かなり前に書いてあったんだが、他の記事に押し出されてUPする場所がないままになっていたヤツを発掘してきた。前日欄の『桜華に舞え』書きながら、「あれ、たしかショーの方でも『スキジャナイ』話書いたよな、どこやったっけ?」と思い出して。
 つーことで、ふたつ続けて「スキジャナイ」話になっちゃった。好きじゃないっつーか、嫌いだなー、苦手だなーという。


 『ロマンス!!(Romance)』というタイトルが好きになれない。
 ただの好みの話なんだが、あーこれやだなーと思うことから、アタマの体操と気持ちの整理をしたいと思う。

 なんで『ロマンス!!(Romance)』が嫌なのか。

 なんつっても、タイトル『 』の中に( )があること。
 ( )付きタイトルってなんだ。

 ふつう( )って注釈とか説明よね。

>『月雲(つきぐも)の皇子(みこ)』-衣通姫(そとおりひめ)伝説より-

 みたいな感じで。
 本来なら文字の欄外にふりがなを付けるんだけど、ネット上ではそうもいかないから本文中に( )を挿入して表記する。

 だとしたら、さらにおかしい。
 『ロマンス!!(Romance)』は本タイトルがカタカナで、ふりがなが英語。
 ……注釈や読み説明ではない、ということだ。

 『Romance(ロマンス)』ならわかる。『Etoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』と同じで、タイトルに日本語使いたくない、アルファベットの方がオシャレとか表現広がるとか思ってるけど、「それじゃ子どもやお年寄りが読めない!」って企画会議でNG出て、折衷案で「ヨコモジ語と日本語並記」ってことでしぶしぶ飲みました、的な。

 でも、カタカナが本タイトルで、注釈に英語って……英語、いらなくない?

 ぶっちゃけ、すげーかっこ悪いと思う……。

 『舞音-MANON-』みたいに、漢字のフリガナ的な使い方はふつうだと思う。漢字は表音文字ではないので、表音文字でフリガナを打っても不思議じゃない。
 それと、この場合の-MANON-はフリガナというだけではなく「装飾」の意味もあるんだろう。ただのフリガナならカタカナでいいのに、アルファベットを使っているから。

 でも、表音文字のカタカナのふりがなが表音文字のアルファベットで記された英語って、わたしにはとても収まり悪く感じる。じゃあこれはフリガナではないのか。
 フリガナではなく、英単語のRomanceが持つ意味を( )で追記したかったのか。

 それなら、そもそもカタカナのロマンスを使わなくてよくね?
 『Romance』をタイトルにすればいい。カタカナのロマンスだと、それ1個の意味しかないけど、英語のRomanceなら、「“Romance”とはフランス語で冒険、恋愛、空想といった意味の“ロマン”に由来」という、HPで岡田先生が語っている意味のことを含められるだろう。

 タイトルは『Romance』。だけど、万人に読めるようにとカタカナで(ロマンス)とフリガナを付けざるを得なかった。
 ……これなら、わかるんだ。今までもいくらでもあったことだから。無粋だけど、仕方ない。小学生でもお年寄りでも、等しく楽しんでもらう前提の興行だから。

 なのに何故『ロマンス!!(Romance)』。カタカナとアルファベットの使い方の意味がわからない。

 さらに理解出来ないのが、( )であること。
 「カタカナ」+「英語」にしたかった、譲れないこだわり、というなら何故に( )なんだろう。
 -Romance-じゃなくて、(Romance)なのは何故。

 『ロマンス!!-Romance-』ならまだ、わかる。- -で挟んだ言葉はフリガナや注釈ではなく、サブタイトルや追記になる。
 『桜華に舞え』-SAMURAI The FINAL-はアリだと思うけど、『桜華に舞え(SAMURAI The FINAL)』はナイわ。ナニを注釈してんだ、と思うもん。

 これは感覚の問題。
 A(Aの注釈・よみがな)、A-Aのサブタイトル-
 と、意識するまでもなく思っていた、その常識部分に引っかかるから。
 なんでこんな文字遣いをしているのか、どういう意味があるのか、岡田先生はどこかで説明しているのかしら。HPにはなさそうだったし、過去の岡田作品にもこんな使い方をしたモノはない。
 深い意味があるならどこかで語っていそうだし、ないのにこんなことしていたら変だし。

 つくづくわたしと感性の合わない人だな、と思う。
 ……昔は好きだったんだけどね。お互い、年を取ったってコトかな。
 でも、『ロマンス!!(Romance)』という作品自体は好きだったから、我ながらややこしい(笑)。
 他の記事に押し出されてUPする場所がないままだったシリーズ、その2。……ってナニそのシリーズ名。



 『ケイレブ・ハント』の話ばっかしで、ショーの感想をぜんぜん書けずにいたわけだが。
 『Greatest HITS!』は、大好きだ!

 なんかめっちゃかわいくない? あちこちかわいくて、楽しくて、でも芯になる部分がこうがっつり固くて、バランスいい作品だと思うの。

 わたしは毎度の『1万人の第九』のレッスンに通いながら、ムラにも通っていたわけなんだけど。
 あるとき、がつんと思ったのよ。気づいたのよ。

 ああ、この作品は「歓喜の歌」なんだ、って。

 世界中の人が、ひとつになる。
 ばかばかしいけど、笑われるだろうけど。
 心が通じ合って、許し合って、手を取り合う。
 それを希む歌。

 ああ、これは第九と同じテーマの作品なんだ……。
 みんな大好き! 大好きでうれしい! 世界は美しい! まるっと全部愛しい!
 そう歓喜の声を上げるうた。

 ちぎくんの歌う主題歌聴きながら、泣けてきた。

 夢物語だと笑われてもいい。
 こころがつながり、こえをあわせて、ひとつのうたを、うたえたら。
 それはどんなに、しあわせなことだろう。
 いとしいことだろう。

 そんな、やさしく愛しいテーマで貫かれた作品。
 明るく楽しいオープニング。耳馴染みのある曲から、わかりやすい主題歌へ。
 スターの歌い継ぎ。そうか、声と歌がいいのはだいもんか、えソレいいの言っちゃって、とツッコミ入れつつ(笑)。

