調和と役割と。@壮一帆サヨナラショー
2014年7月17日 タカラヅカ 『壮一帆サヨナラショー』で、まっつが歌う歌は、『ブラック・ジャック』主題歌だと思っていた。
理由は、まっつ主演作の主題歌であることがひとつ、そしてなによりもみんなが知っている有名曲だということ。
「未涼亜希サヨナラショー」とか「未涼亜希ディナーショー」なら、まっつファンしか知らないマニアックな曲を歌ってもいいが、『壮一帆サヨナラショー』で歌っていいのは、「壮さんファンが知っている」「雪組ファンが知っている」曲だ。
えりたんが雪組トップとなった2013年以降の公演から選ぶのがベスト。えりたんが意志を持って「トップ時代の公演曲しか使わない」としているなら、なおさら。
過去何度も観てきた。サヨナラショーで、客席の大半が知らない曲を歌う退団者を。
サヨナラショーのある千秋楽の客席にいるのは、コアなヅカファンであり、みんな退団者への敬意や愛情をもってそこにいる。
知らない曲でも、みんな「退団者にとっての大切な曲なのね」と温かく見守る。でもそのあとに、別の退団者が「みんなのよく知っている、みんなにとっても思い出深い曲」を歌い出すと、ざーっと空気が動く。待ってました、というように。引いて「見守っていた」空気が、わーっと押し寄せ「共感する」。
わたしは、「知らないけど、引いて見守る」よりは、「なつかしい! 好きだった!」と盛り上がる選曲を支持する。
繰り返すが、まっつ主演公演ならそんなことは思わない。マニアック上等だ。
でも、主演はまっつじゃない。えりたんの公演なんだ。えりたん主演ショーの中での調和、まっつをよく知らない人でも楽しめるようにすることが、重要だと思う。
他になにもめぼしいソロ曲を持たない人なら、仕方ない。
でも、「まっつといえば『BJ』だよね」と誰もが知る有名曲を手札に持っているんだ。
それを使わない手はないだろう。
コアなまっつファンじゃない、いろんな立ち位置の人みんなが納得の1曲。それが、「かわらぬ思い」@『BJ』。
BJのマントひとつでコスプレOK、金髪のまま前髪下ろして「かわらぬ思い」を歌いながら銀橋を渡る。
それが、まっつの「仕事」だと思った。
まっつ主体で考えてない。
わたしはヅカヲタで、ヅカのピラミッド制度を認めている。まっつの立ち位置ならば、そうするべきだと思った。
また、誰も知らない歌を歌って、客席が静かに引き気味になる、あの感覚を味わいたくなかった。
「まっつといえば『BJ』」だと誰もが思っているだろうに、それを裏切って客席がぽかーんになる、それだけは勘弁!
そう思っていたんだ。
トップ至上主義のヅカを愛する1ヅカヲタとして、客席に温かく見守られる贔屓を見たいとささやかなな願いを持つファンとして。
『壮一帆サヨナラショー』でまっつが歌っていい曲は、『BJ』だと、思っていた。
次善の案として、『インフィニティ』があった。
2012年のキムくんトップ時代、えりたん就任前の作品だから、相応しくないことはわかっている。
が、世の中的にまっつが『インフィニティ』という作品で主演したことぐらいは、知られているだろう。2年半前の作品であるため、テレビ放送も再三されているし。
実際に観劇した人が少なくても、『インフィニティ』の主題歌は「♪インフィニティ」となんども繰り返す曲だ。これならば、客席の大半が「知らない曲」だとしても「ああ、『インフィニティ』か」とわかる。
この「わかる」ことは重要。心の落ち着くところがあるかないかで、ノリが変わるもの。
また、ソロだけに留まらず、組子たちをまじえての明るいにぎやかな場面に出来る。
ショーを盛り上げるアイテムとして使える。
にぎやかで明るい、スパイスになる、という点において、ちょっとひねって『インフィニティ』のインドはありかなと思った。
「マッツマハラジャ」は、それがなにかわからない人でも、「まっつ」と名前が入っているので、「退団者のお祭り場面」としてギリギリセーフかなと。
燕尾にターバンひとつで「マッツマハラジャ」になるまっつと、やはり燕尾とドレス姿でインド人になりきる組子たちと相まって素敵にカオス! だと思う。(衣装は前後場面の関係で燕尾とドレスだと勝手に決めつけている)
こんだけいろいろ考えて、「サヨナラショーでまっつ、なにやると思う?」「銀橋でBJ歌って終了でしょ」と答えていた。
サヨナラショーにおいての、同時退団者の見せ場なんて、期待してない。主役はあくまでもトップさん。トップさんを支えることに徹して当然。
わたしが観たかったのは、まっつ主演公演だ。ドラマシティでもディナーショーでもいい。
サヨナラショーなんかどうでもいい、トップさんと同時だとチケット取れないし高いし、ふつうになにもない公演でDSやって辞めてくれる方が百万倍うれしい。
てゆーか辞めるのやめて。(まだ言う)
そんな感じだったんですよ。
だからね。
「愛の柩」でソロを歌いに出てきたまっつが、なんかすごくあわてていることが、異様で。
トップコンビのデュエットダンスに花を添えるソロ歌手、ですよ、すげー役ですよ、まっつがどんなに歌ウマでも劇団は絶対やらせてくれない、「将来のトップ候補3番手」か「2番手」役ですよ。
そんないい場面なのに、まっつ、すっげーあたふたしている。次の段取りに必死なのがわかる。
あわてて出てきて「はいはいはい!」って感じに歌って(そんな感じなのに、ものすげー美声!笑)、大あわてで引っ込む。
着ている衣装も、「下にナニか着てます! 次の用意してます!」てのが丸わかりのガウン……ぢゃねえ、ロングコート。
ナニこのばたばた感。
……と、思っていたら。
えりあゆがびしっと決めたあとの暗転した本舞台に、下手からすたすた歩いてくる、見慣れた小さな影。
大階段前、舞台センターにスタンバイする姿。
「スペイン」かよ!!
