ちょうどそのとき、母がわたしの部屋の隣にある、風呂を使っていました。
そのとき、ってのは、夜9時ぐらい。
わたしは『ぼくの魔法使い』を見るために、テレビをつけていました。
画面に映っているのは、ナイターです。阪神×巨人戦。こん畜生が終わらない限り、ドラマははじまりません。
まだ8回裏だよ、いつになったら終わるんだ……。
わたしは野球が嫌いです。
野球というスポーツに含むところはありません。ナイター中継を憎んでいるだけです。
いや、放送延長さえなければ、ゆるします。はじめから中継枠を3時間とか4時間とか取っておいて、それより早く終わったら、過去の名場面とかをえんえん流していればいいのよ。そうしたら、他人に迷惑をかけないのに。
わたしが野球を嫌いなのは、わたしに迷惑をかけるからです。
迷惑なモノを嫌いなのは、中庸な人間としてふつーのことだと思っています。
とまあ、大嫌いな野球中継を、苦々しくかけていたわけさ。パソコンの方の画面で他のビデオを見たり、DVDのダビングをしたりしながらな。
そしたら、叫び声とともに母が現れたのよ。
「阪神はどうなってるっ?!」
まだ2対4で負けてるよ。でもまだノーアウトだな。あれ、満塁になった。あれ、抜けたよ、ヒットだ、てことは1点入ったじゃん?
「ちがうわっ、ランナーいるから、同点よっ!!」
母、吠える。
ほんとだ、4対4になった。
母はひとりで次のバッターの解説をしている。知らねーよ、んなもん。
あ、打った。
「やったーっ、逆転だーーーっっ!!」
母、踊る。
わわわ、やめてよ、部屋が揺れる。本棚がぎしぎしスイングしてるよー。ひー。
てゆーか、ママ。
ぱんつ、はいてください。
すっぽんぽんで娘の部屋に着て、ナイター見て踊らないでよ……。
「だって、こんないいところでテレビから目を離せないわっ」
母は虎キチです。
タイガースと共に生きてます。
ああ、うざい……。
野球はこーやって、わたしに迷惑をかけるのです……。
そのとき、ってのは、夜9時ぐらい。
わたしは『ぼくの魔法使い』を見るために、テレビをつけていました。
画面に映っているのは、ナイターです。阪神×巨人戦。こん畜生が終わらない限り、ドラマははじまりません。
まだ8回裏だよ、いつになったら終わるんだ……。
わたしは野球が嫌いです。
野球というスポーツに含むところはありません。ナイター中継を憎んでいるだけです。
いや、放送延長さえなければ、ゆるします。はじめから中継枠を3時間とか4時間とか取っておいて、それより早く終わったら、過去の名場面とかをえんえん流していればいいのよ。そうしたら、他人に迷惑をかけないのに。
わたしが野球を嫌いなのは、わたしに迷惑をかけるからです。
迷惑なモノを嫌いなのは、中庸な人間としてふつーのことだと思っています。
とまあ、大嫌いな野球中継を、苦々しくかけていたわけさ。パソコンの方の画面で他のビデオを見たり、DVDのダビングをしたりしながらな。
そしたら、叫び声とともに母が現れたのよ。
「阪神はどうなってるっ?!」
まだ2対4で負けてるよ。でもまだノーアウトだな。あれ、満塁になった。あれ、抜けたよ、ヒットだ、てことは1点入ったじゃん?
「ちがうわっ、ランナーいるから、同点よっ!!」
母、吠える。
ほんとだ、4対4になった。
母はひとりで次のバッターの解説をしている。知らねーよ、んなもん。
あ、打った。
「やったーっ、逆転だーーーっっ!!」
母、踊る。
わわわ、やめてよ、部屋が揺れる。本棚がぎしぎしスイングしてるよー。ひー。
てゆーか、ママ。
ぱんつ、はいてください。
すっぽんぽんで娘の部屋に着て、ナイター見て踊らないでよ……。
「だって、こんないいところでテレビから目を離せないわっ」
母は虎キチです。
タイガースと共に生きてます。
ああ、うざい……。
野球はこーやって、わたしに迷惑をかけるのです……。