 みゆちゃんの「マテリアルガール」がかわいすぎるっ。
 イモ娘のときもかわいいけど、変身後のキュートさにめろめろ。
 うわああ、こういう女の子好き。

 白燕尾咲ちゃんが「王子様です」と出て来るのもいい。そうか、こんな役をやるようになったんだな。
 そこで改めて今の体制になって、はじめてのショーなんだということに気づく。
 お芝居よりも顕著に、スターの立ち位置がはっきりするからね、ショーって。
 咲ちゃん、本格的に3番手として始動だな。

 というか、あちこちれいこの上げっぷりにびびる。
 「遅れてきた」路線スターのかなとくんは、モブ要員だった時代が長いため、ショーの経験が圧倒的に少ない。
 そんな彼に少しでも経験を積ませ、華々しく送り出す……今回の組替えの意図というか覚悟みたいなものが、劇団の扱いから伝わってくる。
 がんばれー。

 そのれいこと、大ちゃんの「赤鼻のトナカイ」のかわいさに悶絶。
 ちぎサンタにも。

 季節的にクリスマスは早いけど、わたしにとってタカラヅカで使われる曲は「タカラヅカで使われる曲」でしかない、10月なのにクリスマスなんて気分が乗らないわ、冷めるわ、なんてことにはまったくならない。真冬でも中詰めラテンでオラオラ、とか、季節関係ないのがヅカだもん。

 季節先取りは気にならない。それより、公演中に当日がやってくるハロウィンの方が「11月になったら演出変えるんだろうか?」と気になるわ。

 ハロウィンネタぶっ込んでる、翔くん中心のゴーストバスターズがかわいくてかわいくて。「ゴーストバスターズのポーズ」とか、アホかわいくてたまらん……。レオ様、クールな美貌であーた、ナニやってんの。

 後半メインの「運命」は、まるでそこだけひとつのミュージカルのよう。
 だいもんのドラマティックヴォイスと咲ちゃんの美スタイルを活かしたダンス、総力戦の混沌から、ちぎみゆの清浄な美しさまで。
 なんかすげーもん観たー、という気になる。

 タカラヅカってすごい。
 踊るちぎみゆの美しさに、心から思う。
 よどんだ色彩を引き裂く光、絶望が昇華されて破片をきらめかせながら、解けていく。

 みんなみんな、しあわせになれ。
 夢物語だと笑われても。
 みんながいつか、ひとつになる。
 みんなで、かんきのうたをうたおう。

 いやあ、このショー好きだわー。


 ……ちぎくんとだいもんのお耽美場面は、えーっと。
 ちぎくんはともかく、だいもんにあのテのは鬼門だと、何故演出家は理解しないんだー。
 だいもんに耽美やらせたいなら、いかにもなお耽美衣装じゃなく、ダブルのスーツでも着せてくれ。マフィアですよね?という姿で、美青年ちぎくんと絡ませろ~~、それなら絶対絵になる!

 あの場面は女の子たち見るのに忙しいっす……。ヒメのパワーヴォイスに酔いながら。
 ヅカヲタやってそこそこ長いですが、このたびはじめての経験をしました。
 『タカラヅカスペシャル』を中継で観る。……ってことです。

 『タカスペ』の中継って、もう10年ぐらい続いてるのかな? 興味なかったから、いつからやってるのかおぼえてない。
 そう、興味がなかった。
 だって、わたしのご贔屓は、中継では「映らない」。にぎやかしのモブ要員なんだから、劇団カメラ様が映してくれるはずがない、だから中継を見ても「ご贔屓の出演している公演を観た」ことにはならない。
 ご贔屓はたしかに舞台の上にいるのに、フレーム外だから見られずに終わる、なんて、見る意味ナイ。

 だから、絶対、ナマ観劇。それ以外ない。

 そうこだわりきってきた。
 毎年、駆けずり回ってチケット入手した。

 大劇場でやってくれていた時代は、それでも入手しやすかったのよねえ。2550席+立見100とかだもん。
 なのに、大人の事情で梅芸でやることになり、収容人数が7割強になっちゃった。おかげでチケット取りにくいったら。
 毎年毎年、がんばったわ……。

 今年もまた、「全滅ダイヤモンド」の名に恥じぬ欲しいチケットが当選しない「友の会」、『タカスペ』チケットどうしよう、と遠い目をしていたんだけど。

 ふと気づいた。
 ナマ観劇にこだわる必要なくね?

 ご贔屓いないし。

 群舞の隅っこにいる最低身長男役をオペラグラスで追いかける必要がないのですよ!
 や、去年もそんなことをふと思ったことは、思い出したけど、去年はほら、雪組出てたし。贔屓組はやっぱ、ナマで観たいじゃないですか。

 今年の『タカスペ』は、雪組が出ない。
 雪組は『タカスペ』運のない組で、他組に比べて出ないことが圧倒的に多いんだけど(キムは1回しか出てないし、えりたんは一度も出てない、トップ2代こんだけ出られないって明らかにおかしい)、また今年も出ないんですよ。

 ちなみに、2010年~2016年の間、『タカスペ』に出た回数は、花組5回、月組4回+中継1回、雪組3回、星組5回、宙組5回……みんな5回なのに、雪だけ3回って……!
 しかも2年連続出なくて、その次の年は『タカスペ』開催せず。つまり雪だけ3年間『タカスペ』に縁がなかったの。短いスパンで顔ぶれの変わる現在のタカラヅカにおいて3年は大きすぎる。

 過去の哀しみが込み上げてくるけど、済んだことを残念がっても仕方ない。
 チケット手に入らないなら、無理しない。
 よーし、今年は中継で見るぞー! 初体験だー!

