雪組公演『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』千秋楽の日。

 この日、何度「ちょ、まっつ……!!(絶句)」と思ったことか。

 入りからこれでしょ?(前日欄参照)
 で、袴姿で大階段下りて、最後の挨拶。

 タカラヅカへの愛も、ファンその他への感謝の言葉も、いっさい口にしない退団挨拶をはじめて聞いた。

 ブレない。ブレないわー、まっつ。
 ほんとダメだな、あの人。
 また、そう思った。や、ほんとに。

 決意表明はいいから、まずひとこと言っておこうよ。バカだなー。

 まっつを見ていれば、いろんなことに感謝していることは、わかる。
 気遣いがあることも、わかる。
 それはまっつにとって当たり前のことだから、いちいち言葉にしないんだろう。「空気ありがとう、空気がないと生きていけません」といちいち言わないのと同じで。
 それはわかるけど、こういう場では口にしようよ、大人なら!
 感謝を言葉にした上で、自己主張しようよ。礼儀を守らない人の言葉は、その主張がどうであれ他人には「聞く価値なし」と判断されるよ?

 それをひっくるめて「今更生き方を変える気はありません」なんだろう。
 ほんと、損ばかりする人だ。自業自得とはいえ。
 もっとうまく立ち回ってほしいと思う。
 でも、それを含めてまっつはまっつ、今さら損得で態度を変えられても嫌かな。
 好きにしてくれ。

 わたしが「男役・未涼亜希」を好きなことに変わりはない。

 だからこの阿呆な挨拶にも「ちょ、まっつ……!!」とあきれつつ突っ込みつつ、苦笑した。
 ブレないなー。ほんっとにブレないなー、未涼亜希(笑)。

 トップ以外は学年成績順というタカラヅカのルールに従い、まっつの大階段を下りる順番はすずちゃんのあと、ゆめみさんの前だった。
 またしてもえりたんの隣には並べないんだな、と落胆した。挨拶順に並ぶから、えりたんの上手側はあゆっち、下手側はゆめみさん、まっつはあゆっちの隣か。『My Dream TAKARAZUKA』中詰めの残念感再びかあ。

 そう思っていただけに、挨拶が終わった後、並ぶ順番が左右交互でなく、まっつとゆめみさんだけイレギュラーな動きをしたのには、目を見張った。
 よかった! 最後の並びだけは番手順にしてくれるんだ!

 ということで、えりたんをまっつとあゆっちが挟む形になり、まっつからえりたんへの告白を聞くことが出来た。
 中詰めと同じ並びだったらまっつ、デレることはしなかったかもしんない。ありがとうありがとう。

 や、この最後のひとことのときぐらい、感謝の言葉を聞けるかと、ちらりと思いはしたんだけど、こいつ、やっぱ自分のことしか言いやがらねえ(笑)。ほんとブレない。

 さんざん自分のことだけ語って、それだけで終わるのかと思いきや、脈絡なくさらりと「壮さん大好きです」と言い放つとか、ほんとタチ悪い。
 魔性の男役め(笑)。ハマると抜けられない。
 えりたんを好きというのも、まっつ個人の勝手なことなので、ほんとに自分が言いたいことしか言ってない。どこまでも自分本位!

 えりたんがいてくれて良かったなと思う。
 ほんとにもお、心から思う。えりたんは昔からずっと、わたしの救いだ。


 で、さらにもう一発、最後の最後、退団バレード。

 退団者を先導する形で歩いている正装したおじさんが、いわゆる「生徒監」のおとうちゃんですか?
 その男性が、退団者ひとりずつに「あちらを回ってから車に乗って」と指示していた。
 退団者は自分の車の前に来ると、早く車に乗り込むことしかアタマになくなるらしい。これは今まで見てきた、大抵の人がそうだった。車の前がマスコミ撮影場所でもあるので、撮影が終わったら一刻も早く!!って感じに車に乗り込もうとする。
 車の反対側にも見送りのファンはたくさんいる。つか、会に入ってない一般ファンはまさにその「車の反対側」にいるんだってば。大抵の退団者はそのことに気づかない。見えてないんだろうな、いっぱいいっぱいで。
 ヅカは会に入って応援してナンボ、なのはわかるけど、でも、一般ファンにも愛の手を!!
 今回の男性は、反対側にいるファンにも心を配ってくれる人だった。すぐに車に乗りたがる退団者を引き留めて、一般ファンの方にも挨拶するように促す。
 一般ファン席ったって、その前で何列にもなってしゃがんでるのはえりたん会の人たちだしね。かなりの人数がそこに固まっているのよ、そこにも挨拶に来てくれたら、すごくすごくうれしい!!

 そして、単に気づいてないからスルーしてただけで、あちらにも見送りのファンがいる、とわかれば、どの退団者も快く顔見せに来てくれる。
 あだちゅうかわいい、さらちゃん天使、ザッキー男前、すずちゃん聖少女! てな風に、前まで来てくれた退団者たちに、車の反対側を埋めたわたしたちはきゃーきゃー言ってました。

 そして、まっつ。

 まっつは、高速回転でした。

 ちょろっとやってきて、すたたっと去って行く。
 滞在時間、数秒(笑)。

 「早っ!!」という声が、あちこちから上がる。

 その後の礼儀正しいゆめみちゃん、はにかみつつスターとして心を配ってくれたあゆっち、サービス精神満点のえりたんも含め、愛想のなさ、No.1!!

 最後の最後まで、「ちょ、まっつ……!!(絶句)」

 いやあ……すごいわ……ブレない……ブレなさすぎだわ、まっつ……。


 も、爆笑もんです。
 泣き笑いです。

 まっつがほんとにまっつで、大好きです。

 好きにすればいいよ。
 残念ながらわたしは、まっつを失うことに整理なんかまったくついてなくて、過去ばかり見てうだうだゆってますんで、お茶会でまっつ自身が言ったように「置いていかれる」のでしょう。
 まっつのしあわせはどこか他にあるのかもしれないけれど、とりあえず、まっつがいなくなることは、わたしの不幸だ。わたしはまっつのせいでこんなにつらいし、悲しい。まっつのせいで毎日泣いてる。
 だけど。

 わたしは、まっつがしあわせであって欲しい。

 それだけは、確かだ。
 サヨナラショーの幕が閉まる瞬間、顔をくしゃくしゃにして笑っているまっつを見て、心から、思った。
 君がしあわせであること。それが絶対に必要。
 しあわせであってほしい。ほんとに。ほんとに。

 わたしは、不幸だから、ぐちぐち言うけどな(笑)。

 まっつがまっつであること。
 「ちょ、まっつ……!!(絶句)」であること。

 それが、愛しい。

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