ついこの間、キキカレーが着ていたあのマタドール衣装で。
今まさにテレビで放送中、目新しくなくなってるあの衣装で。
うわこれ絶対みんな知らない、「まっつ、ナニはじめたの?!」って思ってる!
てゆーか「スペイン」ってけっこう長いよね? ありちゃんのソロがないとしても、歌とダンスソロでまるっと1場面だったわけだが、ソレをイマココ、『壮一帆サヨナラショー』でえんえん繰り広げる気? えソレいいの、ちょっとKYなんぢゃ……?!
さすがにそこまでぶっ飛ばすことはなく、短縮バージョンでした。ちぇっ。←
なんというか、ものすごく、「まっつ」でした。
そうよね、あのまっつが、空気読むわけないよねー。自分がやりたいことやるに決まってるよねー。
わかってた。うんほんとは、わかってた。
ただわたしはヅカヲタとして、「客観性を持ってプロデュースする」舞台人を観たかったんだ。
空気読んで、自分の役割を自覚して、穏便に済ます研17にもなるタカラジェンヌを観たかったんだな。
ソレが出来る人なら、今このタイミングで辞めないよなー。ははは。
そして。
客観性だとか空気だとかピラミッドだとか。
いろいろいろいろぬかしている、この理屈っぽい頭でっかちのこのわたしが。
全力で、まっつのこの選曲に感動した。
てへ。
えんえん文字数懸けて理屈こねてますが。
ようするに、コレが言いたいんだな。
『壮一帆サヨナラショー』のまっつが、すごかったっ!!
続く。
理由は、まっつ主演作の主題歌であることがひとつ、そしてなによりもみんなが知っている有名曲だということ。
「未涼亜希サヨナラショー」とか「未涼亜希ディナーショー」なら、まっつファンしか知らないマニアックな曲を歌ってもいいが、『壮一帆サヨナラショー』で歌っていいのは、「壮さんファンが知っている」「雪組ファンが知っている」曲だ。
えりたんが雪組トップとなった2013年以降の公演から選ぶのがベスト。えりたんが意志を持って「トップ時代の公演曲しか使わない」としているなら、なおさら。
過去何度も観てきた。サヨナラショーで、客席の大半が知らない曲を歌う退団者を。
サヨナラショーのある千秋楽の客席にいるのは、コアなヅカファンであり、みんな退団者への敬意や愛情をもってそこにいる。
知らない曲でも、みんな「退団者にとっての大切な曲なのね」と温かく見守る。でもそのあとに、別の退団者が「みんなのよく知っている、みんなにとっても思い出深い曲」を歌い出すと、ざーっと空気が動く。待ってました、というように。引いて「見守っていた」空気が、わーっと押し寄せ「共感する」。
わたしは、「知らないけど、引いて見守る」よりは、「なつかしい! 好きだった!」と盛り上がる選曲を支持する。
繰り返すが、まっつ主演公演ならそんなことは思わない。マニアック上等だ。
でも、主演はまっつじゃない。えりたんの公演なんだ。えりたん主演ショーの中での調和、まっつをよく知らない人でも楽しめるようにすることが、重要だと思う。
他になにもめぼしいソロ曲を持たない人なら、仕方ない。
でも、「まっつといえば『BJ』だよね」と誰もが知る有名曲を手札に持っているんだ。
それを使わない手はないだろう。
コアなまっつファンじゃない、いろんな立ち位置の人みんなが納得の1曲。それが、「かわらぬ思い」@『BJ』。
BJのマントひとつでコスプレOK、金髪のまま前髪下ろして「かわらぬ思い」を歌いながら銀橋を渡る。
それが、まっつの「仕事」だと思った。
まっつ主体で考えてない。
わたしはヅカヲタで、ヅカのピラミッド制度を認めている。まっつの立ち位置ならば、そうするべきだと思った。
また、誰も知らない歌を歌って、客席が静かに引き気味になる、あの感覚を味わいたくなかった。
「まっつといえば『BJ』」だと誰もが思っているだろうに、それを裏切って客席がぽかーんになる、それだけは勘弁!