 『タカスペ』中継のチケット事情がよくわかんないんだけど、プレリザーブであっさり取れた。……から、これでいいや。それ以降を知らないので、世の中的にチケットが足りていたのか余っていたのか、まったく知らない。

 場所はいつものTOHOシネマズ梅田SCREEN2。TOHO梅田で2番目に座席の多いスクリーン。『るろ剣』も『エリザベート』もここだった。
 梅田は家から近いので、気軽に行ける。(ムラは遠いから、気軽に行けない。……行けないのよ?)オペラグラスもいらないし、荷物も軽いわー。らくちんだわー。

 ということで、初体験。
 つづく。
 前置きうだうだ、はじめての『タカスペ』中継。
 『るろ剣』中継楽しかったしらくちんだったから、期待期待。『エリザベート』中継はいまいちだったけど、あれは例外的な作品だし。
 なんにもしなくても「見るべき人」を映してくれるライブ中継はありがたいはず。『タカスペ』なんて、スターの顔を見ることを目的としたイベントだもん。作品クオリティは問うな、手抜き演出でもなんでも、ただ豪華キャスト出演をありがたがれ、という。
 何人出てても関係ない、真ん中のスターさえ映していればOK、と、TCA発売DVDと同じ意識でカメラは動くはず。

 そう理解した上で臨んだ、『タカラヅカスペシャル2016~Music Succession to Next~』ライブ中継

 結論から言うと。

 面白くなかった。

 自分でもびっくりするくらい、楽しめなかった。
 いや、「楽しめなかった」わけじゃない。それなりに、楽しかった。
 楽しいか楽しくないかと言えば、楽しいでしょう。タカラヅカは楽しいもの。

 それなりに楽しいし、つまらないわけでもない……けど、面白くはなかった。
 そう、入り込めなかったんだ。

 なんかすごく遠くて。
 スクリーンがというか、わたしのキモチの場所が。
 ぼーっとしているうちに、どんどん時間だけ過ぎていって。
 ちょっとよそのことを考えているだけで、ふと気づくとスクリーンに映っている人が変わっていて。あれ、いつの間に?

 全編通して、置いて行かれた。

 えええ。なんだこれえ?

 …………終わったあとに、なにも残ってない。「見た」というだけで、記憶の引っかかりがない。
 なんたることだ。
 ついに老化が深刻なレベルになったか。

 や、年寄りなのもアタマ悪いのも今にはじまったこっちゃない。
 原因を探るとすれば、これが、初体験だからだろう。

 考えたんだ。
 なんでこうも、入れなかったのか。
 すっげー遠い気持ちだったのか。

 そうわたし、タカラヅカを「映像」で見たことが、ほとんどナイのよ。

 なんてこったい。
 スカステ加入してもう10年以上経ってるんですが、トップさんのラストディ中継だって10年以上前から見ているわけなんですが。
 それでもなお、映像慣れしてないってナニゴト?!

 あー、映像自体は見たことある。当然。
 ただし。
 自分が実際にナマ舞台を観劇したモノに限る。

 わたしにとって「舞台映像」というのは、自分が観劇した「思い出の舞台」を「映像という形に残す」というだけのモノだ。
 写真をアルバムに貼るようなもの。自分の思い出だからアルバムに貼る。自分が知りもしない人のスナップ写真は貼らないし、そもそも持ってない。

 スカステは入っているけど、録画してメディアにダビングするのが楽しいだけで、見てはいない。収集癖のあるヲタクなので、アーカイブ作りが楽しいの。
 たまに見ることはあるけど、自分が観劇した作品を、「あのときの感動をもう一度」という感覚で見直すのみ。
 観劇したことのない作品は、見ない。

 ライブ中継は昔から見てきたけれど、トップさんの『ラストディ』は、東宝千秋楽がナマ観劇出来ないだけで、通常のムラ公演は観ているわけで。ムラと東宝では多少変化があるかもしんないけど、基本、同じ作品。
 『るろ剣』以降『ラストディ』以外の千秋楽も中継するようになったけれど、ムラ公演は全組全公演1回は観る、が日常のわたしは、もちろんナマで観ている。

 一度もナマ観劇していない公演の映像を見ることは、長く生きてるけど、ほとんど経験がない。
 なんかあったっけ……? 記憶にナイ……。
 友人の家でイベント的にきゃーきゃー古いビデオとか見ることはあったけど……それはお喋りするために見るようなもので、また別カテゴリだよな……。

 ああそうだ、『はばたけ黄金の翼よ』はテレビで見たのが最初だった、さすがにあの時代は知らなくて。
 ターコさんがかっこよすぎて奮えたっけ……。

 しかし、それ以外を思い出せない。
 そして、ショー作品を見た記憶が発掘出来ない。

 ひょっとして、はじめてか……? 今回の『タカスペ』が……。


 今まで中継を楽しめたのって、ナマ観劇済み作品だったからか。
 もうすでに「知っている」から、カメラがどこを映していても気にならなかった。この場面、わたしは後ろを見ていたけれど、カメラは当然トップさんを撮ってるわよねえ。わたしの見ていたモノは映らないわねえ。うん、知ってた、だからあえて真ん中はあきらめて、見たいところを見ていたわ、映像に残らないから。……てな風に、達観していた。

 最初から、「他人の目線(カメラ映像)」だと、わたしの少ないのーみそでは、受け止めきれないらしい……!

