何故20年間黒髪トートがいなかったのか。@エリザベート
2016年7月23日 タカラヅカ 宙組『エリザベート』初日を観劇し、長年の疑問に答えを得た。
初演から20年間ずっと思っていた。
どうしてトートが黒髪ではないのか。
日本人が「死神」に持つ一般的なイメージは「黒」、したがって髪色も黒だろう。
マンガやアニメでも死神は黒髪だし。耽美でダークな美形キャラは黒髪だし。
なのにヅカのトートは銀髪基本。色を使っても基本変わらず、そのバリエーションにすぎない。
今回の宙組で、20年目にして初の黒髪トートが誕生した。
これが観たかったんだ!と喜び勇んで観劇し。
どうしてトートが黒髪ではないのか、の答えを目の当たりにした。
『エリザベート』の舞台で黒髪だと、背景に溶けて見えなくなる。
巨大なデコレーションケーキがくるくる回るよーな、植爺『ベルばら』とはチガウから。
『エリザ』の舞台って、暗い。
基本、背景が黒っぽい。
そして、トートの衣装は黒基調。いろんな色を着てはいるけど、どれも色調が暗く、落ち着いたものだ。蛍光ピンクとかイエローとか、全身純白とか、ヅカでよくある色は着ない。
暗い舞台で暗い服を着て、そのうえ髪の毛まで黒だと、背景に溶けてしまう。
トートが、目立たない……。
そして、タカラヅカの男役は基本肌を出さない。衣装で補正しているため、顔と手首くらいしか肌を出さないんだ。
黒尽くめのトートの白い部分というと、ほぼ顔のみになる。
まぁくんの丸い顔だけが、暗い舞台に浮かんでいる。
まるい……。
もともと丸いまぁくんの顔が、髪の毛が背景に溶けて見えない分、より丸さが強調されて見える。
まんまるトート……。
あ、新しいな……。
衣装は黒一色じゃないからカラダは見えるけど、首から上は顔だけ状態。髪の毛がナイ。丸い顔とあの特徴のある大きな目だけが見える状態。
時間が経てば目が慣れて髪も見えてくるけど、場面や照明が変わるたびにリセットされる。顔だけ→あ、髪の毛も見えてきた!
また、こちらが他のところを見たり全体を眺めているときは、髪が見えなくなって顔だけになるし。
いやー……ごめん、イケコ。イケコが正しかった、トートに黒髪はナイわ。
どうして歴代トートが明るい髪なのかわかったわ。黒だとこんなことになるんだ。
マンガやアニメとはチガウね。黒は舞台だと光を吸収しちゃうんだね。
雪組『ロミオとジュリエット』のエピソードを思い出した。
ベンヴォーリオ役のまっつが黒髪のカツラを用意していてスチール撮りもそれで済ませていたのに、舞台稽古の段になって突然イケコがNG出して、カツラを変えさせられた件。
舞台に乗ると、黒髪だと沈んでしまうからだって。
それでベンヴォーリオは初日直前に、あの金黒ツートンの不思議なカツラになった、と。用意するの大変だったらしい……お茶会で語ってたんだっけ。
ベンヴォーリオだけでなく、マーキューシオもそれで急遽カツラの手直しが入ったんだっけ。スチールとはまったくちがう派手な色になってるもんな。やっぱ実際に板の上に乗ってみないとわからないことなんだろうな。
『ロミジュリ』も舞台が概ね暗いからなー。キラキラ系じゃないからなー。
黒は沈んでしまうんだ。
それと同じことなんだ。
たぶん、前方席で観れば、髪色が背景に溶けて白い顔だけ見える、なんてことはないんだと思う。前方席と後方席では認識出来る明るさがチガウから。
後方からだと暗転はナニも見えないけど、前方だと暗転しても舞台で動いている人は見える。
イケコにしろ小柳タンにしろ、前方席に坐って舞台稽古を観たんだろうなあ……。
まぁ様が細面の人ならまだよかったんだけど、髪色のせいで輪郭の弱点が剥き出しになってるっす……これは気の毒だ……。
1幕はほんと、トートの「髪の毛ナシ顔だけ」状態に慣れなくて、気になってしょーがなかった。
「生まれてはじめて観る『エリザベート』」なら最初から「そういうもん」と思って気にならなかったかもだが、なまじ初演からずっと通っている者としては、「歴代と圧倒的にチガウ」部分には反応してしまう。
2幕になれば目も慣れて、「そういうもん」と思えるようになったけど。
……ふつーの髪色のまぁ様トートが観たかったな……。輝度の高い髪色は、まぁ様の丸顔を膨張させたかもしれんけど、そこは髪型と差し色メッシュで工夫してだね……。
今回の『エリザベート』は舞台の光がよく届くSS席でこそ、良さを味わえる演出になっているんだろう。まあ、生の舞台だからそういうことがあるのは仕方ないね。
SS席で観る日もあるので、それを楽しみにしよう。
見た目はともかく、キャラとしてまぁ様はトート合ってるのにな。歌もよく歌えてるし。
