するために戻って来たのではないことを、知っていた。
だって、見てしまったから。
ギィの処刑を宣言したタルハーミネに向けられた、あの微笑みを。
ギィは、こんな自分をあるがまま愛してくれたんだ。
そんな男が、復讐なんて考えるはずがない。
それを装っているとしたら、すべては自分のためだ。
誇りのために、愛する男を殺そうとした、そんな度しがたい女のために、悪鬼にまで堕ちてみせた……そんな男に、なにを返せるというんだ。
砂漠へさまよい出るタルハーミネと、彼女を追うギィ。
金色の砂漠を探して。
「焼け付くような憎しみの中で、俺はお前に恋したのだ!」
キメ台詞は同じ。
だけどタルハーミネは笑う。
「うそつき」
復讐なんて、考えてないくせに。そんな愚かな人ではないくせに。
あの微笑みが真実なのに、憎しみに憑かれたふりをして。
優しい自分を殺して、冷酷なふりをして、何年も何年も、闘い続けた男。
誇りのために、愛を殺すしかなかった女。
そんな女を愛したために、自分を殺すしかなかった男。
ふたりは金色の砂漠で、ようやくひとつになる。
あるがままの、むきだしの魂で。
……というのが、わたし好みのギィ、わたし好みの展開。
ストーリーも台詞もウエクミまんま。ラストシーンに補正を入れるだけで変更可能。
ギィが復讐者になっていると、観客をミスリードして、最後に真実を明かしてどんでん返し。全部演技だったんだ、タルハーミネの心を救うための!と。でもってタルハーミネ、全部わかってたんだ!と。
幼いメンタルしか持たなかったギィが、愛を知り、劇的に変化する。
度量の深い大人の男になって、戻ってくる。それこそカタルシス。
や、勝手な妄想です、アタマの体操です。
ああ楽しい。
主人公ギィがわたし的につまらないから、どうやったらわたし好みになるか、というアタマの体操、続き。
ギィは、復讐などするつもりはなかった。
理由があって、あえて「復讐」という言葉を使っていただけ。
本当は、タルハーミネを恨んでなどいない。
だって、タルハーミネがタルハーミネだから、愛したんだもの。彼女が誇りを選び、ギィを殺そうとしたのは当然のこと。そういう彼女だから愛した、むしろ惚れ惚れした……くらいなのに、恨むはずがない。
ギィが求めたのは、因果応報。
ジャハンギールは力尽くで王になり、先王の妃だったアムダリヤを妻にした。
その話をアムダリヤから聞き、自分が成すべきはタルハーミネと逃げて貧乏暮らしをすることではない、自分が王になってタルハーミネを妃にすることだと気づいた。
ジャハンギールが撒いた種は、時を経て、同じ花を咲かせる。彼がしたように、ギィも力尽くで王になる。
復讐のふりをしたのは、その方がタルハーミネが楽になるから。
復讐者に力尽くで奪われる。家族の命を盾に取られ、仕方なく従う。昔、自分がギィに惨いことをしたのだから、報復されるのも仕方がない。
そう、彼女が彼女自身に言い訳を出来るように。
たとえギィが立派な王になって戻って来ても、タルハーミネはギィを受け入れない。
ギィを殺せと命じた自分を責め、苦しみながら生き続けるだけ。
それなら、ギィはあえて悪役になり、復讐で惨い行為をしてみせることで、タルハーミネの心を救おうとした。
ジャハンギールとアムダリヤが、愛し合いながらも「簒奪者と被害者」であり続けたように、ギィとタルハーミネも「復讐者と罪人」のまま共に生きることは出来る。
ジャハンギールとアムダリヤが、それでも、愛し合いながら暮らしたように。
共に生きることで、ギィとタルハーミネは、癒し合うことが出来ただろう。
だからあえて、復讐という言葉を使った。
苛烈な怒りを装った。
すべては、タルハーミネのために。
因果はめぐり、ジャハンギールは己の行いゆえに、身を滅ぼす。
ギィもまた、いずれ応報を得るだろう。それでもいい。
ただ、愛のために。
だけどタルハーミネは、すべてを察していた。
ギィが復讐するために戻って来たのではないことを、知っていた。
だって、見てしまったから。
ギィの処刑を宣言したタルハーミネに向けられた、あの微笑みを。
ギィは、こんな自分をあるがまま愛してくれたんだ。
そんな男が、復讐なんて考えるはずがない。
それを装っているとしたら、すべては自分のためだ。
誇りのために、愛する男を殺そうとした、そんな度しがたい女のために、悪鬼にまで堕ちてみせた……そんな男に、なにを返せるというんだ。
砂漠へさまよい出るタルハーミネと、彼女を追うギィ。
金色の砂漠を探して。
「焼け付くような憎しみの中で、俺はお前に恋したのだ!」
キメ台詞は同じ。
だけどタルハーミネは笑う。
「うそつき」
復讐なんて、考えてないくせに。そんな愚かな人ではないくせに。
あの微笑みが真実なのに、憎しみに憑かれたふりをして。
優しい自分を殺して、冷酷なふりをして、何年も何年も、闘い続けた男。
誇りのために、愛を殺すしかなかった女。
そんな女を愛したために、自分を殺すしかなかった男。
ふたりは金色の砂漠で、ようやくひとつになる。
あるがままの、むきだしの魂で。
……というのが、わたし好みのギィ、わたし好みの展開。
ストーリーも台詞もウエクミまんま。ラストシーンに補正を入れるだけで変更可能。
ギィが復讐者になっていると、観客をミスリードして、最後に真実を明かしてどんでん返し。全部演技だったんだ、タルハーミネの心を救うための!と。でもってタルハーミネ、全部わかってたんだ!と。
幼いメンタルしか持たなかったギィが、愛を知り、劇的に変化する。
度量の深い大人の男になって、戻ってくる。それこそカタルシス。
や、勝手な妄想です、アタマの体操です。
ああ楽しい。