 なんかすごく、「遠い」。アップで映っていても、ピントが合ってないようなもどかしさを感じる。
 世界へ入り込めない。
 すごく他人ごとっていうか、「お若い方々はいいわねえ、ほほほ」と遠くから眺めているばーさんハートで、一線を引いて眺めている。

 なんてこった……。
 わたしこんなに、のーみそ退化してるのか……。

 若かったらたぶん、環境の変化にも対応出来たと思うの。
 はじめて、でも、スイッチ切り替えることが出来ると思うの。
 年寄りだから、どうしたらいいかわかんないという。

 しょぼん。
 出席カードに判だけもらって、とぼとぼ変える遅刻したラジオ体操の朝みたい。
 わざわざ来たから出席印だけ押してもらったけど、参加は出来なかったっていうか。
 ナニしに来たんだあたし、っていうか。

 それでもいちおー、ニュースで流れてる映像見たら「ああ、コレ見たわねー」とは思った。見たのは確かだから、のーみそには書き込まれたみたい。
 ただ、心には書き込まれなかったらしい。
 わたしには、そっちが問題。


 ……ナマ観劇してない舞台は、中継見ても無理かもしんない? わたしには?
 いやでも、何回か繰り返したら、そのうち慣れるかしら。
 年寄りはなかなか切り替わらないからなー。
 『タカスペ』中継面白くなかったー、と言いつつ、『私立探偵ケイレブ・ハント』『Greatest HITS!』東宝千秋楽ライブ中継へ行ってきました。
 『タカスペ』の翌々日。
 またしても、同じシアター。TOHO梅田。

 ライブ中継のパイオニアの雪組、今までトップサヨナラの『ラストディ』か全組あげてのお祭り『タカスペ』などしかライブ中継はなかったのに、雪組『るろうに剣心』から退団関係なく中継スタート。
 これから全組東宝楽は中継するかと思いきや、星組『こうもり』はなくて、花組『ME AND MY GIRL』宙組『エリザベート』があったので、一本モノの大作のみ中継するってことなんだろう、と思った。
 そしたらなんと、大作でも佳作でもない、「ふつーのタカラヅカの2本立て」でしかない『ケイレブ・ハント』『Greatest HITS!』を中継するという。
 今度こそ、作品問わず東宝楽は全組中継するってこだろう。それのスタートを切るのが、またしても雪組だった、と。

 そして。
雪組 中日劇場公演『星逢一夜』『Greatest HITS!』 ライブ中継
2016/12/25
以下の通り、雪組中日劇場公演の模様をライブ中継致します。   
日時
2017年2月26日(日)15:30上映開始

※会場、料金、チケット販売方法等詳細については、2017年1月中旬頃に発表を予定しております。   
イベントに関するお問い合わせ
宝塚クリエイティブアーツ カスタマーセンター
TEL:0797-83-6000(10:00~17:00 日曜・年末年始休業)
http://www.tca-pictures.net/

 別箱ライブ中継キターーーー!

 本公演でもない、サヨナラ関係ない、ごくふつうの中規模公演で中継やりますか……! すごいなヲイ。や、中日はちぎくんのサヨナライベントではなく、ふつーの組公演だし。
 ライブ中継事業の先陣が雪組なのね。今、組に勢いあるからなあ。ちぎくんは美貌の人だし。
 ……だいもんが映像向きの人ではナイので、そこはちょっとアレかなとは思うが(笑)。

 だいもんは、舞台で熱を発し空間を支配する人。切り取られた映像で顔だけ映されたら、たぶん「変な顔」「ひどい顔」としか伝わらないんじゃないかなと危惧。彼は「舞台役者」であって、テレビタレントじゃないからなー。
 今のタカラヅカには、舞台でパフォーマンスが出来て、かつ、テレビでも映えるきれいな人、が求められてるからな。
 ライブ中継が「あたりまえ」になるということは、その傾向が顕著になるってことだ。

 わたしは映像を「収集する」のが好きなので、すべての公演が映像化されることを望んでいる。
 それは、舞台演劇という「消えることが前提」の世界を愛しているゆえだ。
 舞台はそのときだけのもので、上演される端から消えていく。あとには残らない。
 それを切ないと思う。や、貧乏性なので、もったいないと思う。
 残したい。
 そして、その瞬間その劇場にいた人たちだけでなく、あとから来た人にも知って欲しいと思う。
 映像があれば、時間を超えられる。
 すでに退団したスターの作品だって、映像が残っていればそこからファンになることが出来る。

 映像は必要だと思う。宝塚歌劇が継続していくために。

 その姿勢の一環として、ライブ中継が増えるのも良いことだと思う。選択肢はいつだってなんだって、多い方がいい。

 ……ただまあ、劇団が「映像映え」>「舞台映え」とするようになったら困るなあ、という気の回しすぎな不安がよぎっただけ。
 主にだいもんというかだいもんというか。ほんとにすごい顔するからなあ(笑)。


 『ケイレブ・ハント』はだいもんどーってことない役なので、カメラ映りを気にすることもなく。ほんっと役不足だなー。
 ちぎみゆやれいこがアップで映るからいいか。

 『Greatest HITS!』は東宝での演出変更分を楽しめたので良し。
 あああ、トナカイかわいい~~!

 『タカスペ』中継を楽しめなかった分、どうも後遺症というか、構えてしまっているきらいがあって。
 これからタカラヅカはどんどん映像にも力を入れていくんだし、ファンとしても慣れた方が楽しめるんだから、この固いアタマをほぐしていかなきゃだわ。
 これからもライブ中継楽しむぞー。中継が増えるの歓迎。
 なんかいろいろ発表来た。
 メモとして貼っておく。かなり文字数くったから、感想は翌日欄。

宙組 トップ娘役について
2016/12/26
この度、宙組トップ娘役 実咲 凜音が、宙組東京宝塚劇場公演『王妃の館 -Château de la Reine-』『VIVA! FESTA!』の千秋楽(2017年4月30日付)で退団致しますが、実咲 凜音の退団後、固定的なトップ娘役は当面の間設けず、公演ごとに柔軟な配役を行って参ります。
作品ごとに配役を行うことで、様々な娘役がそれぞれの個性を発揮し、バリエーション豊かで魅力的な公演をお客様にお届けして参りますので、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

2017年 公演ラインアップ【梅田芸術劇場メインホール、文京シビックホール】<6月・宙組『A Motion』>
2016/12/26
2017年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【梅田芸術劇場メインホール】【文京シビックホール】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。
  
