雪組公演『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』千秋楽の日。
 わたしは朝から夜まで、フルコース参加してきた。
 ここまでフル参加はめずらしいな。大抵大楽当日は、当日券の抽選に並んでいるため、入りのギャラリーはあまり出来ないんだ。ちょうど時間がかぶるから。
 でも今回は、当日抽選なんてぬるいことはしない。「見られなくてもあきらめられる」公演じゃないためだ。
 チケットを前もって用意してあるから、朝は入りに集中できる。

 てことで、張り切って早朝から花の道にスタンバる。
 トップスターのえりたんが白服禁止令を出したそうで、トップがそうだと下は従うしかない、みんな白服じゃないのかと危惧したが、よかった、退団者たちはみんな白服だった。
 やっぱり白い服の退団者の入りを見るのはいい。自由な服装で御輿を担いでいいと言われても、祭りの御輿はお揃いのはっぴを着てなんぼだ。盛り上がりが違う。
 わたしは花の道から眺めているだけだけど、退団者とそのファンが白い服を着ているのはいいと思う。
 それは「白装束は宗教的でおかしい」「異様な光景だ」という話とは、別。
 異様であることはわかっている。でもそんなことをいったら、厚化粧した女性が男役だ娘役だと舞台でなんかやってること自体異様だ。台詞を歌にしていることだって異様だ。
 異様なことがいけないというなら、恥ずかしいというなら、この文化は100年も続いていない。
 変化しながら変わり種やら異端児やらも輩出しながら、それでも本流は変わらずにある。
 白服文化もいずれ変わっていくのかもしれないが、今現在のファンであるわたしは、タカラヅカの大切な慣習だと思っている。
 贔屓組であろうとなかろうと、そのジェンヌへの好悪関心の度合いに関係なく、千秋楽を観劇時、白服を着た人たちを見かけるとおごそかな気分になる。心の中で敬礼する感じというか。
 敬意と祈念の思いを抱く。

 それを奪ったえりたんは、罪なことをするなと思った。
 楽屋口前の広場を埋め尽くした、ふつーの服装の人たちを見て。
 単純に、見ててきれいじゃなかった。
 どんな服装でも、集団になって立ったり坐ったりしてる段階で異様だしな。

 花の道に近い場所にずらりと並んだまっつ会の人たちは、ちゃんと白服でうれしかった。
 やっぱコレだよなあ、と。

 とまあ、ここまで白服礼賛しておいて、だ。

 肝心のまっつが白服じゃなかった件(笑)。

 しかも、ファンの前にろくに立ち止まりもせず、話も声かけもなく、「じゃっ!」て感じにさっさと入っていってしまった。

 ほんとダメだな、あの人。

 いちおー白服着てくるくらいの気遣いしろよ。
 ファンの思いに応えてやれよ。

 と、がっくり肩を落としました。
 ……が、その落とした肩が、笑いに震えるのが、まっつファン。
 いやあ、さすがまっつだ!

 あとでその白服メンバーのまっつメイトと合流してごはん食べたんだけど、みんな「さすがまっつ」とウケてた。「退団するからって優しくされてもびびる」と。……ほんとにみんな、塩対応に慣らされちゃって(笑)。
 そーだねー、退団するからって手のひら返されたらそれはそれで複雑だよね、優しくできるなら普段からしてろって。
 まっつの態度がどうあれ愛してきた人たちは、今さらブレたりしない。まっつがブレずにまっつであるように。

 まっつ本人が黒服着て卒業するとしても、ファンは勝手に礼節として白服に身を包み、慣習通りに見送るんだ。
 いやあ、どっちも強いな(笑)。

 そして。
 えりたんを迎えるために雪組メンバー勢ぞろい、その中のどこにまっつがいるのか、最初なかなかわからなかった。
 でも唯一わかることは、御輿の担ぎ手には入ってないこと。
 まっつがそんな力仕事、するわけないじゃんねー(笑)。
 だから探すのは、力仕事以外。

 まっつは高札係でした。ええ、高札を持ってただ立っているだけで、「かっこいい」と言ってもらえる役。(by咲ちゃん)

 雪組のジャイアン、ソウカズホをみんなで迎え、イベントが終わってはい撤収、というときに。

 まっつさんは、集まった壮さんファンのみなさん相手に、ぺこぺこと頭を下げてました。
 ……自分のファンにはあの冷淡対応で、よそさまにはソレかいっ!!

 ぺこぺこ頭を下げるまっつは、見慣れたまっつだった。
 わたしが目にするまっつ、って、むしろこっちだったよなあ。
 ふつうに腰の低い、人のよさそうそうな人。
 なんであんなクールキャラになっちゃったのやら。
 いや、クールキャラだからこそ、こうしてぺこっとするのがまた、かわいいんだよなー。

 黒服でファンをスルーした姿を見た後なだけに、かわいさにもだえた(笑)。

 あー、まっつかわいー。

 朝から夜までフルコース、そしてこの日はほんと、「ちょ、まっつ……!!(絶句)」に終始した1日だった。

 続く!(笑)

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