『ドン・ジュアン』不満点。

 翼くんに、歌がない。

 えええ。
 せっかくの歌重要ミュージカルで翼くんに歌ナシとか、つまんないーー!

 や、単にわたしが翼くんスキーなもので。
 モブでは翼くん眺めるのが常なので。
 歌えるし踊れるし芝居できるし、お顔はちょいとファニーだけどスタイル良しの素敵な男の子なのになー。なんで扱い上がらないんじゃろ……と、勝手に残念に思っています。

 で、翼くんと言えば死に芝居! ですよ。
 わたしは彼の死ぬ芝居が大好きです。
 今回も戦場場面に出てきたのを見て「これは……!」と期待を込めてロックオン、キタよキタ、来ましたよ、死に芝居!

 舞台の隅っこ、ろくにライトも当たらないところで、翼くんはまた見事に死んでいきました。
 撃たれてから絶命するまで、表現が細かくて「うわーー」と思う。崩れ落ちるときはすでに意識がないんだよね……生き物から物体になって、重力に引かれて身体が折れていく。
 見ててこわい死に方する……リアルで、ぞっとする死に方。
 ……映像には残ってないんだろうなあ。いい死に方するのになあ。

 翼くんの役はスガナレル。ドン・ジュアンの家の執事ポジションかな。お芝居の相手はジュアンパパのドン・ルイ@エマさん限定。たぶん、それなりの年齢の役。少なくとも小僧っこじゃない。
 悪くはないけど、とくにどうとは思わない演技だったなと。

 翼くん、見た目は老けてないというか、ほんとのとこ年配役は柄じゃないと思う。ひょろっとしていて小顔の「若いにーちゃん」体型なのよね。大顔小柄の「年代が主人公たちとはチガウと思われる」体型ではない。
 声も低くないし、全体的に「軽い」から、彼にアテ書きしちゃうとまぬけな警官@『るろうに剣心』みたいなのになっちゃうんだと思う。
 おっさん役が出来れば重宝されるけど、翼くんはどうなんだろう。新公では年寄り役ばかりだけど、それは向いているからではなくて立場的にそういう役割が回ってくるというだけだろうし。(路線ではなくて芸達者だと、管理職や専科さん役が回ってくる)
 『ローマの休日』でまなはるの年配役を観て「ほんとのとこは向いてない」ことを改めて考えちゃったからなあ。や、まなはるは年寄り役をよくやっているけれど、やはりそれは「路線ではなくて芸達者だと、管理職や専科さんがやるような役が回ってくる」というだけのことで、小顔のスタイル良しさんは、ヒゲぐらいではおっさんにはならないのよね……頭身が若者なんだもん。
 がおりくらい極めればいいのか……がおりさんもスタイル美形だけど、それでも年配役総ナメしてるもんな。
 年寄りまで8頭身とか、とんでもないのがタカラヅカらしさではあるのだし。

 今回つばさくん、役は付いているとはいえ、「タカラヅカ」的には縣くんやすわっち以下の扱いに思える。
 つまり、今後立ち位置はさらに厳しくなっていくんだろう。
 長くいてくれるといいな……。
 ライトも当たらない舞台の隅っこで、あんだけ本気で死ぬような人だから、ほんとに舞台が好きなんだろう。
 まだまだいてほしい、いてくれると思いたい。


 『ドン・ジュアン』は真ん中の圧が大きすぎて、周囲を観る余裕がない。
 ドン・ジュアン@だいもんから目を離せないし、離したくない。彼単体で情報量が多すぎて、受け止めるだけで精一杯。
 加えて、ドン・カルロ@咲ちゃん、エルヴィラ@くらっちも、ずーっとドラマを追い続けていたいと思わせる。
 そのうえ亡霊@がおりさんですよ、もうひとりのドン・ジュアンですよ。
 真ん中4人がこんな重い人たちだと、ほんとに目が足りないのよ。

 きれいどころがたくさん出演しているのに、モブだろうがなんだろうが眺めたい人たちもいるのに、ろくに意識を向けられない。

 モブでもうきちゃんきれいだし、ひまりちゃんが小悪魔的だし、色気はないけど(笑)踊っているひーこには振り向かされるし、星加&眞ノ宮という美形若手気になるし、まさかのブリッジ状態でタップを踏むジジくんすげーし、すわっちはナニしてても目に飛び込んできて困るし。
 あー、男役は全体的に下級生メインな分、いろいろ大変そう。女の子たちは下級生でも「アタシ、いい女よ!!」とスカートたくし上げて色香振りまいてますが、男の子たちはそんな女性陣に押されているというか。や、愛しいな雪オトコたち(笑)。

 もっともっと観たいのにな。
 マジ、チケットないんで観られないっす。

 現在のだいもんにDCは狭すぎたな……。
 KAATぐらいのキャパが必要な公演だったと思う、『ドン・ジュアン』。

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