宙組公演
■主演・・・朝夏 まなと

◆梅田芸術劇場メインホール:2017年6月6日(火)~6月11日(日)
◆文京シビックホール:2017年6月23日(金)~6月28日(水)

朝夏まなとアメイジングステージ
『A Motion(エース モーション)』

作・演出/齋藤 吉正

伸びやかでダイナミックなダンスを中心に、更なる進化を続ける朝夏まなとの魅力を余すことなくお届けするライブショー。眩いばかりの光彩を放つ、宙組の“A(エース)”朝夏まなとのスペシャルステージをお楽しみ下さい。

2017年 公演ラインアップ【宝塚バウホール】<6月・宙組『パーシャルタイムトラベル 時空の果てに』(仮題)>
2016/12/26
2017年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚バウホール】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。
  
宙組公演
■主演・・・桜木 みなと

◆宝塚バウホール:2017年6月9日(金)~6月20日(火)

バウ・ファンタジー
『パーシャルタイムトラベル 時空の果てに』 (仮題)

作・演出/正塚 晴彦

シンガーソングライターを目指すジャンは、ある少女に導かれるまま訪れた古物商の店で謎めいた金属の塊を目にする。不思議な魅力に取り憑かれ、その金属の塊を購入したジャンは、小さな作動音と共にめまいのような感覚に襲われてしまう。次の瞬間、ジャンの目の前には、かつて歴史の授業で学んだような中世ヨーロッパの景色が広がっていた……。
予測不可能な時空旅行の中で、恋におち、生きる上で大切なものを見出して行く若者の姿を描く、ファンタジック・ラブコメディ。

2017年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<8月~11月・宙組『神々の土地』『クラシカル ビジュー』 >
2016/12/26
2017年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場】【東京宝塚劇場】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。
  
宙組公演
■主演・・・朝夏 まなと

◆宝塚大劇場:2017年8月18日(金)~9月25日(月)
◆東京宝塚劇場:2017年10月13日(金)~11月19日(日)

ミュージカル・プレイ
『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~

作・演出/上田 久美子

1916年、革命前夜のロシア。皇帝一家を操り民衆の不満を煽っていた怪僧ラスプーチンを暗殺しようとする憂国の青年貴族たちがいた。その中心的人物と伝えられるドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフ大公を主人公のモデルとし、ロマノフ王朝の黄昏を生きた人々の肖像を悠久の大地に描き出す。
皇帝ニコライ二世の従兄弟で将来を嘱望される青年将校ドミトリーは、皇帝に仕官するため、共に暮らしていた伯父のセルゲイ大公とその妃イレーネをモスクワに残しペトログラードへ旅立つ。大公の年若い妃イレーネは皇后アレクサンドラの妹で、快活なドミトリーが孤立する皇帝一家と周囲を仲立ちし、革命の危機からロマノフ家を救うことを望んでいた。一方、名門ユスポフ家の令息フェリックスは、皇帝の意に背いてラスプーチンの暗殺を画策、ドミトリーを仲間に引き入れようとする。
皇帝はドミトリーを気に入り、皇女オリガとの結婚を勧める。オリガと結婚してイレーネの望む穏健な形で一家を助けるのか、罪を恐れずラスプーチンを排除するのか。革命の足音は背後まで迫っていた。ドミトリーの選択、そしてドミトリーが愛した人とは──。ロマノフ家の一員として王朝を救う道を模索した青年の、愛と葛藤の物語。

レヴューロマン
『クラシカル ビジュー』

作・演出/稲葉 太地

人の心を掴んで離さず、時に人を惑わせる華麗な宝石(ビジュー)。色とりどりの煌めきを放つ宙組メンバーを、様々な宝石になぞらえた場面で構成するレヴュー作品です。伝統的な男役の美しさを体現する朝夏まなとの魅力を、最高の輝きを放つ宝石に投影し、その輝きを最大限に味わえるレヴューとしてお届け致します。

 通常公演も終わり、『タカスペ』も終わり、1年の興行が全部終わった翌日、宙組情報が一気に発表された。

・トップ娘役ナシ
・まぁコンとずんバウ
・ウエクミ新作と稲葉ショー

 うわー、これは……。
 微妙な情報の出し方やな……。

 なんで微妙かというと、今後の人事を予想させる発表だから。
 似てるのはコム姫のときかな。

 トップスターなのに全ツへ行かず、年間公演予定にないバウと青年館の主演を追加発表、しかもその演出家がコム姫をミューズとしているオギー。
 そして、次の本公演がそのオギーの新作アテ書き作品と、景子たんの新作アテ書き作品。タイトルにある「タランテラ」も「堕天使」も、コム姫を表していると、ファンなら即察する特別な単語。

 こんだけ発表されたら、わかるよね。ああそうなんだ、と。


 それと、同じ印象だ。今回の宙組関連の発表。
 ここまで発表して、匂わせるだけで決定打を出さないとか。ファンは生殺しだよなあ。

 と思ったけれど、情報は情報でしかなく、これ以上のことは発表されていないんだから、先走ったことは控える。


 トップ娘役不在は、歓迎しない。
 わたしは古いヅカヲタで、トップスターとトップ娘役が並んでいるのが好き。
 トップ娘役ナシとか、2番手誤魔化しとか、大人の事情人事は嫌だ。宙組はいつまで不透明でいるんだろう。
 れおんくん時代の星組とか、今の雪組とか、ポジションがはっきりした、安定した体制が人気出る時代なのにな。

 とはいえ、うらら様がトップ娘役にならなくて、ほっとした。
 うらら様の魅力は認めているが、「トップ娘役」には不適格だ。劇団が大人の事情優先で彼女をトップ娘役にしなかったことに安堵した。うらら様のことだけでなく、劇団の今後についても。
 さすがに、あのレベルだと、どんな事情があってもトップにはしないんだ。それは朗報だ。劇団人事は不可解なことも多いが、最低限の舞台クオリティは必要だと思っている、ということがわかってよかった。

