ぞうきん色のかなしみ。
2003年5月17日 猫 我が家の今日の事件は、猫の毛並みについてだ。
ことのはじまりは、昨夜。
オレンジと電話していたわたしは、猫が目の前を横切っていくのをなにげなく見ていた。
そのときに、気づいたんだ。
「色、白い」
色というのは、猫の毛の色のことだ。
「あれ? なんか、色が白いっていうか、薄い。あれ? なんで??」
電話口で、本能のままに叫んだ。
うちの猫は、一見アメショーである。
正確には、アメショーとチンチラのハーフである。
顔と体格がチンチラで、毛の柄はアメショー。ショートヘア、というにはちょっと長い毛並み。
つまりアレだ、ホワイトタイガー。
白いカラダに、黒いシマ。
なのにふと、気づいたんだ。
たしかにあったはずの黒いシマが……なくなっている。
あれえぇぇえ??
この発見を、今日他の家族に話した。
「ほんとだ、たしかにシマがなくなってる」
「いつから?」
「背骨に沿って黒い線があったよね? アタマからしっぽまでつながる長い長い線。消えてるよ??」
「毛の模様って消えるもんなの?」
背骨の上を走る縦のトラジマはほぼ消えている。
それに垂直に左右に連なる横のトラジマは、薄くなっている。ほぼグレーだ。
毎日見ているだけに、変化に気づかなかった。
「なんか、だまされたみたい……。ボーダー模様のシャツを買ってきたのに、1回洗濯したら模様が全部消えちゃった、みたいな」
「この子がうちにきた最初は、模様がすごくはっきりしてたよねえ。おなかの両脇にある目玉みたいな模様とか」
「アメショーの証、みたいな目玉模様。ほんとに虎みたいにシマがくっきりしてたのに」
黒かったはずのシマがグレーになってしまった今。
「使い古しのぞうきんみたい……」
弟の表現が、いちばん的を射ていた。
そう。
美しさを誇ったはずのうちの猫は、気が付いたらぞうきん色の毛並みの猫に成り果てていた……!
白とグレーの混ざり具合がもー、まさに「汚れたぞうきん」!!
シマだったのに! トラジマだったのに! こんなまだら模様じゃなかったのに!!
何年か前、大劇場の売店で「ホワイトタイガー」のぬいぐるみを「うちの猫に似てる」って理由で買ってしまうくらい、きれーなシマが自慢の猫だったのに!
「見た目がいいのだけが取り柄の猫だったのにな」
我が家の歴代の猫たちの中で、今の猫がもっとも美しかったのだ。
ただし、外見の美しさと反比例して、歴代の猫たちの中で「もっともバカ」なのだが。
のーたりんでも、きれいだからゆるされていたのに!!
今じゃ、ぞうきん猫……。
何故だ?
あの美しいトラジマはもう返らないのか?!
ことのはじまりは、昨夜。
オレンジと電話していたわたしは、猫が目の前を横切っていくのをなにげなく見ていた。
そのときに、気づいたんだ。
「色、白い」
色というのは、猫の毛の色のことだ。
「あれ? なんか、色が白いっていうか、薄い。あれ? なんで??」
電話口で、本能のままに叫んだ。
うちの猫は、一見アメショーである。
正確には、アメショーとチンチラのハーフである。
顔と体格がチンチラで、毛の柄はアメショー。ショートヘア、というにはちょっと長い毛並み。
つまりアレだ、ホワイトタイガー。
白いカラダに、黒いシマ。
なのにふと、気づいたんだ。
たしかにあったはずの黒いシマが……なくなっている。
あれえぇぇえ??
この発見を、今日他の家族に話した。
「ほんとだ、たしかにシマがなくなってる」
「いつから?」
「背骨に沿って黒い線があったよね? アタマからしっぽまでつながる長い長い線。消えてるよ??」
「毛の模様って消えるもんなの?」
背骨の上を走る縦のトラジマはほぼ消えている。
それに垂直に左右に連なる横のトラジマは、薄くなっている。ほぼグレーだ。
毎日見ているだけに、変化に気づかなかった。
「なんか、だまされたみたい……。ボーダー模様のシャツを買ってきたのに、1回洗濯したら模様が全部消えちゃった、みたいな」
「この子がうちにきた最初は、模様がすごくはっきりしてたよねえ。おなかの両脇にある目玉みたいな模様とか」
「アメショーの証、みたいな目玉模様。ほんとに虎みたいにシマがくっきりしてたのに」
黒かったはずのシマがグレーになってしまった今。
「使い古しのぞうきんみたい……」
弟の表現が、いちばん的を射ていた。
そう。
美しさを誇ったはずのうちの猫は、気が付いたらぞうきん色の毛並みの猫に成り果てていた……!
白とグレーの混ざり具合がもー、まさに「汚れたぞうきん」!!
シマだったのに! トラジマだったのに! こんなまだら模様じゃなかったのに!!
何年か前、大劇場の売店で「ホワイトタイガー」のぬいぐるみを「うちの猫に似てる」って理由で買ってしまうくらい、きれーなシマが自慢の猫だったのに!
「見た目がいいのだけが取り柄の猫だったのにな」
我が家の歴代の猫たちの中で、今の猫がもっとも美しかったのだ。
ただし、外見の美しさと反比例して、歴代の猫たちの中で「もっともバカ」なのだが。
のーたりんでも、きれいだからゆるされていたのに!!
今じゃ、ぞうきん猫……。
何故だ?
あの美しいトラジマはもう返らないのか?!