まぁ様は毒のあるキャラがハマる人だと思う。ガラスは歪みがある方が陰影があって美しく色づくの。
初演から20年間ずっと思っていた。
どうしてトートが黒髪ではないのか。
日本人が「死神」に持つ一般的なイメージは「黒」、したがって髪色も黒だろう。
マンガやアニメでも死神は黒髪だし。耽美でダークな美形キャラは黒髪だし。
なのにヅカのトートは銀髪基本。色を使っても基本変わらず、そのバリエーションにすぎない。
今回の宙組で、20年目にして初の黒髪トートが誕生した。
これが観たかったんだ!と喜び勇んで観劇し。
どうしてトートが黒髪ではないのか、の答えを目の当たりにした。
『エリザベート』の舞台で黒髪だと、背景に溶けて見えなくなる。
巨大なデコレーションケーキがくるくる回るよーな、植爺『ベルばら』とはチガウから。
『エリザ』の舞台って、暗い。
基本、背景が黒っぽい。
そして、トートの衣装は黒基調。いろんな色を着てはいるけど、どれも色調が暗く、落ち着いたものだ。蛍光ピンクとかイエローとか、全身純白とか、ヅカでよくある色は着ない。
暗い舞台で暗い服を着て、そのうえ髪の毛まで黒だと、背景に溶けてしまう。
トートが、目立たない……。
そして、タカラヅカの男役は基本肌を出さない。衣装で補正しているため、顔と手首くらいしか肌を出さないんだ。
黒尽くめのトートの白い部分というと、ほぼ顔のみになる。
まぁくんの丸い顔だけが、暗い舞台に浮かんでいる。
まるい……。
もともと丸いまぁくんの顔が、髪の毛が背景に溶けて見えない分、より丸さが強調されて見える。
まんまるトート……。
あ、新しいな……。
衣装は黒一色じゃないからカラダは見えるけど、首から上は顔だけ状態。髪の毛がナイ。丸い顔とあの特徴のある大きな目だけが見える状態。
時間が経てば目が慣れて髪も見えてくるけど、場面や照明が変わるたびにリセットされる。顔だけ→あ、髪の毛も見えてきた!
また、こちらが他のところを見たり全体を眺めているときは、髪が見えなくなって顔だけになるし。
いやー……ごめん、イケコ。イケコが正しかった、トートに黒髪はナイわ。
どうして歴代トートが明るい髪なのかわかったわ。黒だとこんなことになるんだ。
マンガやアニメとはチガウね。黒は舞台だと光を吸収しちゃうんだね。
雪組『ロミオとジュリエット』のエピソードを思い出した。
ベンヴォーリオ役のまっつが黒髪のカツラを用意していてスチール撮りもそれで済ませていたのに、舞台稽古の段になって突然イケコがNG出して、カツラを変えさせられた件。
舞台に乗ると、黒髪だと沈んでしまうからだって。
それでベンヴォーリオは初日直前に、あの金黒ツートンの不思議なカツラになった、と。用意するの大変だったらしい……お茶会で語ってたんだっけ。
ベンヴォーリオだけでなく、マーキューシオもそれで急遽カツラの手直しが入ったんだっけ。スチールとはまったくちがう派手な色になってるもんな。やっぱ実際に板の上に乗ってみないとわからないことなんだろうな。
『ロミジュリ』も舞台が概ね暗いからなー。キラキラ系じゃないからなー。
黒は沈んでしまうんだ。
それと同じことなんだ。
たぶん、前方席で観れば、髪色が背景に溶けて白い顔だけ見える、なんてことはないんだと思う。前方席と後方席では認識出来る明るさがチガウから。
後方からだと暗転はナニも見えないけど、前方だと暗転しても舞台で動いている人は見える。
イケコにしろ小柳タンにしろ、前方席に坐って舞台稽古を観たんだろうなあ……。
まぁ様が細面の人ならまだよかったんだけど、髪色のせいで輪郭の弱点が剥き出しになってるっす……これは気の毒だ……。
1幕はほんと、トートの「髪の毛ナシ顔だけ」状態に慣れなくて、気になってしょーがなかった。
「生まれてはじめて観る『エリザベート』」なら最初から「そういうもん」と思って気にならなかったかもだが、なまじ初演からずっと通っている者としては、「歴代と圧倒的にチガウ」部分には反応してしまう。
2幕になれば目も慣れて、「そういうもん」と思えるようになったけど。
……ふつーの髪色のまぁ様トートが観たかったな……。輝度の高い髪色は、まぁ様の丸顔を膨張させたかもしれんけど、そこは髪型と差し色メッシュで工夫してだね……。
今回の『エリザベート』は舞台の光がよく届くSS席でこそ、良さを味わえる演出になっているんだろう。まあ、生の舞台だからそういうことがあるのは仕方ないね。
SS席で観る日もあるので、それを楽しみにしよう。
見た目はともかく、キャラとしてまぁ様はトート合ってるのにな。歌もよく歌えてるし。
まぁ様は毒のあるキャラがハマる人だと思う。ガラスは歪みがある方が陰影があって美しく色づくの。