 音痴でもトップになっていい。だが、「声が存在しない」人は、トップになってはいけない。娘役ならば、「娘役の声」が出ない人は、トップ娘役になってはいけない。
 脇ならばいい。他に魅力があるのだから、声が存在しないならその音を出さなければいいし、娘役の声が出なくても単体で低い声で通せばいい。
 だが、トップ娘役には、「ソロ曲を歌う」「トップスターとデュエットする」という仕事がある。声が出なくてソロが歌えない、娘役の声が出なくて男役とデュエットできない、のでは務まらない。
 務まらないのだから、トップ娘役になってはいけない。
 ……そういう当たり前の決断を、劇団がしてくれたことを、ありがたいと思う。
 や、観客として。
 途中で消える歌声に、舞台への集中力をぶった切られるのはもう嫌だ。

 適材適所。
 うらら様はその美貌と気品で、脇の美女枠で活躍して欲しい。トップにこだわらなければ長くいられるし、持ち味の大人っぽさはむしろ学年が上がってからこそ武器になる。
 ……男役に転向してくれてもいいんだけどな。(まだ言う)

 でも、うらら様をトップ娘役に出来ないから、という理由でまぁ様がやもめになるとしたら、気の毒というか、大変だなあと思う。
 そこまで追い詰められるまで手を打てなかった劇団の思いきりの悪さ、そして、そこまで追い詰められてようやく鉈を振るった事実に、ドラマを感じる……ほんとに、なにがどうってるんだろうなあ。


 まぁ様のコンサートも楽しそうだし、なんつってもウエクミ新作!! すごい楽しみー! まぁ&うらら『翼ある人びと』大好きだったよー。

 ずんちゃんが早々に2回目のバウ主演というのは、宙組ならではだなあと思う。そして、毎回言ってる気がするけど、劇団はずんちゃんを育てる気なんだなと。なんで突然その気になったのか、未だにピンときてないんだけど。
 『New Wave!』『相続人の肖像』次のバウと、3連続主演って破格の扱いなんだけど、宙組だから目立たないというか、他の組で他の人がこの扱いならもっと騒がれるだろうなあ、とか。
 きれいでうまい人だから、大事に育てて欲しい。
 マサツカ作品は動きが少ないし舞台の情報量も省エネなので、カメラで登場人物をアップで撮るだけで済む。
 坐って会話するふたりを交互に撮るだけ、テレビドラマと同じ手法で問題ない。
 ゆえに、ライブ中継で事足りると思った。
 中継に向いてる、むしろ広大な劇場で見るより細部が伝わっていいはず、中継楽しみ。
 そう思って見に行った、『私立探偵ケイレブ・ハント』東宝千秋楽ライブ中継

 でも、期待に反して、ライブ中継はライブ中継でしかなかった。
 映像だと、伝わる情報が少ない。
 ちぎみゆの濃密な芝居を、映像だと映し切れてない感じ。

 変だなあ、まっつのときは映像の方がよかったのに……と首をひねり、はっと気がついた。
 そもそもわたし、ちぎみゆ場面はちぎみゆ見てるわ!

 えー、「まっつのとき」というのは、『La Esperanza』新人公演を指します。
 ナマ観劇したときと、あとからスカステで新公映像を見たときとで、印象がまったく違ったの。
 映像を見てはじめて、主人公のまっつがとてもいい芝居をしていることを知ったの。てゆーか、まっつが主人公なんだってことがわかったの。
 ナマで見ているときは、ぜんぜん彼が目に入ってこなくてね。
 わたしにとって『La Esperanza』の主人公は、ヒロインのあすかちゃんだった。彼女を中心に見ていたもんだから、まっつは「主人公の相手役」でしかなく、小さくて地味な彼は広大な舞台に埋もれ、意識して見ないとどうしているのかわからなくなりがちだった。

 あすか主役の青春物語。がんばる女の子の仕事と恋、そして人生。日常の中にあるよろこびとしあわせを綴ったハートウォーミング・ストーリー。本公演と違って、主人公カップルが「恋愛」していたから、本公演よりよっぽどラブストーリーだったけど、あくまでもヒロイン中心。
 そう思っていたから、テレビで見たモノが、わたしの見たモノと違いすぎてびっくりした。

 だって、スカステのカメラは忠実に「主演」のまっつを撮っていた。彼が台詞を言うときは、彼が映るのよ。
 ストーリー展開に従って、主役がアップになる。わたしが見たことのない人が、ばんばん映って、その人を中心に話が進む。
 舞台だとどこにいるのかわかんないくらい地味でも、テレビではアップで撮ってくれるから、画面に他の人は映らないから、彼が主役に見える。
 そうか、これ、そういう話だったんだ……!
 ナマで観たときは、知らなかった。

 わたしはナマ観劇派で、映像は基本見ない。『La Esperanza』新公だって、録画だけして、見ることなかった。
 新公当時は「地味で主役に見えない」とひどい評価をしていたにもかかわらず、その後まっつにすこーんとハマって。惚れ込んで。
 昔録画した、彼の新公主演作品を見直したのよ。

 そしたら、まっつはちゃんと「主役」だった。
 ナマとチガウ、「カメラ」という視点によって再構築された作品は、あの日わたしが観たモノとは、まったく別モノだった。

 で、カメラが映してくれるまっつを見ると、とてもかっこよくていい芝居してて、まっつとあすかの「恋愛物語」だった……ガチにラブストーリーだった……しかも泣ける……。

 てな経験が痛烈だったために。
 マサツカ芝居は映像も楽しい。映像イケる。そう思い込んでいた。

 『La Esperanza』新公映像が衝撃的だったのは、わたしが主役のまっつをろくに観てなかったためか。
 ナマで観ていないモノを、映像ではきちんと見せてくれた。だから感動した。
 しかし『ケイレブ・ハント』は。
 わたし、ナマでちぎみゆ観てる……めっちゃ観てる……凝視してる……。
 それで映像見ても、そりゃ情報量落ちるわ……ナマの方が得られるモノ多いわ……。