そう思っていたんだ。
トップ至上主義のヅカを愛する1ヅカヲタとして、客席に温かく見守られる贔屓を見たいとささやかなな願いを持つファンとして。
『壮一帆サヨナラショー』でまっつが歌っていい曲は、『BJ』だと、思っていた。
次善の案として、『インフィニティ』があった。
2012年のキムくんトップ時代、えりたん就任前の作品だから、相応しくないことはわかっている。
が、世の中的にまっつが『インフィニティ』という作品で主演したことぐらいは、知られているだろう。2年半前の作品であるため、テレビ放送も再三されているし。
実際に観劇した人が少なくても、『インフィニティ』の主題歌は「♪インフィニティ」となんども繰り返す曲だ。これならば、客席の大半が「知らない曲」だとしても「ああ、『インフィニティ』か」とわかる。
この「わかる」ことは重要。心の落ち着くところがあるかないかで、ノリが変わるもの。
また、ソロだけに留まらず、組子たちをまじえての明るいにぎやかな場面に出来る。
ショーを盛り上げるアイテムとして使える。
にぎやかで明るい、スパイスになる、という点において、ちょっとひねって『インフィニティ』のインドはありかなと思った。
「マッツマハラジャ」は、それがなにかわからない人でも、「まっつ」と名前が入っているので、「退団者のお祭り場面」としてギリギリセーフかなと。
燕尾にターバンひとつで「マッツマハラジャ」になるまっつと、やはり燕尾とドレス姿でインド人になりきる組子たちと相まって素敵にカオス! だと思う。(衣装は前後場面の関係で燕尾とドレスだと勝手に決めつけている)
こんだけいろいろ考えて、「サヨナラショーでまっつ、なにやると思う?」「銀橋でBJ歌って終了でしょ」と答えていた。
サヨナラショーにおいての、同時退団者の見せ場なんて、期待してない。主役はあくまでもトップさん。トップさんを支えることに徹して当然。
わたしが観たかったのは、まっつ主演公演だ。ドラマシティでもディナーショーでもいい。
サヨナラショーなんかどうでもいい、トップさんと同時だとチケット取れないし高いし、ふつうになにもない公演でDSやって辞めてくれる方が百万倍うれしい。
てゆーか辞めるのやめて。(まだ言う)
そんな感じだったんですよ。
だからね。
「愛の柩」でソロを歌いに出てきたまっつが、なんかすごくあわてていることが、異様で。
トップコンビのデュエットダンスに花を添えるソロ歌手、ですよ、すげー役ですよ、まっつがどんなに歌ウマでも劇団は絶対やらせてくれない、「将来のトップ候補3番手」か「2番手」役ですよ。
そんないい場面なのに、まっつ、すっげーあたふたしている。次の段取りに必死なのがわかる。
あわてて出てきて「はいはいはい!」って感じに歌って(そんな感じなのに、ものすげー美声!笑)、大あわてで引っ込む。
着ている衣装も、「下にナニか着てます! 次の用意してます!」てのが丸わかりのガウン……ぢゃねえ、ロングコート。
ナニこのばたばた感。
……と、思っていたら。
えりあゆがびしっと決めたあとの暗転した本舞台に、下手からすたすた歩いてくる、見慣れた小さな影。
大階段前、舞台センターにスタンバイする姿。
「スペイン」かよ!!
ついこの間、キキカレーが着ていたあのマタドール衣装で。
今まさにテレビで放送中、目新しくなくなってるあの衣装で。
うわこれ絶対みんな知らない、「まっつ、ナニはじめたの?!」って思ってる!
てゆーか「スペイン」ってけっこう長いよね? ありちゃんのソロがないとしても、歌とダンスソロでまるっと1場面だったわけだが、ソレをイマココ、『壮一帆サヨナラショー』でえんえん繰り広げる気? えソレいいの、ちょっとKYなんぢゃ……?!
さすがにそこまでぶっ飛ばすことはなく、短縮バージョンでした。ちぇっ。←
なんというか、ものすごく、「まっつ」でした。
そうよね、あのまっつが、空気読むわけないよねー。自分がやりたいことやるに決まってるよねー。
わかってた。うんほんとは、わかってた。
ただわたしはヅカヲタとして、「客観性を持ってプロデュースする」舞台人を観たかったんだ。
空気読んで、自分の役割を自覚して、穏便に済ます研17にもなるタカラジェンヌを観たかったんだな。
ソレが出来る人なら、今このタイミングで辞めないよなー。ははは。
そして。
客観性だとか空気だとかピラミッドだとか。
いろいろいろいろぬかしている、この理屈っぽい頭でっかちのこのわたしが。
全力で、まっつのこの選曲に感動した。
てへ。
えんえん文字数懸けて理屈こねてますが。
ようするに、コレが言いたいんだな。
『壮一帆サヨナラショー』のまっつが、すごかったっ!!
続く。