 期待したほど、楽しくなかったのです、マサツカ作品。
 ごめんよハリー、映像で収まるなんて誤解してて。収まりません、そんなもんであるはずがない。わたしが間違ってた。
 マサツカお約束の「心象をダンスで表現する」踊る男や女も映像だとろくに見えず、魅力半減。
 マサツカ作品だって、他演出家作品と同じです。映像は映像でしかない。
2016年を振り返る、その1・回数。
 今年の観劇回数を数えてみた。
 手帳に毎月の観劇数を書いてあるので、それを足すだけの簡単なお仕事。内訳を確認するのはめんどくさい(笑)。

 お手製の『フットルース』手帳に記してあったメモによると、82回ですな。
 2015年の観劇回数と比べるつもりで書いてたのに、2015年分を写すのめんどくせー、と1年間放置しきったのがわかる紙面(笑)。

 2015年が何回だったかおぼえてないけど、とにかく、減りましたな。
 ダブルしなくなったのは大きいな。劇場へ行く回数自体は、そんなに変わってないと思う。
 前はご贔屓の公演を午前午後観てたりしたから。
 今ははるばるムラまで行っても、1公演だけ観て帰る感じ。

 リピートしたい公演があっても、そんな公演こそチケットが取れなくて、大して観られずに終わったり。
 ご贔屓公演はたとえチケ難でもなにがなんでも通っていたから、そのあたりの差が年を追うごとに出て来ている気がする。

 ヲタをやめる予定はないので、ここいらでがつーんと恋に落ちて、ご贔屓に夢中になる日々を送りたいもんだ。
 うーん、恋はするモノではなく、落ちるモノだからなあ。求めたところで、どうしようもないもんなあ。

 だいもんは好きだけど、彼の芝居が好きなのであって、ご贔屓ではないしな。
 ご贔屓ではなくても、もっともっと、彼の芝居を観たいと思う。芝居歌を聴きたいと思う。

 ジェンヌに芝居を求めるから、なかなか恋が出来ないのだろうとは思う。
 だって、芝居って要するに、作品と役だもん。演技の天才がいたとして、モブで暗がりで台詞なし、だと出会うことが出来ない。
 良い作品の良い役をやって、それでわたしのツボにはまる芝居をしてくれて、はじめて注目する、わけで。
 芝居は姿と声がよくなきゃいけないから、さらに狭き門で。

 まっつは奇跡的確率で出会ったんだなあと思う。
 まず顔が好みだったから注目した。たとえモブでも、顔を観ているだけで楽しい。
 そして彼は、声が良かった。整った聞きやすい声をしていたから、表現出来ることが多かった。
 顔と声が好きだから、端役でも眺めること自体が楽しくて、そうやって眺めていたら芝居も好みだった。顔と声が好みでなかったら、芝居に気づくことはなかったか、あるいはかなり遅くなったと思う。番手が上がらないと役がもらえないから。「役がなくても眺めている」状態にはならなかったから。

 どこかに顔がちょう好みで、声が良くて芝居がうまい下級生いないかしら……。ショタの気はないので、ある程度育ってる方がいい……。

 路線スターに惚れたいなあ、と思うのは、芝居好きだから。
 スターでないと、芝居で大きな役はつかないし、恋愛する役も回ってこないもの。
 トップになるならないはこだわらないから、がっつり「芝居」を劇団から与えられる立場の人に惚れたいものです。

 ご贔屓が出来るまでは、観劇回数も増えないだろうな。ん? それはそれでいいのか。
 2016年の上演作品で観なかったモノは、宙組博多座『王家に捧ぐ歌』と、星組バウホール 『One Voice』 のみ。
(DSなど、劇団HPの「公演案内」に載らないジャンルのモノは省く。それと、『タカスペ』は中継のみ)

 博多座『王家に捧ぐ歌』は観たかった。けど、博多は遠い。
 観に行くかどうかを、友会に任せた。友会で当たったら、行く。はずれたら行かない。
 結果、はずれたので、行かなかった。
 チケットの入手手段は他にもあるので、友会任せにしたあたりが、わたしの現在の温度だ。ヅカヲタとしてのレベルが下がっている。
 また、誰か連れがいたら行ったと思う。……他力本願。自分では動けないくらい、レベル落ちてる。

  『One Voice』 は最初から観る気がなかった。
 わたしはみっちゃんと気が合わないので、行っても楽しめないだろうと思った。実際、観に行った友人から内容を聞いても「行かなくて良かった」と胸をなで下ろすモノだったし。
 現実問題、チケットも手に入らない。
 トップさんの退団イベントのバウ公演なんてもんは、ガチなファンだけで埋まって、わたしごとき「タカラヅカ好き、関西の公演は全部観る」というだけのゆるいファンのところには回ってこない。
 それでいい、わたしなんぞがいっちょかみするべきではない。

 あとの公演は、とりあえず1回は観劇した。
 本公演は基本2回以上、それに加えて新公1回。
 別箱はチケット取りにくいからあまり回数見られない場合があるな。でも関西公演は基本全部観る。歌バウも全組観たし。


 人事で驚いたのは、仙名さんのトップ娘役発表。これに尽きるわ。
 ヅカヲタやってそこそこ経つけど、新人公演無視人事に出会うのがはじめてだったから。

 みっちゃんとちぎくんの退団時期は見当が付いていたので、寂寥や思い入れゆえのショックはあっても、驚きとはチガウし。
 たまきちトップ発表は、去年のうちに道筋を付けられていたので、驚きはないし。

 ショックだったのは、れいこの組替え。
 れいこには雪組を継いで欲しかった。


 傾向として、劇団の歌唱力へのてこ入れは、わたしにはありがたい。
 やっぱり、「ミュージカルである」ことは、重要だと思うの。歌えないと、そこで表現が止まってしまう。損なわれてしまう。
 スターはある程度は歌えて欲しい。
 新公主演・ヒロインとして選ばれている人たちが、みんな歌える人たちばかりなのがうれしい。
 劇団の考え方って、新公世代に出るよね。


 相変わらずわたしはだいもんが好きで、彼を中心に観劇生活を組み立てた。
 だいもん主演だから『ドン・ジュアン』は神奈川まで遠征したし、作品と、だいもんの役がイマイチなので、『るろうに剣心』も『ケイレブ・ハント』も遠征はせず。

 雪組が好きなので、雪組だけは前もってしっかりチケ取りする。『星逢一夜』で後悔したので、「こんなにチケット取ってどうすんだ、大丈夫か」と思うくらいには、あらかじめ取っておく。
 おかげで『るろ剣』も『ケイレブ・ハント』もたっぷり観られた……正直、取り過ぎたと後悔するほどに(笑)。

 新公学年、宙組ではそらくんを観ている。星組ではあやなくんが気になっている。月組はあちくん浮上中。
 花組がいない……募集中。
 雪組も実は新公学年に目が行ってないのよ……回数いちばん観てるのに、いつも同じとこばっか観てるから。つばさくんのウインク数えてる場合かって(笑)。

 上級生はそりゃいろいろ、好きな人、観ている人はいる、各組。

 そんな感じかな。
 総じて平和なヲタライフ。
 新たな恋を探して彷徨う、愛の迷い子っす。←
 2016年の演目で好きだったのは、ぶっちぎりで『ドン・ジュアン』だ。

 作品とキャストにどハマリ。
 演出はKAATがいい。DCは変更されてしまって残念。

 この作品をやれる人だから、わたしはだいもんが好きなんだ。
 真彩ちゃんが組替えで来ることだし、いつかだいもん&真彩で再演して欲しい。歌えるヒロインで観たい。
 他キャストは初演ままでヨロシク!
 DCじゃなく、梅芸メインホールの方がいいかな。作品とだいもんのパワーは、DCでは狭すぎた。

 ここがおかしいとかわからないとか、些細なことはいい。この作品の醍醐味は、突然の嵐に翻弄され、一気に異世界へ連れて行かれる感覚だろう。
 空から伸びてきた大きな腕に鷲掴みにされて、この世とは別の混沌たる空間に連れて行かれ、脳をぐしゃぐしゃにされる感じ。
 苦しいはずなのに、脳はこの刺激を快感と判断している……ような、とんでもなさ。
 わたしがタカラヅカに求める「異世界感」を堪能させてくれる。
 オサ様時代を思い出すわ。わたしのカリスマに異世界へ連れて行かれた、あの陶酔感。
 ヒロインがミスキャストだったために、あちこち水を差されたのが残念。


 次に好きなのは……『Shakespeare〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』かなあ。
 『金色の砂漠』かなあ。

 作品の完成度でいえば、絶対『金色の砂漠』だ。『Shakespeare』はぶっ壊れすぎている。
 でも、感動するのは『Shakespeare』なんだよなあ。
 ……って、わたしが生田せんせと波長が合うだけかな。いっくんの書く物語が好きだわ。ぶっ壊れていても、そこにあるハートが好き。

 『金色の砂漠』はストーリーが好き。うまく組み上がった立体パズルを見る感じで、わくわくする。
 そのうまく組合ったところが好きなのであって、感動するとか泣けるとかいうことじゃない。や、泣くけど、わたしのなかでは涙のカテゴリが違っている。
 ウエクミ作品って、ハートで泣くというより、技巧で泣かされる感じ。『星逢一夜』で最後子どもたちが出てきて、「反則や、そんなん泣くに決まってるやん!」と言いたくなるような。
 わたしはそういう小賢しいギミック(笑)が好きなので、巧く仕掛けをしてくれると胸がすっとする。好き。

 いっくんはそういう巧さが欠けていて、むしろヘタっつーかヲイヲイ大丈夫か、って感じなんだけど、それすら勢いに変えて、心が勝手に泣き出す感じ。
 こういう作風は問答無用でわくわくする。好き。


 好きな作家がふたりもいてしあわせだなー。


 嫌いだったのが、『こうもり』と『NOBUNAGA<信長>』。
 整合性に欠ける作品はダメなのよー。ぐちゃぐちゃ過ぎて無理。
 その上、心も感じられないし。や、わたしには。
 相性が良くないのでしょう。
 谷せんせ、昔は好きだったんだけどなあ。英雄ばっか書いていた頃。せんせ自身の「オレはこれが好きなんだ、書きたいんだ」という鼻息が感じられた頃。今は消化試合している感じ。
 もう書けないなら、書かなくていいのになー。
 大野せんせはどうした。大野作品で最低ランクの出来だわ。物語としておかしい上に、誠意が感じられない……なんなのこのやっつけ仕事。
 タクジィは職人肌っぽいイメージだから、自分がやりたい仕事に当たれば、いい仕事をしてくれるかな。次回に期待。


 再演をあえてはずしたわけじゃなく、ほんとに好きな作品は新作ばかりだった。
 その年の当たり作が新作だなんて、しあわせだわー。未来は明るいわー。これから先、もっともっとステキな作品に出会えるかもしれないってことだもの。
 ……嫌いなのも新作だけど(笑)。
 それでも、わたしはタカラヅカに新作を求めるわ。タカラヅカならではの、オリジナル作品を求めるわ。
 え、『ドン・ジュアン』はオリジナルじゃないって? でも、タカラヅカ化してあるっしょ。その昔、イケコが『エリザベート』をタカラヅカ化したように。海外ミュージカルをそのまま持ってくるんじゃなくて、タカラヅカらしい潤色を施すこと。それは、タカラヅカの座付き作家の仕事だもん。

 2017年も、新作が豊富な年でありますように。

1 2

 

日記内を検索